英国のフュージョン・ジャズ
昔から、シャカタク(Shakatak)と聞くと「ああ、ハワイのフュージョン・バンドやね」と思ってしまう。それは間違いで、ハワイのフュージョン・バンドは「カラパナ」。シャカタクは「英国のフュージョン・バンド」である。
英国という国では、ジャズとロックの境界線が曖昧である。ロック・バンドがジャズをやったり、フュージョンをやったりする。というか、特に、エレ楽器が中心のフュージョン専門のバンドの絶対数が少ない。必ず、どこかでロックの経験があったりする。
米国の様に、メインストリーム・ジャズを源とするフュージョン・ジャズとは異なり、欧州らしい、底にクラシックの影響を感じさせる流れる様な旋律と整った編曲に重きを置いたところが、英国のフュージョン・ジャズの個性である。当然、ロックの要素が強く見え隠れするところも重要な個性。そんな「英国のフュージョン・バンド」の個性の代表格がこの「シャカタク」である。
その個性がダイレクトに体験できるアルバムが、Shakatak『Invitations』(写真左)。1983年のリリース。シャカタクの第3作目。爽やかな展開の中に、欧州的な「そこはかとない哀愁感」漂う雰囲気。前年の『Night Birds』(2014年4月1日のブログ参照・左をクリック)も良いが、この『Invitations』の方が、シャカタクの個性をより強く感じることが出来る、と僕は思っている。
そんなシャカタクの今年リリースされた最新作がこれ。Shakatak『Times and Places』(写真右)。2年ぶりの新作。この新作を聴いて思うのだが、1980年代のシャカタクの個性が、この21世紀になってもしっかりと維持されていて立派だ。このアルバムを暫く聴いていたら「これってシャカタクやん」と直ぐに判る。
ボーカル曲も爽やか、インスト曲は躍動感溢れる。印象的な旋律が展開する。スムース・ジャズの雰囲気が色濃いフュージョン・ジャズ。リズムの重心が低く、ダイナミックな分、スムース・ジャズという雰囲気よりは、1970年代後半のフュージョン・ジャズの印象が強い。
1980年にデビュー以来、いろんな出来事があり、メンバーについても一部入れ代わったり。それでも、今日まで頑張って活動を続けているのは素晴らしいことです。しかも、ならではの個性をしっかりと維持している。
ちなみに、グループ名の「Shakatak」とは、デビュー前、彼らが大変お世話になったレコード店「RECORD SHACK」に対する感謝の気持ちを込めて、「SHACK」+「ATTACK」から名づけられた造語とのことです。へえ。
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