2025年11月19日 (水曜日)

J.ヴァン・ルーラーの傑作ライヴ

ジェシ・ヴァン・ルーラーは、オランダ出身のギタリスト。1995年にセロニアス・モンク国際ジャズギターコンクールで優勝、2005年までは、欧州ジャズを代表する、将来有望な若手ギタリストとして活躍。その後、サイドマンとして細々と活動した、幻のギタリストでもある。スタイルは「バップ・ギター」。端正で疾走感溢れるギターは、素直でシンプルな音色で、歌心溢れるフレーズを紡ぎ出していた。

Jesse van Ruller『Live At Murphy's Law』(写真左)。2004年7月7-8日、オランダのハーグ「Murphy's Law」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Jesse Van Ruller (g), Frans Van Der Hoeven (b), Joost van Schaik (ds)。欧州ジャズのメインストリーム・ジャズ・ギターの中堅、ジェシ・ヴァン・ルーラーのオランダ、ハーグでのライヴ録音。リーダーのジェシ・ヴァン・ルーラーのギターがメインの「ギター・トリオ」。
 
ジェシ・ヴァン・ルーラーは 1972年うまれなので、32歳の若さでのライブ録音。32歳のジャズマンといえば、現代ジャズでは、まだ「若手」の部類なんだろうが、このライヴ盤では、ほぼ「完成された」、中堅〜ベテラン・レベルの熱演を聴かせてくれる。早熟ではないが、若くして成熟したギター・プレイは、かなりの「聴きもの」だと感じる。
 

Jesse-van-rullerlive-at-murphys-law

 
このライヴ盤の良さは、全曲スタンダード曲だということ。ジェシ・ヴァン・ルーラーの端正で疾走感溢れる「バップ・ギター」は、スタンダード曲で映えに映える。バップ・ギターなんだが、尖ったところは無く、音のエッジは適度に丸く、弾きっぷりは、素直でシンプル。なので、スタンダード曲の印象的で美しいフレーズが引き立つ。収録されたどの曲も、歌心あり、テクニックあり、聴いていて惚れ惚れするものばかり。

バックのリズム隊、フランツ・ヴァン・デル・ホーヴェンのベース、ヨ-スト・ヴァン・サイクのドラムも堅実&端正に、活きたリズム&ビートを供給して、ガッチリとフロントのジェシ・ヴァン・ルーラーのギターをサポートし、時に、積極的に鼓舞する。良いリズム隊。こういうリズム隊がオランダ・ジャズにいるのだから、やっぱり、欧州ジャズは無視出来ない。

ビリー・ストレイホーンの「Isfahan」、ベニー・ゴルソンの秀曲「Along Came Betty」、ハーブ・エリスの佳曲「Detour Ahead」、クリフォード・ブラウンのブルース・ナンバー「Sandu」等、ジェシ・ヴァン・ルーラーのギターが映えまくる選曲も良い。欧州系のジャズ・ギターだけあって、ファンクネスは希薄、心地良いオフビートとクールな音色が、スタンダード曲の新しい魅力を醸し出してくれる。好ライヴ盤です。 
 
 

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2025年9月15日 (月曜日)

ジャック・ウィルキンスを愛でる

ウィルキンスは、1970年代から2000年代まで、息の長い活躍をしたジャズ・ギタリスト。過小評価されている(特に我が国で)ジャズマンの一人で、1970年代のアルバム2枚は、一時的に彼を「一流ジャズマン」の位置に押し上げたが、それ以降は無名に近い存在になってしまう。

しかし、豊かな才能は他のプレイヤーからは尊敬された「幻のハイテクニックなジャズ・ギタリスト」、つまり、ミュージシャンズ・ミュージシャンとして、かろうじてその名を留めている。

Jack Wilkins『Windows』(写真左)。1973年の作品。ちなみにパーソネルは、Jack Wilkins (g), Bill Goodwin (ds, perc), Mike Moore (b)。ブルックリン出身の幻のハイテクニック・ギタリスト、ジャック・ウィルキンスのシンプルなギター・トリオ盤。初リーダー作になる。ギターが完全に主役なので、ウィルキンスのギターの個性がとても良く判る。

