2025年3月25日 (火曜日)

ディーディーの声はお気に入り

ここ1〜2年、グッと少なくなった気がするのは僕だけだろうか。ジャズ・ボーカリストの新人のアルバムのリリースである。加えて、ジャズ・ボーカル盤の新譜も少なくなった気がする。新人として出てきたジャズ・ボーカリストが短い期間に続けて、リーダー作をリリースすることも稀になった。

ジャズを本格的に聴き始めてから暫くはジャズ・ボーカルが苦手だった。特に女性ボーカルが苦手。ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で紹介される、本格的な女性ボーカリストのアルバムが、どうにも「耳に合わない」。まだジャズを聴き始めた「ジャズ者初心者」だったから、自分の耳が悪いのかと悩んだ時期もあった(笑)。

そんな「女性ジャズ・ボーカル」アレルギーだった僕が、最初にお気に入りになったのが、ディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater、以降「ディーディー」と略す)。1950年生まれ、メンフィス出身の米国の女性ジャズ・ボーカリストである。

Dee Dee Bridgewater『Just Family』(写真左)。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Dee Dee Bridgewater (vo), Stanley Clarke (arr, b, producer), George Duke (key), Ronnie Foster (key, Moogs), Bobbye Lyle (p, key), Chick Corea (el-p), Ray Gomez (g), David T. Walker (g), Alphonso Johnson (b), Scarlet Rivera (vln), Harvey Mason, Leon "Ndugu" Chancler (ds), Airto Moreira (perc)。
 

Just_family_2 

 
ディーディーの3枚目のアルバム。パーソネルを見渡すと、これは、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックにした、コンテンポラリーな女性ジャズ・ボーカル盤である。従来のスインギー&4ビートな本格的な女性ジャズ・ボーカルでは無い、AOR、ポップス、ソウルの要素を上手く取り入れた、コンテンポラリーな女性ボーカル。

これが良かった。クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックに唄いまくるディーディーのボーカルは「ストレートでシンプルでソウルフル」。声に爽やかな力感が心地良く、爽やかなスイング感が心地良い。当時、新しい感覚の女性ジャズ・ボーカルで、クロスオーバー度が高く、ボーダーレスな音志向が耳に新しかった。

今の耳で聴いても、僕の耳には良いボーカルである。当時、大流行していたフュージョン志向かと思いきや、ソフト&メロウな要素は希薄で、ソウルフル&ファンクの要素の方が色濃く、そういう切り口から、このディーディーのボーカルは、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズとして聴いた方が座りが良い。決して、フュージョンでは無い。

クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックに、ディーディーのボーカルが合わせているのでは無く、ディーディーのボーカルに、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズのバックが合わせて、サポートし、引き立てている。そんな雰囲気が見え隠れするところがこのアルバムの良いところ。女性ジャズ・ボーカルの好盤だと僕は思う。
 
 

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2020年1月31日 (金曜日)

ディー・ディーのソウルフルな好盤

僕はジャズ・ボーカルに疎い。ジャズを聴き始めた時、ジャズはインストルメンタルに限ると思った。なぜなら、男性ボーカルにせよ、女性ボーカルにせよ、70年代ロック&ポップスにも、優れたボーカリストが多々存在していた。何も、ジャズでボーカルを聴かなくても、70年代ロック&ポップスの世界のボーカルで、十分に満足出来る。よって、20世紀中は、ジャズ・ボーカルはほとんど聴かなかった。

ジャズ・ボーカルを聴き始めたのは、21世紀に入ってからである。それも、正統なオーソドックスなジャズ・ボーカルは基本的に苦手で、フュージョン・ジャズ系のボーカル、特にジャズとR&Bとか、ジャズとボサノバとかの融合(フュージョン)の範疇でのボーカル盤がお気に入りになった。硬派なジャズ・ボーカル者の方々からすると、完全に「異端」な聴き方である。申し訳ない。

『Dee Dee Bridgewater (1976 album)』(写真左)。1976年の作品。米国はメンフィス出身のコンテンポラリーな女性ジャズ・ボーカリストである、Dee Dee Bridgewater(ディー・ディー・ブリッジウォーター、以降「ディーディー」)の2nd.盤。バックバンドには、フュージョン・ジャズ畑の名うての猛者どもが、ずらりと控えている。そう、この女性ボーカル盤、僕の大好きな「フュージョン・ジャズ系のボーカル」である。
 
 
Dee-dee-bridgewater-1976
 
 
冒頭から躍動感溢れるディスコ系のリズムに乗った「My Prayer」で一発、かまされます。3曲目の「It Ain't Easy」アラン・トゥーサンの作品。Muscle Shoals Sound Studios(アラバマ州)での録音で、米国南部の雰囲気がプンプン漂います。7曲目の「Every Man Wants Another Man's Woman」も南部録音で、アーシーな雰囲気濃厚。この南部録音の曲でのディーディーの歌唱は実にソウルフル。

