2026年4月 1日 (水曜日)

ガボール・ザボのCTI第2弾

ガボール・ザボは、1936年生まれのハンガリー出身のギタリスト。ジプシー特有のフィーリングのプレイが特徴。不思議な響きと不思議なフレーズを持ったギター。

従来のスタンダードな、ジャズ・ギターの音色がしないし、展開やフレーズも、従来のジャズ・ギターの伝統を全く引き継いでいない。ちょっとマイナーな響きが特徴。このマイナーな哀愁たっぷりなギターを捉えて「ジプシー・ギター」と形容する人もいる。

Gabor Szabo『Rambler』(写真左)。1973年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Gábor Szabó (g), Bob James (p, org, syn), Mike Wofford (el-p), Wolfgang Melz (b), Bobby Morin (ds), Unknown (perc)。

タイトル邦題「放浪者」をテーマに、ストーリー性を持たせた内容の企画盤。ボブ・ジェームスが「音楽スーパーバイザー」を担った、クロスオーバー志向のエレ・ジャズ。CTIレーベルにおけるグルーヴィーでメロウな、クロスオーバー志向のソウル・ジャズと形容してもよい、ユニークな内容のCTI盤。

欧州の、東欧のローカルな響きが耳新しい、哀愁感を強く帯びた、テクニック優秀なジャズ・ギターが相変わらず炸裂している、CTIレーベルでの第2弾である。
 
Gabor-szaborambler  
 
アルバム全体の雰囲気は、ポップで流麗な、ちょっと、イージーリスニング志向を意識した音作りになっている。フュージョンの様な「ソフト&メロウ」まではいかないまでも、メロウな雰囲気の静かな曲は、フュージョンの先駆けと言えるのではないか。

それでも、ザボのギターは、個性的な、国籍不明、ジャンル不明な、硬質でロックっぽい、ちょっと「ヘタウマ」なギターのままで、ただ、弾き紡ぐフレーズは、判り易く、チャッチーで明るい哀愁感をまとった、ポップなフレーズに変化している。これは明らかに、CTIの総帥プロデューサーのクリード・テイラーの志向ではないだろうか。

タイトでグルーヴィーなリズムセクションとザボ節のギターが絡み合うジャズ・ファンクな、冒頭のタイトル曲「Rambler」、ジプシー・ギターの神様、ジャンゴ・ラインハルトに捧げた「Reinhardt」を中心に、メロウな曲を効果的に挟んだ、メリハリのある収録曲の構成が意外と填まっている。

ポップ化が進んだガボール・ザボのクロスオーバー・サウンド。ここでも、ボブ・ジェームスのアレンジと、音楽スーパーバイザーとしての役割が好要素として効いている。
 
 

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2026年3月22日 (日曜日)

ガボール・ザボのCTI第一弾

Gabor Szabo(ガボール・ザボ)のギター。ガボール・ザボって1936年生まれのハンガリー出身のギタリスト。ジプシー特有のフィーリングのプレイが特徴。不思議なギターである。

従来のスタンダードな、ジャズ・ギターの音色がしないし、展開やフレーズも、従来のジャズ・ギターの伝統を全く引き継いでいない。どう聴いても「ジャジー」では無いギター。ちょっとマイナーな響きが特徴。このマイナーな哀愁たっぷりなギターを捉えて、ガボール・ザボのギターをあからさまに「ジプシー・ギター」と形容する人もいる。

Gábor Szabó『Mizrab』(写真左)。1972年12月の録音。CTI 6026番。ちなみにパーソネルは、Gábor Szabó (g), Hubert Laws (fl, piccolo), Bob James (el-p, arr, cond), Ron Carter (b, arco-b), Billy Cobham (ds, on trak;1,3), Jack DeJohnette (ds, on2,4,5), Ralph MacDonald (perc)以上が主要バンドメンバー。そして、バックにオーケストラが入る。

アレンジと指揮を「クロスオーバー&フュージョン・ジャズの仕掛け人」ボブ・ジェームスが担当している。このボブ・ジェームスのアレンジ、ちょっとミステリアスで、エキゾチックなアレンジが、見事にザボの「ジプシー・ギター」を前面に押し出している。
 

