2024年10月19日 (土曜日)

僕なりの超名盤研究・34

今日で「僕なりのジャズ超名盤研究」シリーズの三日連続の記事化。小川隆夫さん著の『ジャズ超名盤研究』の超名盤を参考にさせていただきつつ、「僕なりのジャズ超名盤研究」をまとめてみようと思い立って、はや3年。やっと第1巻の終わりである。

ジャズを本格的に聴き始めたのが1978年の春。フュージョン・ジャズの名盤の何枚かと、純ジャズのアルバム、MJQ『Pylamid』、 Herbie Hancock『Maiden Voyage』を聴かせてもらって、フュージョン・ジャズのアルバムも良かったが、特に、純ジャズの2枚については、いたく感動したのを覚えている。

そして、友人の家からの帰り道、久保田高司「モダン・ジャズ・レコード・コレクション」を買い求めて、ジャズ盤コレクションの道に足を踏み入れた。ハービー・ハンコックについては、FMレコパルの記事でその名前は知っていたので、まずはハンコックのアルバムの収集を始めた。

そこで、まず最初に手にしたのが、Herbie Hancockの『V.S.O.P.』。アコ・ハンコックとエレ・ハンコックの2つの側面をLP1枚ずつにまとめた名盤なのだが、僕はこの「アコースティックな純ジャズ」の演奏が実に気に入った。

このアコ・ハンコックのユニットは「V.S.O.P.」=「Very Special Onetime Performance」と命名された。ニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演の折、ハービー・ハンコックがマイルスの黄金クインテットを再現することで、マイルスのカムバックを促す予定が、直前で肝心のマイルスがドタキャン。仕方なく、フレディ・ハバードを迎えて結成したこのV.S.O.P.クインテット。本来一1回きりの結成のはずが、予想外の好評に継続して活動することになる。

V.S.O.P.『Tempest in the Colosseum』(写真)。邦題は『熱狂のコロシアム』。1977年7月23日、東京の田園コロシアムでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Herbie Hancock (p), Wayne Shorter (ts, ss), Freddie Hubbard (tp), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。伝説の「V.S.O.P.」ユニットである。
 
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V.S.O.P.名義のアルバムは、他に2枚、V.S.O.P.『The Quintet』(1977年7月録音)、V.S.O.P.『Live Under the Sky』(1979年7月26日、27日録音) があるが、この『Tempest in the Colosseum』の出来が一番良い。USAツアーの後の日本公演だけに、メンバーそれぞれの演奏もこなれて、十分なリハーサルを積んだ状態になっているようで、この日本公演のライヴ録音の内容は秀逸である。

ライヴアルバムとしての編集も良好で、この『Tempest in the Colosseum』が一番ライヴらしい、臨場感溢れる録音〜編集をしている。演奏自体も変に編集することなく、トニー・ウィリアムスの多彩なポリリズムが凄まじい長尺のドラムソロや、ロン・カーターのブヨンブヨンとしているが、高度なアプローチが素晴らしい長尺のベースソロも、しっかり余すことなく収録されているみたいで、ライヴそのものを追体験できる感じの内容が秀逸。

演奏自体も内容は非常に優れていて、この「V.S.O.P.」の演奏が、ノスタルジックな「昔の名前で出ています」風に、1960年代中盤〜後半の演奏をなぞった「懐メロ」な演奏になっていないところが良い。この演奏メンバー5人の強い矜持を感じる。当時として、モードの新しい響きがそこかしこに見え隠れし、この5人のメンバーは、マイルス後も鍛錬怠りなく、確実にモード・ジャズを深化させていたことを物語る。

収録されたどの曲も内容のある良い演奏だが、特にラストのハバード作「Red Clay」が格好良い。ジャズ・ロック風のテーマに対して、インプロビゼーション部になると、メンバー全員が「モード奏法」で襲いかかる。凄い迫力、凄いテンション、そして、印象あるフレーズの連発。

このライヴ盤は、1970年代後半の純ジャズが、どれだけ高度なレベルで維持されていたか、ということが如実に理解できる内容になっている。この「V.S.O.P.」ユニットが切っ掛けとなって、純ジャズが「復古」し始める。

