2023年2月27日 (月曜日)

エリスとパスの爽快弾きまくり

コンコード・レコードは、1972年にカール・ジェファーソンによって設立されたジャズのレーベル。米国西海岸のビバリーヒルズに本拠を置く。

1970年代、クロスオーバーからフュージョンが台頭する中、従来のメインストリーム系ジャズに留まった中堅〜ベテランのジャズマンを中心にピックアップして、玄人好みの純ジャズな内容のアルバムをリリースしていたのが「コンコード・レコード」。

我が国では、日本のレコード会社との契約が上手くいかなったのか、日本盤として、コンコード・レコードのアルバムがリリースされた枚数はかなり少なかった思い出がある。今では、幾度か、有名盤がCDリイシューされ、音楽のサブスク・サイトにも、まずまずの数のアルバムがアップされているので、コンコード・レコードのジャズ盤を聴く機会が多くなった。喜ばしいことである。

Herb Ellis & Joe Pass『Seven, Come Eleven』(写真)。1973年7月29日の録音。コンコード・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Herb Ellis (g), Joe Pass (g), Ray Brown (b), Jake Hanna (ds)。ジャズ・ギタリストのバーチュオーゾ、ハーブ・エリスとジョー・パスの2人がフロントを務める変則カルテット編成。カルフォルニアの「Concord Boulevard Park」でのライヴ録音。
 

Herb-ellis-joe-passseven-come-eleven

 
1973年で、この硬派なハードバップ。エリスとパスのギターのユニゾン&ハーモニーが切れ味良く、2人の秘術を尽くした、熱気溢れるアドリブ合戦が聴き応え満点。特に、アドリブ合戦の展開では、2人のギタリストが、フロントの役割とバックの役割を交代しながら、速いテンポのアドリブが展開されるところが実にスリリング。

歌心も満点で、熱気溢れる弾きまくりながら、聴いていて爽快。演奏される曲は、ラストの「Concord Blues」以外、渋いスタンダード曲。そんな渋いスタンダード曲を、切れ味の良い、やや速いテンポのアレンジで、バーチュオーゾの2人は、秘術を尽くしてギターを弾きまくる。

丁々発止と技を繰り出してギターのアドリブ合戦を展開するバックで、レイ・ブラウンの重低音ベースが、ブンブンと胴鳴りの唸りを響かせて、しっかりとリズム&ビートをキープする。ジェイク・ハナのドラミングは堅実で、リズム&キープを冷静にコントロールする。

このジャズ・ギターのバーチュオーゾの2人の弾きまくり、バックのリズム隊の熱いサポートの演奏をライヴで聴く聴衆の盛り上がりも凄い。熱気ムンムン、気合い十分、1973年という時期で、この純ジャズの演奏がこれだけ聴衆に受けている。つまりは、何時の時代も「良いものは良い」ということだろう。
 
 

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2022年7月18日 (月曜日)

パスのストーンズのカヴァー盤

ジャズ盤をいろいろ聴いていると、たまに「これ何」と聴き耳を立てる異色盤が出てくる。特に、1960年代後半、ジャズがポップス&ロックの潮流に押されて、人気のポップ音楽から聴き手を限定するマニアックな音楽になりつつあった頃、何とか、ポップス&ロックのファンに訴求する「カヴァー・ジャズ」が流行した。

つまり、当時流行っていたポップス曲やロック曲をジャズにカヴァーしてアルバム化する訳だが、ポップス曲やロック曲のコード進行はジャズのコード進行の標準とは違うものも沢山あって(特にレノン=マッカートニーの楽曲はジャズ化し難かった)、なかなか上手くいかない。加えて、アレンジのスキルにも問題があって、上手くカヴァー出来ないケースが続出した。

Joe Pass『The Stones Jazz』(写真左)。1966年7月20日の録音。Joe Pass (g), Bill Perkins (ts), Bob Florence (p, arr, cond), Ray Brown (b), John Guerin (ds), Victor Feldman (perc)、ここに、トロンボーンが3本、ギターが2本入って、スモールコンボ形式での演奏になる。

