2025年9月 8日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・295

ジャズ・ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンは「デュオ演奏の達人」。様々なジャズ・ミュージシャンと組んで、デュオ演奏を繰り広げてきた。ヘイデンのベースが演奏の「底」をシッカリ支え、強靱なリズム&ビートを供給し、デュオのパートナーを支え鼓舞する。このヘイデンのベース捌きが見事で、フレーズを弾き出させても、歌心溢れ印象的なフレーズを叩き出す。そういう点から、僕はヘイデンのことを「デュオ演奏の達人」と呼ぶ。

Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba『Land of the Sun』(写真左)。2003年12月19–22日の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Gonzalo Rubalcaba (p, perc), Ignacio Berroa (ds, perc), Joe Lovano (ts), Miguel Zenon (as), Michael Rodriquez (tp, flh), Oriente Lopez (fl), Larry Koonse, Lionel Loueke (g), Juan De La Cruz "Chocolate" (bongo)。

ジャズ・ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンとキューバ出身のバップ・ピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバによるアルバム。基本、メインは、ヘイデンとゴンサロのデュオ演奏。メキシコのポピュラー音楽の金字塔として知られるホセ・サブレ・マロキンの作品に主に焦点を当てている。しみじみと聞く、バラード系の作品。
 

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ヘイデンとゴンサロのデュオ作品では無く、テナー・サックス、アルト・サックス、トランペット、フルート、などの管楽器、そして、ギターなどが入った豊かなサウンド・イメージであるが、これは、音世界の「彩り」の役割。演奏全体は、ヘイデンとゴンサロのデュオ演奏がメイン、ヘイデンとゴンサロのデュオ演奏が、豊かな音世界の「彩り」をバックに、クッキリ前へ出て、映えに映える。

ラテン・テイストのバラード曲を、ヘイデンとゴンサロは粛々と弾き進めていく。心にしみ入る美しいメロディー満載。ゴンザロの耽美的でリリカルで力感溢れるバップ・ピアノが美しい。そして、その美しいピアノを支え、リズム&ビートを導く、ソリッドで重量感溢れるヘイデンのアコースティック・ベースが頼もしい。そこに管楽器とギターが効果的に絡む。

デュオ名盤『Nocturne』(ここをクリック)に続く、ヘイデンとゴンサロのコラボ盤であったが、ヘイデン自身の言葉によると『ノクターン2』みたいなものにはしたくなかった、という。確かにその通りで、バラード曲集ではあるが、メキシコのポピュラー音楽をメインに据えたラテン・テイストのバラード曲集という、ユニークな内容のアルバムに仕上がっている。好盤である。
 
 

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2025年7月30日 (水曜日)

多国籍な変則トリオの化学反応『Folk Songs』

ジャズ・ベースのチャーリー・ヘイデン。彼のベースは変幻自在。モード・ジャズ、フリー・ジャズ、は、もとより、ジャズの即興演奏をメインとした「ニュー・ジャズ」と、完全適応する演奏トレンド&フォーマットは多岐に渡る。しかし、面白いのは、ヘイデンは自分の奏法と音を、演奏トレンド&フォーマットによって、変えることは無い。

Charlie Haden, Jan Garbarek, Egberto Gismonti『Folk Songs』(写真左)。1979年11月、ノルウェー、オスロの「Talent Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Jan Garbarek (ss, ts), Egberto Gismonti (g, p)。ECMの1170番。ドラムレスの変則トリオ編成。ECMの「ニュー・ジャズ」である。

ジャズとワールド・ミュージックを融合させた即興演奏。4ビートがメインの、ハードバップでもなければ、モード・ジャズでも無い、非4ビートの即興演奏をメインとしたジャズ。僕はそれを「ニュー・ジャズ」と呼んでいる。この盤は、そんなECMの典型的なニュー・ジャズ。ECM独特の音世界の中、雰囲気のあるアンサンブルが満載。

ガルバルクのサックスがアルバム全体の「基本の音世界」を提示する。透明度の高い、力感溢れる、ストレートな「欧州サックス」。そこに、ジスモンチのギターとピアノが、ワールド・ミュージック的彩りを添える。
 
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ガルバレクのサックスの音がアルバム全体に響き渡る。欧州のサックスの音そのもの。そこに、ジスモンチのアコギが入る。米国フォーキーなネイチャーなアコギの響き。少し、PMGでのパット・メセニーのアコギを彷彿とさせる。そして、ジスモンチの十八番、ブラジリアン・フレーバーなアコギの響き。ガルバレクがセットアップした欧州の響きをガラリと「ブラジル」に変える。