この「V.S.O.P.」ユニットは、純ジャズ復古のムーブメントの「最初の第一歩」となった伝説にユニットである。このユニットの演奏には、現代につながる「新しい」モード・ジャズの要素が散りばめられている。名盤である。
 
 

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2024年8月 2日 (金曜日)

レイ・ギャロンの個性的なピアノ

ジャズを長年聴いてきて、ある日突然、コロッと魅力的な内容の盤が出てきて、リーダーは誰かな、と思って見たら、今までに聴いたことが無い名前で、調べてみたら、長年、米国でジャズマンとしてプレイしてきた、意外と実績のあるジャズマンだったりして、改めて、ジャズの裾野の広さと深さに呆れたり、感心したりすることがある。

Ray Gallon, Ron Carter & Lewis Nash『Grand Company』(写真左)。2022年5月20日、Van Gelder Recording Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Ray Gallon (p), Ron Carter (b), Lewis Nash (ds)。リーダーは、ピアニストのレイ・ギャロン。 ギャロンは、30年以上にわたって活躍しているニューヨーク出身のピアニスト。この盤は、2021年の『Make Your Move』以来の2枚目のリーダー作。

レイ・ギャロンというピアニストの名前は、2021年の初リーダー作『Make Your Move』で初めて知った。資料によると、なんと30年以上にわたって活躍しているニューヨーク出身のピアニストとのことなんだが、ギャロンの経歴は不明なところが多く、1958年、NYで生まれた様で、それが正しいとすると、今年66歳になる、大ベテランの域に達したピアニスト、ということになる。

共演歴としては、ライオネル・ハンプトンやロン・カーター、グラディ・テイト、ジョージ・アダムス、ハーパー・ブラザーズなどとの共演歴があり、スタジオ・ミュージシャンとしても活躍してきた、とある。僕は全く知らなかった。ただ、この2枚目のリーダー作を聴くと、ギャロンのピアノは個性的で素性確かなもの、ということを十分に理解する。

この盤を聴くと、ギャロンのピアノはとても個性的。ビバップとブルースを基調としていることは明らか、スイング感はスクエア、どこか、セロニアス・モンクに通じる幾何学的なスクエアなスイング感も見え隠れする。
 

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どう聴いても、オーソドックスなハードバップ志向のピアノでは無い。キレのある硬質なタッチ、鋭角的な音のエッジ、凹凸のある流麗さ、自然とモーダルに展開する柔軟性、パーカッシヴなブロックコード等々、かなりユニークなピアノが展開される。

エリントンの「Drop Me Off in Harlem」や、ビル・エヴァンスの「Nardis」、スタンダード曲「 If I Had You」「Old Folks」を聴けば、そんなギャロンのピアノのユニークさが良く判る。

オーソドックスな4ビート演奏ではあるが、速弾きすること無く、ミッド・テンポな丁寧な弾き回しで、ギャロンの個性的なピアノが鳴り響く。右手のシングルトーンでフレーズを唄い上げながら、絶妙に挿入される左手のブロックコードは小粋で絶妙な、ギャロン独特のグルーヴ感を醸し出している。

そんな個性的なピアノを弾き回すギャロンをサポートする、ロン・カーターのベースと、ルイス・ナッシュのドラムは見事。カーターに関しては近年のプレイと同様、ここでも音程のズレは無く、安定&安心のベースで、独特のグルーヴ感溢れるベースラインをブンブンはじき出す。ギャロンのピアノのフレーズの「底」をガッチリ押さえた、素晴らしい「脇役ベース」を聴かせてくれる。

ナッシュのドラミングは硬軟自在、変幻自在、緩急自在、多彩なドラミングのニュアンスを繰り出して、ギャロンの個性的なピアノのリズム&ビートをガッチリサポートしている。ナッシュの職人芸的ドラミングは素晴らしいパフォーマンスである。

最近の若手〜中堅ジャズマンが展開する「ネオ・ハードバップ」な4ビートなピアノとは明らかに一線を画したギャロンの個性的なピアノは、意外と聴き応えがある。ピアノ・トリオとしてのまとまりも良く、各人の個性もきちんと発揮されている、なかなかに充実した内容のピアノ・トリオ盤である。Takao Fujiokaのイラストをあしらったジャケも良い感じ。好盤です。
 