Gabor-szabomizrab

 
CTIレコードからの第一弾。さすが、CTIの総帥プロデューサー、クリード・テイラー。イージーリスニング志向のクロスオーバー・ジャズの中で、優れたアレンジをベースに、ガボール・ザボのジプシー特有のフィーリング溢れる、怪しげで哀愁たっぷりの摩訶不思議なギターを印象付け、映えに映えさせる。ボブ・ジェームスのアレンジと指揮のたまもの。

インパルス時代は、どうにも、このザボの摩訶不思議なギターを上手く扱えず、時には、レノン&マッカートニーの「イエスタディ」のカバーなどをさせて、完全に、プロデュースの迷走状態。不思議な内容のギター・アルバムは多々制作したが、どれも決め手に欠ける、未完成のものだった印象は拭えなかった。

しかし、このCTIレコード第一弾のは、このザボの摩訶不思議なギターを上手く扱い、ザボのギターの個性と特徴をしっかりと前面に押し出すことに成功している。

この盤には、ザボのギターの個性と特徴がアルバム全体に渡って、散りばめられている。ジプシーと言えば「欧州」の響き。適正にアレンジされたオーケストラと、ザボのギターとの相性が良いことも見抜いてのプロデュースは見事である。
 
 

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2025年8月16日 (土曜日)

ハンガリーの怪人ギターの好盤

Gabor Szabo =「ガボール・ザボ」と読む。不思議な響きの名前である。ハンガリーの怪人。ブダペストの生まれ。ジャズ、ポップ、ロック、ハンガリー音楽を融合させたスタイルがユニークな、ハンガリー系アメリカ人のギタリストである。国籍不明、ジャンル不明な、硬質でロックっぽい、ちょっと「ヘタウマ」なギターが個性。

1956年のハンガリー動乱の後、米国カリフォルニア州に移住、1958年から1960年までボストンのバークリー音楽大学で学び、その後チコ・ハミルトン楽団で活動。チコのバンドを脱退以降、インパルス・レコードと契約、リーダー作を数々リリースしていく。

Gabor Szabo『High Contrast』(写真左)。1970年12月と1971年2月の録音。ちなみにパーソネルは、ábor Szabó (g), Bobby Womack (g), Mark Levine (p), Wolfgang Melz, Phil Upchurch (b), Jim Keltner (ds), Felix "Flaco" Falcon (congas), Carmelo Garcia (tom-tom, Timbales), Rene Hall (string arr), The Shadow (a.k.a.Tommy LiPuma) (tambourine, perc, record producer)。

不思議な響きのギター全開。従来からの聴き馴れたジャズ・ギターの音色がしない。アドリブ展開やフレーズも従来のジャズ・ギターのそれでは無い。独特の展開、独特なフレーズ。マイナー調な響きがエキゾチックで、ジャジーっぽさが無い。どちらかと言えば、欧州の民俗音楽的な響きがする。
 

Gabor-szabohigh-contrast
 

この『High Contrast』は、ザボのギターの個性が手に取るように判る。とにかく、ギターの音がユニークで、従前の純ジャズっぽさは全く無い。パッキパッキ硬質で欧州の民俗音楽的な響きは、どちらかと言えば、プログレッシヴ・ロック系のギターの音だったりする。しかし、これが結構、癖になる。

冒頭に、1976年にジョージ・ベンソンが大ヒットさせることになる「Breezin'」のオリジナル・バージョンが収録されている。これが結構、話題に鳴っているみたいだが、ベンソンの「Breezin'」の骨格の様な演奏が実に潔い。この印象的なフレーズを持った楽曲に漂う、欧州の民俗音楽的な響きが、ザボの演奏では色濃く、このオリジナル・バージョンもなかなかに聴き応えがある。

ラテン・テイストを醸しだすジャズ・ロックあり、ジャズ・ファンクあり、ソウルフルなフュージョンあり、バラエティーに富んだ内容だが、ザボの怪人ギターが一本筋を通していて、アルバム全体に統一感がある。そして、その統一感を確固たるものとし、この盤で、ザボのギターを映えに映えさせるプロデュースを、プロデューサー名人、トミー・リピューマがその力を存分に発揮している。