面白いのは、ジスモンチのピアノ。ジスモンチのピアノは、良い意味で「無国籍」な響き。欧州でもなければ、米国でもなければ、ブラジルでも無い。透明度の高い無垢な響きのピアノ。ジスモンチのピアノをバックにガルバレクがサックスを吹くと、そこは「欧州の音世界」にガラリと変わる。

そんなガルバレクとジスモンチの二人の即興演奏の「底」を、ヘイデンの骨太でソリッドで「思索的」なベースが支え、ジャズとワールド・ミュージックを融合させた即興演奏のど真ん中を、明確で切れ味の良いベース・ラインで貫く。ヘイデンのベースが、このセッションのリズム&ビートをコントロールし、ガルバレクとジスモンチのパフォーマンスを鼓舞し、さらなる高みのパフォーマンスを引き出している様に聴こえる。

ECMのアイヒヤーだから為し得た多国籍な変則トリオ。ドラムレスだからこそ、ヘイデンのベースの自由度が増し、それに呼応する様に、ガルバレクとジスモンチのパフォーマンスの自由度が更に高まっている。ECMマジックによる、3者の化学反応が堪能出来る。
 
 

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2025年7月29日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・291

ジャズ・ベースの哲人、チャーリー・ヘイデン。ヘイデンは、米国のベース奏者。1957年からロサンゼルスにて活動を始め、1959年、オーネット・コールマンのカルテットに参加。コールマンのアルバム『ジャズ来るべきもの』に参加し、そに名を知られるようになる。

1967年より、キース・ジャレット・アメリカン・カルテットに参加。1969年、カーラ・ブレイらとリベレーション・ミュージック・オーケストラを結成。以降、モード・ジャズ、ニュー・ジャズなど、録音のレーベルの特色に合致した、ソリッドで流麗な骨太ベースで、人気を集める。2014年7月、76歳で惜しくも鬼籍に入った。

Charlie Haden『Quartet West』(写真左)。December 22 and 23, 1986年12月22, 23日の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Ernie Watts (ss, as, ts), Alan Broadbent (p), Billy Higgins (ds)。アーニー・ワッツのサックスが1管の「’ワン・ホーン・カルテット」。

ジャズの大手レーベル、ヴァーヴからのリリース。当時としては、ちょっと「手垢の付いた」モード・ジャズ志向な演奏内容。ちょうど、ウイントン・マルサリスなど、新伝承派がメインの「純ジャズ復古」の波が押し寄せていた頃。大手のヴァーヴとしては、この「波」に乗り遅れまい、とした結果、このちょっと「手垢の付いた」モード・ジャズ志向な演奏内容になったのではないかと推測している。
 

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しかし、何が幸いするか判らない。この盤では、録音年1986年までのモード・ジャズの集大成、総決算の様な内容になっている。チャーリー・ヘイデンのリーダーシップ恐るべしである。新伝承派は、1960年代のモード・ジャズを最高の姿とし、その1960年代のモード・ジャズを焼き直した。しかし、この盤には、チャーリー・ヘイデンの考える「1986年の ”今” のモード・ジャズ」が息づいている。

サックスのアーニー・ワッツが’、とても良い音でサックスを吹き上げる。ソプラノ、アルト、テナーの3種類のサックスをどれも遜色無く、エネルギッシュで躍動感のある、ブリリアントで切れ味の良い音で、全ての曲を吹き切る。

リーダーのヘイデンのベースは、骨太でソリッドで「思索的」。モーダルな演奏のど真ん中を、明確で切れ味の良いベース・ラインで貫く。このアルバムのモーダルな演奏を、ヘイデンのベースが鼓舞し、コントロールしている。いわんや、ベース・ソロも素晴らしい。

最初、この盤を聞いた時は、ヘイデンは昔のモード・ジャズをやっているのか、懐古趣味やな、と思ったがとんでも無い。ジャズ耳が肥えていくにつれ、この盤のモード・ジャズは、1960年代のモード・ジャズの振り返りでは無い「1986年の ”今” のモード・ジャズ」だと気がついた次第。1980年代のモード・ジャズの名盤だと思う。
 
 

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2025年7月15日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・289

