ロウズを心ゆくまで愛でる盤
CTIレーベルのアルバムを聴き直している。CTIレコードは、クロスオーバー&フュージョンの代表的レーベル。イージーリスニング・ジャズ志向のエレ・ジャズが多く、特に「ソフト&メロウ」な音の味付けがなされたフュージョン盤は、硬派なジャズ者の方々から毛嫌いされている(笑)。
だが、今の耳で聴き直しても、その内容、演奏テクやアレンジ、は充実している。1970年代を代表するジャズのスタイル、クロスオーバー&フュージョンの良いところが満載である。
Hubert Laws『The Chicago Theme』(写真左)。1975年1-4月の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。どうも、当時のクロスオーバー&フュージョンのアルバムは、登場人物が多くて困る。
Hubert Laws (fl, arr), Randy Brecker (tp), Michael Brecker (ts), David Sanborn (as), Bob James (key, arr, cond), Don Grolnick (p, clavinet), Joe Beck, George Benson, Eric Gale, Richie Resnicoff, Phil Upchurch (g), Doug Bascomb, Ron Carter (ac-b), Stanley Clarke (el-b), Steve Gadd, Andrew Smith (ds), Ralph MacDonald (perc)。バックにストリングスが入る。
リーダーは、フルート奏者のヒューバート・ロウズ。ジャズ・フルート奏者として頭角を現したのが、1960年代半ば。活躍したジャンルとしては、イージーリスニング志向のファンキー・ジャズ。いわゆる1970年代のクロスオーバー&フュージョン・ジャズに直結した音作りをしていて、純ジャズ者、ハードバップ至上主義のジャズ者の方々からは、全く注目されない存在。
しかし、ロウズのフルートはかなりのレベルで、ジャズ・フルート奏者の中では上位の、歴代のジャズ・フルート奏者の中ではベスト3の中に位置するくらいの「ジャズ・フルートのバーチュオーゾ」である。
そんなロウズが、ボブ・ジェームスのアレンジに乗って、クロスオーバー&フュージョン志向のCTIサウンドに包まれて、極上のファンキー&ソウルフルなフルートを吹き続ける。ロウズのフルートは、クラシック仕込みでテクニックは上々、歌心は抜群、ウォームで芯のあるファンキー&ソウルフルなフルート。
加えて、この盤では、バックのリズム隊が結構強力で、タイトでファンクネス漂うリズム&ビートが実に心地良い。そんなリズム隊とロウズのファンキー&ソウルフルなフルートが絡みまくって、こってこてファンクに、キメにキメる「I Had A Dram」。フィリー・ソウルの名曲、スタイリスティックスの「You Make Me Feel Brand New」や、マリア・マルダーのヒット曲「Midnight At The Oasis」のカヴァーが格好良い。
そして、ベタなジャズ・カヴァーで失笑を買いがちな、クラシックの有名曲「Goin' Home」、いわゆるドヴォルザークの「家路」であるが、これがまあ、ボブ・ジェームスの秀逸なアレンジで、思いっきりソウルフルなジャズ・ファンク曲にカヴァーされている。これだけ、思いっきりソウルフルなジャズ・ファンク曲にアレンジされた、ドヴォルザークの「家路」は聴いたことが無い。
ストリングスのバックも耳につかず、良いアレンジを施されて良好。CTIレーベルのアルバムの中でもちょっと地味な存在ですが、ロウズのフルートを心ゆくまで愛でるには最適なアルバムの一枚です。ロウズのみならず、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの佳作です。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.08.24 更新
・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。













最近のコメント