一方、L.A.録音の曲も聴きどころ満載で、フュージョン・ジャズ畑の名うての猛者ども、セッション・ギタリストでも超一流のワー・ワー・ワトソン、レイ・パーカーJr、デビッド・T・ウォーカーが大活躍。西海岸フュージョン・ジャズの洒脱で小粋で適度にラフな雰囲気が堪らない。当時流行のAOR風のソウルフルなディーディーの歌唱が格好良い。

実は、この盤、ジャズを聴き始めた頃、1980年に聴いている。その頃から、この盤の持つ「フュージョン・ジャズ系のボーカル」の雰囲気がお気に入り。ジャンルレスな、ジャジーでソウルフルな正統派ボーカル。彼女のボーカルは、説得力があって心に響く様な、今で言う「スピリチュアル・ジャズ」な要素が魅力。この盤でのディーディーは、「フュージョン・ジャズ系のボーカル」の中でも、ジャズとR&Bの融合の範疇のボーカルで、僕にとっては殊の外、お気に入りである。
 
 
 
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2016年5月25日 (水曜日)

ニューオリンズ・ジャズが楽しい

Dee Dee Bridgewater(ディー・ディー・ブリッジウォーター、愛称ディーディー)のボーカル盤にはプログレッシブな内容のものが多々ある。ジャズのトレンドというものに対してのセンスが抜群に良いのだろう。単なる女性ボーカルのポップなアルバムに留まらない、何か常にしっかりしたテーマを持ってアルバム作りをしている。

僕はそんなディーディーが僕はお気に入りで、デビュー盤から時有る毎に彼女のリーダー作を聴き続けている。彼女のアルバムはしっかりとしたコンセプトが存在するので、聴いていて飽きることが無い。しかも頭でっかちに凝り固まること無く、聴き手のことも考えながら、アレンジなどにも気を配っている様子が良く判る。

そんなディーディーの最新作がこれ。Dee Dee Bridgewater『Dee Dee's Feathers』(写真左)。昨年4月のリリース。ディーディーがこの盤では「ニューオリンズ・ジャズを歌う」のだ。いや〜これがまあ、良い出来でねえ。実にプログレッシブな内容に、もう聴いていてワクワクする。

ニューオリンズ・ジャズを代表するトランペッターアーヴィン・メイフィールドとのコラボレーション。これが「なるほどなあ」と納得するアプローチ。ジャズの起源とされるニューオリンズ・ジャズ。

例えば、純ジャズ復古のリーダー、ウィントン・マルサリスなどは躍起になって、このニューオリンズ・ジャズやっていた時期がある。ニューオリンズ・ジャズこそがジャズである、と。しかし、そのウィントンのニューオリンズ・ジャズへのアプローチには、なんだか頭でっかち、頭で考えたままの凝り固まった雰囲気が漂っていて、どうにもその内容に感心することは無かった。
 

Dee_dees_feathers

 
しかし、このディーディーのアルバムは違う。現代のニューオリンズ・ジャズの担い手そのものを連れてきた。その演奏を聴くと、さすが担い手なだけはある。思いっきりニューオリンズ・ジャズの雰囲気が漂うのだ。

「What A Wonderful World」や「Big Chief」「One Fine Thing」「Congo Square」といったトラディショナルな名曲が、ニューオリンズの雰囲気たっぷりなアレンジで歌い上げられていく。これは実に良い。快感ですらある。ディーディーのボーカルは上手いうえに、伸びやかで自由な大らかさが個性。力感がありながら繊細な一面も覗かせる。実に巧みなボーカルである。

「Dee Dee's Feathers」「C'est Ici Que Je T'aime」といった新曲も魅力的。中堅の年齢に差し掛かった、ニューオリンズ・ジャズ畑のトランペッターであるアーヴィン・メイフィールドとニューオリンズ・ジャズ・オーケストラのバッキングも見事。本作のコンセプトは「Modern Vision of New Orleans」とのことだが、アレンジ含めて、このスタジオ盤での演奏は、そのコンセプトに十分応えている。

まあ、ジャズの起源であるニューオリンズ・ジャズが如何なるものであるか、を理解していないと、このアルバムは聴いてみても魅力は半減。そう意味では、ジャズ者ベテランからディーディー者の方々に是非にお勧め。ジャズ者初心者の方々はスルーしても良いでしょう。しかし、演奏の内容とレベルは上質。好盤の類ではあります。

 
 

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2016年5月10日 (火曜日)

