2025年3月 2日 (日曜日)

好盤『The Nearness Of You』

今日の日中は暖かかった。聞けば四月中旬の暖かさだった、とか。先週は今年最大級の寒波がやってきた、と大騒ぎだったので、この気温の落差は大きい。

これだけ暖かいと、先週が寒かっただけに「疲れる」。こういった「疲れた時」は、激しいジャズや難しいジャズは避けたくなる。よって、今日も女性ジャズ・ボーカルの好盤の聴き直しが続く。

Helen Merrill『The Nearness Of You』(写真左)。1957年12月18日-19日と1958年2月21日の録音。ちなみにパーソネルは以下の通り。

1957年12月18日-19日の録音(Tracks01, 03, 04, 05, 06, 08, 11)。パーソネルは、Helen Merrill (vo), Mike Simpson (fl), Dick Marx (p), Fred Rundquist (g), Johnny Frigo (b), Jerry Slosberg (ds), David Carroll (arr, cond)1958年2月21日の録音。

1958年2月21日の録音(Tracks02, 07, 09, 10, 12)。パーソネルは、Helen Merrill (vo), Bobby Jaspar (fl), Bill Evans (p), Barry Galbraith (g), Oscar Pettiford (b), Jo Jones (ds), George Russell (arr, cond)。

「ニューヨークのため息」と形容される、ヘレン・メリルの好盤である。ヘレン・メリルが、十八番のハスキー・ヴォイスで、軽やかにスタンダート曲を唄う。
 

Helen-merrillthe-nearness-of-you

 
2つのセッションからの選曲になる。特に、1958年2月21日の録音は、ビル・ヴァンスのピアノ、ボビー・ジャズパーのフルート、オスカー・ペティフォードのベース、ジョー・ジョーンズのドラム、と当時のモダン・ジャズ界の中の一流どころが集結している。しかも、アレンジがジョージ・ラッセル。

しかし、面白いのは、バックの演奏のレベルが多少違っても、全くお構いなしの、バックの演奏に左右されない、ヘレン・メリルの歌唱が素晴らしい。ヘレン・メリルのボーカルは、一定の高い水準のレベルを保っていて、出来不出来の差がほとんどない。

これにはいつも感心するんだが、バックの演奏内容、レベルがいかなる場合でも、バックの演奏が普通の水準以上であれば、ヘレン・メリル自身は全く気にすることなく、一気に朗々と歌い上げる。

つまりバックの演奏のレベルが高ければ高いほど、そのアルバム全体の出来は良くなる、という寸法。ヘレン・メリルの歌唱に好不調の波は無い。水準以上の歌唱で固められていて、安定感抜群である。黒人女性ボーカリストの「コブシ」を回した、情感溢れまくり、感情移入過多気味の歌唱よりも、シンプルでクールでフラットなメリルの歌唱は、いつ聴いても「癒される」。

今回、改めて聴き直してみても、ヘレン・メリルの少しハスキーなヴォイスは、明らかに魅力的。音程もしっかりしているし、速い曲もゆったりしたバラード曲も難なくこなす高テクニック。この盤は、ヘレン・メリルのハスキー・ボイスと、ノリのいいスイング感と、様々なジャンルの歌唱を歌いこなす高テクニック、この3つを心ゆくまで堪能する好盤だろう。
 
 

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2021年8月23日 (月曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・5 『Helen Merrill With Clifford Brown』

僕なりの超名盤研究の5回目。40年以上、ジャズ盤を聴き続けてきて、今でも新盤は極力押さえて聴き続けている場合、こういう超名盤の類については、時間の関係上、なかなか聴き直すチャンスが無い。

この20年辺りはテーマを決めて、そのテーマに合致したジャズ盤を聴き直したり、リイシューされた初聴の盤や月毎にリリースされる新盤を聴いたりしている。超名盤を聴き直すまとまった時間がなかなか取れないのだ。よって、今回の「僕なりのジャズ超名盤研究」のシリーズって、超名盤を聴き直す「またとない機会」で、これはこれで実に楽しい時間を過ごさせて貰っている。

『Helen Merrill』(写真左)。別名『Helen Merrill With Clifford Brown』。1954年12月の録音。ヘレン・メリルの初リーダー盤。ちなみにパーソネルは、Helen Merrill (vo), Clifford Brown (tp), Danny Bank (b-cl, fl, bs), Jimmy Jones (p), Barry Galbraith (g), Milt Hinton, Oscar Pettiford (b), Osie Johnson, Bobby Donaldson (ds), Quincy Jones (arr, con)。