タイトルから類推出来る様に、この盤は、ローリング・ストーンズのヒット曲のカヴァー集。当時、ビートルズと人気を二分していたストーンズの有名曲をジャズ化している。もともと、ストーンズの楽曲はブルースを基調としていて、ビートルズの楽曲よりはジャズ化し易かったはず。確かに目の付け所は良かったと思う。
 

Joe-passthe-stones-jazz

 
が、リーダーのジョー・パスは、バリバリ純ジャズ・ギターの「ヴァーチュオーゾ」。イージーリスニング・ジャズよろしく、耳当たり良くポップに、ストーンズの楽曲を弾き回すかと思いきや、これがまあ、徹頭徹尾「純ジャズ」なギターの弾き回し。テーマの旋律ですら、原曲をよく聴いていないと、ストーンズのヒット曲とはほとんど判らない(笑)。

しかし、このジョー・パスのギターの弾き回しについては、純ジャズとして聴く分には上質でハイテクニックなジャズ・ギターとして成立しているのだから面白い。つまりは、パスはこのストーンズのカヴァー盤で、ポップス&ロックのファンに訴求しようとは思っていなかった様で、ストーンズの楽曲の個性を上手くピックアックして、純ジャズなギターで、素敵なアドリブ・パフォーマンスを展開している。

演奏全体のアレンジは旧態依然としたスモール・バンドのアレンジで、ユニゾン&ハーモニーなども旧式の音作りで、これではポップス&ロックのファンに訴求する「カヴァー・ジャズ」としては成立しない。そんなパスのストーンズのカヴァー盤だが、違った側面の「不思議な魅力」があるから、ジャズは面白い。

まずは、ジョー・パスは根っからのジャズ・ギターのヴァーチュオーゾだということ再認識出来ること、そして、ストーンズの楽曲は意外とジャズ化するのに意欲が湧くものだと言うこと。しかしながら、この後、ストーンズの楽曲のジャズ・カヴァーがほとんど無かったのが意外。

ジャケットも当時のサイケデリック&ラヴ・アンド・ピースの流行を踏襲した「これがジャズ盤のジャケか」と戸惑うばかりのユニークなもの。それでも、パスのギターは「純ジャズ」しているのだから、この盤は面白い。
 
 

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2022年1月29日 (土曜日)

Joe Pass『For Django』です

昨日、Herb Ellis & Joe Pass『Two for the Road』についての記事を載せた訳だが、ふと2人それぞれの単独リーダー作が気になり始めた。まずは、ジョー・パス(Joe Pass)の単独リーダー作を漁り始める。

ジョー・パスの単独リーダー作と言えば『Virtuoso(ヴァーチュオーゾ)』が真っ先に浮かぶ。これが1973年のリーダー作、というか、ソロ盤である。1970年代以降は、パブロ・レーベルの専属ギタリストといった風情で、この『Virtuoso』が、パブロ第一弾だった。で、パブロのジョー・パスのリーダー作には意外と駄作は無い。が、強い印象を残す盤は余り記憶が無い。

Joe Pass『For Django』(写真左)。1964年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Joe Pass (g), John Pisano (g), Jim Hughart (b), Colin Bailey (ds)。2ギター+リズム隊のピアノレスな変則カルテット編成。2ギターではあるが、ジョン・ピサノはバッキングに徹しているので、フロントはパスの1ギターがフロント。残りの3人はリズム・セクションになる。

ジョー・パスのディスコグラフィーを見渡すと、パブロ・レーベルからのリーダー作が圧倒的に多いが、次に多いのが、米国西海岸の老舗ジャズ・レーベルの1つ「パシフィック・レーベル」からのリリース。デビュー作から6作ほど出ているが、この『For Django』の出来が頭1つ抜きん出ている。
 

For-django

 
恐らく、ピアノレスで、単独フロント楽器の位置付けのパスのギターは、何の制約も無く、かなり自由に弾きまくることが出来たのでは無いか、と睨んでいて、そのストレスフリーな自由度の高さが、この盤におけるパスの名演を生んだのでは無いか、と思っている。

この盤でのパスのギターはとても力強い。しっかり芯の入った力強い流麗な音で、メロディーがしっかりと、ホーンライクに伝わってくる。フロント楽器に向くギターの音と言える。そんな特徴が良い方向に出た、力感溢れる流れる様なフレーズがアルバム全編に渡って散りばめられている。どの曲も流麗で耳に心地良い演奏で、米国西海岸ジャズ独特の「聴かせるジャズ」がここにもしっかり記録されている。

