ガボール・ザボのCTI第2弾
ガボール・ザボは、1936年生まれのハンガリー出身のギタリスト。ジプシー特有のフィーリングのプレイが特徴。不思議な響きと不思議なフレーズを持ったギター。
従来のスタンダードな、ジャズ・ギターの音色がしないし、展開やフレーズも、従来のジャズ・ギターの伝統を全く引き継いでいない。ちょっとマイナーな響きが特徴。このマイナーな哀愁たっぷりなギターを捉えて「ジプシー・ギター」と形容する人もいる。
Gabor Szabo『Rambler』(写真左)。1973年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Gábor Szabó (g), Bob James (p, org, syn), Mike Wofford (el-p), Wolfgang Melz (b), Bobby Morin (ds), Unknown (perc)。
タイトル邦題「放浪者」をテーマに、ストーリー性を持たせた内容の企画盤。ボブ・ジェームスが「音楽スーパーバイザー」を担った、クロスオーバー志向のエレ・ジャズ。CTIレーベルにおけるグルーヴィーでメロウな、クロスオーバー志向のソウル・ジャズと形容してもよい、ユニークな内容のCTI盤。
欧州の、東欧のローカルな響きが耳新しい、哀愁感を強く帯びた、テクニック優秀なジャズ・ギターが相変わらず炸裂している、CTIレーベルでの第2弾である。
アルバム全体の雰囲気は、ポップで流麗な、ちょっと、イージーリスニング志向を意識した音作りになっている。フュージョンの様な「ソフト&メロウ」まではいかないまでも、メロウな雰囲気の静かな曲は、フュージョンの先駆けと言えるのではないか。
それでも、ザボのギターは、個性的な、国籍不明、ジャンル不明な、硬質でロックっぽい、ちょっと「ヘタウマ」なギターのままで、ただ、弾き紡ぐフレーズは、判り易く、チャッチーで明るい哀愁感をまとった、ポップなフレーズに変化している。これは明らかに、CTIの総帥プロデューサーのクリード・テイラーの志向ではないだろうか。
タイトでグルーヴィーなリズムセクションとザボ節のギターが絡み合うジャズ・ファンクな、冒頭のタイトル曲「Rambler」、ジプシー・ギターの神様、ジャンゴ・ラインハルトに捧げた「Reinhardt」を中心に、メロウな曲を効果的に挟んだ、メリハリのある収録曲の構成が意外と填まっている。
ポップ化が進んだガボール・ザボのクロスオーバー・サウンド。ここでも、ボブ・ジェームスのアレンジと、音楽スーパーバイザーとしての役割が好要素として効いている。
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