生前、ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンは自らを「An Adagio Guy」と呼んでいたそうだ。「Adagio」=ゆっくりと歩く速さ」だから、バラード曲の様な、ゆっくりと歩く速さでのデュオ演奏が好みだったと思われる。

そういう観点から、このライヴ・アルバムは、そんな「An Adagio Guy」が八面六臂の大活躍を見せる、秀逸なベースとピアノのデュオ・パーマンスの記録である。

Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba『Tokyo Adagio』(写真左)。2005年3月16–19日、「ブルーノート東京」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Gonzalo Rubalcaba (p)。ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンと、彼が見出したキューバ出身の天才ピアニスト、ゴンザロ・ルバルカバのデュオ・アルバム。

ヘイデンは2014年7月、惜しくも鬼籍に入ってしまったが、「ベースの哲人」として、リーダー作は数知れず、他のセッションにも多々参加して、しっかりと成果を残している。そんな成果の中で、意外と取りあげられていないのが、彼は「デュオ・セッション」の名手である、ということ。

この『Tokyo Adagio』は、そんな「アダージョ」なテンポの耽美的でリリカルな演奏をメインに置いて、先陣を切って、ルバルカバが、どっぷり耽美的なリリカルな、情感溢れるバップ・ピアノを「アダージョ」に弾き進める。
 

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そして、そんなピアノに、ヘイデンの重厚でソリッドで哲学的なベースがそっと寄り添う。ヘイデンのベースが効果的に寄り添うことで、更に、ルバルカバの耽美的でリリカルなピアノが映えに映える。これぞ「ヘイデン・マジック」。

ヘイデンのベースは、決して自らが走り出すことはない。いつでもどこでも、ルバルカバの耽美でリリカルで情感溢れるピアノに寄り添うように、ベースラインを「アダージョ」に弾き進める。

そして、ヘイデンのソロが前面に出ると、ルバルカバは効果的なバッキングに徹し、ヘイデンは、思索的で哲学的、静的で耽美的でリリカルなベース・ソロを披露する。これが「堪らない」。語りかける様な、悟りを開くような、祈りにも似たヘイデンのベース。そして、ヘイデンのベース独特のグルーヴ。

テクニック優秀で、バリバリの弾きまくりが個性のルバルカバのバップ・ピアノであるが、このデュオ盤では、ヘイデンの好みに従って、耽美的でリリカルで「アダージョ」に弾き進める。「アダージョ」で情感豊かに。緩急抑揚を付けながらの展開することの難しさ。

ルバルカバの優れたピアノと、ベースの哲人、ヘイデンのアコースティック・ベースが、そんな「難しさ」をいとも容易くクリアしている。「アダージョ」演奏の難しさを軽々とクリアした、極上のベースとピアノのデュオ・パフォーマンス。

ジャケットも秀逸。収録されたデュオ・パフォーマンスも秀逸。ゴンサロの紡ぎ出す、耽美的でリリカルなバップ・ピアノと、ヘイデンが紡ぎ出す、思索的哲学的な、耽美的でリリカルなソリッドなベース。双方が東京で再会し,極上のデュオ演奏を繰り広げる。ルバルカバとヘイデンの「歌心とグルーヴ」の新鮮さと確かさを体感して下さい。
 
 

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2025年7月11日 (金曜日)

マイケル&ヘイデンの邂逅の記録

ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンのリーダー作を整理していて、この盤にぶち当たった。あれ、マイケル・ブレッカーのリーダー作という切り口で、当ブログで扱わなかったけ。よくよく見たら、この盤はヘイデンのリーダー作に分類されることが多いことが判った。でも、この盤は、ヘイデンがマイケルがの二者択一では無く、ヘイデンとマイケルの双頭リーダー作として解釈するのが妥当だろうと僕は常々思っている。

Charlie Haden & Michael Brecker『American Dreams』(写真左)。2002年5月14–17日の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Michael Brecker (ts), Brad Mehldau (p), Brian Blade (ds)。バックにストリングスのオーケストラが付く。アレンジは以下の3人。Alan Broadbent (arrr, cond, tracks 1, 3, 6, 9, & 10), Vince Mendoza (arr, cond, tracks 2 & 12), Jeremy Lubbock (arr, cond, tracks 4, 7 & 13)。

