ピアノ・トリオの代表的名盤 112
ミシェル・ルグランは、仏映画音楽界の巨匠。「シェルブールの雨傘」「華麗なる賭け」「おもいでの夏」など、手掛けた有名曲は多数。そして、優秀なジャズ・ピアニスト兼アレンジャーでもあった。本場米国のジャズマンや批評家からも高く評価されていたというから立派なものだ。
Michel Legrand『At Shelly's Manne-Hole』(写真左)。1968年9月5日、ハリウッドの「Shelly's Manne-Hole」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Michel Legrand (p), Ray Brown (b), Shelly Manne (ds)。ミシェル・ルグランが映画音楽の仕事でハリウッドに滞在していた時期に実現した「Shelly's Manne-Hole」でのライヴ録音。
ミシェル・ルグランのピアニストとして、卓越した才能を最大限に発揮したトリオ盤である。冒頭のトリオの3人の名前を冠した「The Grand Brown Man」でのルグランのピアノが凄い。アップテンポでダイナミック、シングルトーンからブロックコードまで、ルグランの持つピアノのテクニックを総動員した、挨拶代わりのパフォーマンスに思わず度肝を抜かれる。
アップテンポ&ダイナミックでガンガン飛ばすかと思いきや、ルグランのオリジナル曲「A Time for Love」と「Watch What Happens」では、オリジナルのメロディーを愛しむように弾き進める、流麗で耽美的なルグランのピアノで、不意を突かれる。超スタンダード曲「My Funny Valentine」では、ルグランのスキャットまで飛び出す始末。歌心満点のルグランのピアノが素晴らしい。
そして、このピアノ・トリオ、バックのリズム隊の二人、ベースのレイ・ブラウン、ドラムのシェリー・マン、このウエストコースト・ジャズにおける、代表的名手の存在が大きい。丁々発止とルグランのピアノを受け止め、極上のテクニックでルグランのピアノを引き立て、鼓舞する。有名スタンダード曲「Willow Weep for Me」での、レイ・ブラウンのベースとルグランのピアノとの掛け合いは見事。
名手二人と繰り広げるトリオ編成による、極上のパフォーマンス。ミシェル・ルグランのピアニストとしての真価を存分に披露した、ピアノ・トリオの名盤である。ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の特集には、なかなか、このアルバム・タイトルが上がることは無いが、我がバーチャル音楽喫茶「松和」では、謹んで「ピアノ・トリオの代表的名盤」の一枚に認定させて頂きたい。
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