1ギター+ベース+ドラムのリズム・セクションがパスのギターをしっかりと引き立てている。パスのギターを前に伴奏を入れるタイミングが絶妙で、切れ味も良く、聴いていて心地良いリズム&ビートが素晴らしい。このリズム・セクションの存在も、この『For Django』をパスの名盤に仕立て上げている好要素のひとつである。

パスの歌心豊かなスインギーな弾き回しは、とにかく「素晴らしい」の一言。この1964年の段階で、パスは「ヴァーチュオーゾ(卓越した技巧をもつ演奏家)」なギターの妙技を身につけていた、ということが良く判る名盤です。
 
 
 
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2022年1月28日 (金曜日)

ハービー&ジョーの魅力的デュオ

パブロ・レーベル(Pablo Label)は、1970年代を中心に、メインストリームな純ジャズのアルバムをリリースしたジャズ専門レーベルである。

僕が本格的にジャズを聴き始めたのが1970年代終盤なのだが、パブロ・レーベルの盤は基本的に敬遠していた。我が国のジャズ・シーンでは、パブロは「昔の名前で出ています的な懐メロ・ジャズ」と揶揄されていて、昔の懐メロ的な純ジャズを聴いても仕方が無い、という風潮があった。加えて、当時はフュージョン・ジャズの全盛期。ジャズの歴史的な定盤とフュージョンの人気盤を入手するだけで、手元の資金が底を突いていた、ということもあった。

よって、ジャズ喫茶でパブロ盤をリクエストしようものなら(当時、硬派なジャズ喫茶だったら、パブロ盤は置いてなかったかもしれないが)、白い目で見られそうでリクエストは出来ず、レコード屋の棚で、こんなアルバムが出てるんやなあ、とジャケットを眺めるに留めていた。

が、21世紀に入ってから、パブロ盤は比較的入手し易くなり、今では音楽のサブスク・サイトで、パブロの有名盤は殆ど聴くことが出来る様になった。で、自分の耳でパブロ盤を聴き直してみて、「昔の名前で出ています的な懐メロ・ジャズ」というのは「偏った」評価だったようやなあ、とつくづく思った。パブロって、結構、内容の良い盤をリリースしているのだ。
 

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Herb Ellis & Joe Pass『Two for the Road』(写真)。1974年1月30日〜2月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Herb Ellis, Joe Pass (g)。ハーブ・エリス(ハービー)、ジョー・パス(ジョー)、ジャズ・ギターのレジェンド級の名手2人の「デュオ」編成。ギターは、旋律楽器にもリズム楽器にもなる。ギターのデュオはそんなギターの特性を活かして、2人でどうやって役割分担しながら、インタープレイを展開するか、が聴きどころである。

当然、ギタリスト同士の相性や人間的な「好き嫌い」も重要な要素となる訳だが、ハービーとジョーについては、その点は全く問題が無かった様である。冒頭の手垢の付いた、どスタンダード曲「Love for Sale」を聴くと良く判るのだが、ハービーもジョーも「攻めている」。懐メロ・ジャズよろしく、イージーリスニング風に日和っても良いのだが、この2人はそうはならない。

ユニゾン&ハーモニーは意外と斬新な響き、アドリブ・フレーズもこれまた意外と尖っている。とてもポジティヴで攻めたデュオ演奏になっていて、聴き応え十分。収録曲の殆どがスタンダード曲なんだが、どの演奏も「手垢の付いた」感が全く無い。録音当時、ハービー53歳、ジョー45歳。ジャズマンとしては油の乗りきったバリバリの中堅。充実のパフォーマンスである。

パブロ・レーベルの盤はどれもが大体そうなんだが、ジャケットのデザインが「イマイチ」。この盤もジャケットのイメージで損をしているように感じるが、この盤は「イケて」いる。ハービーとジョーの「ヴァーチュオーゾ」なギター演奏を心ゆくまで堪能出来ます。
 
 
 
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2021年9月21日 (火曜日)