クロスオーバー&フュージョン・ジャズが全盛だった1970年代、頑なに、純ジャズ志向の、ストレート・アヘッドなアコ&エレ・ギターを弾き続けたジャック・ウィルキンス。活躍した当時は、ジャズ界きっての速弾きギタリストの一人だった。ウィルキンスは15歳でギターを始め、バーニー・ケッセルやジョニー・スミス、ジャンゴ・ラインハルト等 に影響を受けているので、純ジャズ志向+ストレート・アヘッドなウィルキンスのギターというのは、とても説得力がある。
 

Jack-wilkinswindows

 
ムーディーな、アーバンな雰囲気を醸し出す、洗練されたジャズ・ギター盤。ギターに豊かで絶妙なエコーがかかって、臨場感が豊かなギター・トリオ盤である。ジョージ・ベンソンやパット・マルティーノに引けを取らない鬼ピッキング。1970年代の純ジャズ志向の「本物のギター」で、ウィルキンス自体は、ほぼ無名ではあるが、そのギター・テクニックは特筆に値するレベルの優れたもの。

選曲がふるっていて、チック・コリアのタイトル曲「Windows」、ジョン・コルトレーンの「Naima」、ウェイン・ショーターの「Pinocchio」、ジャズロックなフレディ・ハバードの「Red Clay」等、1960年代後半から1970年代半ばくらいまでの人気曲を選んで、弾きまくっているところが、このアルバムの一番、興味を引くところ。バンド・メンバーのマイク・ムーアのペンになるラテンタッチの「Canzona」、ウィルキンスがクラシック・ギターの技巧を存分に披露する「Song for the Last Act」も好曲、好演奏。

ジャズマンの中には、1〜2枚程度、優れた内容のアルバムをリリースし、その内容が評論家筋からの評価されたジャズマンが、忽然とシーンから遠ざかってしまうケースが多くある。

いわゆる「幻のジャズマン」達で、あの人は今何処、なのだが、大体が行方不明のジャズマンが多い。逆に日本では何故か知られていない、特殊事情の「幻のジャズマン」も結構いる。今回のジャック・ウィルキンスもそんな中の一人。しかし、アルバムの音源は残っている。まずはこのJack Wilkins『Windows』を愛でることで、ウィルキンスのギターの優秀性を体感されたい。
 
 

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2025年8月28日 (木曜日)

サイケなフィル・アップチャーチ

多くの有名セッションに参加してきた百戦錬磨のセッションマン、フィル・アップチャーチ(Phil Upchurch)。1941年7月19日、米国イリノイ州シカゴ生まれのギタリスト兼ベーシスト。ジャズ、クロスオーバー&フュージョンのみならず、ソウル、R&Bの数々の名盤に参加してきた、超一流のセッション・ギタリストである。

Phil Upchurch『Upchurch』(写真左)。1969年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Phil Upchurch (g), Donny Hathaway (p), Louis Satterfield (b), Morris Jennings (ds), Bobby Christian (perc), James Mack Singers (vo), Charles Stepney (arr, cond)。フィル・アップチャーチの4枚目のリーダー作。

1969年という時代を反映した、とても「サイケデリック」なアレンジが施された、クロスオーバー・ジャズ&ファンクなアップチャーチのエレギが個性的。当時の「サイケ」なアレンジの特徴の1つ、ディープでシャープなエコーがかかっているところが、今の耳には新鮮に響くから不思議である。
 
Phil-upchurchupchurch  
 
プロデュースを後に、あのアース・ウィンド&ファイアの躍動感溢れるホーン・アレンジでも知られる、名編曲家であるチャールズ・ステファニーが担当しているが、確かに、このアルバムでも、アップチャーチのサイケなギターに、不思議な「躍動感」を感じる。そして、その躍動感が「ファンキー」。サイケなアレンジでのファンクネスは、このアレンジによるところが大きい。

あのサイモン&ガーファンクルの名曲「America」を、このサイケデリックでファンキーなクロスオーバー・ジャズ志向のアレンジでカヴァーしているところがユニーク。決して駄作&凡作の類では無く、サイケデリックでファンキーな雰囲気濃厚な中に、名曲「America」の流麗で印象的なフレーズがしっかり浮かび上がる。このバックの「サイケ&ファンキー」と、フロントのアップチャーチのエレギの「流麗で印象的なフレーズ」の対比が素晴らしい。

