2026年5月10日 (日曜日)

ジャズ・ファンクを走るファレル

CTIレーベルに来て、正統派クロスオーバー・ジャズなアルバムを制作してきたジョー・ファレル。よりファンキーな路線へと舵を切ったCTI第4作目が『Penny Arcade』。そして、CTI第5作目である。より骨太でロック色の強いフュージョン・サウンドへの傾倒が色濃い、ジャズ・ロック/ジャズ・ファンクの好盤である。

Joe Farrell『Upon This Rock』(写真左)。1973年10月, 1974年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Joe Farrell (ts, ss, fl), Joe Beck (g), Herb Bushler (b), Jimmy Madison (ds)。ゲストに、Steve Gadd (ds, on "I Won't Be Back"), Herbie Hancock (p, on "I Won't Be Back"), Don Alias (conga, on "I Won't Be Back")。全4曲で構成され、ジャズの即興性とロックのダイナミズムが高度に融合したクロスオーバー・ジャズである。

1作目"Penny Arcade" 、2作目 "Upon This Rock" 、3作目 "Canned Funk" の三作品は、ギターにジョー・ベックを入れてかなりファンク色の強い演奏をしている。その2作目である。この作品の実質的な「共同リーダー」とも称されるギタリスト、ジョー・ベックの存在感が非常に大きいのが特徴。ジョー・ベックのファンキー・エレギを抜きにして、この盤は語れない。
 

Joe-farrellupon-this-rock

 
1曲目「Weathervane」は、挨拶代わりの1曲。ファレルとジョー・ベックによる高速のユニゾン・フレーズが印象的な、マハヴィシュヌ・オーケストラを彷彿とさせる緊張感あふれるジャズ・ロック。3曲目のタイトル曲「Upon This Rock」が、強烈な、このアルバムのハイライト。強靱なドラム・ブレイクで幕が開き、ファレルの力強いテナー・サックスとジョー・ベックの歪んだギターのユニゾン&インタープレイが凄まじい。

2曲目の「I Won't Be Back」だけが、他の3曲と雰囲気、音が違う。それもそのはず、この曲については、前作『Penny Arcade』と同じセッションで録音された曲。ハービー・ハンコックとスティーヴ・ガッドが参加しており、ラテン調の軽快なリズムに乗せた優雅なファレルのフルート・ソロが楽しめる。後のフュージョン・サウンドを先取りした様な、アーバンでメロウでファンキーなサウンドは意外と癖になる。

ラストの「Seven Seas」は、ジャズ・ファンク・チューン。ファレルのテナーもベックのエレギも、どっぷりジャズ・ファンク。ファンキーな路線へと舵を切ったファレルの最終到達点の様な演奏。全4曲を聴いて、ファレルの目指したもの、それは、ジャズとロックの融合によるクロスーオーバーなジャズ・ファンク。これはこれで、ちゃんとした成果を上げていると僕は思う。
 
 

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2026年5月 9日 (土曜日)

ジャズ・ファンクのファレルです

チック・コリア率いる第1期リターン・トゥ・フォーエヴァーのメンバーとしても知られるサックス&フルート奏者のジョー・ファレル。それまで、CTIレーベルに来て、正統派クロスオーバー・ジャズなアルバムを制作してきたが、この盤は、よりファンキーな路線へと舵を切ったCTI第4作目。

Joe Farrell『Penny Arcade』(写真左)。1973年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Joe Farrell (ts, ss, fl, piccolo), Joe Beck (g), Herbie Hancock (p), Herb Bushler (b), Steve Gadd (ds), Don Alias (conga)。ジョー・ファレルが伝統的なジャズからジャズ・ファンク〜ジャズ・ロックへと転換した、エポックメイキングな作品。

冒頭のタイトル曲「Penny Arcade」から、ジャズ・ファンク全開。ジョー・ベックのギターリフが完璧にジャズ・ファンクしていて、演奏全体にファンクネス蔓延。続くスティーヴィー・ワンダーのカバー曲「Too High」は、もともと曲自体が、R&Bの名曲なんで、冒頭から、どっぷりジャズ・ファンク。
 

Joe-farrellpenny-arcade

 
13分を超える白熱のジャム。ファレルはソプラノ・サックスで、複雑なメロディを自在に吹きこなし、とてもエモーショナルな吹き回し。そのファレルのソプラノ・サックスに、ハービー・ハンコックが、原曲のクラビネットをエレピ(フェンダー・ローズ)に置き換え、うねるようなソロで絡みに絡む。このスティーヴィー曲のカバーでのハンコックのエレピのソロは絶品である。

続く「Hurricane Jane」では、7/4拍子という変拍子ながら、スティーヴ・ガッドの強烈なドラミングがエグい。そこに、ハンコックのエレピが、ジャズ・ファンクよろしく、どっぷりファンキーに絡んで、その上でファレルがファンクにモーダルにサックスを吹きまくる。この雰囲気って、どこか、ハンコックのジャズ・ファンクの歴史的名盤『Head Hunters』を想起する。

ラス前の「Cloud Cream」と。ラストの「Geo Blue」は、アーバンでメロウな雰囲気のムーディーな演奏で、ジャズ・ファンクというよりは、これこそフュージョン・ジャズである。最後の2曲が、それまでの圧倒的な「ジャズ・ファンク大会」な雰囲気をクールダウンさせているところで、ちょっと損をしている。それでも、この盤、当時のジャズ・ファンクの好盤としてお勧めである。
 
 

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