モーガン最後の公式セッション 『The Last Session』
当ブログの朝のツイート「今日のスタート」で、リー・モーガン(Lee Morgan)の聴き直し、それも、急逝直前の遺作から順に遡って聴き直している。モーガンが内縁の妻に撃たれて急逝したのは、1972年2月19日(享年34歳)。ジャズは、クロスオーバー・ジャズとモーダルなジャズが主流だった時期。モーガンが果敢に新しいジャズのトレンドに挑んでいった姿が涙を誘う。
Lee Morgan『The Last Session』(写真左)。1971年9月17–18日の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Grachan Moncur III (tb), Bobbi Humphrey (fl), Billy Harper (ts, alto-fl), Harold Mabern -(ac-p, el-p), Reggie Workman (b, perc), Jymie Merritt (b), Freddie Waits (ds, recorder)。フロント4管のセプテット(7重奏団)編成。
モーガン、急逝の5ヶ月前のセッションの記録。最後の公式セッションになる。メンバーは、当時のブルーノート御用達のメンバーをメインに固めた「手練の面々」。メンバーの志向としては、モーダルなジャズを志向するメンバーが多くを占めている。積極的な電気楽器の導入もあって、クロスオーバー・ジャズの影響も垣間見える。
モーガンのトランペットが、モード・ジャズに完全適応している様子が窺える。それまでのスタジオ録音は、ところどころ、ファンキー・ジャズへの未練や、ソウル・ジャズへの浮気心が見え隠れして、ちょっと散漫なイメージが付きまとっていたが、この盤では、それが吹っ切れた様に、モード・ジャズ一色に染まっている。
そんなモーダルなジャズをベースに、エレクトリック・サウンドの積極導入、スピリチュアルなアドリブ展開、黒人解放運動からの影響、そして、ネイティヴな民族音楽の要素の反映など、従来のスタイルから明らかに進化したモーガンの音楽を聴くことが出来る。この時期、こんなモーダルなジャズの音世界は他に無い。明らかにモーガンならではの音世界である。
当時の、新しいモーガンの進化した音世界が形になったアルバムだと思う。ここから更に進化したモーガンが聴けるはずだったのだが、このセッションの5ヶ月後、内縁の妻に撃たれて急逝する。実に残念である。
最後に、ノーマン・シーフ撮影によるジャケが実に格好良い。本当に「鯔背で小粋で格好良い」トランペッターだった。
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