2021年6月 9日 (水曜日)

渡辺貞夫 with GJTのライヴ盤 『Carnaval』

このアルバムのリリースは1983年。当時からこのジャケット・デザイン、むっちゃチープで、ロン・カーター名義だったので、ジャケットにある参加ミュージシャンの名前も見ずにスルーしていた。どうやったら、こんなチープなデザインになるのかが判らない。で、最近、このジャケットにある参加ミュージシャンを見たら「SADAO WATANABE」とある。

他のメンバーの名前も書かれており、あれ、これって「グレート・ジャズ・トリオ(GJT)」じゃないの、と思い立った。貞夫さんとGJTと言えば、1970年代後半に幾つかの共演盤があって、もしかしたらその流れで録音されたのでは、と思い始めた。しかし、1983年のリリース。その近辺で貞夫さんとGJTの共演ってあったのかしら、と考えたが、思い当たる節が無い。

Ron Carter, Hank Jones, Sadao Watanabe, Tony Williams『Carnaval』(写真左)。1978年7月30日、東京田園コロシアムで開催された「Live Under the Sky」でのライヴ録音である。ちなみにパーソネルは、Sadao Watanabe (as), Hank Jones (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。なんと、1978年の「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」での、渡辺貞夫 with GJT のライヴ録音である。
 

Carnaval-with-gjt
 

ジャケットにビビらずに、ちゃんと聴けば良かった、と反省しながら一気聴きしたのだが、さすがに「渡辺貞夫 with GJT」である。趣味の良いハードバピッシュな「ワン・ホーン・カルテット」。決して懐古趣味に走らない、1970年代後半での「最先端」のハードバップな演奏がここに記録されている。

ライヴ・フェスだからといって、安易に聴衆に迎合していないのが、この「ワン・ホーン・カルテット」の隅に置けないところで、収録された曲が実に渋い。バップなアルト・サックスが根っこにあるフロントの貞夫さんを、GJTがしっかりフィーチャー出来る楽曲が並んでいる。演奏のテンポもライヴ・フェスなら、アップテンポのノリノリの演奏になりがちだが、この盤では地に足着いた堅実なテンポで、メンバーそれぞれが素敵で印象的なソロ・パフォーマンスを繰り広げている。

1970年代後半のライヴ・フェスなので、ピアノの音がエレピっぽかったり、ロンのベースがアタッチメントで電気的に増幅されて「ブヨンブヨン」と緩んだ音を出していたりするが、演奏されるフレーズは確かなもの。いやはや、なかなか充実した内容のライヴ盤である。完全に、このチープなジャケットに騙されたなあ(笑)。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》
 
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 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2021.03.06 更新

  ・Yes Songs Side C & Side D
      ・Yes Songs Side E & Side F

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2021.03.06 更新。

  ・浪花ロック『ぼちぼちいこか』
 
 
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2017年11月 2日 (木曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・65 『At The Village Vanguard』

The Great Jazz Trio (略してGJT)は、ハンク・ジョーンズがリーダーのピアノ・トリオのバンド名。1976年に結成、2010年5月、ハンク・ジョーンズが91歳で亡くなるまで続いた。ドラムのトニー・ウィリアムスの発案だったそうだ。ベースがロン・カーターなのは良く判る。ロンはトニーの親代わりであり兄貴分だからだ。しかし、なんでピアノはハンク・ジョーンズだったんだろう。

ハンク・ジョーンズは、スイングの時代からピアニスト。1918年生まれであるから、トニー・ウィリアムスと比べたら、37歳も歳の開きがある。これはもはや「親子」である。トニーやロンは当時、新主流派のメイン・ジャズメンで、演奏のスタイルも感覚も、ハンクとは全く異なった筈である。ぱっと見、完全なミスマッチだと思ってしまう。

が、これが全く違った。GJTは、1975年、ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードでデビュー。そして『At The Village Vanguard』(写真左)と『At The Village Vanguard Vol.2』(写真右)をリリースする。このライブ盤こそが、僕の「The Great Jazz Trio」との初めての出会いであった。1977年2月19-20日、NYの"Village Vanguard"でのライブ録音。

改めて、パーソネルは、Hank Jones (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。まずは、トニー・ウィリアムスの圧倒的迫力のドラミングに耳を奪われる。圧倒的な技術から生み出される高速ドラミング。バスドラを強調した力強い響き。そして、ロン・カーターの変幻自在、夢幻幽玄なベース・ワークがそれに絡む。新しい、時代の最先端を行くリズム&ビート。明らかに個性的。一度聴けば、これはトニーとロンと直ぐ判る。
 

