”アーゴ&カデット” のアモンズ
アーゴ&カデット・レーベル(Argo & Cadet label)。1955年にチェス・レコード(Chess Records・ブルースやリズム・アンド・ブルースが主力)のジャズ部門としてアーゴ・レコードとして始まったアメリカのレーベル。アーゴ・レーベルは、英国の同様の名前のレーベルとの混同を避ける為、1965年にカデット・レーベルに名前を変更。カデット・レーベルは、アーティストがチェスに移籍した1974年頃にレコードのリリースを停止している。
アーゴ&カデット・レーベルは、ブルーノートやプレスティッジといったジャズ専門レーベルに比べ、かなりソウル色が強い。親レーベルのチェス・レコードが「リズム・アンド・ブルース主力」であったことが理由だろうが、ソウルフルな雰囲気濃厚なもの、ファンクネス濃厚なもの、どっぷりブルージーな歌心満点なもの、など、ちょっと癖の強い、他のレーベルにないファンキー&ソウルフル濃厚な盤が多くリリースされている。
Gene Ammons『Makes It Happen』(写真左)。1948年10月, 1949年2月, 1950年1,5月, 1951年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Gene Ammons, Tom Archia (ts), Matthew Gee (tb), Bill Massey, Jesse Miller (tp), Leo Blevins (g), Sonny Stitt (as), Charlie Bateman, Junior Mance (p), Christine Chatman (p,vo), Gene Wright, Leroy Jackson, Lowell Pointer (b), Ike Day, Teddy Stewart, Wesley Landers (ds), Mary Graham (vo)。
それぞれの楽器で複数のジャズマンが交代で担当、アーゴ・レーベル設立以前の、古い5つのセッションの音源の寄せ集めである。しかし、リーダーであるジーン・アモンズのオールド・スタイルのテナーがとても個性的。どっぷりファンキーでソウルフル、そして、演歌の如くの歌心満点。そんな強烈に個性的なアモンズのテナーが、5つのセッションの演奏の寄せ集めに、一本、筋を通していて、このアルバムに一体感を与えている。
アモンズのビブラート過多のオールド・スタイルのテナー。昔は苦手だったが、今ではこれはこれで「アリ」だな、と思いながら、楽しんで聴いている。歌心満点というよりは「思い入れ過多」。この思い入れ過剰なテナーは夜聴くのが良い。豪快ではあるが、すっと力の抜けたリラクゼーション満点の吹きっぷり。これが癖になるか、ならないかで、アモンズのテナーの好き嫌いが分かれる。
アモンズのオールド・スタイルのテナーが良く判る、そして、アーゴ&カデット・レーベルの「音の特徴」が良く判る盤である。かなり癖のあるオールド・スタイルのテナーなので、コルトレーン・スタイルのテナーに慣れた耳には、かなり異質な響きかもしれない。しかし、このオールド・スタイルのテナーが、ジャズ・テナーの起源でもある。「温故知新」のノリで、アモンズのテナーにじっくり耳を傾けるのも一興かと。ジャズ盤鑑賞の醍醐味でもある。
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