演奏のメインは、マイケル・ブレッカーのテナーがフロント1管のカルテット編成になる。実質のリーダーは、ベースのチャーリー・ヘイデン。バックスにトリングス・オケが付き、どこか「ラウンジ・ミュージック」に近い響きを宿した、ゴージャズは、マイケル1管フロントのカルテット・パフォーマンスである。

マイケルはミッド・テンポからスローテンポの優れた伴奏をえて、テナーを朗々と吹き上げていく。マイケルのテナーは「コルトレーンのフォロワー」と言われることが非常に多いが、この盤のマイケルの吹奏を聴いていると、確かにコルトレーンが開発した奏法を踏襲してはいるが、使い方、使うタイミングがコルトレーンとは異なる。つまりは、マイケルの吹奏にコルトレーンの蔭は無い。あるのはコルトレーンの吹奏テクニックだけ。

演奏される楽曲は、どれもが「米国ルーツ・ミュージック」の響き、音を宿している。アメリカン・フォークソングの様な、明朗なフォーキーな音の展開がとても印象的。
 
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米国の大自然の雰囲気に通じる「ネイチャー」な音の響きも良好で、どこか懐かしい響きがする。そんなフォーキーでネイチャーな響きを宿したマイケルのテナーは「雄大で明快」。これは、マイケルならではのテナーと解釈して良いかと思う。

そして、リーダーのヘイデンのベース。超弩級の重心の低い、ソリッドで骨太なブンブンベース。ピッチはバッチリ合っていて、弾き回しは正確。さすが「ベースの哲人」の面目躍如。思索的観念的な、ヘイデンならではのベースソロは唯一無二。ヘイデンならではのベースの個性が炸裂していて、ベースソロが出現する度、耳をそばだて、ヘイデンのベースを愛でる。そんなヘイデンのベースがマイケルのテナーをガッチリと支えている。

ブラドーのピアノも最高だ。マイケルのテナーのフレーズを損なうことなく、フレーズとぶつかることもなく、テナーのフレーズの隙間を埋めていくような弾き回し。完全ソロになった時は、メルドーの個性の1つ「耽美的なバップ・フレーズ」をこれでもかと繰り出す。この盤では、サイドマンに回ったブラドーのピアノの凄みを十分に堪能出来る。

ブレイドのドラムも重要なポジションを担っている。ユッタリした演奏のテンポの中で、マイケルのテナーが、メルドーのピアノが、速いフレーズを連発する時、ブレイドの叩き出す、正確で明確なブレイドのリズム&ビートが、明快な指針になる。ブレイドのドラムが、マイケルのテナーの、ブラドーのピアノが、戻るべきビートをしっかりと押さえてくれる。だからこそ、マイケルはブラドーは限りなく自由に安心してインプロを展開出来る。

大手レーベルの悪い癖である「ラウンジ・ミュージック」の要素を付加して、一般大衆にアピールし、売上を上げたい、の思いが、この素晴らしいカルテットのパフォーマンスにストリングス・オーケストラの音をバックに付けてしまった。僕はこのストリングスの存在は蛇足だと思う。プロデュースの勇み足。名盤を好盤にグレード・ダウンさせてしまった。
 
 

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2020年7月12日 (日曜日)

昼下がりSP・デュオ盤特集・11

ここ千葉県北西部地方、朝から久し振りに晴れ間が覗いた。しかし、かなり蒸し暑い。朝からエアコンのお世話になる。夕方3時過ぎまで陽が出たり曇ったり。今日は雨は来ないな、と油断していたら一気ににわか雨。小一時間で上がったが、涼しくはならない。これだけ湿度が高くて不快指数が高いと、熱気溢れるジャズや大人数の大音響のジャズを聴くのが辛くなってくる。そうなれば「デュオ盤」。久々に「昼下がりSP・デュオ盤特集」である。
 
Charlie Haden & Christian Escoudé『Gitane』(写真)。邦題『ジタンの薫り』。1978年9月22日の録音。Charlie Haden (b) と Christian Escoudé (g) のデュオ盤。ジタンとは「スペインのジプシー女」の意。仏のゴロワーズと人気を二分する煙草のブランドでもある。パッケージには扇を持ったジプシー女性のシルエットが描かれる。懐かしいイメージである。