At_the_village_vanguard

 
しかし、このライブ盤では、この二人が主役では無い。この若手の優秀な、ジャズの明日を担う人材は、自らの演奏力をリーダーのハンク・ジョーンズのピアノを惹き立たせる為に活用する。献身的なバッキング、献身的なリズム&ビート。そんな素晴らしいバックを得て、当時、ほぼ還暦を迎えつつあったハンク・ジョーンズが、彼の典雅で流麗で歌心満点、しっかりとしたタッチでのピアノが、当時、先端を行くモーダルなフレーズを叩き出して行くのだ。

爽快である。ファンクネス漂う、黒く典雅なハンクのピアノ。そこに、トニーとロンのリズム隊が当時の新しいジャズの息吹を吹き込む。このライブ音源では、完全に「良い方向での化学反応」が起きまくっている。それまでには全く無かったピアノ・トリオのパフォーマンスがこのライブ音源にぎっしりと詰まっている。聴いていて惚れ惚れする、新しい感覚のハンクのピアノ。

僕がこのライブ盤を手に入れたのは、ジャズを本格的に聴き始めて2年目。1980年のこと。LPに針を降ろした瞬間にスピーカーから出てくるトニーの攻撃的なドラミングに度肝を抜かれた。そして、変幻自在なロンのベースに耳を奪われる。しかし、最後には、ハンクのファンクネス漂う、黒く典雅なピアノに耳を持っていかれる。

改めて、今の耳で聴いてみると、1977年の時代に、これだけ先端を行く、思いっきり尖ったピアノ・トリオのパフォーマンスが存在したということに驚く。今の時代にでさえ、これだけテンション高く、ポジティブでアクティブなピアノ・トリオの演奏は、ほぼ見当たらない。それだけ、この時代のGJTは「良い方向での化学反応」を起こしまくっていた。好盤中の好盤である。
 
 
 
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2017年10月31日 (火曜日)

ハンク翁の「白鳥の歌」です 『Last Recording』

僕はこのピアニストがずっとお気に入りだった。ハンク・ジョーンズ(Hank Jones)。初めて聴いたアルバムが『At The Village Vanguard』。聴いた時期は1979年。それから約30年間。ずっとハンクのピアノを聴いてきた。高テクニックで典雅、流麗で歌心満点。派手なパフォーマンスとは全く無縁、それでいてタッチはしっかりとしている。

お気に入りのピアニストだったハンク・ジョーンズの「白鳥の歌」がこのアルバムになる。Hank Jones 〜 The Great Jazz Trio『Last Recording』(写真左)。2010年2月24日の録音。ちなみにパーソネルは、Hank Jones (p), David Wong (b), Lee Pearson (ds), Roy Hargrove (tp), Raymond Mcmorrin (ts)。

2010年5月16日に91歳で逝去したハンク率いるThe Great Jazz Trio(GJT)のラスト盤。しかし、この盤のハンクのプレイを聴く限り、この盤を録音した3ヶ月後に鬼籍に入るなど、全く想像も出来ない。どころか、この盤でのハンクのピアノは切れ味が良い。往年のハンクのピアノが甦っている様であり、これが生前最後のレコーディングだなんて、説明されないと判らないだろう。
 

Hank_jones_last_recording

 
ハーグローブのトランペット、マクモリンのテナーも好調。それもそのはずで、伴奏上手のハンクのテクニックが遺憾なく発揮されている。ハーグローブやマクモリンのブロウの個性を読み取って、フロントの管が吹きやすいように吹きやすいように、伴奏を紡ぎ上げていく。ロングのベース、ピアソンのドラムもハンクのピアノと相性バッチリで、聴いていて本当に心地良い伴奏だ。

選曲はスタンダード曲が中心。どれもが結構有名なスタンダード曲なんだが、何故か飽きを感じることは無い。ハンクのアプローチが新鮮なのだろう。このピアニストは91歳で鬼籍に入るまで、手を抜くなんてこととは全く無縁な、誠実で真摯なピアニストだった。同じスタンダード曲の演奏でも、アプローチが同じ手口になることは無かったと記憶する。

亡くなる直前の切れ味良いプレイが素晴らしい。常に新しい感覚、若い感覚を維持した、とびきりのレジェンドであった。ジャズの歴史と共に歩んだ音楽人生であり、暗記しているスタンダード曲は1000曲以上とも言われ、敬愛の念をもって「ミスター・スタンダード」と呼ばれたピアニスト。鬼籍に入って、既に7年以上の年月が過ぎ去ったが、彼のプレイを聴くと、未だに無念の気持ちが甦ってくる。本当に素晴らしいピアニストだった。
 
 
 
