ジャズ喫茶で流したい・280
米国ジャズの拠点は、ニューヨーク、ロスアンゼルスだけで無い。デトロイト、シカゴ、フィラデルフィアも米国ジャズの拠点として有名である。デトロイトもシカゴもフィラデルフィアも、後にニューヨークに進出して有名になったジャズメンの若かりし頃の活動拠点として有名である。
Kenny Burrell『Jazzmen Detroit』(写真左)。1956年4月30日、Hackensack, N.Yでの録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Burrell (g), Pepper Adams (bs), Tommy Flanagan (p), Paul Chambers (b), Kenny Clarke (ds)。
リーダー格のケニー・バレル(写真右)のギターと、ペッパー・アダムスのバリトン・サックス(バリサク)がフロント、トミー・フラナガン(トミフラ)のピアノ、ポール・チェンバース(ポルチェン)のベース、ケニー・クラークのドラムがリズム隊のクインテット編成。
タイトルが「デトロイトのジャズマン達」。バレルとフラナガンはデトロイト生まれ、デトロイト育ち。アダムスはミシガン州ハイランドパーク(デトロイトの飛地)生まれ。チェンバースはピッツバーグ生まれのデトロイト育ち。
クラークだけがピッツバーグ出身。クインテットの5人中、4人がデトロイト出身と言って良い。クラークだけがデトロイトとは縁が無いが、まあ「誤差範囲」か(笑)。
デトロイトのジャズは「アーバンでブルージーな」ジャズ。フロントのバレル、アダムス共に、録音当時、20歳半ばの若きジャズマン。二人の共通の個性、後の「アーバンでブルージーでアーシー」な個性が、この盤に既に溢れている。
基本はハードバップだが、ニューヨークのものとも、ウエストコーストのものとも雰囲気が異なる。この二人のフロントが牽引する「都会的なブルース・フィーリング」が芳しい。デトロイト・ジャズならではの雰囲気。
加えて、トミフラのピアノが「エレガントでソフィスティケイト」。加えて、伴奏上手なトミフラの面目躍如、流麗でジャジーでどこかアーシーな弾き回しが、フロントの「デトロイト・ジャズ」な雰囲気に彩りを添える。
そして、ポルチェンのベースとクラークのドラムのリズムが、小粋で、こてこてジャジー。このリズム・セクションの醸し出すビートが、デトロイト・ジャズの「肝」の部分をしっかりと担っている。
アダムスのバリサクが一番元気。続いて、バレルのギターがいつになく躍動感があって、溌剌としたアーバンでブルージーな雰囲気を振り撒いて好調。バンド全体のまとまりが絶妙で、トミフラ=ポルチェン=クラークのリズム・セクションの洒脱なパフォーマンスが、演奏全体を引き締め、演奏全体を盛り立てる。良きジャズ、良きハードバップである。
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