オールド・スタイルなトリオ好盤
全曲、ジャズ・スタンダード曲で固められた、「オールド・スタイル」なピアノ・トリオで奏でられた、小粋なスタンダード曲集。全編、このピーターソン・オールド・スタイル・トリオでのダイナミックでスインギー、ハイテクニックで疾走感抜群なトリオ演奏。理路整然とした、ハードバップ’・スタイルの演奏で、聴いていて、安定感抜群。
Oscar Peterson『On the Town with the Oscar Peterson Trio』(写真左)。1958年7月1–5日、トロントのタウン・タバーンでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Herb Ellis (g), Ray Brown (b)。ドラムの代わりに、ハーブ・エリスのギターを入れた、当時、オスカー・ピーターソンお得意の「オールド・スタイル」なピアノ・トリオでのライヴ・パフォーマンス。
アレンジが良い。ピーターソンのそれぞれのジャズ・スタンダード曲の対する解釈が小粋で、スタンダード曲の持つ歌心を、ハイテクニックなオールド・スタイル・トリオが弾き進めていく。特に、ピーターソンのピアノが凄まじく、ライヴならではの所作なのだろう、もうオーヴァー・スイングといっても良い位、スイングしまくるピーターソンのピアノ。
このハイテクニックで、バリバリにスイングしまくるピアノに、堂々と相対するのが、エリスのギター。ピーターソンのピアノ捌きのスピードに応じて、緩急自在、硬軟自在、変幻自在にギターを弾きまくるエリス。このエリスのパフォーマンスも、このオールド・スタイル・トリオの聴きどころ。特に、ピーターソンのピアノとの絡みは、聴いていてゾクゾクする瞬間が沢山あって、楽しいことこの上無し。
そして、このピーターソンとエリスのパフォーマンスのリズム&ビートをしっかり支えるのが、レイ・ブラインのベース。ブラインのベースがあってこそ、ピーターソンとエリスのパフォーマンスが映えに映える、2人が安心して、カッ飛び演奏を繰り広げられる。音が大きく、ソリッドで、ブンブン胴鳴りするアコベは、このオールド・スタイル・トリオ演奏のベースをガッチリ支え鼓舞している。
この胸の空くような、オールド・スタイル・トリオのパフォーマンス。これまで、ほとんど陽の目を見ていないのが現状だろう。一般のジャズ者の方々でも、この盤の存在とその優れた内容を知る人は少ない。これは、ピーターソンにとっても不幸なことで、この盤、オールド・スタイル・トリオの好盤として、もっと評価されて然るべき盤だと僕は思う。とにかく、聴き終えた後、スカッと爽快感が心地良い好演である。
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