「ニューヨークの溜息」と謳われたヘレン・メリルの代表的名盤である。そして、早逝の天才トランペッター、クリフォード・ブラウンとの優れた共演でも有名。アレンジャーに、若手の優秀なアレンジャーとして活躍していたクインシー・ジョーンズを採用。

ヘレン・メリルは1930年生まれなので、この盤の録音時は24歳。クリフォード・ブラウンの起用も、クインシー・ジョーンズの起用も、ヘレンの意志だったというから凄い。
 

Helen_merrill

 
1950年代前半のジャズ・ヴォーカル盤としては、確かにアレンジが優れていて、とってもモダンなイメージがする。今の耳で聴いてもあまり古さを感じさせないアレンジは、さすが「Q(クインシー)」である。

この優れたモダンなアレンジに乗って、ヘレン・メリルの歌伴を担当するクリフォード・ブラウン(ブラウニー)のトランペットが凄い。ヘレンは肉声で唄い、クリフォードはトランペットで唄う。つとに有名なのは2曲目の「You'd Be So Nice to Come Home To(邦題:帰ってくれたら嬉しいわ)」のブラウニーだが、実は全曲全編に渡って、ブラウニーのトランペットが炸裂しまくっているから、これまた凄い。

しかも、今回、よく聴いてみると、ヘレン・メリルのヴォーカルを引き立て、ヘレン・メリルのヴォーカルに寄り添うべく、トランペットの音色を調節している。前奏・間奏時には、張りのある疾走感溢れるブリリアントな音色。ヘレン・メリルのヴォーカルに寄り添い、ユニゾン&ハーモニーを奏でる時は、柔らかで包み込む様なウォームな音色。ブラウニーのトランペットのテクニック、恐るべしである。

ヘレン・メリルのヴォーカルの素晴らしさは言うまでも無い。ニューヨークの溜息、ヘレンのボーカル全開。聴いていて爽やかで、聴いていてクール。判り易くて、聴き易いボーカル。「ニューヨークの溜息、日本の恋人」と形容されるのが、とても良く理解出来るヘレンのボーカルである。

凄く久し振りにこの超名盤を聴いたのだが、やっぱり「良いものは良い」。ヘレンの歌唱とクリフォードのトランペットとの「奇跡の邂逅」の記録である。
 
 
 
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2014年4月10日 (木曜日)

ニューヨークの溜息の決定的名盤

このボーカル盤って、あまりに有名、あまりに名盤なので、既に、当ブログでご紹介したと思っていた。で、よくよく調べてみたら、なんと全くノーマーク。それではいかん、と急遽ノミネート。

そのあまりに有名、あまりに名盤なボーカル盤とは『Helen Merrill』(写真左)。邦題『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』。そう、あの「ニューヨークの溜息」と謳われたヘレン・メリルの代表的名盤である。そして、早逝の天才トランペッター、クリフォード・ブラウンとの優れた共演でも有名。

ヘレン・メリルはNY生まれ。1946年から1947年にかけて、ビッグバンドの一員として活動を始める。親日家であり、数多く来日、ライブ・コンサートを中心に活動している。「ニューヨークの溜息、日本の恋人」って感じですね。1930年生まれなので、今年で84歳になります。

このアルバム『Helen Merrill』は、自らの名前をタイトルに冠していることからも判る様に、ヘレンの初リーダー盤である。そして、邦題からも判る様に、この初リーダー盤には、トランペットにクリフォード・ブラウンが全面参加。クインシー・ジョーンズが編曲を担当。

クリフォード・ブラウンの起用も、クインシー・ジョーンズの起用も、ヘレンの意志だったというから凄い。パーソネルを眺めると、その凄さがまた際立つのだが、参加ジャズメンの中で、フロントの管について、有名どころはクリフォード・ブラウンのみ。それでも、このアルバムの演奏全体を覆う、濃厚なジャジーなイメージは、クインシーのアレンジの賜(たまもの)。
 