このアルバム、とても「サイケデリック」なアレンジが施された、クロスオーバー・ジャズ&ファンクなアップチャーチのエレギが気に入るか or 入らないか、で評価は変わるとは思うが、フィル・アップチャーチのエレギ自体は、その個性は変わず、ブレが無い。アップチャーチのエレギを愛でる上では、全く問題の無い、聴き応えのあるアルバムだと僕は思う。
 
 

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2025年8月10日 (日曜日)

”Thank You, Charlie Christian”

ハーブ・エリスは、最初はテキサスで、カントリー・ミュージックをやっていたらしい。ラジオ番組でジョージ・バーンズの演奏を聴いたことがきっかけでジャズギターを始めるようになったという。モダン・ジャズ・ギターの祖、チャーリー・クリスチャンを敬愛して止まない、ビ・バップ志向のギターの弾き回しが、ハーブ・エリスの個性。

Herb Ellis『Thank You, Charlie Christian』(写真左)。1960年の作品。ヴァーヴからのリリース。ちなみにパーソネルは、Herb Ellis (g), Frank Strazzeri (p), Chuck Berghofer (b), Harry Babasin (cello), Kenny Hume (ds)。チャーリー・クリスチャン直系の「ビ・バップ」なギタリスト、ハーブ・エリスの「チャーリー・クリスチャン」トリビュートな企画盤である。

そんなハーブ・エリスの、ビ・バップな弾き回し、白人らしいスッキリとしたブルージーなフレーズ、どこか大らかでフォーキーで小洒落たアドリブが、このトリビュート盤で堪能出来る。収録された10曲中8曲がハーブ・エリスのオリジナル曲で構成。オリジナル曲で、心おきなく、ビ・バップなギターを弾きまくる。
 

Herb-ellisthank-you-charlie-christian

 
冒頭「Pickley Wickly」は、黒人霊歌を思い起こさせる、米国ルーツ音楽の響きがする名演。3曲目「Cook One」はロックンロール(これも米国ルーツ音楽)。6曲目のタイトル曲「Thank You, Charlie Christian」は、ビ・バップよろしくカッ飛んでいて、単純に格好良い。レイ・チャールズに影響を受けたとされる7曲目「Alexander's Ragtime Band」もブルージーで良し。

バックの演奏は、ハーブ・エリスのギターが「ビ・バップ」なので、基本的には、リズム&ビートの供給に徹している。時々、フランク・ストラッツェーリのピアノ・ソロが入るが、ストラッツェーリのタッチはかなり硬質で、アドリブ・フレーズは訥々として個性的。ビ・バップなピアノ・ソロをイメージしたのかもしれないが、ちょっと浮いていて惜しい。

このハーブ・エリスの「チャーリー・クリスチャン」トリビュートな企画盤、ハーブ・エリスのギターだけ捉えれば、ハーブ・エリスの代表作としても良い位の充実度。我が国では、あまり人気のあるほうではないが、ハーブ・エリスのギターは「間違いが無い」。ピーターソン・トリオ以外の、ハーブ・エリス単独のギター・アルバムもなかなか良いもんだ。好盤です。
 
 

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2025年8月 5日 (火曜日)

聴き心地良いケッセルとホーズ

ハンプトン・ホーズは、ビ・バップ系のピアニスト。カッ飛ぶような、疾走感溢れるピアノは、ビ・バップそのもの。しかし、ホーズの弾き回しは、ビ・バップの様に単純では無い。そのビ・バップ系のピアノをハードバップに適合し、構築力と展開力のある弾き回しで、ちょっと小粋でドラマチックな表現を演出する。僕は彼を「韋駄天バップ・ピアニスト」と呼んでいる。

Hampton Hawes『Four!』(写真左)。1958年1月27日の録音。ちなみにパーソネルは、Hampton Hawes (p), Barney Kessel (g), Red Mitchell (b), Shelly Manne (ds)。韋駄天バップ・ピアニスト、ハンプトン・ホーズがリーダーで、バックに「ポール・ウィナーズ」の2人、ギターのバーニー・ケッセルとドラムのシェリー・マン、そして、西海岸のベースの名手のレッド・ミッチェルが参加したカルテット編成。

