2026年2月 4日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・312

メロディーの断片、落ち着きなく変化する音階、濃密な多色和音、予測不能なリズム。自由度の限りなく高いモードからややフリー、ヒルの個性全開。なぜ、この音源が録音当時、お蔵入りしたのか、とんと見当が付かない。リーダーとしての録音順としては6枚目のアルバムになる。そんなヒルの独特の個性が、こなれてメロディアスになり、聴き易くなっている。なのにお蔵入りとは・・・。

Andrew Hill『Andrew!!!』(写真左)。1964年6月25日の録音。ブルーノートの4203番。ちなみにパーソネルは、Andrew Hill (p), John Gilmore (ts), Bobby Hutcherson (vib), Richard Davis (b), Joe Chambers (ds)。ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンが見出した「最後の才能」、アンドリュー・ヒルの録音当時、お蔵入り盤である。リリースは4年後、1968年である。

確かに、アルフレッド・ライオンが言う様に、セロニアス・モンクの様に、音が予測不可能な様に飛ぶ。そして、間の取り方、チェンジ・オブ・ペースが定型ではない。つまりは、ジャズの最大の特徴である「即興演奏」の最たるものが、モンクの紡ぎ出すフレーズで、予測不可能な如く、音が飛び、間が複雑に入り、再現性はほぼ無い。即興演奏の究極形である。
 

Andrew-hillandrew

 
そんなモンクの様な予測不可能な「即興演奏」を、ヒルは踏襲しているが、モンクが角が立って、スクエアにカクカクとスイングするが、ヒルは、角が適度にラウンドしていて、意外とメロディアスにスイングする。音が適度に予測不可能名レベルで飛ぶのだが、その飛び方も、モンクに比べて穏やかで優しい。このアルバムを聴くと、ヒルはモンクの影響下から完全に抜け出て、独自のフレーズ作りを確立していることを強く感じる。

ヒルの個性的な音は、意外とメロディアスな面を持ち合わせている分、サイドマンはヒルの音を理解しやすく、ヒルの音に追従しやすくなる。そんなところに、モーダルでフリーでスピリチュアルな、ハッチャーソンのヴァイブと、ギルモアのテナーが絡んでくるのだから堪らない。ハッチャーソンもギルモアも、ヒルの音世界を十分理解して、良い音出しつつ、ヒルの個性的なフレーズに呼応し、絡み、対抗する。

このヒルの音世界一色の、バンド全体が一丸となったパフォーマンスは迫力満点。フロント楽器として、ハッチャーソンのヴァイブ、ギルモアのテナーが好調に「ヒル節」を叩き出す。そして、ヒルはそんなフロントのパフォーマンスを推進力として、さらに先の「ヒル節」を弾きまくる。ヒルの個性全開。良いアルバムです。
 
 

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2025年7月25日 (金曜日)

”The Cookers” の夜・その2

「Volume 1」では、客演のリー・モーガンが元気溌剌。一応、この”The Cookers”、ハバード名義だが、この「Volume 1」に限って言えば、モーガン名義にしても良いくらい、モーガン絶好調。完全にハバードを凌駕していた。2曲目「Walkin'」は、なんとハバード不在。ボサ・ロック「Pensativa」では、ちょっと違和感が漂う。

Freddie Hubbard『The Night Of The Cookers Volume 2』(写真左)。1965年4月10日、NYブルックリンの「Club La Marchal」でのライヴ録音。ブルーノートの4208番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Freddie Hubbard (tp), James Spaulding (as, fl), Harold Mabern (p), Larry Ridley (b), Pete La Roca (ds), Big Black (congas)。

一昨日、ご紹介した「The Cookers” の夜・その1」(左をクリック)の続編。「Volume 1」では、モーガン絶好調で、ハバードは「軒を貸して母屋乗っ取られる」恰好になった、ハバード名義のライヴ盤ながら、あまりにモーガンが目立ちすぎ。ハバードのレギュラーバンドのライヴに、モーガンが客演した恰好だったのに、である。

