ミッチェルのジャズ・ファンク盤
ブルーノートの4300番台のアルバムをカタログ順に聴き直しているのだが、1968年9月以降の録音のアルバム群になる。明らかに、4200番台以前の音作りとは異なる面が表面化していく4300番台。
1968年、ユナイテッド・アーティスツ・レコードは、ブルーノートを含む子会社レーベルとともにリバティと合併、アルフレッド・ライオン、リード・マイルスは引退、録音も西海岸のスタジオでの録音も多くなり、従来のブルーノート色は段階的に薄れていく。
Blue Mitchell『Bantu Village』(写真左)。1969年5月22–23日の録音。ブルーノートの4324番。ちなみにパーソネルは、以下の通り。モンク・ヒギンズによるアレンジを全面採用した、ブルー・ミッチェルのジャズ・ファンク盤である。
Blue Mitchell, Bobby Bryant (tp), Monk Higgins (p, perc, cond, arr), Buddy Collette (fl), Bill Green (fl, as), Plas Johnson (ts), Charlie Loper (tb), Freddy Robinson, Al Vescovo (g), Dee Ervin (p, perc), Bob West (b, tracks 2, 4 & 6), Wilton Felder (el-b, tracks 1, 3, 5 & 7), John Guerin (ds, tracks 2, 4 & 6), Paul Humphrey (ds, tracks 1, 3, 5 & 7), King Errisson (conga, tracks 1, 3, 5 & 7), Alan Estes (conga, tracks 2, 4 & 6)。
明らかに聴き手に迎合した、売れ筋を意識した、ライトで聴き易いジャズ・ファンク。聴き易さを優先したイージーリスニング志向の音作りなので、1969年の録音ながら、クロスオーバーを飛び越して、ソフト&メロウな雰囲気が、もうフュージョン・ジャズな雰囲気になっている。そう、フュージョン志向のソフト&メロウなジャズ・ファンクと形容して良い音作りである。
録音も従来のブルーノートの録音とはちょっと雰囲気が違う、聴き易さ優先の、後のフュージョン・ジャズの録音っぽくて、録音場所をみてみたら、ロサンゼルスのRPMスタジオでの録音だった。ルディ・ヴァン・ゲルダーの録音ではない。4300番台のアルバムには、こういった西海岸での録音が、ちょくちょく出てくる様になる。
但し、楽器演奏のレベルの高さ、吹奏フレーズの切れ味などは、さすがはブルー・ミッチェルであり、さすがはブルーノートである。イージーリスニング志向、フュージョン志向のソフト&メロウなジャズ・ファンクとはいえ、演奏の質の高さは見事。ライトでソフト&メロウなアレンジで終始するが、途中でダレたり、飽きたりすることは無い。
明らかに、売れ筋を意識したアルバム作り。ここには、もう従来のブルーノートの矜持は無い。しかし、演奏内容の高さ、演奏の切れ味の良さなどは、従来のブルーノートらしさを保持しているところを感じて、このアルバムは、やはりブルーノートのアルバムなんだなあと、どこかほっとする自分がいたりする。
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