リーダーがピアノ、ベースとドラムを従えてトリオを編成。そこに、バーニー・ケッセルのギターが加わるという図式のパーソネル。リーダーがハンプトン・ホーズなんだが、この盤では、フロント楽器とリズム楽器の二役を演奏仕分ける、バーニー・ケッセルのギターが目立った、前面に出た、アルバム全体の音作りになっている。
 

Hampton-hawesfour

 
とにかく、バーニー・ケッセルのギターが目立ちに目立つ。フロントに回ってバップなアドリブをバリバリ弾き回し、バックに回って、切れ味の良いカッティングで、演奏のリズム&ビートを引き締める。ケッセルのギター、縦横無尽の大活躍である。アドリブも流麗かつエモーショナル、カッティングは心地良く。聴いていて、気持ちがスッキリする様な爽快感溢れるギターが見事。

ホーズのピアノも好調で、聴いていて安定感がある。ケッセルがバリバリ弾き回している時に、バックに回ってのバッキングが絶妙。伴奏上手なホーズが印象的。ケッセルの勢いに押されているところはあるが、アドリブ・ソロでは、安定の「カッ飛び」な弾き回し。韋駄天バップ・ピアニストの面目躍如。

米国西海岸ジャズって、やっぱり良いなあ、と感心する。聴き手を意識した、適度にアレンジされたハードバップ。ユニゾン&ハーモニーが小粋で美しく、インプロビゼーションもほど良くコントロールされ、決して、過度に熱くならない。「聴くジャズ」として十分に通用する内容を旨としていて、この盤もケッセルのギターとホーズのピアノがバリバリ弾き回しているが、演奏全体の雰囲気としては、聴き易い、聴いていて心地良いパフォーマンスとして、とても良くまとまっている。好盤です。
 
 

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2025年8月 2日 (土曜日)

50年代のギター・フュージョン

今年の夏は酷暑。最近、猛暑の夏が常態化しているが、今年の夏はことさら「猛暑の夏」という感じが強い。これだけ暑いと、まず、複雑なフリー・ジャズ、スピリチュアル・ジャズは「御法度」。ハードなモード・ジャズは無意識に遠ざける。これだけ酷暑の夏の午後は、エアコンの効いた部屋で。ギター中心の、イージーリスニング・ジャズか、フュージョン・ジャズが良い。

Al Caiola『Serenade In Blue』(写真)。1955年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Al Caiora (g), Bernie Privin (tp, flh, on track: 1, 4, 5, 7), Romeo Penque (alto-fl, b-cl, English Horn, on track: 2, 3, 6, 8), Hank Jones (p, track: 2, 3, 6, 8), Ronnie Ball (p, track: 1, 4, 5, 7), Clyde Rombardi (b), Kenny Clarke (ds)。

アル・カイオラは、1920年9月生まれ、米国ニュージャージー出身の、ジャズ、カントリー、ロック、ポップなど、様々な音楽ジャンルを網羅したギタリスト。NYでスタジオ・ミュージシャンとしても成功を収め、エルヴィス・プレスリーやフランク・シナトラ等の伴奏を担当したことでも知られる。この盤は、サヴォイ・レーベルに残した1956年盤。
 

Al-caiolaserenade-in-blue

 
最初、聴き始めた時は、1960年代後半のイージーリスニング・ジャズ系のギター・インストのアルバムだと思った。ただ、音の佇まいがちょっと古い響きがする。この古さは1950年代後半。ハードバップ独特のちょっとくすんだ、音のエッジがラウンドしている音の輪郭。ちょっと調べたら、なんと、アル・カイオラのサヴォイ・レーベルに残した1956年盤だった。

アル・カイオラのギターの音は、正統派な、流麗で音のエッジが丸くて耳当たりが良い音。1970年代のフュージョン・ジャズの音と言われても、納得してしまうくらいの「ソフト&メロウ」な音。ただ、演奏のリズム&ビートは、1950年代後半のハードバップな響きなので、この盤の音世界は、一聴しただけでは「???」となる可能性大な、ユニークな音世界。