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2015年8月31日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・66 『Chapter II』

1970年代半ばから後半に渡って活動した「The Great Jazz Trio(以降GJTと略す)」は、ベースにロン・カーター、ドラムにトニー・ウィリアムス、そして、リーダーが、ピアノのハンク・ジョーンズ。リーダーのハンクとドラムのトニーとは親子くらいに歳が違う。

しかし、そんな異色の取り合わせではあったが、出てくる音は当時最先端のメインストリーム・ジャズの音だった。特に、当時57歳だったバップ・ピアニストだったハンクが、ここまでモーダルに、ここまで自由度を上げたハードバップなピアノを弾きまくるとは思わなかった。とにかくテンション高く、切れ味抜群なピアノ・トリオだった。

このハンク、ロン、トニーのGJTを解散し、第2期のGJTが結成された。1980年6月のことである。パーソネルは、リーダーのHank Jones (p) は変わらず、Eddie Gómez (b), Al Foster (ds) のトリオ構成。

ベースのゴメスは幅広い音楽性、幅広い適応力が持ち味。「エディ・ゴメスは弦に世界を持つ」と賞賛されるほどである。そして、アルはあの帝王マイルスが「みんなが好きなことを演奏できるリズム・パターンを設定して、そのグルーヴを永遠に保つことの出来るドラマー」と称賛する(Wikipediaより抜粋)ほどのドラマー。

しかし、この第2期のGJTのデビュー盤を聴くと、ピアノ・トリオと言うが、トリオの組合せとコンセプトを変えるだけで、これほどまでに音が変わるのか、と感心してしまう。そのデビュー盤とは、The Great Jazz Trio『Chapter II』(写真左)。1980年6月の録音。

あの第1期GJTの当時最先端のテンション高く、切れ味抜群なメインストリーム・ジャズが、一転、ポップで典雅なピアノ・トリオに変身している。イースト・ウィンドという日本のレーベル側からの要請もあったとのことだが、GJTの名前を使うことに違和感を覚えるほどに、GJTの音はこの第2期でガラッと変わった。
 

Chapter_ii

 
ポップで聴き易い、ややもすればイージーリスニング・ジャズにも取られそうな、ギリギリ「メインストリーム・ジャズ」の音展開を行く第2期GJTではあるが、良く聴き込めば、これはこれでなかなか良いピアノ・トリオなのだ。

まず、ドラムのアル・フォスターが凄い。確かにあの帝王マイルスが絶賛するだけある。ハンクの典雅なタッチ明快なピアノを意識した、しなやかなリズム&ビートを供給する。これが実に良い。決して、ピアノの前に出しゃばることは無いが、しっかりとハンクのピアノを際立たせ、サポートする。うむむ、素晴らしいドラミングに思わず聴き込む。

ゴメスのベースは弦の音が明快。硬質で粘りのある、ハッキリとした音の塊がブンブン唸りを上げてベース・ラインを形作る。このゴメスのベースがピアノ・トリオに躍動感を与え、明確で聴き易く典雅なピアノ・トリオに彩りを添える。

ハンクのピアノはあくまで典雅。タッチは明確、旋律はメロディアス。左手のビートは黒くファンキー。曲によってはエレピを披露するが、これはこれでやはり典雅。実に粋で趣味の良いジャズ・ピアノ。聴き味良く耳に馴染む。ハンクにはハードバップなピアノが良く似合う。

イースト・ウィンドという日本のレーベル側からの要請に乗った企画盤、企画的なピアノ・トリオではあるが、このトリオのパーソネルの組合せが良かった。日本のレーベルの企画ものにありがちな、頭でっかちのハードバップに陥らず、いわゆる「良い化学反応」が、このピアノ・トリオに起こっている。

ジャズって面白いですね。ジャズは「組合せの妙」とは言うが、このThe Great Jazz Trio『Chapter II』はその好例。このパーソネルのピアノ・トリオから、このアルバムの様な音が出てくるなんて、アルバムを聴くまで、想像すら出来ませんでした。
 
 
 
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2015年4月25日 (土曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・45 『Milestones』

まず、ジャケットが良い。高速道路の標識のようなデザイン。そこに、トリオ名とアルバム・タイトルがあしらわれている。一言で言うと「格好良い」。スッキリ格好良いジャケットに惚れ惚れする。ジャズにおいて、ジャケットが優れているアルバムに駄盤は無い。

このアルバムは、The Great Jazz Trio『Milestones』(写真左)。1970年代後半、一世を風靡したピアノ・トリオ、グレート・ジャズ・トリオのスタジオ録音盤。1978年4月5日の録音。パーソネルは、当然、Hank Jones (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)の3人。

