『Eastern Rebellion 4』を聴け
シダー・ウォルトンが率いる「イースタン・リベリオン」。第1作が、1975年12月の録音。第1作から第4作まで、スタジオ録音のみで全4作。1975年から1983年までの8年間。基本的には、1970年代のモード・ジャズの進化形のパフォーマンスの記録で、これがなかなか見事な内容で残っている(我が国では取り上げられることは殆ど無いが....)。
Cedar Walton『Eastern Rebellion 4』(写真左)。1983年5月25日の録音。オランダの「Timeless label」からのリリース。ちなみにパーソネルは、Cedar Walton (p), Curtis Fuller (tb), Bob Berg (ts), Alfredo "Chocolate" Armenteros (tp), David Williams (b), Billy Higgins (ds)。シダー・ウォルトン率いる名コンボ「イースタン・リベリオン」最終作。
ベースが、サム・ジョーンズから、デヴィッド・ウィリアムスに交代。フロント管に、キューバの英雄、アルフレッド “チョコラーテ” アルメンテロスのトランペットが加わって、3管フロントのセクセット編成。キューバのアルメンテロスが参加して、この『Eastern Rebellion 4』は、アフロ・キューバン・ジャズの1980年代版。
この時期に、どうして「純ジャズ志向のアフロ・キューバン・ジャズ」をやったのか、ウォルトンの真意は判らないが、1950年代から60年代のアフロ・キューバンを下敷きにしながら、1970年代後半に全盛を極めたフュージョン・ジャズからの影響か、ソフト&メロウな「温和な」側面も見え隠れする、以前の熱狂的な「熱い」アフロ・キューバン・ジャズでは無い、聴きやすさ満点の「軽快な」アフロ・キューバン・ジャズが展開される。
演奏全体の曲想が「アフロ・キューバン・ジャズ」になっても、ウォルトンのそこはかとなくファンキーでバップな「情熱&躍動ピアノ」は変わらない。というか、ウォルトンのバップな「情熱&躍動ピアノ」が、アフロ・キューバンにぴったりで、モーダルなウォルトンのピアノが、「アフロ・キューバン」をやっていても違和感が無い。ウォルトンのピアノの適応力の広さが窺い知れる。
ただ、この時期にイースタン・リベリオンが「アフロ・キューバン」をやる必然性を見出せることが出来ないので、この盤でのイースタン・リベリオンは異質で、この盤の唐突感は否めない。1983年の録音、フュージョン・ジャズが勢いを失い、1980年代半ばの「純ジャズ復古」前夜の時期。「イースタン・リベリオン」は進む方向性を見出せず、この4作目でその活動を終結した。致し方ない。
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