しっとりとしたバラード中心の演奏。派手さはないが、ジェントルでウォームでスインギーなカイオラのギターが、爽やかでクールで良い。ゆったりと「ながら聴き」に最適なカイオラのギター・インスト。名曲「Serenade In Blue」「Indian Summer」など、心地良い演奏がてんこ盛り。イージーリスニング志向のギター・ジャズだからといって、敬遠するのは勿体ない。「ながら聴き」の好盤です。
 
 

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2025年7月 2日 (水曜日)

”ウルマーのジャズファンク” 再聴

レココレ2025年7月号の特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演・洋楽編」。モダン・ジャズ、クロスオーバー/フュージョン・ジャズの範疇の中の名盤・好盤の中で、ギターに特化して評価できるアルバムをピックアップして紹介している特集記事で、これが意外と興味深い内容。

当ブログでは、その「ジャズ/フュージョン・ギターの名演・洋楽編」で紹介されているアルバムの中から、再聴したい盤、当ブログで記事にしていない盤をピックアップしてご紹介している。

James Blood Ulmer『Are You Glad to Be In America?』(写真左)。1980年1月17日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、James Blood Ulmer (g, vo), David Murray (ts), Oliver Lake (as), Olu Dara (tp), Billy Patterson (Spaceman Patterson) (rhythm-g, track 4), Amin Ali (el-b), G. Calvin Weston, Ronald Shannon Jackson (ds)。

久しぶりに聴いた。再聴である。オーネット・コールマンを師とする鬼才ギタリスト、ジェームス・ブラッド・ウルマ―の1980年作。しかし、出てくる音は「マイルスのジャズ・ファンクから、おどろおどろしい、ダークなファンクネスを差し引いて、あっけらかんとしたファンクネスだけを残した、「脳天気」なエレクトリック・ジャズ・ファンク。
 

James-blood-ulmerare-you-glad-to-be-in-a

 
ハードではあるが、ファンクネスがドップリ染み込んでいて、リズム&ビートが効きまくり、グルーヴ感が半端無い。それはそれは凄まじいエレギである。鉈で薪をガシガシとシャープに割っていくような、ビートが明確でしっかりしたリフ。

一聴して、すぐに「ジェームス・ブラッド・ウルマ―のエレギやな」と判るほどの強烈な個性のエレギ。ジャズ、ファンク、ハードロック、ブルース、それぞれの濃い部分を混ぜ合わせた熱いエレギが鳴っている。録音当時は、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズが流行だったが、この盤の音世界は、そんなフュージョン・ジャズの流行の音とは真逆の音世界。

ウルマーのジャズファンク疾走エレギに、アリのブリブリなベース、官能的で圧巻なデヴィッド・マレイのテナー・サックス、オリバー・レイクのアルト・サックスが絡んで来て、正確で呪術的なダブル・ドラムと渾然一体となり、独特の「脳天気」なエレクトリック・ジャズ・ファンクなグルーヴが「凄まじい」。

この盤の音世界は、今の耳で聴き直すと、現代の躍動感溢れスリリングな「スピリチュアル・ジャズ」の先駆け。 今の耳にも、古さは全く感じない。ジェームス・ブラッド・ウルマ―のエレギの個性と「凄まじさ」を感じるに最適なアルバムだと思う。ちなみに、ジャケットの種類が、リリース・タイミングによって、幾つもあるようなので、気をつけられたい。 
 
 

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2025年6月29日 (日曜日)

フュージョン名盤の一枚かと...

モダン・ジャズ、クロスオーバー/フュージョン・ジャズの範疇の中の名盤・好盤の中で、ギターに特化して評価できるアルバムをピックアップして紹介している、今月発売のレココレ2025年7月号の特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演・洋楽編」。そこに「ロベン・フォード」の名前がある。懐かしい、と思って、まだ、当ブログで記事化していない、彼の初リーダー作をしっかりと聴き直す。

Robben Ford『The Inside Story』(写真左)。1979年の作品。ちなみにパーソネルは、Robben Ford (g, vo; el-p), Alan Rubin (tp), Tom Malone (tb, bs), Lou Marini *as, ts), Russell Ferrante, Steve Perry a.k.a. Stephen Sea (syn), Mark Ford (harmonica), Jimmy Haslip (b), Ricky Lawson (ds, perc). Vander "Starz" Lockett, Tommy Vig (perc)。