エラの聴いて楽しめるライヴ盤

Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)は、女性ジャズ・ボーカリストのレジェンド中のレジェンド。1935年、18歳の若さで、デッカ・レコードより、レコード・デビュー。1956年に、ノーマン・グランツのレコードレーベルであるヴァーヴ・レコードと契約。伝説の「8枚のソングブックアルバム」をリリース。1972年から、パブロ・レーベルに移籍。後期〜晩年の優秀盤を録音している。

僕がジャズを本格的に聴き始めた頃(1970年代後半になるのだが)、エラについては、我が国のジャズ者の方々は手厳しくて、「全盛期は1950年代。全盛期を過ぎた1970年代のエラは大した事は無い。声も出ていない、迫力も無い。パブロから出てるアルバムは皆、懐メロ的なものばかり。あれを聴いて楽しめるのは、ロートルのジャズ爺だけじゃないか」なんて酷い評価を受けていたものだ。

Ella Fitzgerald『Ella In London』(写真左)。1974年4月11日、英国ロンドンのジャズ・スポット「Ronnie Scott's」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Ella Fitzgerald (vo), Tommy Flanagan (p), Joe Pass (g), Keter Betts (b), Bobby Durham (ds)。エラのボーカルがメイン、トミー・フラガナンのトリオ+盟友ジョー・パスのギターがバックに控える。
 

Ella-in-london_ella-fitzgerald

 
冒頭「Sweet Georgia Brown」から、エラは快調に唄いまくる。力が程好く抜けて、リラックスした歌唱は実に良い感じ。しかも、ガーシュイン物、コール・ポーター物はさすがに手慣れたもの。やっぱり上手いよ、エラは。やっぱりスタンダード曲を唄わせたら最高やね。6曲目には、R&Bシンガーにも好んでカバーされるキャロル・キングの名曲「"You've Got a Friend」を唄っている。これも良い味出している。

バックのリズム・セクション+ギターも快調。特に、ピアノのトミー・フラナガンとギターのジョー・パスは「伴奏上手」で鳴らした超一流のジャスマン。機微をシッカリ心得て、エラの歌唱にピッタリと寄り添う。そして、ボビー・ダーハムのドラムが、これだけ繊細に硬軟自在に、ボーカルのバックにしっくりと填まるとは思わなかった。良好なリズム隊に恵まれたボーカリストはその実力を遺憾なく発揮する。

良い女性ボーカル盤です。ジャズ・ボーカルの歴史にその名を留めるような名盤では無いが、聴いていてゆったりと楽しめる、長年に渡ってリピートする「隠れ好盤」だと思います。聴いていて疲れない、心地良くスッと耳に入ってくる。ボーカル物ってそれが一番大切な要素じゃないかなあ、なんて、歳を重ねた結果、思うようになりました。
 
 
 
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2021年8月27日 (金曜日)

バリバリ弾きまくるトリオ盤 『The Trio』

パブロ・レーベルのアルバムを、カタログを追って聴き直している。パブロ・レーベルは、1973年、ノーマン・グランツによって設立されたジャズ・レーベルである。リリースするアルバムは全て「純ジャズ」。演奏するメンバーは、レジェンド級のジャズメンがメイン。従来のハードバップな演奏がメインで、当時は「古いジャズ」と揶揄され、パブロ・レーベルって、我が国ではあまり人気が無かった記憶がある。

Peterson, Pass, Pedersen『The Trio』(写真左)。1973年5月16-19日、米国シカゴの「ロンドン・ハウス」でのライヴ録音。パブロ・レーベルの栄えある第1弾(701番)。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Joe Pass (g), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b)。ドラムレス、代わりにギターが入った、オールドスタイルの「ピアノ・トリオ」編成での演奏になる。

レジェンド中のレジェンド、圧倒的テクニックとスイング感を誇る「鍵盤の皇帝」ピーターソンのピアノ、燻し銀ヴァーチュオーゾなパスのギター、そして、驚異的テクニックと骨太でソリッドな音色で圧倒するペデルセンのベース、このレジェンド級一流ジャズメン3人で固めたトリオ演奏。ドラムが無い分、3者3様のメロディアスなアドリブ・フレーズを聴き込むことが出来る。
 