チャーリー・ヘイデンは「ジャズ・ベースの哲人」。思索に富んだ、骨太で高テクニックなベースが身上。クリスチャン・エスクードは、仏のジプシー・ジャズ・ギタリスト。1947年生まれでまだ存命である。エスクードは、ジャンゴ・ラインハルトの後継者とも言われたギタリスト。そんな二人が、フュージョン・ジャズ全盛期に録音した、とてもクールでとても渋い内容のデュオ・パフォーマンスである。
 
 
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1曲目の「Django」は、MJQのリーダー、ジョン・ルイス作。4曲目のタイトル曲「Gitane」はチャーリー・ヘイデンの作。そして、ラストの「Improvisation」はクリスチャン・エスクード作。それ以外の4曲は、ジプシー・ジャズ・ギタリストの祖、ジャンゴ・ラインハルトの作品になる。選曲は、ギタリストのクリスチャン・エスクード寄りの選曲になっている。当然、エスクードのギターについては申し分の無い内容である。
 
が、しかし、である。このデュオ盤、チャーリー・ヘイデンのベース・プレイが抜きんでている。エスクードのギターは素晴らしいのだが、そのエスクードのギターが霞むくらいのヘイデンのダイナミックで骨太なベースが全編に渡って鳴り響いている。エスクードは10歳年上の「ベースの哲人」に遠慮したのかな。とにかく、ヘイデンのベースがエグいくらいに重低音を練り響かせて、唄うように語るように鳴り響く。 
 
ジャケットがなんだかお洒落なフュージョン・チックなものなので、見た目にはその内容が誤解されそうなのが玉に瑕。海外盤のジャケットはエスクードとのデュオ盤にも関わらず、哲人ヘイデンのどアップのジャケットが、これはこれで「ひく」(笑)。ジャケットに恵まれないデュオ盤ではあるが、内容は素晴らしい。ジャズ喫茶の静かな昼下がりに、じっくりと耳を傾けたい好デュオ盤。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況
 

 ★ AORの風に吹かれて    【更新しました】 2020.06.28 更新。

  ・『You’re Only Lonely』 1979

 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2020.06.28 更新。

  ・Zep『永遠の詩 (狂熱のライヴ)』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2020.06.28 更新。

  ・太田裕美『手作りの画集』

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2017年5月17日 (水曜日)

夜の静寂にクールなジャズ・1

ジャズには、汗が飛び散らんばかりに熱気を帯びて吹きまくる演奏もあれば、その反対に、グッとムーディーにそしてアーバンなムードを湛えたクールな演奏もある。夜、寝る前の一時、夜の静寂の中、耳を傾けるジャズは後者の「クールな演奏」のジャズが良い。心からリラックス出来て、寝付きが良くなる。

Charlie Haden『Nocturne』(写真左)。2000年8月の録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Haden (b), Gonzalo Rubalcaba (p), Ignacio Berroa (ds) のピアノ・トリオを中心に、Joe LovanoとDavid SanchezのサックスとFederico Britos Ruizのバイオリンが客演し、加えて、2曲目の「Noche de Ronda (Night of Wandering)」にのみ、Pat Methenyのアコギが単独で参加する。

アルバム・タイトルの「Nocturne」とは「夜想曲」のこと。「夜想曲」とは「夜の情緒を表現しようとする曲」のこと。そんな「夜想曲」な曲想、曲調の曲をズラリ11曲、収録している。落ち着いたリズム&ビートに乗って、趣味良くムーディーにアーバンな雰囲気を醸し出しつつ、限りなくクールな演奏を繰り広げる。

「夜想曲」の演奏の底をしっかりと支えて、曲全体のとりまとめをするのは、リーダーであるベースの哲人、チャーリー・ヘイデン。骨太でゴリッとした安定のベースはヘイデンならではのもの。このアルバムでは、ヘイデンのベースがとっても良い音で録れてます。聴いていて惚れ惚れしますね〜。ジャズ・ベース、ここに極まれり、です。
 

Nocturne_1

 
そして、このアルバムの最大のハイライトは、ゴンサロ・ルバルカバのピアノ。ラテンチックな躍動感溢れるピアノが得意なゴンサロなんですが、このアルバムでは、実にリリカルな、それでいて音の芯が太く、音のエッジが程良くラウンドしている、どっしりとした重心の低いピアノで聴かせてくれる。全編に渡って、ゴンサロのピアノ、聴きものです。