ロベン・フォードの名を一躍、フュージョン・ファンに知らしめた初リーダー作。邦題「ギターに愛を」。めっちゃ恥ずかしい邦題であるが、内容は充実。楽しい演奏、そして、個性もしっかり出ている。「ジャズとロックの両方のにうまく足を踏み入れた、エレキギター(エレギ)の名手」という表現がピッタリの、スタジオ・プレイヤー上がりのロベン・フォードのエレギ。そんなロベン・フォードのエレギが堪能できる。
 

Robben-fordthe-inside-story

 
耳あたりの良い洗練されたフュージョン・エレギのオン・パレード。歌心のある柔らかなフレージングが持ち味。泣きのギターに職人芸的テクニックが見え隠れ。さすが、スタジオ・プレイヤー上がりである。今の耳にも古さは感じさせず、しっかりと訴求する。アタック強めで、フレーズがしっかり耳に残り、あまりポップではなく、当時の「ソフト&メロウ」がメインの「フュージョン・ジャズ」っぽくなくて、これがまた良い。

彼の個性の一つ「ブルース・フィーリング」もそれとなく濃厚で、1979年という、フュージョン・ジャズ全盛期に、安易に「ソフト&メロウ」に流れない、意外と硬派なフュージョン・ギターの出現やなあ、と、例の秘密の喫茶店で感心したのを思い出した。それほど、この初リーダー作に、ロベン・フォードの個性の全てが詰まっている。

バックのメンバーは、後のイエロージャケッツのメンバー。フュージョン・ジャズ全盛時、カールトンやリトナーは結構、FMでオンエアされるのに、ロベン・フォードは殆どオンエアされず。当時、ロベン・フォードの知名度はイマイチだった記憶がある。が、このロベン・フォードの初リーダー作は「良い」。聴き込み甲斐が大いにある作品です。フュージョン名盤の一枚かと。
 
 

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2025年6月24日 (火曜日)

ベンソンの ”ブリージン” 再聴

今月発売のレココレ2025年7月号の特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演・洋楽編」に載っている、ウエス・モンゴメリーの名盤を聴き直していて、ふと「ジョージ・ベンソン」のギターが聴きたくなった。

ジョージ・ベンソンは、ウエス・モンゴメリーの後継者と言われた「ジャズ・ギターのレジェンド」。ベンソンは、ウエス・モンゴメリーに多大な影響を受けたジャズ・ギタリストであり、ウエスを心より敬愛しているギタリストである。つまり、ウエスを聴いたら、次はベンソン」が定番なのだ(笑)。今回は、ベンソンの「ジャズ・ギター」に着目して、このフュージョン名盤を再聴した。

George Benson『Breezin'』(写真左)。1976年1月の録音、1976年のリリース。ちなみにパーソネルは、George Benson (g, vo), Jorge Dalto (ac-p, clavinet), Ronnie Foster (el-p, Minimoog), Phil Upchurch (rhythm-guitar, b on #1, 3), Stanley Banks (b guitar on #2, 4–6), Harvey Mason (ds), Ralph MacDonald (perc), Claus Ogerman (arr, cond)。ちなみにプロデューサーは「トミー・リピューマ」。

ジョージ・ベンソンの代表盤に、フュージョン・ジャズの軟弱盤を持ってくるとは如何に、とご立腹のジャズ者ベテランの方もおられるかと思うが、この『Breezin'』、しっかりとベンソンのギターに注目して、じっくり聴いていただくと、この盤でのベンソンのギターが「エグいほど」素晴らしい、純ジャズ志向のギターを弾きまくっていることがよく判るかと思う。
 

George_benson_breezin

 
とにかく「弾きまくり」のベンソンである。ギターの音色は「ウエス直系」と評されるだけあって、ウエス独特のバップ・ギターの個性である「硬派でソリッドで骨太なギター」の音と同じテイストの、太く豊かで温かい淀みないフレージングでベンソンは弾きまくる。じっくり聴いていたら、ウエスそっくりだったりする。