The-trio-petersonpass-pedersen

 
冒頭の「Blues Etude」の演奏が始まると同時にビックリする。超高速フレーズの嵐。圧倒的テクニックを誇るピーターソンが、そのテクニックを最大レベルに上げて、超高速フレーズをバリバリに弾きまくる。ギターのパスは速弾きフレーズと高速カッティングで応戦、そして、一番ビックリするのはペデルセンのベース。超高速ピアノ、ギターを向こうに回して、超高速ウィーキング・ベースで対応する。

これって、1970年代における「ビ・バップ」な演奏である。1960年代後半、聴き手に迎合して「聴き易さ」という大衆性に重きを置いたが故に、純ジャズは聴き込む楽しみが半減した。ジャズマンの演奏テクニックや機微、つまり「芸術性」を楽しむ面が半減した訳だが、この盤では冒頭の1曲目でこのジャズの「芸術性」を楽しむ、ビ・バップな演奏が展開される。聴衆のそのテクニックを存分に楽しんでいる様子が良く判る。

三者三様の速弾きだけで無い、ゆったり寛ぐブルース演奏もあり、さすがハードバップ期の先頭集団を走ってきた強者達、じっくりと純ジャズな演奏も楽しませてくれる。縦横無尽、硬軟自在、緩急自在にスイングする様は見事。やっぱり純ジャズって良いなあ、という想いを思い出させてくれる。今の耳で聴くパブロ・レーベル、なかなかのものである。
 
 
 
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2021年8月24日 (火曜日)

エラとパスの小粋なデュオ盤

パブロ・レーベルは、元ヴァーヴのオーナー、ノーマン・グランツによって、1973年に設立された。クロスオーバー〜フュージョン・ジャズ流行の時代に、レジェンド級のジャズマンを集めて、純ジャズのアルバムをリリースし続けた、骨のあるレーベルである。僕がちょうどジャズを本格的に聴き始めた頃、純ジャズ系のアルバムが入手し易いレーベルの1つだった。

1970年代での評価については、「昔の名前で出ています」的だの、昔の終わったジャズマンを集めた「懐メロジャズ」だの、我が国ではあまり評判は良くなかった。が、アルバムをちゃんと聴けば判るが「そんなことは無い」。平均的に「内容の整ったメインストリームな純ジャズ」のオンパレードで、聴いていて楽しいジャズばかりである。

Ella Fitzgerald & Joe Pass『Take Love Easy』(写真)。1973年8月28日、米国西海岸、LAでの録音。Pablo 2310-700 Seriesの702番。パブロ・レコードのカタログの2番目。ちなみにパーソネルは、Ella Fitzgerald (vo), Joe Pass (g)。モダン・ジャズギターの達人ジョー・パスのみを伴奏に従えて、エラ・フィッツジェラルドが唄うスタイル。
 

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ギターだけの伴奏で唄う。シンプルだが、歌唱、ギターともに、かなりの力量が無いと飽きが来てしまい、LPサイズの所要時間がもたない。が、そこはまずは、ギターの達人「ジョー・パス」。ソロでも聴かせるギターを弾くくらいにそのテクニックと歌心は素晴らしいものがあり、ギター1本ではあるが、パスのギター伴奏は安心して身を委ねられるレベルである。

この盤の録音時、エラは56歳。ヴォーカリストとして、油の乗りきったベテランの域に達して、歌唱における説得力が半端ない。特にこの盤、バラード曲中心の選曲なので、その説得力に拍車がかかる。そもそも、ギター1本の伴奏である。ばりばりスキャットは無いだろう。バラード曲をジャジーに小粋に、しっとりしっかり唄い上げていく。ついつい引き込まれていく自分が判る。

とにかく、エラの歌唱テクニックは素晴らしい。ギター1本の伴奏なので、アップテンポの曲は無いが、その分、バラード曲のジャジーな歌唱にグッとくる。エラは盛りが過ぎているのでイマイチとか、若い頃と比べて、やれ「キレが無い」だの、やれ「ダイナミックさが薄れた」だの、好き勝手な評論も見るには見るが気にすることは無い。優れた女性ジャズ・ボーカル盤として一聴に値する内容である。
 
 
 
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2021年7月26日 (月曜日)