収録曲は以下の通り。有名なジャズ・スタンダード曲から、ミュージシャンズ・チューンの玄人好みの曲から、ボサノバの名曲まで、耳当たりの良い曲がズラリと並ぶ。うるさ型のジャズ者ベテランの型からすれば、この収録曲を見ただけで、通り一遍のどこにでもあるような、ジャズ・スタンダードをピラピラ弾き回すピアノ・トリオの企画盤を想起して、この盤はパスするだろうな。

1. Milestones
2. Lush Life
3. Wave
4. Eighty-One
5. I Remember Clifford
6. Hormone
7. Mr. Biko
 

Gjt_miletones

 
しかし、このグレード・ジャズ・トリオは、そんな通り一遍な、どこにもであるようなトリオ演奏はしない。冒頭の「Milestones」を聴けば、それが良く判る。有名なコード・イントロのテンションからして、普通のトリオ演奏とは違う。トニーのドラミングのテンションが半端では無い。そこに、ハンクのピアノのコード・イントロが被さる。ハンクのタッチのテンションも半端では無い。

アドリブ部の展開になると、これがまた、創造力豊かな展開に思わず「唸る」。ピアノのタッチは典雅、ドラミングはテンション高く、ベースはガッチリとアドリブ展開の底を支える。このトリオ演奏は「Milestones」の演奏の最高のもののひとつだろう。5分18秒があっと言う間に過ぎ去る。 

甘くなりそうな、ボサノバ名曲の「Wave」も凛としていて聴き応え十分。ウェットでベタベタな「I Remember Clifford」も、ピアノ・トリオで、こういうアレンジでやれば、静謐感と繊細感が増して、良い意味でセンシティブな展開に思わず「おおっ」と身を乗り出す。

良いピアノ・トリオ盤です。いままで、唯一、1回だけ見たことがありますが、優秀なピアノ・トリオ盤の紹介に、この盤の名前が挙がることは殆どありません。有名なジャズ・スタンダード曲から、ミュージシャンズ・チューンの玄人好みの曲から、ボサノバの名曲まで、耳当たりの良い曲で占められているからでしょうか。

でも、それは「聴かず嫌い」としか言いようがありません。やはり、ジャズは自分の耳で聴いて、自分の感性で判断することが大切ですね。
 
 
 
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2015年4月 3日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・60 『New Wine In Old Bottles』

ジャズのアルバムには、歴史的名盤とか定盤なんかでは無いんだけれど、ジャズの紹介本とか雑誌の名盤コーナーに、その名が挙がったりはしないんだけど、何故かその内容が気に入って、何故かずっと愛聴しているアルバムがある。 

僕にとってのそんな一枚がこれ。Jackie McLean With The Great Jazz Trio『New Wine In Old Bottles』(写真左)。1970年代、メインストリーム・ジャズを扱った日本の伝説的レーベル「East Wind」からのリリース。 1978年4月の録音。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Ron Carter (b),  Tony Williams (ds), Hank Jones (p)。

1970年代後半、一世を風靡したメインストリーム・ジャズ・トリオ、ハンク・ジョーンズ率いる「グレイト・ジャズ・トリオ」をバックに、アルトのジャキー・マクリーンが吹きまくるという、いわゆる企画盤。しかも、1978年という、フュージョン全盛期の中でのメインストリーム・ジャズ。

これがまあ、実に気持ちの良い内容なんですね。懐古趣味が前提のメインストリーム・ジャズでは無いところが素晴らしい。このアルバムを制作した4人のジャズメンの矜持を強く感じる。まずはリズム・セクションを司る「グレイト・ジャズ・トリオ」の音が新しい。1970年代後半、最先端のメインストリーム・ジャズの響きを感じる。

そして、フロントのワンホーン、アルトのマクリーンが良い。最初の「Appointment In Ghana Again」でのマクリーンはちょっと大人しい。しかも、1950年代後半から1960年代のちょっとピッチが外れたストレートな音で、バリバリ吹きまくる姿とはちょっと違った、お行儀の良い、ピッチのほぼあったマクリーンがここにいる。
 

New_wine_in_old_bottles

 
マクリーン、衰えたかと危惧するが、どうして、2曲目の「It Never Entered My Mind」から走り始める。お行儀が良くなった、と感じるのは、年齢相応の落ち着きが備わったから。ピッチがほぼ合った感じなのは、テクニックが備わり、端正なインプロビゼーションが展開できる様になったから。アルト奏者として成熟したマクリーンを感じることが出来るのだ。