違いは、ウエスはオクターヴ奏法を要所要所で繰り出すが、ベンソンはオクターヴ奏法は控えめで「売り」にはしていない。逆に「ウエスそっくり」と言われたくないので、ベンソンは「もう一つの得意」であるボーカルに、ウエスとの差異化要素を求めた。これが大当たり。そのベンソンの個性の一つ「優れたソウルフルなボーカル」は、2曲目の「This Masquerade」で聴くことが出来る。

冒頭のタイトル曲「Breezin'」の前奏のリフが「エグい」。米国西海岸の爽やかな風のような、スピード感+爽快感なリフ。そんな「エグい」リフに続いて出てくる、心地良いフレーズが爽快感抜群、躍動感抜群。ウエスの『A Day in The Life』の秀逸ギターもぶっ飛ぶ、凄くキャッチャーで印象的なリフ+フレーズ。

この盤でのベンソンの壮絶なアドリブは凄いの一言。フュージョン・ジャズは緩いなどと言ってはいけない。このベンソンのアドリブは凄い。フュージョンな「ソフト&メロウ」な雰囲気は皆無、硬派で純ジャズな正統派バップ・ギターの、ダンディズム溢れるフレーズがてんこ盛りである。この『Breezin'』、ベンソンの代表盤の一枚です。
 
 

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2025年6月23日 (月曜日)

ウエス ”A Day in The Life” 再聴

ウエス・モンゴメリーの『Smokin' at The Half Note』を手始めに、いろいろウエスのリーダー作を再聴していて、優れたギタリストというのは、演奏するフォーマットやトレンドに左右されない、いかなる演奏形式、演奏方式の中でも、自らのギターの個性を前面に出し、自らのギターの志向がブレることはない、ということを再認識した次第。

Wes Montgomery『A Day in The Life』(写真)。1967年6月6 & 26日、NYの「Van Gelder Studio」の録音。ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Grady Tate (ds), Ray Barretto, Jack Jennings, Joe Wohletz (perc)。ここに、ストリングス・オーケストラが入る。

CTIレコードからのリリース。プロデューサーは、もちろん「クリード・テイラー」。録音はルディ・ヴァン・ゲルダー。ストリングスのアレンジ&指揮は「ドン・セベスキー」。メインのバンドのリズム・セクションは、ピアノにハービー・ハンコック、ベースにロン・カーター、ドラムにグラディ・テイトと錚々たる布陣。

しかし、プロデュースも、ストリングス・アレンジも、錚々たるリズム・セクションも、全ては、ウエス・モンゴメリーのギターを映させるためにある。確かに、このアルバムでは、ウエス・モンゴメリーのギターだけが、浮き出る様に、ブリリアントに輝く様に、映えに映える。
 

Wes-montgomerya-day-in-the-life_20250623200501

 
ソリッドで骨太なウェスのギターの音。そこに要所要所で、伝家の宝刀「オクターヴ奏法」が炸裂する。そんなウエスのギターが、奏でる楽曲の印象的なフレーズをくっきりと浮き出させる。とりわけ、レノン&マッカートニー(ビートルズ)の名曲「A Day in The Life」と「Eleanor Rigby」の独特のメロディーを、ウエスのギターがより魅力的に響かせてみせるところは見事と言う他ない。

バックの演奏のアレンジは、流麗でメロウなストリングス・オーケストラを活用した、フュージョン・ジャズ志向がかなり強いのだが、ウエスのギターはどこから聴いても「ウエス独特のバップ・ギター」そのもの。バックの使徒リングスがフュージョン志向だろうが、エレピの積極活用だろうが、ウエスのギターの音は全くブレがなく、全く変わらない。

CTIレコードからのリリースなので、このアルバム、一応はフュージョン・ジャズのカテゴリーの中に収まっているが、聴けば判るが、流麗でメロウなストリングスが入っているが、ウエスをフロントとするカルテットの演奏は「メインストリームは純ジャズ」志向。ウエスのギターの響きはどこから聴いても「ソフト&メロウ」なところは微塵もない。

あくまで「ウエス独特のバップ・ギター」。硬派でソリッドで骨太なウェスのギターの音。伝家の宝刀「オクターヴ奏法」が、それを更に確固たるものにする。そして、プロデュースが、ストリングス・アレンジが、錚々たるリズム・セクションが、ウエスのギターを引き立たせる。ウエスの名盤の一枚。
 
 

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