パブロ・レーベルらしい優秀盤

パブロ・レコード(Pablo Records)は1973年にノーマン・グランツによって設立されたジャズ・レコード・レーベル。ビ・バップ期以降のレジェンド〜ベテラン級のジャズマンをメインにセッションをセットアップし、1970年代、フュージョン・ジャズ全盛時にありながら、純ジャズに特化したアルバムを多数リリースした。

Milt Jackson『The Big 3』(写真)。1975年8月25日の録音。パブロ・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Joe Pass (g), Ray Brown (b)。ジャズ・ヴァイブの神様、ミルト・ジャクソンが筆頭リーダーのドラムレス・トリオ。管は全く無し。

ジャケットについては2種類あって、カラー版とモノクロ版。私たち、オールドなジャズ者からすると、LP時代のモノクロ版のジャケットに親近感がある。

フロント楽器の役割は、ミルトのヴァイブとパスのギターが担い、リズム&ビートは、パスのギターとブラウンのベースが担う。このヴァイブ+ギター+ベースのドラムレス・トリオの場合、3人の演奏テクニックについて、相当な力量が必要になる。特に、ギターとベースは大変忙しい。
 

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まず、ミルトのヴァイブが絶好調。奇をてらうこと無く、ハードバップ期の好調時のミルトのヴァイブが帰ってきている。目新しさは全く無いが、品の良いファンクネスを偲ばせた、スインギーでジャジーな、成熟したヴァイブを聴かせてくれる。これが良い。「これぞ、極上のモダン・ジャズ」と思わず感じ入る。

他の2人に目を向けると、旋律楽器とリズム楽器の両方の役割を担うパスのギターは大変で、これをいとも容易い風に弾きこなしていくパスのギターについては「凄いなあ」の一言。レイ・ブラウンのベースも凄い。骨太でソリッドなベースでリズム&ビートをキープするのは当然、ソロ・パフォーマンスもハイ・テクニックを駆使して、唄うが如く、素晴らしい旋律弾きを披露している。

私がジャズを聴き始めたのが1970年代後半。この頃の我が国のパブロ・レーベルの評価は「過去のジャズメンを集めて、懐メロよろしく、旧来のハードバップをやらせてアルバムを量産する、商業ジャズ・レーベル」と揶揄されていた。が、そんなことは全く無い。たまに凡盤はあるが、概ね、良好なハードバップなジャズが記録されている。

パブロ・レーベルのアルバムを初めて聴いて以来40年。そんなパブロ・レーベルを再評価したい、と思っている。
 
 
 
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  ・Santana『Inner Secrets』1978

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2019年6月26日 (水曜日)

こんなアルバムあったんや・117

Original BLUE NOTE LT series というシリーズがある。UNITED ARTISTS傘下でリリースされたBLUE NOTEの未発表音源シリーズである。マイケル・カスクーナが、出会ったミュージシャンからロスト・テープの話を聞きつけ、その情報を基に、ブルーノートの倉庫から未発表音源を「発掘」。しかし、この「発掘」がすんなりとは行かない。それもそのはず、録音音源のテープは残ってはいるが、それぞれのセッションに関して、ほとんどまとまった記録が無い。

そこで、カスクーナは記憶と資料と知識を駆使し、とブラインド・フォールドを自ら実施、そして、当時のジャズメンに粘り強くヒヤリング。そのような「気が遠くなるような」努力の末に、録音日、参加ミュージシャン、曲名等をセッション毎にまとめ、この未発表音源をそれぞれアルバムとしてリリース。そういう意味では、この「Original BLUE NOTE LT series」はジャズの歴史にとって、相当に貴重な「発掘」の成果なのだ。

Joe Pass『Joy Spring』(写真左)。ブルーノートのLT1103番。1964年2月6日、ロサンゼルスのEncore Theatreでのライブ録音。パーソネルは、Joe Pass (g), Mike Wofford (p), Jim Hughart (b), Colin Bailey (ds)。米国西海岸ジャズの中堅どころをメンバーに招聘しているのだろう。僕はリーダーの情・ジャズ以外、他のジャズメンをしらに。ちなみにこの盤は、1964年にパシフィック・ジャズからリリースされた音源(ジャケットは写真右)を、ブルーノートから1981年にリイシューされたもの。
 