それでは、この「Volume 2」はどうか。収録曲は「Jodo」と「Breaking Point」の2曲のみ。収録時間は、どちらも20分を越える長尺ライヴ音源。しかも、どちらもハバードのオリジナル曲。パーソネルは「Volume 1」と同じ。演奏トレンドは「モード・ジャズ」。速いリズム&ビートで、モーダルに疾走するハバードが記録されている。
 

The-night-of-the-cookers-vol-2

 
ここでのハバードは「決まっている」。どうも、ハバードはモーダルな演奏が得意なのかな、と感じる。テクニックが途方も無く抜群なので、様々な演奏トレンドに適応する「器用さ」があるのだが、モード以外の演奏トレンドでは、モードほどに吹きまくることは無い。それは「The Cookers” の夜・その1」を聴けば、ボサ・ロックや、こってこてハードバップな演奏では、モーガンに比べると、やや精彩を欠くのは否めない。

マイルスはハバードのトランペットを評して「奴にあるのはテクニックだけだ」。確かに、モード・ジャズはテクニックが無いと対応出来ない演奏トレンドなのは判る。当然、モード・ジャズをやらせたら、ハバードは無敵だ。他のトランペッターの追従を許さない。フリー・ジャズも無敵。高度なテクニックを駆使して、フリーキーなフレーズを連発する。

逆に、他の演奏トレンドは、テクニックだけでかわすことは出来なくて、歌心とか、ファンクネスとか、ジャズにおける「サムシング」が必要になる。その辺りが、意外とハバードの弱点なのかもしれないなあ、とこのライヴ盤2枚を聴いて思った次第。

「Volume 2」でのハバードは無敵である。モーガンも凄く鯔背なトランペットを吹いているが、ハバードはテクニックの限りを尽くして、モーダルなフレーズを連発し、バンド全体のモーダルな雰囲気を牽引する。どちらが上、という訳では無いが、ハバードはモーダルな演奏に「からきし強い」ということが、この「Volume 2」を聴いて判るかと思う。ハバードの「ハバードらしさ」を聴くには、この「Volume 2」でしょう。
 
 

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2025年7月23日 (水曜日)

”The Cookers” の夜・その1

フレディ・ハバードとリー・モーガン、二大トランペッターの共演という触れ込みだが、実質的には当時のフレディ・ハバードが率いていたレギュラー・バンドに、リー・モーガンが客演したもの。当時のライヴ・セッションの様子をそのまま、ライヴ録音したという、ちょっと荒削りな感じのライヴ盤。

Freddie Hubbard『The Night Of The Cookers Volume 1』(写真左)。1965年4月10日、NYブルックリンの「Club La Marchal」でのライヴ録音。ブルーノートの4207番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Freddie Hubbard (tp #1), James Spaulding (as, fl), Harold Mabern (p), Larry Ridley (b), Pete La Roca (ds), Big Black (congas)。

ラテンフィーリングなボサ・ロック「Pensativa」、エキゾチックな趣が溶け込んだ「Walkin'」の、どちらも収録時間20分程度という、長尺の演奏が2曲のみ収録されている。2曲目のマイルスの名演で知られる「Walkin'」では、このライヴ盤の名義はハバードながら、トランペットについてはリー・モーガンだけ、という、ブルーノートにしては、ちょっと乱暴な編集になっている。
 

Freddie-hubbardthe-night-of-the-cookers-  

 
この「Volume 1」では、客演のリー・モーガンが元気溌剌、鯔背炸裂。一応、このライヴ盤、ハバード名義だが、この「Volume 1」に限って言えば、モーガン名義にしても良いくらい、モーガン絶好調。完全にハバードを凌駕している。2曲目「Walkin'」はハバード不在やし・・・。モーガンはそれぞれの曲で、それぞれの曲想に合ったトランペットをバリバリ吹き分ける。ハバードは我が道を往く、で、ボサ・ロック「Pensativa」では、ちょっと違和感が漂う。

