2025年3月23日 (日曜日)

ジャケーのウィズ・ストリングス

イリノイ・ジャケーのテナーは、テキサス・テナーの代表格。ブルースを基調とした、骨太で気合いや根性を優先、豪快なブロウを身上とした、米国南部の男らしい荒くれテナー。我が国ではあまり人気が無いが、僕はこのテキサス・テナーの奏でるソウル・ジャズが大好物。

Illinois Jacquet『Bosses of the Ballad: Illinois Jacquet Plays Cole Porter』(写真左)。1964年10月29 & 30日、NYでの録音。Argoレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Illinois Jacquet (ts), Tom McIntosh, Benny Golson (arr)。バックにオーケストラが付く。イリノイ・ジャケーのテナーが主役のウィズ・ストリングス盤。

ジャズの多様化が進んだ1964年の、テキサス・テナーの雄、イリノイ・ジャケーがリーダーの「ウィズ・ストリングス」盤。しかし、大衆狙いの「ウィズ・ストリングス」盤だが、リリースは、ソウル・ジャズ&R&B志向ジャズの老舗、Argoレコードから。アレンジがトム・マッキントッシュとベニー・ゴルソン。どう考えても、ジャズの雰囲気を活かした、聴き心地優先のイージーリスニング志向のウィズ・ストリングス」盤とは思えない。

タイトルを直訳すると「バラードのボス。イリノイ・ジャケットとストリングスがコール・ポーターを演奏」となる。アルバム内容はタイトル通りで、収録曲全12曲全て、コール・ポーター作の楽曲で占められている。いずれもバラード基調のアレンジが施されているが、アレンジャーがマッキントッシュとゴルソン。イージーリスニング志向ではあるが、聴き心地優先では無い。あくまで、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが映えに映えるアレンジになっている。
 

Bosses-of-the-ballad-illinois-jacquet-pl

 
バックのオーケストラの演奏は、少しジャジーな雰囲気が芳しいが、基本的には水準レベルの普通のオーケストラの音。しかし、そこに、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが乗っかってくると、このイージーリスニング志向のウィズ・ストリングスな演奏が、グッとジャジーでファンクネス漂う、唄うが如くのソウル・ジャズ志向のイージーリスニング・ジャズに早変わり。

イリノイ・ジャケーのテナーは、骨太でソウルフルで力感溢れるソウルフルなテキサス・テナー。バラード演奏では、そんなテナーに優雅で優しい響きが加わる。そんなテナーがダンディズムを振り撒きながら、骨太でソウルフルなフレーズを吹き上げる。コール・ポーター作の楽曲の持つ旋律の優しさが、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーを更に前面に押し出し、映えに映えさせる効果を産んでいる。

ストリングスの少し甘い音色に乗って、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが乱舞する。これは、単なる一般狙いのイージー・リスニングでは無い。イリノイ・ジャケーのテナーの存在感が、この盤を、ソウル・ジャズにおけるイージーリスニング志向の純ジャズの好盤、という位置付けに押し上げている。

Argoレコードの「ウィズ・ストリングス」盤。只者では無かった。イリノイ・ジャケーのバラード・テナーを愛でるに相応しい、ソウル・ジャズ志向の「ウィズ・ストリングス」盤である。好盤です。
 
 

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2025年3月22日 (土曜日)

テキサス・テナーの代表格です

イリノイ・ジャケー(Illinois Jacquet)。米国のジャズ・テナー・サックス奏者。1922年10月、ルイジアナ州ブルサード生まれ。テキサス州ヒューストン育ち。2004年7月、NYにて逝去。テキサス・テナーの代表格。

1941年、ライオネル・ハンプトン楽団に入団。「Flying Home」のソロで有名に。1945~46年、カウント・ベイシー楽団に参加。以降、時代のトレンドに流されず、徹頭徹尾、テキサス・テナーのスタイルを貫き通した。

Illinois Jacquet『The Message』(写真左)。1963年3月7, 8日の録音。Argoレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Illinois Jacquet (ts, bassoon), Kenny Burrell, Wallace Richardson (g), Ralph Smith (org), Ben Tucker (b), Ray Lucas (ds), Willie Rodriguez (perc)。

このアルバムは、イリノイ・ジャケー(Illinois Jacquet)のArgoレコード移籍第一弾のアルバム。オルガン入り、ラテンタッチ、バスーンをつかったり、色々な音作りの工夫を施して、なかなか力の入った作りになっている。

イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーがしっかり前面に出て、しっかり映える作りになっていて、イリノイ・ジャケーのテナーの個性が良く判る。
 
Illinois-jacquetthe-message  
 
骨太でソウルフルで力感溢れるテナーが全編に渡って響き渡る。テキサス・テナーは、ソウル・ジャズ志向、R&B志向のジャズに合う。特にファンキーなオルガンやギターとの相性が良く、骨太でソウルフルなテナーのフレーズがグッと浮き出て、ライトなジャズ・ファンクなグルーヴが心地良く、思わず体が動き、思わす足でリズムを取ったりする。

繊細さなど無縁、モードなどジャズの先進的なトレンドなどにも無縁。骨太でソウルフルな力感溢れるテナーが、ダンディズムよろしく、R&Bな雰囲気に乗って、ブリブリと鳴り響く。テキサス・テナーの面目躍如。

野太く濁声の如く響くテナーは、昔の西部劇の無頼漢のガンマンの如くである。これが実に良い。どっぷりソウルフルでダンサフルなテナーの吹き回しが醸し出すグルーヴ感は絶品。逆に、バラードは優雅で温かみのあるテナーに早変わり。しかし、骨太でソウルフル&ダンディーな音の個性には変わりは無い。

ギターのケニー・バレル以外、あまり知られていないメンバーで固められたセッション・バンドではあるが、演奏のレベルは水準以上。ケニー・バレルのギターは当然のことながら、ラルフ・スミスのオルガンがいい味を出している。

バンド・メンバー全員が、ソウル・ジャズ志向、R&B志向のジャズで意思統一されていて、そんな一体感のあるバンド演奏をバックに、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが映えに映える。意外とこの盤、ソウル・ジャズの好盤の一枚だと思います。
 
 

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