ザボの怪人ギターが相当に癖があるので、従来の純ジャズ・ギターが全て、というジャズ者の方々には、異端も異端、認めたくないギターだろうが、このギターの音色、フレーズも「ジャズ」である。ソウル・ギターの大御所ボビー・ウーマックとの共演も好要素として作用していて、良い感じ。この盤、硬派なクロスオーバー&フュージョンなアルバムとして、なかなか聴き応えのある内容です。 
 
 

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2013年4月15日 (月曜日)

東欧風のエキゾチックなギター

Gabor Szabo。「ガボール・ザボ」と読む。不思議な響きの名前である。ハンガリー出身のギタリスト。国籍不明、ジャンル不明な、ちょっと「ヘタウマ」なギターが個性。

そして、彼のギターは「不思議な響きのギター」である。従来からのジャズ・ギターの音色がしない。展開やフレーズもジャズ・ギターのそれでは無い。独特の展開、独特なフレーズ。しかも、マイナーな響きではあるがジャジーでは無い。どちらかと言えば、欧州の民俗音学的な響きがする。

この不思議な響きのするマイナーな哀愁たっぷりなギターを捉えて、ガボール・ザボのギターを「ジプシー・ギター」と形容する人もいる。ふむふむ。欧州の民俗音楽的な響きを捉えて「ジプシー・ギター」とは言い得て妙ではないか。ガボール・ザボのギターの特徴を良く捉えた表現ではある。

そんな異端で不思議なジャズ・ギター全開のリーダー作がある。Gabor Szabo『Dreams』(写真左)。1968年の作品。ゲイリー・マクファーランドがアレンジを担当したSkyeでのアルバム。サイケデリックなジャケット・デザインが良い。でも、このジャケットって、どう見たって、ジャズのアルバムじゃないよな。

さて、冒頭の「Galatea's Guitar」のギターを聴けば、いかにガボール・ザボのギターが、異端で不思議なジャズ・ギターなのかが良く判ると思う。とにかくジャジーじゃない。どちらかと言えば、東欧風、若しくは中近東風のエキゾチックな響きが特徴。聴いていると何故か「ビザンチン帝国」というワードが頭に浮かぶ(笑)。
 

Zabo_dreams

 
演奏全体の雰囲気として、ガボール・ザボのギターが浮遊する感じのスペーシーな演奏が個性的。ジャズ独特のリズム&ビートがガッツリと効いた感じは殆ど無い。パキパキとフレーズを弾きまくることも無い。漂う様に流れる様に弾き進めるガボール・ザボのギターは唯一無二。

しかし、このガボール・ザボのギターは癖になる。このアルバムだって、一度聴いた時には「なんやこれ」。それでも、何故か後ろ髪引かれる感じがして、二度目の聴き込み。

そして、エキゾチックな響きが耳に思いっきり残る。もう一度聴きたくなるような不思議な響き。そして、三度目の聴き込み。ザボの浮遊する感じのスペーシーなギターの響きが耳から離れなくなる。

なんだか、この響き、おとぎ話の中に出てくるような幽玄で暖かな響き。録音も独特で、ナローではあるが、深みのある録音は室内楽的。これは最早、ジャズという括りだけでは解釈しきれない。欧州の民族音楽も含めながら、聴き込む必要がある、そんな不思議なアルバム。

これもジャズ。これはクロスオーバー・ジャズな作品。東欧風のエキゾチックな演奏がすばらしい佳作です。クロスオーバー者の方々には要チェックなアルバムです。
 
 
 
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2012年8月30日 (木曜日)

不思議な雰囲気のギターである

不思議な雰囲気のギターである。国籍不明、ジャンル不明な、ちょっと「ヘタウマ」なギター。初めて聴いた時は「???」。なんやこのギターは、って感じで狼狽えていた(笑)。Gabor Szabo『Macho』(写真左)である。