この成熟した落ち着いたマクリーンを「カンが戻らずにイマイチ」という評価もあるが、それはちょっと違うだろう。1950年代後半から1960年代のマクリーンは、若さと勢いに任せて、ピッチが少し外れようが、ポジティブにバリバリ吹きまくった。それはそれで良いことなんだが、じゃあ、それがマクリーンの絶対的スタイルかと言えば、そうでは無い。

1970年代後半、マクリーンのアルトは成熟した。落ちついた余裕のある吹き回しが、実に魅力的なんだが、そんな成熟したマクリーンのアルトを、この『New Wine In Old Bottles』では、心ゆくまで堪能することが出来るのだ。

バックを司る「グレイト・ジャズ・トリオ」のパフォーマンスは申し分無い。「グレイト・ジャズ・トリオ」の演奏としては、彼らのキャリアの後期に位置する、トリオとして十分にこなれた、十分に成熟したパフォーマンスである。じっくりと聴けば聴くほど、その良さがどんどん深く広く理解出来る、実に味のあるパフォーマンスである。

アルバム・ジャケットも魅力的。港の桟橋、お洒落な街灯、真っ赤なウィンチ。計算されたような桟橋の配置、海の部分と桟橋の部分との割合。どれもが新しいデザイン・コンセプト。そして、その盤の中に詰まっているジャズは、1978年当時の最先端のメインストリーム・ジャズ。良い盤です。
 
 
 
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2015年3月26日 (木曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・44 『Direct From L.A.』

こういうアルバムは聴いていて、文句無しに楽しい。加えて音が良い。これまた、文句無しに楽しい。しかも、こんな純ジャズなアルバムが、1977年10月に録音されていたんだから、米国の音楽シーンは懐が深い。

そのアルバムとは、The Great Jazz Trio『Direct From L.A.』(写真左)。The Great Jazz Trio(以下GJTと略す)は、Hank Jones (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds) の3人の名うてのジャズ職人で構成されたピアノ・トリオ。

新主流派の最先端を走っていたベースのロンとドラムのトニーはともかく、この当時ジャズ界の先端を行くピアノ・トリオの主役、ピアノを担うのが、当時、既にベテランの域に達していたハンク・ジョーンズである。このGJTの演奏を聴く前には、どう想像したって、ハンクのピアノは時代遅れの音なんだろうな、って思ってしまう。

それじゃあ、なんで新主流派の最先端を走っていたベースのロンとドラムのトニーが、このベテラン、ハンク・ジョーンズと組んで、ピアノ・トリオとして演奏を繰り広げたのか、が判らない。日本のジャズレーベル独特の、ギャラを積んで一流ジャズメンを呼んだ、趣味の悪い企画セッションなのかと勘ぐったりする。

しかも、このアルバムの収録曲が「Night In Tunisia」「Round Midnight」「Satin Doll」「My Funny Valentine」の4曲。それも超有名なジャズ・スタンダード曲ばかり。これだけ超有名なジャズ・スタンダード曲を並べられると、胡散臭さに拍車がかかる。大丈夫なのか、このアルバムとも思う。
 

Gjt_direct_from_la

 
しかし、一旦、このアルバムを聴き始めると、まずは思わずビックリ。聴き耳を立て始め、1曲目の「Night In Tunisia」のアドリブ部の展開の頃には、ドップリとこのアルバムの演奏に聴き入っている。

まず、時代遅れの音なんでしょう、と思っていたハンクのピアノが素晴らしく創造的で先鋭的。実に尖った当時最先端のモダンジャズなピアノの響きである。確かにタッチはハンクの典雅なタッチ。しかし、そのインプロビゼーションの展開はダイナミックで緊張感溢れる先鋭的なもの。

逆にそんな先鋭的なハンクのピアノに煽られて、ロンのベースがモーダルにブンブン唸りを上げ、トニーのドラムがマシンガンのように打ち付けられ、時にハイハットが飛翔する。凄まじいばかりのリズム&ビートのうねり。その「うねり」に乗じて、ハンクのピアノがスリリングなアドリブ・フレーズを展開する。

恐らく、この『Direct From L.A.』というアルバム、GJTのスタジオ録音の中でも出色の出来でしょう。収録時間は、LP時代のダイレクト・カッティングのアルバムなので、全体で29分弱と短いが、そんな短さが全く気にならない位に、このアルバムに収録された演奏は相当に充実している。

疾走感とスイング感を両立させつつ、ダイナミックな表現とセンシティブな表現を共存させる。そんな大変モダンなピアノ・トリオを実現しているところが凄いですね。全くもって脱帽です。ピアノ・トリオの常識を覆す斬新な演奏は今の耳にも新鮮に響きます。
 
 
 
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2014年2月19日 (水曜日)