イグナシオ・ベローアというパーカッショニストも実に良い。ゴンサロと同じキューバ出身とのこと、実にムーディーなパーカッションである。パットのアコギもむっちゃ雰囲気あるし、フェデリコ・ブリトス・ルイスのバイオリンもクールでムーディー。そうそう、ジョー・ロヴァーノとダヴィッド・サンチェスのテナーも凄く良い。

アルバム・タイトルが、ほんとにシックリ来る演奏です。こういうグッとムーディーにそしてアーバンなムードを湛えたクールな演奏ができるのもジャズなんですね。そんな演奏をガッチリとサポートし、まとめ上げているのが、チャーリー・ヘイデンのベース。

夜の静寂にピッタリのジャズです。ベースの哲人が、ピアノにゴンサロ、ドラムにベローアを従え、テナーやギター等を客演に「夜想曲」を奏でる。秀作です。

 
 

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2016年11月19日 (土曜日)

人生の黄昏をジャズで表現する

現代のジャズは、様々なジャンルの楽曲を選択しジャズ化する。ミュージカルや映画の主題歌や挿入歌、これは、ジャズ・スタンダード曲として定着している。60年代以降はポップスやロックの楽曲を取り込み、70年代以降はワールドミュージック系の楽曲をも取り込む。まあ、現代ではジャズ化の対象は「何でもあり」の感がある。

このアルバムは、黒人霊歌や賛美歌、トラディショナルなどを中心とした選曲で構成されている。米国ルーツ・ミュージックがベースのこの構成は、ジャズの世界では「ありそうで無い」。

Charlie Haden & Hank Jones『Come Sunday』(写真左)。2010年2月の録音。録音時、ピアノのハンク・ジョーンズは91歳、ベースのチャーリー・ヘイデンは72歳。ちなみに、ハンク・ジョーンズがこの世を去るわずか3ヶ月前の録音になる。

ジャズ盤としては珍しく、明確な4ビートの演奏は少ししかない。しかし、淡々としたピアノとベースの語り合いの中で、ゆったりとしたジャジーなビートは漂っている訳で、そこは大ベテランの二人、一筋縄ではいかない。若くて硬派なジャズ者の方々からすると、あんまりにノンビリしていて「これはジャズじゃない」と言いそう。
 

Come_sunday

 
このデュオ、枯れ具合が抜群。淡々とした滋味深いタッチで、黒人霊歌や賛美歌、トラディショナルなどの米国ルーツ・ミュージックを弾き紡いでいくハンクのピアノは実に味わい深い。そのピアノに呼応するするようにな訥々としたベース。ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンの面目躍如です。

しかし、ただ枯れている訳ではありません。ピアノにもベースにも音の中にしっかりとした芯がある。素朴な旋律の連続である黒人霊歌や賛美歌、トラディショナルなどの米国ルーツ・ミュージックが、何故かふくよかに豊かにゴージャスに響く。ジャズのアレンジの成せる技。二人の匠の成せる技。敬虔な想いに包まれます。

丁々発止の4ビートジャズを想定すると相当にフラストレーションが溜まると思いますが、この滋味深い枯れた味わいのデュオ演奏はなかなかに聴きどころ満載。人生の黄昏を音でジャズで表した様な演奏。こういう表現が出来る音楽って本当に素晴らしい。
 
 
 
★震災から5年8ヶ月。決して忘れない。まだ5年8ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2015年7月22日 (水曜日)

昼下がりSP・デュオ盤特集・3

今日もデュオ盤の特集でいきましょう。昼下がりSP・デュオ盤特集の第3弾。今日は、ピアニストのジョン・テイラーとベースのチャーリー・ヘイデンのデュオ盤。

Charlie Haden & John Taylor『Nightfall - The CalArts Sessions』(写真)。John Taylor (p) と Charlie Haden (b) のデュオ。2003年10月、カリフォルニアでのライブ録音。タイトルの「Nightfall」とは「夕方、日暮れ、たそがれ」。そんな優しく美しい響きが詰まったアルバム。

ジョン・テイラーはイギリス・マンチェスター出身のジャズ・ピアニスト。ジョン・テイラーと言えば、僕としては、1973年リリースの『Decipher』を真っ先に思い浮かべる。邦題は『覚醒』。ジャズ者初心者の頃、秘密の喫茶店で教えて貰って、しばらく良く聴いていた。

クリスタルな硬質なタッチで、幽玄さと陰鬱で怪しげな美しさが個性のジョン・テイラーのピアノ。このデュオ盤でも、このジョン・テイラーの幽玄なピアノが全開です。ジョン・テイラーのピアノの音が、タイトルの「夕方、日暮れ、たそがれ」の雰囲気を強く想起させてくれます。

