4300番台の純ジャズ志向な盤
リーダーはドラム担当のエルヴィン・ジョーンズ。ジョージ・コールマンとジョー・ファレル、ペッパー・アダムスがフロント3管のピアノレス、パーカッション入りセクステット編成。どちらかと言えば、ハードバップ寄りのメンバー編成だが、出てくる音は「ポスト・バップ」。典型的なモード・ジャズである。エルヴィンが敬愛するコルトレーンにやって欲しかったであろう、理路整然としたモード・ジャズである。
Elvin Jones『Poly-Currents』(写真左)。 September 26, 1969年9月26日、Van Gelder, Englewood Cliffs, NJでの録音。ブルーノートの4331番。ちなみにパーソネルは、Elvin Jones (ds), Fred Tompkins (fl :5), George Coleman (ts :1–4), Joe Farrell (ts, English horn, fl), Pepper Adams (bs :1–3), Wilbur Little (b), Candido Camero (congas :1–3)。
理路整然としたモード・ジャズではあるが、エルヴィンのリーダー作がゆえ、エルヴィンのポリリズミックな超人的ドラミングが基本、フィーチャーされている。演奏全体の雰囲気は明らかに「ポスト・バップ」。ただ、エルヴィンのドラミングをフィーチャーしているので、フロント3管のパフォーマンスは二の次、の様な、ちょっと未成熟で、ちょっととりとめのないアレンジなのが惜しい。
キューバ出身のパーカッション奏者キャンディド・カメロが参加。ドラムとコンガが激しく絡み合うことで、アルバムのタイトル(Poly-Currents=多層的な流れ)通りの、アフロ・カリビアン的な躍動感のあるグルーヴを生み出している。このドラムとパーカッションが絡む独特のグルーヴを損なわない為にピアノレスなんだろう。ここに、ピアノが打楽器として参加したら、折角の個性的なグルーヴが損なわれる。
冒頭「Agenda」は、アルバムの方向性を決定づける14分に及ぶ大作。冒頭からエルヴィンの重厚なドラムとキャンディドのコンガが火花を散らす様は見事。3曲目の「Mr. Jones」は、ケイコ・ジョーンズ(エルヴィンの妻でありマネージャー)の作曲。ポスト・バップの力強いグルーヴを持った、ストレート・アヘッドな名演。この曲でのフロント3管のパフォーマンスは、モーダルの響き芳しいパフォーマンスで聴き甲斐がある。
大手レコード会社の傘下に入って、売らんが為の「商業主義」に走った様なアレンジのアルバムが多い、ブルーノート4300番台の中で、このアルバムは、硬派でストレート・アヘッドで純ジャズ志向のアルバムとして、従来のブルーノートの矜持を反映した好盤だとは思う。アレンジがもう少し煮詰まっておれば、もっと凄いアルバムになっていただろうと、ちょっとだけ惜しい気持ちにさせる好盤である。
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