 

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2024年5月15日 (水曜日)

”CTIレコードのロン” の隠れ名盤

ジャズ・ベーシストの「生けるレジェンド」であるロン・カーター。1970年代は、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの老舗レーベルであるCTIレコードに所属して、リーダーにサイドマンに大活躍。1970年代後半、ハービーの「V.S.O,P.」に参加、純ジャズに回帰するが、CTIレコードでの、クロスオーバー&フュージョン・ジャズのロンもなかなか良い。
 
Ron Carter『Blues Farm』(写真)。1973年1月10日の録音。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b, arr, cond), Billy Cobham (ds), Hubert Laws (fl, tracks 1, 5 & 6), Richard Tee (el-p, ac-p, tracks 1, 4 & 5), Bob James (ac-p, tracks 2, 3 & 6), Gene Bertoncini (g, track 5), Sam Brown (g, track 3), Ralph MacDonald (perc, tracks 1 & 4-6)。

ロン・カーターのCTIレコードでのリーダー作の第一弾である。パーソネルを見渡すと、不思議なことに気が付く。フロント楽器を司るサックス、トラペットが無い。辛うじて、ヒューバート・ロウズのフルートが存在するだけ。ギターについてはリズム楽器に徹している。それでは、このセッションでのフロントは誰が担っているのか。実は、ロンのベースとロウズのフルート、この2人だけでフロント楽器の役割、楽曲の旋律を演奏している。

アレンジと指揮はリーダーのロン自身が担当しているので、このベースとフルートのフロントはロンのアイデアだろう。しかし、これが、冒頭のジャズ・ファンク・チューンであるタイトル曲「Blues Farm」で、その効果を最大限に発揮する。

ロンはアタッチメントをつけて、アコベの音を電気的に増幅して、旋律のソロに対応する。これが意外とファンキーな音色で、ジャズ・ファンクなビートにピッタリ。そして、ロウズのフルートのエモーショナルな吹き上げが、これまた、爽やかなファンクネスを振り撒いている。

バックのリズム・セクションは、コブハムのファンキー・ドラムに、ティーのファンキー・アコピ、マクドナルドのファンキー・パーカッション。この手練れのメンバーがジャズ・ファンクなリズム&ビートを叩き出す。これが実に良い雰囲気で、ブルージー&ファンク。後の伝説のフュージョン・グループのキーボード担当、リチャード・ティーのアコピのファンクネスが半端無い。
 

Ron-carterblues-farm

 
2曲目の「A Small Ballad」は、なんと、ボブ・ジェームスのピアノ(!)と、ロンのベースのデュオ。このデュオ演奏は、クロスオーバー・ジャズでは無い。これは純ジャズである。3曲目の「Django」は、MJQのジョン・ルイスの名曲だが、フロントをロンのベースが取り仕切り、この名曲の旋律をベース一本でやり通す。アコベでありながら、ピッチも合っていて、ロンのベーシストとしてのテクニックがかなりのものだということを再認識する。

そして、僕が愛してやまないのが、4曲目の「A Hymn for Him」。ロンの作曲。極上のファンキー・バラードである。冒頭、ロンがフロントを取り仕切るのは変わらないが、このロンのアタッチメントをつけて、アコベの音を電気的に増幅したアコベの音がなかなかファンキーでいい感じ。ソロでのテクニックの高さと相まって、意外と聴き応えのあるロンのベース。

そして、リチャード・ティーのアコピ(フェンダー・ローズ)の、こってこてファンキーでキャッチーなバッキング。そして、ファンクネス滴る、ソフト&メロウなソロ・パフォーマンス。ティーのベストに近いフェンダー・ローズのパフォーマンス。もう惚れ惚れするばかり。さすがティー、さすがフェンダー・ローズの名手。しみじみと染み入り、思わず、心にグッとくる。

そして、エモーショナルで流麗でファンキー&メロウ、テクニック極上、歌心満点のロウズのフルート・ソロに、これまたグッとくる。極上のフュージョン・ジャズの一曲がここにある。