面白いのは、ジェームズ・スポルディングのアルト・サックスで、その過激な吹きっぷりは、モーダルなフレーズではあるが、フリーに片足を突っ込んだ様な、ややアブストラクトで、かなり過激な展開。しかし、ドラムのピート・ラロッカが、猛烈に叩きまくり応戦しながら、絶対にジャジーなビートをしっかりキープして、スポルディングが、フリーやアブストラクトに傾くことを絶対に許さないところが、これまた面白い。

何かをしっかり表現しよう、しっかり表現するにはライヴ録音が良い、という、何かをしっかり記録しようという、高邁な録音方針があった感じでは無い。それでも、このライヴ記録されているセッションは、演奏トレンドは基本は「モード」、そのモードをそれまでのハードバップな演奏と「ハイブリッド」にかませた様な演奏内容は、録音年1965年ならではのユニークな内容。当時、日常に行われていたライヴの雰囲気を追体験するには恰好の一番です。
 
 

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2025年7月19日 (土曜日)

ミッチェルのソウル・ジャズです『Bring It Home To Me』

ブルーノートの4200番台。ハードバップを基本として、聴き手のニーズに合わせた「ジャズ多様化」の時代は終わり、大衆に訴求するポップな、ソウル・ジャズ、ジャズロック、ジャズファンクが演奏トレンドになり、逆に、特定のジャズ嗜好家にのみ訴求する、フリー・ジャズ、スピリチュアル・ジャズが台頭し、ジャズの「二極化」が顕著になった時代に、リリース展開されたのが「4200番台」。

 Blue Mitchell『Bring It Home To Me』(写真左)。1966年1月6日の録音。ブルーノートの4228番。ちなみにパーソネルは、Blue Mitchell (tp), Junior Cook (ts), Harold Mabern (p), Gene Taylor (b), Billy Higgins (ds)。ミッチェルのトランペット、ジュニア・クックのテナー・サックスがフロント2管のクインテット編成。

リーダーのミッチェルは、自らが所属していた、ファンキー・ジャズのリーダー的存在のひとつ、黄金のホレス・シルヴァー・クインテットから、親分のシルヴァーのピアノを、ダイナミックで多弁なファンキー・ピアノのハロルド・メイバーンに代えて、スッキリ聴き易く端正、ファンクネスたっぷりの、ファンキーでダンサフルなソウル・ジャズを展開している。
 

Blue-mitchellbring-it-home-to-me 

 
ブルー・ミッチェルのトランペットは、こってこてファンキーでブリリアントで、歌心溢れるジェントルなトラペット。そこに、これまた、こってこてファンキーなクックのテナーが絡む。メイバーンのピアノ、テイラーのベース、ヒギンスのドラムのリズム隊が、ブルーノートらしい、端正で整った「グルーヴィーな」リズム&ビートを叩き出す。

このクインテット独特のソウル・ジャズな展開が印象的。フロント2管は、ミッチェル&クックが所属していた、ホレス・シルヴァー・クインテットの時の音の響きになってしまうが、バックのリズム隊は、ホレス・シルヴァー・クインテットとは全く異なる、端正で整った「グルーヴィーな」リズム&ビートで、ソウルフルな雰囲気を醸し出し、フロント2管を鼓舞し、引き立てる。

そして、クインテット全体の音世界は、スッキリ聴き易く端正、ファンクネスたっぷりの、ファンキーでダンサフルなソウル・ジャズになる。ジャケット・デザインが従来のブルーノートらしくなくて、損をしている「4228番」だが、内容は充実、ミッチェルの考えるソウル・ジャズが整然と展開されていて、意外と聴き応えがある。好盤です。
 
 

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2025年7月18日 (金曜日)