GJTのヘビロテ盤の『K.J.L.H.』

やはり、ピアノ・トリオは良い。現代では、ピアノ・ベース・ドラムというセットが基本形。同じセットだと音も同じだ、と思ってしまうのだが、ジャズではこれがそうはならない。様々なジャズメンとの組合せの数だけ、音の個性がある。

ということで、どのピアノ・トリオをとっても、異なる個性を愛でることが出来るのがジャズの良いところ。僕は、ピアノ・ベース・ドラム、それぞれの楽器のお気に入りのジャズメンに注目して、そのトリオとしての組合せを楽しむことが中心になる。

そんな楽しみ方の中で、1970年代後半、ジャズを聴き始めてまだ3年位でお気に入りになったのが、The Great Jazz Trio(以降、GJTと略)。パーソネルは、Hank Jones (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。

1918年7月生まれで最年長のピアノのハンク・ジョーンズと、1945年12月生まれで最年少のトニー・ウィリアムスとの年齢差は「27歳」。真ん中のロン・カーターが1937年5月生まれだから、ハンクとの年齢差は「19歳」で、トニーとの年齢差は「8歳」。

年長の兄貴格のロンと弟格のトニー、その二人に君臨する父親格のハンクという図式になる。しかしながら、このGJT、発案は一番年下のトニー・ウィリアムス。マイルス・バンド出身、当時、ジャズ界で先進的なリズム&ビートの担い手であったロン&トニーと、モダンかつ典雅なタッチが個性のベテラン、ハンクのピアノの組合せが実に新鮮だった。

先進的なリズム&ビートの担い手、特にトニーのドラミングに触発された、ハンクのコンテンポラリー、スインギーかつバイタルなピアノが際立っていた。あの典雅で端正なハンクのピアノが、当時のジャズ界の最先端、モーダルで限りなくフリーに近いコンテンポラリーなタッチに変化して、ガンガン弾きまくるのだ。それでいて、どこか「典雅で端正な響き」を宿したところが堪らない。
 

Gjt_kjlh

 
そんなGJTの個性を心ゆくまで愛でることの出来るアルバムが、スタジオ録音第2弾だった『K.J.L.H.』(写真)。1977年10月の録音。ちなみに「K.J.L.H.」とは、"Kindness, Joy, Love & Happiness"を略したFMラジオ局のこと。とにかく、ジャケットが粋で格好良い(LPサイズだとなお迫力が出る)、僕にとっても、この『K.J.L.H.』は、GJTのヘビロテ盤の一枚。

このアルバムに収められた7曲は、今では恐らくほとんどのJazzファンには馴染みの深い、いずれも有名なスタンダード・ナンバーではあるが、どちらかと言えば、メカニカルで「ミュージシャンズ・チューン」的な、演奏者としてやって楽しいナンバーがチョイスされている。

これがまあ、どの曲も聴いていて楽しいこと楽しいこと。このGJTの個性である、ジャズ界で先進的なリズム&ビートの担い手であったロン&トニーのリズム&ビートに触発されて、どこか「典雅で端正な響き」を宿しつつ、モーダルで限りなくフリーに近いコンテンポラリーなタッチでガンガン弾きまくるハンクが「むっちゃ格好良い」。

トニーなぞ、喜々として全面に押し出て、バリバリに叩きまくっているのだが、それに触発されたモーダルで限りなくフリーに近いコンテンポラリーなハンクのタッチの方がより全面に押し出て、明らかに「目立っている」。ロンはその間に立って、どちらかと言えば、トニーのドラミングを柔らかくコントロールしている感じ。

このハンク、トニー、ロンのトリオの音がとにかく個性的なんですね。それまでに無かった響きでしたし、今の耳で振り返っても、唯一無二な響きを宿していて、それはそれは素晴らしい演奏を繰り広げています。録音も優秀。独特の個性で聴き応え満点、飽きの来ないピアノ・トリオの佳作です。
 
 
 
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2010年7月26日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・21 『Love For Sale』

The Great Jazz Trio と言えば、ハンク・ジョーンズ (p)、ロン・カーター (b)、トニー・ウイリアムス (ds) のベテランピアニスト+中堅ジャズメン2人によるトリオ、となる。代表作としては、『At the Village Vanguard』3部作。

僕は、トニー・ウイリアムスの「ど派手」なドラミングについては、そんなに問題とは思っていない。ハードバップなドラミングを「ど派手」な方向に最大限に振ったら、トニー・ウィリアムスの様なドラミングになるだろう、と思う。

