ジャズ喫茶で流したい・279
アーゴ&カデット・レーベルは、ブルーノートやプレスティッジといったジャズ専門レーベルに比べ、かなりソウル色が強い。
親レーベルのチェス・レコードが「リズム・アンド・ブルース主力」であったことが理由だろうが、ソウルフルな雰囲気濃厚なもの、ファンクネス濃厚なもの、どっぷりブルージーな歌心満点なもの、など、ちょっと癖の強い、他のレーベルにないファンキー&ソウルフル濃厚な盤が多くリリースされている。
『Sonny Stitt』(写真左)。1958年の作品。シカゴでの録音。Argoレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Sonny Stitt (as, ts), Ramsey Lewis (p), Eldee Young (b), Isaac "Red" Holt (ds)。ばりばりソウルフルなピアノ・トリオをバックにした、ソニー・スティットのワンホーン・カルテット。
ソニー・スティットは、ビ・バップなサックスが特徴。本場米国では、スティットはチャーリー・パーカーの最も優れた弟子と評価されている割に、日本ではパーカーの模倣扱いされ、アルト・サックスを聴くなら、チャーリー・パーカーを聴けば十分という偏った評論と相まって、ソニー・スティットはマイナーな存在に留まった。
しかし「パーカーのそっくりさん」という表現は酷い。スティットのサックスをちゃんと聴けば、パーカーそっくりなサックス、とは感じないだろう。判り易く形容すると「スマートでウォームなパーカー」か。パーカーのアドリブ・フレーズより、素直でシンプル。パーカーの尖った抑揚より、ちょっと程よくラウンドした抑揚。ストレートなふきっぷりも、パーカーは鋭いが、スティットは少しウォーム。
ただ、スティットのサックスは、筋金入りの「ビ・バップなサックス」。ソウル色の強いArgoレーベルでは、どんな音世界のリーダー作になるのだろう、と興味津々。しかも、バックのリズム隊は、ラムゼイ・ルイスのピアノ率いる、「こってこてファンキーでソウルフルな」リズム隊。
一聴すると、筋金入りの「ビ・バップなサックス」が飛び出てくるので、さすがスティット、と思うんだが、ずっと聴き進めていくと、それまでのスティットの「ビ・バップなサックス」とは響きとフレーズがちょっと違うことに気が付く。切れ味よくバップなフレーズ、というより、ちょっと流麗で唄うような、ちょっとキャッチーでシンプルなフレーズを吹いている。
バックのラムゼイ・ルイス・トリオは、きっちり「ファンキーでソウルフルな」リズム&ビートを供給している。そこに、スティットの「ビ・バップなサックス」が入ると、どこか唄うように、流麗でキャッチーでシンプルなフレーズに早変わり。これ、スティット流の「ビ・バップなソウルフルなサックス」なのかもしれない。
それまでの、ちょっととっつきにくい、ハードで硬派なスティットのサックスが、ラムゼイ・ルイスのピアノ率いる、「こってこてファンキーでソウルフルな」リズム隊のバッキングに乗って、ちょっと流麗で唄うような、ちょっとキャッチーでシンプルなフレーズを吹いている。これ、なかなかイケる。実は、このスティット盤、以前からのお気に入り。良いアルバムです。
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