Helen_merrill

 
クインシーの素晴らしいアレンジに乗って、演奏の中から、全面に出て、我々の耳に迫ってくるのは、ヘレン・メリルのボーカルとクリフォード・ブラウンのトランペットのみ。ヘレンは肉声で唄い、クリフォードはトランペットで唄う。そして、その歌声は、クインシーのアレンジによって、グッと際立つ。

冒頭の「Don't Explain」を聴けばそれが良く判る。いきなりグッと迫ってくるヘレンのボーカル。そして、間奏に来て、突如として現れ出でて、天才トランペッターの一期一会のパフォーマンスが繰り広げられる。

そして2曲目。遂に出てくるエバーグリーン。とぅるり、で〜んで〜で、でででででででで、ぱぱぱらっぱっぱらっ、という前奏から、ガッツのあるヘレンのボーカルで「You'd Be So Nice to Come Home To」。この大スタンダード曲の決定的名演、決定的名唱である。良いものは何回聴いても良い。ヘレンの歌唱、クリフォードのトランペット。奇跡の邂逅である。

冒頭の2曲で、残りの曲についても、その内容は推して知るべし。ニューヨークの溜息、ヘレンのボーカル全開。クリフォードの一期一会な天才的トランペット全開。これだけ、ボーカルはもとより、フロントの管が際立つボーカル盤はなかなかお耳にかかれない。

ポップでジャジーなボーカル盤として、ジャズ者万民にお勧め。聴いていて爽やかで、聴いていてクール。判り易くて、聴き易いボーカル盤って良いですね。僕の長年のヘビロテ盤です。ジャケット写真は「いかつい」ので、ちょっと引きますが、気にしないでいきましょう。

 
 

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2014年3月18日 (火曜日)

ニューヨークの溜息、日本の恋人

3月14日のブログ(左をクリック)で、Helen Merrill & Gil Evans『Collaboration』を採り上げた訳なんだが、早速、その元となった、Helen Merrill & Gil Evans『Dream Of You』(写真左)を久し振りに聴き返してみた。

改めて、この『Dream Of You』というアルバムは、「ニューヨークの溜息」と評され、今では大ベテランとなった女性ボーカリスト、ヘレン・メリルの秀作である。1956年7月と1957年2月の2回のセッションを収録している。

アレンジはGil Evans。そして、バック・バンドは、Oscar Pettiford (b), Hank Jones (p), Joe Morello (ds) のリズム・セクションをベースに、トランペットにはArt Farmerが名を連ねている。

ヘレン・メリルについて、ちょっと触れておこう。ヘレン・メリルはNY生まれ。両親はクロアチア人。1946年から1947年にかけて、ビッグバンドの一員として活動を始める。そして、1954年12月、初リーダー盤『Helen Merrill』、邦題『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』を録音。

この初リーダー盤には、トランペットにクリフォード・ブラウンが全面参加、クインシー・ジョーンズが編曲を担当。ヘレン・メリルの代表盤の一枚となった。特に「You'd Be So Nice To Come Home To」は名演中の名演として、つとに有名。

1960年11月、初の日本公演。1963年にも来日。1966年頃、結婚を機に日本に移住。幾枚か日本人ジャズメンとの共演盤をリリース。その後、離婚を経て、1972年には米国に帰国して音楽活動を停止するが、1976年に活動を再開。親日家であり、活動再開後は数多く来日、ライブ・コンサートを中心に活動している。「ニューヨークの溜息、日本の恋人」って感じですね。1930年生まれなので、今年で84歳になります。
 

Dream_of_you

 
このヘレン・メリルのキャッチフレーズ「ニューヨークの溜息」を、この『Dream Of You』では十二分に堪能出来ます。ミッド・テンポのメリハリのある曲が多く、ヘレン・メリルの歌唱が実に映える。当時、24歳の歌唱なので、声に張りがあって力がある。健康的なお色気も漂って、さすが、このアルバムでのヘレン・メリルは良い。

そして、そのヘレン・メリルの歌唱を更に際立たせるのが、ギル・エバンスのアレンジ。後のギル独特の音の重ね方と漂う様な音の展開は控えめなんですが、それでも、ちょっと聴くと、ギルのアレンジと判る強い個性。しかし、その強い個性をグッと押さえて、ヘレン・メリルの歌唱を際立たせるよう、一音一音に配慮が行き届いている。