しかし、アタッチメントを付けて電気ベースの様な音に増幅された、ロンの「ドローン、ベローン」と間延びして、締まりの無いベース音が、どうしても好きになれない。しかも、ピッチが合っていない。せめて、楽器のチューニングはちゃんとして欲しい。気持ち悪くて仕方が無い(1990年代以降は徐々に改善されていくのだが・・・)。

よって、ハンク・ジョーンズのベテラン的な味のあるバップ・ピアノとトニー・ウイリアムスの「ど派手」なハードバップ・ドラミングは良いとして、ベースのロン・カーターのベースを何とかしてくれ、と思ったことが何度あったことか(笑)。が、これが「ある」から面白い。

1976年5月録音、The Great Jazz Trio単独名義のファースト・アルバムは『Love For Sale』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Hank Jones (p), Buster Williams (b), Tony Williams (ds)。なんと、ベースは、バスター・ウィリアムスなんですね〜。渡辺貞夫との共演盤でのThe Great Jazz Trioのベーシストは、ロン・カーターなんですけどね〜。つまり、ベーシストは固まっていなかったってこと。

このバスター・ウィリアムスのベースが実に良いんですよ。ブンブンと引き締まった重低音を、しっかりとピッチの合ったベースラインを、自然な生ベースの音を、実にアコースティックに聴かせてくれる。
 

Gjt_love_for_sale

 
ハンク・ジョーンズのベテラン的な味のあるバップ・ピアノとトニー・ウイリアムスの「ど派手」なハードバップ・ドラミング、そして、バスター・ウィリアムスの「しっかりとピッチの合った」ブンブンと引き締まったベース。これぞ、ピアノ・トリオって感じ。

僕は、このバスター・ウィリアムスがベースの The Great Jazz Trio を愛して止まない。けれど、この1976年5月録音の『Love For Sale』の一枚しか、このトリオでの The Great Jazz Trio の録音が無い。これが実に残念でならない。

ベースがバスター・ウィリアムスで、ビシッと決まっているお陰で、トニー・ウィリアムスのドラミングの素晴らしさが浮き出てくる。彼のドラミングは単に「ど派手」なだけではない。伝統的なハードバップ的なドラミングを、当時最新のドラミング・テクニックで再構築しており、実に斬新的な響きのするハードバップ・ドラミングが実に新しい。

確かに「すべっている」部分もあるが、ここでのトニーのドラミングは「温故知新」。伝統的なハードバップ・ドラミングを最新の語法で、従来の4ビートのセオリーを打ち破って、1980年代以降のハードバップ復古の時代に続く、新しいハードバップ・ドラミングを提示しているところが凄い。

このアルバムでは有名なスタンダード・ナンバーを中心に演奏していますが、これがまた新しい響きを宿していて、ハンク・ジョーンズ侮り難しである。従来と異なったアレンジを採用したり、トニーとウィリアムスのバッキングを前面に押し出して、従来のハードバップなアプローチを覆してみたり、従来のスタンダード解釈に囚われない、そこはかとなく斬新なアプローチが、今の耳にも心地良く響く。

とにかく、従来のハードバップに囚われず、逆に、トニーとウィリアムスの協力を得て、新しいハードバップな響きを獲得しているところが実に「ニクイ」。

良いアルバムです。良いピアノ・トリオです。The Great Jazz Trioの諸作の中では、あまり話題に挙がらないアルバムですが、このアルバム、結構、イケてると思います。バーチャル音楽喫茶『松和』では、結構、ちょくちょくかかる、松和のマスターお気に入りの一枚です。
 
 
 
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2010年5月21日 (金曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・14 『At The Village Vanguard Again』

ピアノ・トリオの代表的名盤の第14回目である。強がっていても、まだまだハンク・ジョーンズの訃報のショックが癒えない松和のマスター。今回のピアノ・トリオの代表的名盤は、当然、ハンク・ジョーンズ中心に攻めてみたい。

ハンク・ジョーンズの優れたピアノ・トリオは数々あるが、やはり一番あちらこちらのジャズアルバム紹介本に挙げられる回数が一番多いのは、The Great Jazz Trio名義の諸作だろう。特に、必ずと言って良いほど挙げられるアルバムが『At the Village Vanguard』と『At the Village Vanguard Vol.2』。ハンク・ジョーンズ、ロン・カーター、トニー・ウイリアムスのベテランジャズマンによるトリオ。

が、しかし、今回、ハンク・ジョーンズの訃報に接して、様々なブログでハンク・ジョーンズ追悼の意を中心としたコメントが多々アップされたが、この『At the Village Vanguard』シリーズ、評判が良いコメントと評判の良くないコメントが相半ば。う〜ん、判るような気がするなあ。