鯔背なモーガン, 神懸りハービー『Cornbread』

ブルーノートの4200番台。ハードバップを基本として、聴き手のニーズに合わせた「ジャズ多様化」の時代は去り、1964年2月にビートルズが米国に上陸して以降、ロックやポップスが聴き手の心を掴む反面、その反動で、聴き手の「ジャズ離れ」が始まりだした時代、1965年から1969年までのリリース。当ブログで記事にしていないアルバムの「落ち穂拾い」を進める。

Lee Morgan『Cornbread』(写真左)。1965年9月18日の録音。ブルーノートの4222番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Jackie McLean (as), Hank Mobley (ts), Herbie Hancock (p), Larry Ridley (b), Billy Higgins (ds)。モーガンのトランペット、マクリーンのアルト・サックス、モブレーのテナー・サックスがフロント3管のセクステット編成。

演奏の基本は「ファンキー・ジャズ」。ソウル・ジャズまではいかない。モーガンのこの頃のファンキー・ジャズの展開は個性的で、「ばりばりハードバップな演奏」と「ばりばりモーダルな演奏」とが、ほどよいブレンド度合いでクロスオーバーしている。半「ハードバップ」・半「モード・ジャズ」な効果的な混在が、この盤の最大の楽しみどころ。
 

Lee-morgancornbread

 
演奏トレンドから見ると、冒頭のタイトル曲「Cornbread」の様な、8ビート採用の「ジャズロック」が、やはり格好良い。モーガンのトランペットは切れ味鋭く、テーマはキャッチャー。鯔背なモーガンの面目躍如。豪華絢爛な3管フロントの、ファンクネスどっぷりのユニゾン&ハーモニーは、単純に格好良い。好調モーガンに、好調マクリーン、好調モブレー。無敵のフロント3管の音が乱舞する。

もう一つの「推し」演奏は、モーガンのオリジナルの中でも屈指のボッサの人気曲。3曲目の「Ceora」。ファンキー・ジャズが奏でる「ボサノバ」。確かに心地良い。ファンクネス漂うボサノバ・ジャズってところが実にユニーク。ハンコックのピアノ、リドレーのベース、ヒギンスのドラムのリズム隊が、このファンキーなボサノバ・ジャズに適応したリズム&ビートを的確に供給する。

ハンコックのバッキングは神懸ってる。コード&モードの両刀遣いで、それぞれの曲の演奏トレンドに合ったバッキングは見事という他ない。そんな優れたバッキングに乗って、これまた鯔背なモーガンのトランペットが飛翔する。ジャケットも秀逸。 好盤です。
 
 

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2025年7月17日 (木曜日)

ホレス・シルヴァーの傑作の1枚『The Cape Verdean Blues』

ブルーノートの4200番台。ハードバップを基本として、聴き手のニーズに合わせた「ジャズ多様化」の時代は去り、1964年2月にビートルズが米国に上陸して以降、ロックやポップスが聴き手の心を掴む反面、その反動で、聴き手の「ジャズ離れ」が始まりだした時代に、4200番台は録音され、リリースされている。

1965年から1969年までのリリースになる。しばらくは、当ブログで記事にしていないアルバムの「落ち穂拾い」である。

Horace Silver『The Cape Verdean Blues』(写真左)。1965年10月1, 22日の録音。ブルーノートの4220番。

ちなみにパーソネルは、Horace Silver (p), Woody Shaw (tp), Joe Henderson (ts), J. J. Johnson (tb, tracks 4–6), Bob Cranshaw (b), Roger Humphries (ds)。10月22日のセッションでは、ジャズ・トロンボーンのレジェンド、J.J.ジョンソンがセッション参加している。

ワールド・ミュージック風のエキゾチックなメロディーをファンキー・ジャズにアレンジするのが得意なホレス・シルヴァー。僕はこのシルヴァーの「エキゾチックなメロディー」が大好きで、ジャズを本格的に聴き始めて頃以来、長年ずっと、お気に入りのピアニストの1人である。