それはそれで正解でしょう。なんせ、このアルバムって、ボーカリスト、ヘレン・メリルのリーダー盤ですからね。まずは、何はともあれ、ヘレン・メリルの歌唱が際立つのは当たり前と言えば当たり前。さすが、ギル・エバンス。プロフェッショナルな仕事をしっかりとしていますね。

ヘレン・メリルとギル・エバンスのコラボ盤なんですが、この盤は、あくまでヘレン・メリルの歌唱を愛でるのが中心のアルバムです。ギル・エバンスのアレンジは、あくまで歌伴のアレンジに徹しているということで、余り目立つことはありません。

そこが良いんですけどね。でも、良い雰囲気の女性ボーカル盤です。春を迎えつつある、この季節にピッタリですね。
 
 
 
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2014年3月14日 (金曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・26

ジャズには「再会セッション」なんて言葉もあるが、このアルバムは、そんな言葉を超越している。『Dream Of You』(写真右)というアルバムで共演して以来、30年を経過してリメイクしたアルバムである。

そのアルバムとは、Helen Merrill & Gil Evans『Collaboration』(写真左)。1987年8月の録音。ヘレン・メリルとギル・エバンスとの共演は『Dream Of You』というアルバムでのセッションで、1957年2月以来のことになる。つまり、30年ぶりの共演になる。

しかも、この再会セッション『Collaboration』の収録曲がふるっている。『Dream Of You』の7曲目「You're Lucky to Me」が、このリメイク盤『Collaboration』では、1曲目の「Summertime」に代わっただけで、『Collaboration』の「Summertime」以外の11曲は、33年前の『Dream Of You』の収録曲と同じ。惜しいかな、収録された曲の曲順はちょっと違うんだけどね。

アルバムの作りとしては、ギル・エバンスが編曲した、ギル・エバンス・オーケストラをバックにして、ヘレン・メリルが唄いまくるという、1957年の『Dream Of You』と同じコンセプト。しかし、ギルのアレンジとオーケストラの演奏は全く違う。『Collaboration』の収録時の1987年の最先端をいくアレンジとオーケストラの演奏。

そんなモダンなジャズ・オーケストラの演奏をバックに、「ニューヨークの溜息」ヘレン・メリルが唄いまくる。ヘレンは1930年生まれなので、この『Collaboration』を録音した時は57歳。もうジャズ・ボーカリストとして、ベテラン中のベテランである。このアルバムでは、実に余裕のある、滋味溢れる歌声を聴かせてくれる。
 

Helen_gil_collaboration

 
しっとりとしたバラード曲が多いので、ちょっと地味な印象を受けるかもしれない。メリハリに欠けるという印象を持たれるかもしれない。しかし、ギル・エバンスの歌伴アレンジを活かし、愛でるには、このしっとりとしたバラード曲が、ゆったりとした余裕のある展開が絶対に必要なのだ。これはこれで正解なのである。

加えて、僕はジャズ・オーケストラとしては、このギル・エバンス・オーケストラの音が大好きなのだが、このヘレン・メリルとの共演盤でも、ギルのアレンジ、ギル・エバンス・オーケストラの演奏は、全く揺るぎが無い。ヘレン・メリルとの共演だからといって、ヘレンに迎合しているところの微塵も無い。ギル・エバンス、我が道を行くである。ギル・エバンス・オーケストラの音としては、全く申し分無い。

そのギル・エバンス、我が道を行く、というアレンジとオーケストラの演奏に相対して、ヘレン・メリルもこれまた、ヘレンの個性全開の、ヘレン・メリル、我が道を行く、という歌唱を聴かせてくれる。ギル・エバンスのアレンジに、オーケストラの演奏に迎合しているところの微塵も無い(笑)。

そうなれば、アルバム全体の演奏と歌唱は、バラバラな散漫な印象になりそうなんだが、そうならないところに、ギル・エバンスとヘレン・メリルの職人気質と意気軒昂さを感じる。この『Collaboration』での、ギルとメリルの再会セッションは爽快であり、健気である。

非常に充実した内容ではあるが、ジャズ・オーケストラをバックにしたジャズ・ボーカル盤としては、個性的で異色な響きを併せ持つ、唯一無二なアルバムである。このアルバム全編に渡る「個性的で異色な響き」をどう感じるかで、このアルバムの評価は変わるでしょうね。僕はこのアルバムの音世界、好きです。
 
 
 
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