ジャズ喫茶で流したい・318
ジュリアン・ラージ。数々の有望新人を発掘してきた、ヴァイブのゲイリー・バートンが新たに発掘した天才ギタリストである。音の志向は、現代のコンテンポラリーなジャズ・ギターで、過去のレジェンド級のコンテンポラリーなジャズ・ギタリストのスタイルを踏襲しつつ、他のジャンルのエレギの音も積極的に融合して、ワン・アンド・オンリーな個性を確立している。
Julian Lage『Scenes From Above』(写真左)。 2026年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、Julian Lage (g), John Medeski (p, Hammond B3 org), Jorge Roeder (b), Kenny Wollesen (ds, perc), Patrick Warren (p, Chamberlin, dulcitone, strings, bells, perc)。ブルーノートから5枚目のリーダー作になる。2年振りとなる待望の新作リリースである。
静的でクールでフォーキー、どこかアメリカン・ルーツ音楽を彷彿とさせるフレーズ。これぞ、ジュリアン・ラージという音。惚れ惚れする。そして、そのラージのギターを、メデスキのオルガンが更に魅力的に前面に浮き出させている。冒頭の「Opal」で、そんなラージの音世界が露わになる。2曲目「Red Elm」で、リズム&ビートが効き始め、動的で能動的なインタープレイが展開されるが、それでも、どこか、静的でクールでフォーキー。
3曲目「Talking Drum」で、今回、初参入のメデスキのオルガンが大活躍。ラージのギターとメデスキのオルガンとのユニゾン&ハーモニー、チェイス、インタープレイが展開される。これが、印象的でアグレッシヴで情緒的な名演なのだ。ギターとオルガンの効果的過ぎる共演。オルガンの導入は大成功。どこかニュー・ジャズ的雰囲気名ラージの音世界に、どっぷりとジャジーな雰囲気を注入する。
パーカッションの活躍も聴きのがせない。続く4曲目の「Havens」は、パーカッションが大活躍。メデスキのオルガンと相まって、ラージーのギターに、ネオ・ハードバップな躍動感を植え付ける。しかも洒落ていて粋な、切れ味の良いパーカッションの音は実に効果的。
前半の4曲を聴くと、今回のラージの音世界が如何なるものかが良く判る。今回のオルガンの入った新カルテット編成は良好。5曲目の「Night Shade」などは、静的にクールに始まり、曲が進むにつれ高揚感が増しつつ、ゴスペルやブルースな、そして、フォーキーな音が交差し、カルテットのインタープレイは濃厚。どこか哀愁感が漂う音の拡がりもグッド。これは、もうヘビロテ盤になりそうだ。しみじみ聴き入ってしまう。
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