前作『Song for My Father』同様、カーボベルデ生まれのシルヴァーの父、ジョン・タバレス・シルバにインスピレーションを得た、自身のルーツに立ち返った音世界を展開した企画盤的内容。
 

Horace-silverthe-cape-verdean-blues

 
例えば、冒頭のタイトル曲「The Cape Verdean Blues(ヴェルデ岬のブルース)」。シルヴァーの父君の出身地、カーボヴェルデ共和国に伝わる「ポルトガル民謡」をサウンドスケープをベースに、ブラジルのサンバと米国のブルースを掛け合わせたアレンジで整えられた、躍動感溢れる楽曲。異国情緒溢れる秀曲。

次の2曲目「The African Queen」は、アフリカ民謡からヒントを得て作曲された1曲とのこと。この曲では、若かりし頃のウディ・ショウのトランペットが印象的。ファンキーでブリリアントで骨太なブロウで、既にこの時点でショウのオリジナリティは確立されている。ファンキーな独特なモード・フレーズで応戦するジョーヘンも良い音を出している。

LP時代のB面、CDで4曲目から3曲は、ジャズ・トロンボーンのレジェンド、J.J.ジョンソンがセッション参加して、フロントが3管に増強されている。しかし、ビ・バップ時代からのトロンボーンのヴァーチュオーゾ、J.J.ジョンソンが、シルヴァー独特のファンキーでモーダルなフレーズを、いとも容易く演奏するとは思ってもみなかった。最初は誰か、さっぱり判らず、ライナーノーツをみて、J.J.ジョンソンの名前を見つけて驚いた次第。

4曲目の「Nutville」から、3管フロントの威力、重厚なユニゾン&ハーモニーが炸裂。アンサンブルも見事、シルヴァーのピアノが旋律楽器で参入すると、まるで「4管フロント」様に、更に重厚なユニゾン&ハーモニーが響き渡る。

クランショウのベース、ハンフリーズのドラムのリズム&ビートは、シルヴァーの考えるファンキーなモード・ジャズを鼓舞し、引き立てる。ファンキー仕立てのモーダルなフレーズ。そして、そこにワールド・ミュージック風のエキゾチックなメロディーが乗っかって、モード・ジャズの代表的展開の1つを聴かせてくれる。

この『The Cape Verdean Blues』、音楽的な個性と密度という点で、シルヴァーのアルバムの中で屈指の出来だと評価しています。良いアルバムです。
 
 

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2025年7月 3日 (木曜日)

ハッチャーソンのモード・ジャズ『Components』

レココレ誌の執筆陣が選んだ、ブルーノート盤の「ベスト100」。まずは、このレココレ誌が選んだ「ベスト100」のアルバムの中で、当ブログで扱ったことが無いアルバムをピックアップして聴き直している。今日は、1960年代のモダン・ジャズの演奏トレンドの代表格「新主流派ジャズ」の好盤。

Bobby Hutcherson『Components』(写真左)。1965年6月10日の録音。ブルーノートの4213番。ちなみにパーソネルは、Bobby Hutcherson (vib, marimba), James Spaulding (as, fl), Freddie Hubbard (tp), Herbie Hancock (p, org), Ron Carter (b), Joe Chambers (ds)。1966年リリース、ハッチャーソンのリーダー作第2作目。

前作『Dialogue』のパーソネルの違いは、ピアノがヒルからハンコックへ。サックス・フルートがリヴァースからスポルディングに変わっている。前作から前衛度合いが後退し、フリーへの傾倒が弱くなった。「モーダルで限りなくフリーな演奏、現代音楽に通じる硬質でクリスタルな響き」が弱まって、ハードバップの展開をそこはかとなく残した、メインストリーム志向の新主流派ジャズに落ち着いている。
 