恐らく、トニー・ウイリアムスの「ど派手」なドラミングが好きなジャズ者の方々には、この『At the Village Vanguard』シリーズについては、概ね評判が良い。しかし、意外とハンク・ジョーンズのピアノの素晴らしさに言及しているコメントが少ないのが残念。

逆に『At the Village Vanguard』シリーズについて、あまり芳しいコメントをしていないジャズ者の方々は、ハンク・ジョーンズのピアノより、元マイルス5重奏団のトニーとロンにビ・バップ時代からの大ベテラン・ピアニストであるハンクが組んだという、ちょっと「アンマッチで」コマーシャルな話題を優先した、しかも、トニーの大向こうを張った「ど派手」なドラミングと、アタッチメントを付けて電気ベースの様な音に増幅されたロンのベース音を全面に押し出した、いかにも、という感じの話題優先的なアルバムの内容を問題視している。

いや〜、皆さんの言うことはとても良く判る。やはり、当たり前にリーダーのハンク・ジョーンズのピアノが最優先とした時、この『At the Village Vanguard』シリーズの2枚は、やはり出来が良いアルバムとは言えない。トニーの斬新的な「怒濤のデジタル的」なバップ・ドラミングは「ど派手」で話題性はあるが、決して、リーダーのハンク・ジョーンズのピアノをしっかりと支え引き立てるバップ・ドラミングとは言えない。誤解を恐れずに言うと、これだけ我が儘に全面に出たバップ・ドラミングはあり得ない。トニーのリズムセクションとしてのセンスを疑ってしまう。

僕は、このハンク・ジョーンズ、ロン・カーター、トニー・ウイリアムスのThe Great Jazz Trioは、トニーにとっての「ビ・バップ」的な、「ハード・バップ」的なドラミングの習得の場、鍛錬の場だったような気がしている。トニーがデビューした時、ジャズ界の最先端は「モード」。トニーはモードの申し子的なドラミングが素晴らしかったが、トニーはビ・バップ的な、ハード・バップ的なドラミングが最先端の時代は、ジャズ界に存在していなかった。
 

Village_again

 
じゃあ『At the Village Vanguard』シリーズは、ハンク・ジョーンズとして、ピアノ・トリオの代表的名盤となり得ないかと言えば、そうではなかった。1998年11月、唐突に登場したThe Great Jazz TrioのVillage Vanguardでのライヴ盤、その名も『At The Village Vanguard Again』(写真左)。そう、あの傑作ライヴ『At The Village Vanguard』と『同 Vol.2』の未発表テイクで、今までお蔵入りになっていたもの。

これが、リーダーのハンク・ジョーンズのピアノが最優先とした時、ハンク・ジョーンズとして、ピアノ・トリオの代表的名盤の一枚として挙げに足る、ハンク・ジョーンズのピアノとして優れた内容の『At The Village Vanguard Again』。

まず、選曲が良い。以下を見て頂きたい。ジャズ・スタンダード曲がズラリ。

1. Hi-Fly
2. Sophisticated Lady
3. Softly as in a Morning Sunrise
4. Wave
5. My Funny Valentine

ハンクのピアノが実に良い出来です。そして、トニーのドラムとロンのベースは、先にリリースされた『At The Village Vanguard』と『同 Vol.2』と比べれば地味なんですが、演奏の出来は素晴らしいですよ。ハンクをリーダーとしてThe Great Jazz Trioを評価するならば、このアルバムのトニーとロンは実に素晴らしいバッキングを提供していると言えます。この実直なドラムとベースのバッキングを得て、ハンクのピアノは実にリラックスして、実に弾き易い雰囲気で、味のある小粋なインプロビゼーションを聴かせてくれます。

私としては、ハンクをリーダーとしてThe Great Jazz Trioを評価するならば、『At The Village Vanguard』と『同 Vol.2』は、あまり良い内容とは思いません。しかし、1998年11月、唐突に登場した『At The Village Vanguard Again』は違います。ハンクをリーダーとしてThe Great Jazz Trioを評価するならば、この『At The Village Vanguard Again』は、ハンクのピアノ・トリオの代表的名盤として、十分評価できる内容だと思います。

でも、この音源がお蔵入りとはなあ。当時のレコード会社と担当レーベルの感性を疑いたくなりますね〜。でも、1998年11月、唐突に登場してくれて良かった。『At The Village Vanguard Again』の存在は、『At The Village Vanguard』と『同 Vol.2』も含めて、『At the Village Vanguard』シリーズについては、ハンク、ロン、トニーのThe Great Jazz Trioの名盤としても、僕は評価することが出来る様になりました。目出度し目出度し(笑)。
 
 
 
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