ドン・チェリーのフリー・ジャズ
ココレ誌の執筆陣が選んだ、ブルーノート盤の「ベスト100」。まずは、このレココレ誌が選んだ「ベスト100」のアルバムの中で、当ブログで扱ったことが無いアルバムをピックアップして聴き直している。今日は、フリー・ジャズの重要な開拓者の1人、ドン・チェリーの名盤である。
Don Cherry『Symphony for Improvisers』(写真左)。邦題「即興演奏家のためのシンフォニー」。ブルーノートの4247番。1966年9月19日の録音。ちなみにパーソネルは、Don Cherry (cornet), Gato Barbieri (ts), Pharoah Sanders (ts, piccolo), Karl Berger (vib, p), Henry Grimes, Jean-François Jenny-Clark (b), Ed Blackwell (ds)。
先に断っておくが、この盤はLP時代、A面全部が「Symphony for Improvisers: Symphony for Improvisers/Nu Creative Love/What's Not Serious?/Infant Happiness」のフリー・ジャズの組曲。B面全部が「Manhattan Cry: Manhattan Cry/Lunatic/Sparkle Plenty/Om Nu」のフリー・ジャズの組曲。長編の組曲2曲のみのフリー・ジャズのアルバム。
この盤には、ドン・チェリーの考えるフリー・ジャズが詰まっている。ベースは「オーネット・コールマンのフリー・ジャズ」だと感じるが、オーネットとフリー・ジャズに対するアプローチが異なっている。
オーネットは、従来のモダン・ジャズで「やってはいけないこと」を正として、ある決め事の上で、「やってはいけないこと」をメインに演奏する。従来のモダン・ジャズではやらないことをやって「フリー・ジャズ」とした。
ドン・チェリーは、そのオーネットのフリー・ジャズに、ジャズとして正調なリズム&ビートを立てた。つまり、フリー・ジャズの「ジャズ」の部分を正調なリズム&ビートに求めた、と僕は感じる。
そして、その上に、オーネットの「やってはいけないこと」をバンバンやるのだが、リズム&ビートがほぼ正調に供給されているので、「やったはいけないこと」が音楽的に整頓されている、と感じる。これが、ドン・チェリーの考えるジャズが、従来のジャズの雰囲気を宿していて、意外と聴きやすくなっているのは、そういう音の「作り」になっているからだろう。
フリー・ジャズは、演奏者それぞれが、自由勝手気ままに、本能の赴くままに演奏しまくる演奏トレンドでは無い。「フリー」を演奏者それぞれが、自由勝手気ままに、本能の赴くままに演奏しまくる、と解釈すると「音楽」ではなくなる。必ず、最低限の演奏の決め毎があり、「フリー」の解釈を、それぞれのリーダーが行い、それを音にし、演奏に反映する。それがフリー・ジャズの本質だと僕は考える。
「ドン・チェリーの考えるフリー・ジャズ」は、この盤を聴いて感じるのが一番。ジャズ者初心者の方々にも聴き易く、フリー・ジャズの「構造」が良く判るかと思う。
フロントのインプロビゼーションと、リズム・セクションのリズム&ビート。フリー・ジャズとして、フロント隊とリズム隊、それぞれ「フリー」の一言をどう解釈するかで、それぞれのフリー・ジャズの個性が決まる。フリー・ジャズとは、即興演奏を旨とするジャズとして、本質を突く、非常に興味深い演奏トレンドだと僕は思う。
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