Bobby-hutchersoncomponents

 
初リーダー作の「肩に力が入った状態」がほどよく緩和されて、当時のジャ演奏のトレンドである、新主流派のモード・ジャズを目一杯に展開している。この盤での、ハッチャーソンのモード・ジャズは、レベル・精度ともに高い。この盤で「ハッチャーソンの考えるモード・ジャズ」が確立している、と感じる。ポスト・バップの響きが芳しい。ハッチャーソンのヴァイブの新主流派度合いは見事なもので、ハッチャーソンのモーダルなヴァイブは完成の域に達している。

そして、そのハッチャーソンのモーダルなヴァイブを支え、鼓舞し、前面に押し出しているのは、ハンコックのピアノ。ハンコックは、新主流派のモード・ジャズの「ツボ」を誰よりも心得ていて、ハンコックのモード・ジャズにおける伴奏パフォーマンスは素晴らしい。ここでは、ハッチャーソンの考えるモード・ジャズに則った、素晴らしいモーダルな伴奏を繰り広げている。

当時のジャズ演奏のトレンドである、新主流派のモード・ジャズの秀作の1枚である。ハッチャーソンの考えるモード・ジャズが確立し、パーソネルの面々は、ハッチャーソンの考えるモード・ジャズに則った、素晴らしいモーダルなパフォーマンスを披露する。好盤である。
 
 

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2025年6月16日 (月曜日)

チェリーの考えるフリー・ジャズ『Complete Communion』

レココレ誌の執筆陣が選んだ、ブルーノート盤の「ベスト100」。まずは、このレココレ誌が選んだ「ベスト100」のアルバムの中で、当ブログで扱ったことが無いアルバムをピックアップして聴き直している。

今日も前回に引き続き、フリー、スピリチュアル、アバンギャルドなジャズのアルバムである。

Don Cherry『Complete Communion』(写真左)。1965年12月の録音。ブルーノートの4226番。ちなみにパーソネルは、Don Cherry (tp), Gato Barbieri (ts), Henry Grimes (b), Ed Blackwell (ds)。

チェリーのトランペット、バルビエリのテナーがフロント2管のピアノレス・カルテット編成。テナー奏者のガトー・ガルビエリの参加が目を引く。ドン・チェリーが名門ブルーノートに残した3枚のリーダー・アルバムの1作目。

1960年代前半、ソニー・ロリンズ、アーチー・シェップ、ジョージ・ラッセル、アルバート・アイラーなど、オーネット・コールマンのフリー・ジャズに関心はあるが、オーネットとの直接の共演は避けたい(母屋を乗っ取られかねない)。

それでは、と、オーネットのフリー・ジャズの最高の相棒との共演を、という人たちから一斉にオファーを受けて、数々の共演盤を作成した。

そんな嵐の様な共演期間を経て、1960年代半ば、ドン・チェリーは自らのジャズを追求し始める。その最初の成果がこの『Complete Communion』。この盤には「ドン・チェリーのフリー・ジャズ」のエッセンスがグッと恐縮されて収録されている。

一言で言うと「限りなくフリーなハードバップ」。演奏全体の響きは「ハードバップ・ライクでシンフォニック」。厳密に言うと、この「ドン・チェリーのフリー・ジャズ」は、いわゆる、純粋なフリー・ジャズでは無い。
 

Don-cherrycomplete-communion

 
あくまで「ハードバップ」な規律を踏襲し、ハードバップなフレーズ展開がベースになった「限りなく自由度の高い」ハードバップ。この「限りなく自由度の高い」部分に重点を置いた「チェリーの考えるフリー・ジャズ」。

そんな「ハードバップ」な規律をベースに、ドン・チェリーのコルネットが、オーネット・コールマンのトーンを踏襲しつつ、ドン・チェリー独特の吹き回しとトーンで、限りなく自由度の高い、と言って、モードでは決してない、チェリー独特のアドリブ・フレーズを吹き上げる。

このオーネットのトーンを踏襲してはいるのにも関わらず、チェリー独特の吹き回しとトーンを実現しているのは、おそらく、チェリーが手にする楽器が、コルネットだからだ、と思う。