邦題は『ハンガリアン・ラプソディー』。副題は「ボブ・ジェームス フィーチャリング ガボール・ザボ」。日本のレコード会社は「あざとい」。ガボール・ザボのリーダー作なのに、メジャーで無いガボール・ザボの名を最初に語らずに、当時、既にメジャーだったボブ・ジェームスを頭に持ってきている。ガボール・ザボ本人が知ったら怒るだろうな〜(笑)。

この邦題の『ハンガリアン・ラプソディー』、僕にとっては、欧州でありながらも東欧のエキゾチックな雰囲気がプンプンして、何も考えず思わず手に入れた。当時、まだジャズを聴き始めて2年目のジャズ者初心者。何が良くて何が悪いかなんて全く判らない。ついつい邦題の雰囲気につられて購入に至った。

しかし、聴き始めて「???」。バックの演奏は、一流のフュージョン・ジャズ。基本はジャズ。そんなジャジーなリズム&ビートに乗って、出てくるギターは、全くジャジーでは無いギター。ジャジーでも無ければ、ロックでも無い。はたまたクラシックでも無い。そこはかとなくマイナーな響きだけが、ちょっとだけ「ジャジー」。国籍不明、ジャンル不明な、ちょっと「ヘタウマ」なギター。

それがGabor Szabo(ガボール・ザボ)のギター。ガボール・ザボって1936年生まれのハンガリー出身のギタリスト。ジプシー特有のフィーリングのプレイが特徴。

不思議なギターである。従来のスタンダードな、ジャズ・ギターの音色がしないし、展開やフレーズも、従来のジャズ・ギターの伝統を全く引き継いでいない。どう聴いても「ジャジー」では無いギター。ちょっとマイナーな響きが特徴。このマイナーな哀愁たっぷりなギターを捉えて、ガボール・ザボのギターをあからさまに「ジプシー・ギター」と形容する人もいる。
 

Macho

 

全くジャジーな雰囲気の伴わない不思議なギター。一流のフュージョン・ジャズのリズム&ビートにのって、そんな不思議なギターがパキパキと硬質なフレーズをもって、良い意味で「のらりくらり」と展開していく。実に伸びやかでリラックスした硬質なフレーズ。ちょっと「ヘタウマ」でパッキパキな「トレモロ」奏法などは、明らかにこれは「ガボール・ザボ」の個性である。

アレンジはCTIレーベル御用達のボブ・ジェームス。流麗でフュージョンなボブ・ジェームスのアレンジは、全くフュージョン的ではないガボール・ザボのギターを、とことん「際立たせる」。フュージョン・ジャズとは「融合」のジャズ。ハンガリアンなジプシーなギターをフュージョン・ジャズ化させていく。

ちなみにパーソネルは、Louis Johnson (b), Harvey Mason (ds), Eric Gale, Gabor Szabo (g), Bob James (key), Tom Scott (ts), Idris Muhammad, Ralph MacDonald (per), George Bohanon (tb), John Faddis (tp)。バックのリズム・セクションは、フュージョン・ジャズの腕利きばかり。バックで、ガボール・ザボのギターを楽しみながら、ガボール・ザボのギターを際立たせる職人芸。

アルバムを全体を聴き通せば、明らかにこの『Macho』というアルバムは、内容的にフュージョン・ジャズの優れものであることが良く判かる。そして、ガボール・ザボのギターが、如何にジャズから外れているか、フュージョン・ジャズから外れているかが良く判る。それでも、アルバム全体の雰囲気は、聴いて楽しい「フュージョン・ジャズ」。

ハーレー・ダビッドソンのエンジンが格好良いジャケット・デザインとこのアルバムの内容とは全く関連性が無い(笑)。アルバム・タイトルの『Macho』も、なぜそういうタイトルになったのかが全く理解出来ない(笑)。

「Macho」とは「男らしい,男っぽい」の意。でも、このアルバムの内容は、決して「男らしい,男っぽい」内容では無い。どちらかと言えば哀愁漂うジプシーチックなもの。リーダーのガボール・ザボのギターを始めとして、何から何まで良く判らない不思議なギターのアルバムである。
 
 
 
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