チャーリー・ヘイデンはジャズ・ベースの哲人。思索的で堅実で理知的な響きのベースはこの人独特の個性。考えるジャズ・ベースの哲人である。実はチャーリー・ヘイデンはデュオ好きで、様々なジャズメンとデュオ盤を創作しています。ここでも、ジャズ・ベースの哲人はその個性全開。
 

Nightfall

 
チャーリー・ヘイデンの優れたところは、デュオ盤の場合、デュオを組む相手の楽器、個性をしっかり踏まえて、相手に併せたベース・プレイを展開することが出来るところ。

相手をしっかり支え、鼓舞し、時にグッと前へ出る。それが嫌味でもなんでも無く、普通に自然にグッとでる。嫌味の無い主張。音楽家としての人柄が良く出ていると感じる。

しっとりとしているが、演奏の芯はグッと入っていて、意外と硬派で透明感溢れる、いわゆる「大人のデュオ」。タイトル通り、ジャケット写真通りの、優しく美しい静謐なインプロビゼーションがアルバム全体に蔓延している。

ラスト4曲目辺りから、前衛音楽的雰囲気のアブストラクトなパフォーマンスが顔を出す。思わずドキッとする。

スイートな雰囲気だけの日本のレコード会社が企画のピアノ・トリオとは異なり、適度に硬派で適度にビターな「大人のジャズ」。じっくりと耳を傾けるのに値する、隠れた好盤。

このデュオ盤のお陰で、ジョン・テイラーのピアノをもっと聴きたくなった。幽玄さと陰鬱で怪しげな美しさが堪らなく良い。
 
 
 
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2015年4月 6日 (月曜日)

ヘイデンの「白鳥の歌」です 『Last Dance』

この半年、折につけ、よく聴くデュオ盤がある。Keith Jarrett & Charlie Haden『Last Dance』(写真左)。

2007年のキースの自宅、ケイヴライト・スタジオでの録音。名盤『Jasmine』の続編、言い換えると、残り音源の「落ち穂拾い」である。『Jasmine』の後を受けての再会セッションでは無い。

改めて、パーソネルを確認すると、Charlie Haden (b), Keith Jarrett (p)。昨年7月に惜しくも亡くなった、ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンとピアノのキース・ジャレットとの、美しきスタンダード集、デュオ演奏である。

この二人のデュオは非常に内容がある。デュオ演奏の基本は「対話(ダイアローグ)」である、と言われるが、実はピンと来ないことが多い。が、このキースとヘイデンのデュオを聴くと、この「対話(ダイアローグ)」という感覚に合点がいく。百聞は一聴にしかず、である。

キースとヘイデンのコラボ、と言えば、30年ほど前の、キースの「アメリカン・カルテット」での共演が思い浮かぶ。火の出るような、限りなくフリーで激情溢れるカルテット演奏は、それはそれは「凄まじい」ものだった。
 

Last_dance

 
しかし、この『Last Dance』でのキースとヘイデンのコラボは、「アメリカン・カルテット」でのコラボとは全く異なったイメージ。ヘイデン曰く「キースもよく聴き、僕も聴く。それが僕たちデュオの極意。お互いを聴くことが演奏には大事なんだ」。デュオ演奏の基本は「対話(ダイアローグ)」。このアルバムには、デュオ演奏の極意が詰まっている。

「前作『Jasmine』が好きだった人には必ず気に入っていただける作品。僕たち2人が一緒に演奏すると、まるで2人が歌っているようなんだ」と語るキース・ジャレット。確かにそう思う。この『Last Dance』は、『Jasmine』よりも落ち着いた雰囲気の、シンプルで木訥としたデュオ演奏が実に味わい深い。

『Jasmine』に収録された「Where Can I Go Without You」と「Goodbye」の2曲の別テイクの存在が意味深である。この2曲が、先にリリースされた2010年の『Jasmine』とこの2014年の『Last Dance』を繋ぐ「架け橋」の様な存在。実に味わい深い、深遠な印象の2曲である。

2014年7月、チャーリー・ヘイデン没。この『Last Dance』はヘイデンの「白鳥の歌」の様に響く。本当に実に惜しいベーシストを亡くした。ご冥福をお祈りしたい。
 
 
 
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