コルネット(トランペット)の運指、トーンを前提とした吹き回しが、チェリー独特の吹き回しとトーンになるのだと思う。オーネット・コールマンの楽器はアルト・サックス。コルネット(トランペット)とアルト・サックスとの楽器の違いが、チェリー独特の吹き回しとトーンを生み出している。

リズム&ビートは、フリーに近いが、しっかりとした規律をベースにビートを叩き出し、独特のフリーなグルーヴを獲得している。「ドン・チェリーのフリー・ジャズ」のリズム&ビートを担うのは、グライムズのベースと、ブラックウェルのドラム。

ドン・チェリーが名門ブルーノートに残した3枚のリーダー・アルバムの1作目には「ドン・チェリーの考えるフリー・ジャズ」がぎっしり詰まっている。「限りなくフリーなハードバップ」。

「ハードバップ」な規律を踏襲しつつ、アドリブ・フレーズは、限りなく限りなく自由度の高い、チェリー独特のアドリブ・フレーズ。ドン・チェリー入門盤としても良好なアルバム。面白く興味深い内容。好盤である。
 
 

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2025年6月13日 (金曜日)

ヒルの考える ”アバンギャルド”『Compulsion!!!!!』

レココレ誌の執筆陣が選んだ、ブルーノート盤の「ベスト100」。まずは、このレココレ誌が選んだ「ベスト100」のアルバムの中で、当ブログで扱ったことが無いアルバムをピックアップして聴き直していくことにしている。と、ベスト100の中で、10枚ほどが、当ブログで扱ったことが無いアルバムとして残っているが、全部、フリー、スピリチュアル、アバンギャルドなジャズのアルバムだけが残った。

Andrew Hill『Compulsion!!!!!』(写真左)。1965年10月8日の録音。ブルーノートの4217番。ちなみにパーソネルは、Andrew Hill (p), Freddie Hubbard (tp, flh), John Gilmore (ts, b-cl), Cecil McBee (b), Joe Chambers (ds), Renaud Simmons (conga, perc), Nadi Qamar (perc, African drums, thumb piano), Richard Davis (b, track 3)。基本、セプテット編成。

リーダーのアンドリュー・ヒルは、モンクの如く幾何学的にスイングするモーダルなピアニスト。「判り易い平易で明るいモンクの様な幾何学的にスイングし音飛びするピアノ」という個性をしっかり表現している。基本はモーダルなピアノ。時々、アブストラクトにブレイクダウンする。

そんなヒルが、フリー、スピリチュアル、アバンギャルドなジャズにチャレンジする。パーソネルを見渡すと、バンド・サウンドを形成するメンバーは、皆、フリー、スピリチュアル、アバンギャルドなジャズを得意とする面子がズラリ。テナーのジョン・ギルモアとか、ベースのセシル・マクビーとか、そして、アフリカンなパーカッションが二人、入っている。
 

Andrew-hillcompulsion

 
演奏全体の雰囲気は「オーネット・コールマン」のフォロワー的アバンギャルド・ジャズ。オーネットのアバンギャルド・ジャズな必要最低限の決め事に則り、ヒル独特の理路整然としたアバンギャルド・ジャズが繰り広げられる。アバンギャルド・ジャズ、時々フリー・ジャズ、時々スピリチュアル・ジャズ、といった展開。よくリハーサルされたであろうことが良く判る、整然とした、規律溢れる、オーネット志向のアバンギャルド・ジャズ。

しかし、オーネットのアバンギャルド・ジャズの物真似では決して無い。しっかりとヒルの個性を反映して、ヒル独特のアバンギャルド・ジャズに昇華させている。ヒルの「判り易い平易で明るいモンクの様な幾何学的にスイングし音飛びするピアノ」の個性を、このアバンギャルド・ジャズにしっかり反映させている。

