”The Sidewinder” 再考である
ブルーノート創立の1939年以降、ジャズの潮流が変わりつつある1968年までにリリースされたアルバムから、レココレ誌の執筆陣が選んだ「ベスト100」。ブルーノートらしい「内容と音と響き」。そんな三拍子揃ったブルーノート盤の「ベスト100」を順に聴き直していく企画。今日はその「第10位」。
Lee Morgan『The Sidewinder』(写真左)。1963年12月21日の録音。ブルーノートの4157番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Joe Henderson (ts), Barry Harris (p), Bob Cranshaw (b), Billy Higgins (ds)。リリース当時、ビルボード・チャートで最高25位を記録し、ブルーノート・レーベル空前のヒット盤となった。ジャズ史上においても、屈指のヒット盤である。
21世紀に入った今でも「この盤は、いち早くロックのリズムを取り入れ、それに成功したジャズ盤」と堂々と書いているものもあるが、これって、2局目以降の演奏を聴かずに書いたとしか思えない。ジャズ者初心者にとって、この盤を全編8ビートの「ジャズロック」が満載だと勘違いすると、期待すると、この盤を聴き通すのは辛いだろうと思う。
この盤は「様々なリズム・アプローチを試みたファンキー・ジャズ盤」。その試みた「様々なリズム・アプローチ」の一つが「ジャズロック」である。2局目以降は、4ビートの曲もあるし、6拍子の曲もあって、様々なリズム・アプローチを試みた、音の雰囲気は「ファンキー・ジャズ」。あっけらかんとした、単純な4ビートのファンキー・ジャズでは無い。
そして、アドリブ展開は「モード」が基本。トランペットのモーガン、テナーのジョーヘン、共にアドリブ展開は「モード」を基本として吹きまくる。モーガンはモーガンなりの、ジョーヘンはジョーヘンなりの、聴き易い「上質のモード」を展開するので、響きは1950年代のハードバップとは大きく異なる。アーティスティックではあるが、キャッチャーでは無い。
ただし、ジャズロックを目当てに聴き込むのではなく、ジャズの「様々なリズム・アプローチ」と、「聴き易いモード・ジャズ」を体験するには最適の盤だと思う。とりわけ、8ビートに乗った「モード・ジャズ」は、テンポが速いので、聴いていて「モード」の響きやフレーズの動きを理解し易いと思う。
当時のブルーノートは、恐らく「ジャズロック」をウリにするのではなく、「様々なリズム・アプローチ」を試みたモード・ジャズをウリにしたアルバムとしたかった、のではないのだろうか。当時としては、新鮮な響きを宿した、先進的なチャレンジをしたモード・ジャズ、を聴かせたかったのではないか、と僕は思っている。
そうだとしたら、この盤、「さすがはブルーノート」という盤である。この盤は「いかにもブルーノート」らしいアルバムの一枚である。
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