このボーカルが「ディーディー」

故あって、この女性ボーカルを聴き直している。Dee Dee Bridgewater(ディー・ディー・ブリッジウォーター)。米国テネシー州メンフィス出身の女性ジャズ・ボーカリスト。1950年5月生まれなので、今年で66歳になる。

1978より本格的にジャズを聴き初めて2年。当時、流行していたフュージョン・ジャズの世界で、なかなか本格的なボーカルが見当たらないなあ、とぼやいていたら、例の「秘密の喫茶店」のママさんがこのアルバムを聴かせてくれた。

ディーディーのセカンド盤である『Dee Dee Bridgewater』(写真左)。1976年のリリース。自らの名を冠したアルバムである。邦題は『私の肖像』。この邦題が「言い得て妙」で、このセカンド盤は、ディーディーの個性と傾向がしっかりと聴いて取れる。

とにかく本格的な女性ジャズ・ボーカルである。しかも、飛び切り巧い。この正統派で飛び切り巧いボーカルが、フュージョン・ジャズなアレンジをバックに唄いまくる。これがまあ、ソフト&メロウで、かつ力感のあるボーカルで、バックのストリングスや電気楽器の演奏に負けること無く、クッキリと浮かび上がる。
 

Dee_dee_bridgewater1

 
バックの演奏は完璧にフュージョン・ジャズ。プロデュースが「Stanley Clarke」。このプロデューサーの名を見れば、この盤は「ブラック系ファンク・フュージョン」。そして、パーソネルを見渡せば、George DukeをメインにBobby LyleやRonnie Foster、そしてChick Coreaまで、当時のL.A.ブラック系フュージョン・ジャズの強者共がずらり名を連ねた布陣。

そんな豪華なバックバンドの音に負けない、ディーディーのボーカルは頼もしくあり、魅力的である。アルバム全体の収録曲が40分弱とやや時間的には物足りないが、ディーディーの個性を感じ、ボーカルの傾向を理解するには十分な内容のセカンド盤である。

ディーディーの才能のほんの一部分しか楽しめないフラストレーションが残る盤、との評もありますが、ディーディーを全く知らないジャズ者にとっては、ポップさと聴き易さとが同居したこのセカンド盤が、ディーディーを知るには一番近道の盤であると言えます。フュージョン・ジャズのボーカル盤としてお勧めの一枚です。

 
 

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2014年8月 6日 (水曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・17

1970年代、クロスオーバー・ジャズからフュージョン・ジャズの時代。このクロスオーバーやフュージョンの演奏をバックにしたジャズ・ボーカルというのがなかなか無かった。8ビートが中心、しかも電気楽器が主役の演奏である。ボーカルにとって、このクロスオーバーやフュージョンの演奏をバックに歌うのはかなり大変なことだったと思う。

学生時代、1980年の夏のことである。本当に無いのかなあ、と思いながら、例の「秘密の喫茶店」に足を運ぶ。エアコンの効いた涼しい部屋の中、カウンターで珈琲をいただきながら、ママさんに尋ねる。クロスオーバーやフュージョンをバックに唄うジャズ・ボーカル盤って無いですよね、って。

すると、ニコッと笑って「ありますよ」と応えて、かけてくれたのがこのアルバムである。Dee Dee Bridgewater『Just Family』(写真)である。

1978年リリースの第3作目。プロデューサーがなんと、あのリターン・トゥ・フォーエバーのチックの相棒、スタンリー・クラーク(Stanley Clarke)。このプロデューサーの名前を見るだけで、このアルバムの演奏は、クロスオーバー・ジャズ系なんだな、と判る。ジャケットも素晴らしい。アフリカン・アメリカンを十分に想起させる、アフリカン・ネイティブなジャケットは僕は大好きだった。

ディーディーの歌は、純ジャズのトラディショナルな女性ボーカルのスタイルでは無い。ディーディーの歌い方は、当時の「ソウル・ミュージック」の歌い方、R&B系の歌い方である。そんな女性ジャズ・ボーカルの中では明らかに異端扱いされていた。厳しいジャズ者の方々は「これはジャズでは無い」と断言する始末。バックは当時流行のクロースオーバー・ジャズ系の演奏なんですが(笑)。
 

Just_family

 
しかし、これは紛れもなく「ジャズ」でしょう。バックの演奏がまず上質のクロスオーバー・ジャズ。演奏するジャズメンが、プロデューサーのスタンリー・クラーク繋がりで選出されていて、これはもう当時第一線で活躍していたクロスオーバー系のジャズメンばかりがズラリと並ぶ。細かくはご紹介しないが、それはそれは、当時の人気クロスオーバー系ジャズメンのオンパレード。