演奏全体の雰囲気は「オーネット志向」、そのサウンド、その音世界は、ヒル独自の「判り易い平易で明るい、幾何学的にスイングし音飛びする」展開。アバンギャルド・ジャズでありながら、難解な展開は極力回避しつつ、アフリカンなグルーヴを醸し出しつつ、モーダルなフレーズをメインとした、限りなく自由度の高い、理路整然としたアバンギャルド・ジャズが展開される。これがこの盤の「キモ」だと僕は感じている。

フリー、スピリチュアル、アバンギャルドなジャズを苦手とする向きにも、十分に訴求する「ヒルの考えるアバンギャルド・ジャズ」。限りなく自由度の高いモード・ジャズを聴き通せるスタミナのある「ジャズ耳」の持ち主であれば、この「ヒルの考えるアバンギャルド・ジャズ」は聴き通せると思う。そして「オーネット志向」の音の響きをしっかりと味わえると思う。
 
 

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2025年3月28日 (金曜日)

ブルーノートのハッチャーソン『Happenings』

レココレ誌の執筆陣が選んだ「ベスト100」。ブルーノート創立の1939年以降、ジャズの潮流が変わりつつある1968年までにリリースされたアルバムから、ブルーノートらしい「内容と音と響き」、そんな三拍子揃ったブルーノート盤の「ベスト100」を順に聴き直していく企画。今日はその「第17位」。

Bobby Hutcherson『Happenings』(写真左)。ブルーノートの4231番。1966年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Bobby Hutcherson (vib), Herbie Hancock (p), Bob Cranshaw (b), Joe Chambers (ds)。ブルーノートからデビューしたハッチャーソンの4枚目のリーダー作。

1950年代、ミルト・ジャクソン(愛称・バグス)がモダン・バイブの奏法を確立〜飛躍させ、「ヴァイブの神様」と呼ばれるポジションを確立する。以降、ジャズ・ヴァイブについては、バグスのスタイルを踏襲〜深化させるのが通例とされた。が、しかしである。1960年代に入って、ボビー・ハッチャーソンが登場する。彼はミルトとは全く異なる表現テクニックで、そのポジションを確立する。

「新主流派」と呼ばれる、若手中心のジャズの伝統的奏法に則りながらも前衛性を重視し、モード・ジャズをベースとした理知的な演奏をする集団があったのだが、その「新主流派」のイディオムを基にしたジャズ・ヴァイブを展開したのが、ハッチャーソンであった。
 

Happenings_1

 
純粋に優れたジャズを漏れなく記録し、積極的に世に出すという矜持を強く持っていた、総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオン率いるブルーノート・レーベル。そのレーベルの矜持に則り、ブルーノートは、いち早く、ハッチャーソンと契約を結び、リーダー作を制作〜リリースしている。こういうところが、21世紀の今でもブルーノートは尊敬され、一目置かれるレーベルであり続けている所以である。

ハッチャーソン自身について、そして、この4枚目のリーダー作『Happenings』の内容詳細については「ハッチャーソンの新主流派ヴァイブ 『Happenings』」(2015年3月28日のブログ)を参照いただきたい。ここでは、ブルーノートらしい「内容と音と響き」という切り口で、この『Happenings』を聴き直したのだが、このアルバムで、「新主流派」のイディオムを基にしたジャズ・ヴァイブが完成された感がある。

理知的でクールで、素晴らしいテクニックに裏打ちされた鋭いタッチ、切り込むような音。それでいて、ジャズの基本を忠実に保持して、決して破綻しないクールな演奏。これをヴァイブをメインに展開している。とても「売れる」内容ではない。しかし、明らかに「アーティスティック」である。この音は、当時、ブルーノート・レーベルにしか、制作〜リリースできなかったのではないか、と僕は思う。

録音ももちろん「ルディ・ヴァン・ゲルダー」印。ブルーノート・レーベル独特の音で録音されていて、その響きは「新主流派」の音をしっかりと引き立てている。この『Happenings』は、いかにも、ブルーノート・レーベルらしいアルバムである。ブルーノートらしい「内容と音と響き」がぎっしりと詰め込まれている。
 
 

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  ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

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