ミッチェルの ”時代の先取り盤”
硬派な老舗ジャズ・レーベルのブルーノート。4200番台も後半になると、大衆受けする「売れる」盤だけを狙った、イージーリスニング志向のジャズ盤を制作する様になる。とにかく「聴き心地」優先、ジャズのアーティスティックな面を封印し、ポップ度を高める為に、ジャジーなリズム&ビートを活用する。しかし、そんな中に、突然変異的な、後のフュージョン・ジャズを、CTIサウンドを先取りした様なアルバムがあるからビックリする。
Blue Mitchell『Heads Up!』(写真左)。1967年11月17日の録音。ブルーノートの4272番。ちなみにパーソネルは、Blue Mitchell, Burt Collins (tp), Jerry Dodgion (fl, as), Junior Cook (ts), Pepper Adams (bs), Julian Priester (tb), McCoy Tyner (p), Gene Taylor (b), Al Foster (ds) and Jimmy Heath :1–2, Melba Liston :5, Duke Pearson :4, 6), Don Pickett :4 (arr)。
ミッチェル、コリンズのダブル・トランペット、ドッジオンのアルト・サックス、クックのテナー・サックス、ペッパー・アダムスのバリサク、プリースターのトロンボーンの変則6管フロント、タイナー + テイラー + フォスターのリズム隊。総勢9人、ノネット編成である。とにかく、音が厚くて、賑やか。しかし、アレンジがしっかりしているので、とっちらかった感じは無い。
冒頭「Heads Up! Feet Down!」は、明るく軽快な、ちょっとミッドテンポのジャズロック。2曲目の「Togetherness」から、イーリスニング志向に展開するのだが、演奏の基本は「ジャズ」。エッジの立ったジャズのリズム&ビートをソフト&メロウにした、まるで、1970年代のフュージョン・ジャズを先取りした様な演奏が続く。ミッドテンポ中心の旋律の流れ優先の、まるで「CTIレーベル」の音作り。プロデューサーはクリード・テイラーかと思った(笑)。
ブルー・ミッチェルのトランペットが歌心満点で、唄うが如くトランペットを吹くミッチェルの面目躍如。他のフロント管のメンバー、コリンズ、ドッジオン、クック、アダムス、プリースター、それぞれも唄うが如く、管楽器を吹き上げる。この歌心溢れるフロント6管が、ソフト&メロウなフュージョン志向の音世界を現出しているのだ。収録されたどの曲も、旋律の響きがとてもメロウで美しい。
ソフト&メロウなフュージョンは実はアレンジが命。そういう意味では、このミッチェル盤、アレンジを4人が分担担当しているのだが、どのアレンジも優れていて統一感がある「優れもの」。冒頭に、このミッチェル盤、1967年としては驚きな、後のフュージョン・ジャズを、CTIサウンドを先取りした様な内容に思わず、聴き入ってしまう。ながら聴きのジャズ盤にも最適。気軽に気楽に聴ける好盤です。しかし、ジャケは何とかならんかなあ(笑)。
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