そんなぶ厚くファンキーなR&B風のクロスオーバーなリズム&ビートに乗りながら、ディーディーが思いっきりソウルフルにガンガンに唄いまくる。ファンクネス溢れソウルフルで疾走感が素敵なディーディーの歌唱は爽快である。このブラコンばっちりの歌唱に、僕は当時度肝を抜かれた。これなら苦手なジャズ・ボーカルだっていける、と思いましたね。

後のフュージョン・ジャズがソフト&メロウが基本だとすれば、このディーディーの『Just Family』は、ファンクネス溢れソウルフルが基本で、これはクロスオーバー・ジャズの個性である。ブラコンとジャズのクロスオーバー。そこに、ディーディーが唄いまくる。

1980年夏、あの「秘密の喫茶店」の昼下がり、このDee Dee Bridgewater『Just Family』が鳴り響き、皆、刮目して耳を傾ける。誰が歌ってるんや。ディーディーって誰や。僕もそう思った。ディーディーって誰や。僕のディーディーとの初めての出会いであった。

そして、2014年の夏。あれから34年を経て、バーチャル音楽喫茶『松和』の昼下がりに、このDee Dee Bridgewater『Just Family』が鳴り響いている。このアルバムの音は「あの頃」と全く変わらない。
 
 
 
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2014年7月 1日 (火曜日)

続「追悼、ホレス・シルバー」

去る2014年6月18日、ファンクネス溢れるバップなピアノが個性のピアニスト、ジャズ・レジェンドの一人、ホレス・シルバーが逝去した。ジャズを聴き始めて今年で37年目。ジャズ者初心者の時代から、ホレスのピアノを聴き親しんで来た自分にとっては、とても悲しい出来事であった。

そこで、最近は、何かにつけ「追悼、ホレス・シルバー」として、ホレス・シルバーゆかりのアルバムを物色しては聴いている。今日は、Dee Dee Bridgewater『Love And Peace: A Tribute To Horace Silver』(写真左)。僕の大好きな女性ジャズ・ボーカリスト、ディー・ディー・ブリッジウォーター(略してディーディー)のホレス・シルバー・トリビュートなアルバムである。

1994年12月の録音。1995年9月のリリース。バック・ミュージシャンは知らない顔ばかり。それでも極上のファンキー・ジャズ・ボーカルが展開されている。「Nica's Dream」と「Song for My Father」の2曲で、ホレス・シルバー御大自身がピアノを弾いて居る。加えて「Filthy McNasty」と「The Jody Grind」では、ジャズ・レジェンド、オルガンのジミー・スミスが参加している。

ディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater)は、1950年5月生まれ。今年で64歳、このホレス・トリビュートのアルバムを録音した時は44歳。ジャズ・ボーカリストとして成熟し始めた、一番、良い時期の録音になる。テネシー州メンフィス出身。土地柄から、随分若い頃から、ジャズを歌い始めていたらしい。ボーカリストとしてのキャリアのスタートは1972年。
 

Deedee_love_and_peace

 
僕は、このディーディーのボーカルがお気に入り。ジャズ者初心者の頃、1979年頃からずっとお気に入り。歌って踊れる女性ジャズ・ボーカリストとしての彼女が大のお気に入りだった。が、当時、ジャズ者の先輩からは「際物」呼ばわりされて憤慨したのを覚えている。そう言えば、女性ジャズ・ボーカリストって、立ちつくして歌うのが標準のスタイルだったなあ。つまり、歌って踊るなんて、以ての外だったらしい(笑)。

でも、僕はディーディーのボーカルが好き。ファンクネス漂い、パンチのある高テクニックなボーカルに、ダンサフルなリズム&ビート。ディーディーのボーカルは、1970年代の若かりし頃より、エネルギッシュでファンキーだった。正統派の純ジャズなボーカルというよりは、フュージョンでコンテンポラリーなジャズ・ボーカルの類である。

そんなディーディーが歌いまくる、ホレス・シルバー・トリビュートな曲曲曲。ディーディーのファンクネス漂い、パンチのある高テクニックなボーカルが、ホレスのファンクネス溢れる楽曲にピッタリ。むっちゃ雰囲気の良いボーカルがてんこ盛りです。

ホレスの手なる曲は、どれもがノリが良くて、ファンキー。ディーディーのボーカルはダイナミックでパワフル。ホレスの曲のファンクネスとディーディーのパワフルな歌唱との相性がとても良く、ディーディー自身、思いっきりノリノリのボーカルを全編に渡って聴かせてくれます。

全13曲、あっと言う間に聴き終えてしまいます。これぞ、現代の、コンテンポラリーなジャズ・ボーカルと言えましょう。ホレスの楽曲に歌詞を付けて唄ったボーカル・アルバムとしては白眉の出来です。「追悼、ホレス・シルバー」として格好のアルバムですね。良いアルバムです。
 
 
 
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