 
Joy-spring-joe-pass  
 
 
パシフィック・ジャズは米国西海岸のジャズ・レーベル。1957年にリバティ・レコードに買収され、最終的には、リバティとそのレーベル会社はEMIが買収し所有権を持つ。現在はEMIの傘下であるブルーノートがカタログを保有している訳だが、恐らく、リバティが買収された後、EMIが音源を所有する中に、このライブ音源があって、ブルーノートからリイシューされたのだろう。

ブルーノートの未発表音源にジョー・パスのリーダー作があったんや、と色めきましたが、未発表音源でも無ければ、ブルーノートの音源も無かったことになります。それでも、このライブ盤の内容、なかなか聴きどころ満載です。特に、リーダーのジョー・パスのシングルトーンがメインのギターが実に心地良い。クールに燃えるギターと形容できる、知的で流麗なフレーズ中にどこかアグレッシブで硬派な要素が見え隠れする。そんなジョー・パスのギターが素晴らしい。

速いフレーズはビ・パップ時代の様に、緩やかなバラードは知的な響きと展開が芳しく、力感が豊かで実に流麗。バックのピアノ・トリオの演奏も良好で、ジョー・パスのギターを愛でるには実に良好なライブ音源です。LTシリーズの一部としてリイシューしたかった気持ちが良く判ります。なんかブルーノートにジョー・パスって実に異質な組合せなんですが、これがまあ、素敵なライブ音源なんで、これはこれで良いのかと。意外と隠れ好盤です。
 
 
 
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2018年1月21日 (日曜日)

最悪のオリジナル・ジャケだけど

ジャズ・ギタリストの好みについては、よく他のジャズ者の方々から「ちょっと変わっている」と言われる。確かに、あまりレジェンド級のギタリストのアルバムを選盤することは少ない。どちらかと言えば、70年代に頭角を現した「ニュー・ジャズ世代」のギタリスト中心に好みが偏っているので、「ちょっと変わっている」と言われても仕方が無い。

それでも、ジョー・パスなども聴くんですよ。パスはとにかくテクニックが超絶技巧、それも飛び抜けていて、聴いていて、惚れ惚れするというか、聴き終えた後で、爽快感を感じるというか、それほど、スカッとするほどのテクニックの素晴らしさなのだ。若い頃、麻薬中毒で苦しんだそうで、相当な弾き手にもかかわらず、リーダー作はさほど多く無い。

1970年代に入って、1年に1作のペースで、コンスタントにリーダー作をリリースする。これって、意外と凄いことで、1970年代って、ジャズはクロスオーバー〜フュージョン・ジャズ全盛。純ジャズはその存在が無くなるといった事態は避けられてはいたが、苦しい立場に追い込まれてはいた。そんな中、ジョー・パスは飄々と内容のあるリーダー作をリリースし続けた。
 

Better_days_1

 
そんな中の異色の一枚。Joe Pass『Better Days』(写真)。1971年の作品。ちなみにパーソネルは、Joe Pass (g), Joe Sample (p), Tom Scott (ts), Ray Brown (b), Carol Kaye (b) , Paul Humphrey (ds), Earl Palmer (ds), Milt Holland, Conte Candoli, J.J.Jphnson (horns)。米国西海岸ジャズ・シーンからのメンバー選定である。

内容が面白い。1971年の作品にもかかわらず、内容的には「フュージョン・ジャズ」なのだ。当時、ジャズとロックの融合という触れ込みの「クロスオーバー・ジャズ」が流行っていたが、この盤の内容はクロスオーバーでは無い。1970年代中盤〜後半に一世を風靡する「フュージョン・ジャズ」なのだ。もちろん、パスはそれを意識して、この盤を作った訳ではないだろう。リラックスして聴き易い、ムーディーなジャズをやったらこうなった、って感じかな。

ジャケットが凄い。「最悪のオリジナル・ジャケ」(写真左)と呼ばれている。2006年だったか、この盤がこの「最悪のオリジナル・ジャケ」でリイシューされて、ちょっと話題になった。確かに凄い、確かに間抜けなジャケットで、これでは触手が伸びないだろう(笑)。内容が素晴らしいと知っているからこそ、この「最悪のオリジナル・ジャケ」でも手が伸びる。確かに内容は素晴らしい。パスの代表的好盤の一枚だと言って良い。
 
 
 
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