5曲目の「Two-Beat Johnson」は、ライトでポップでファンキーでご機嫌な小品。ラストの「R2, M1」は、アーシーでビートの効いた、ライトなジャズ・ファンク。ボブ・ジェームスのちょっとアブストラクトなピアノ・ソロが、このジャズ・ファンクな演奏を俗っぽい演奏にしていない。意外と硬派な、クロスオーバー・ジャズ志向のジャズ・ファンク。このリズム&ビートの軽快さが、ロンの考えるジャズ・ファンクの個性だろう。

アタッチメントをつけて、アコベの音を電気的に増幅して、旋律のソロに対応するロンについては、とかく批判的な意見が多いが、この盤のロンのパフォーマンスを聴いて判る様に、アコベのピッチが合っている分には問題無い。どころか、ジャズ・ファンクのリズム&ジャズ・ファンクのビートにピッタリな音色は意外と効果抜群。

自分の耳で聴いてみて初めて判る。このロンのCTIレコードでのリーダー作の第一弾、意外と「隠れ名盤」だと僕は思っている。
 
 

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2024年4月23日 (火曜日)

名盤『Uptown Conversation』

ロン・カーターはジャズ・ベーシストのレジェンド。リーダー作については、ベーシストとしては珍しく、かなりの数に上る。リーダー作というのは、まずテクニックがあって積極性があって、そして、プロデュース力があって、統率力がなければ出来ない。

加えて、サイドマンとして、他のジャズマンのリーダー作のセッションに参加した数は膨大な数にのぼる。「演奏内容と共演メンバーを活かすも殺すもベーシスト次第」という面からすると、ロンのベーシストとしての力量は、他の一流ジャズマンの面々の周知するところだったと思われる。

Ron Carter『Uptown Conversation』(写真)。1969年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (el-b, ac-b), Hubert Laws (fl, tracks 1, 4 & 5), Herbie Hancock (ac-p, el-p, all tracks except 2), Sam Brown (g, tracks 1, 2 & 4), Grady Tate (ds, tracks 1, 4 & 5), Billy Cobham (ds, tracks 3, 6, & 7)。
 
ロンの2枚目のリーダー作。初リーダー作が1961年。約8年ぶりのリーダー作になる。1960年代はほぼマイルスの下で専属ベーシストとして活躍。マイルスがエレクトリック化に踏み出した頃にリリースした、2枚目のリーダー作。

ロンのベースをメインに、以下の4つのパターンのセッションで、演奏を弾き分けている。

① ベース+ギター(ブラウン)のデュオ
② ベース+ピアノ(ハンコック)+ドラム(コブハム)
③ ベース+ピアノ(ハンコック)+フルート(ロウズ)+ドラム(テイト)
④ ベース+ギター(ブラウン)+ピアノ(ハンコック)+フルート(ロウズ)+ドラム(テイト)

当時、流行していたソウル・ジャズ。それもシュッとクールなソウル・ジャズ、そして、ハードバップ。これは、グラディ・テイトがドラムのユニットが担当。ハンコックもファンキーでソウルフルなピアノをガンガン弾きまくっている。ロウズのフルートも、それはそれはクールでファンキーでソウルフル。
 

Ron-carteruptown-conversation  

 
ソウル・ジャズ、ハードバップな演奏のバックで、演奏の底をガッチリ支えるロンのベースが見事。意外とファンキーでソウルフルなロンのベースにちょっとビックリする。リラックスして楽しそうにベースを弾くロン。ロンの適応力の高さと広さ。見事である。

コブハムがドラムのユニットは限りなく自由度の高いモード・ジャズ、そして、フリー・ジャズ。モード・ジャズでのベース・ラインは、ロンにとってはお手のものなんだが、フリーにアブストラクトに展開するロンのベースの切れ味とマージネーションには驚く。これだけソリッドで切れ味の良い、バリエーション豊かでフリーなベースラインを弾き通せるベーシストは希少。

しかも、ハンコックのフリーなピアノにクイックに反応して応戦している。ロンのベースは意外とアグレッシブでオフェンシブ。ちょっと驚く。そうそう、このハンコックのフリーなピアノも聴き応え十分。そして、後の千手観音ドラミングで名を馳せたコブハムのモーダル〜フリーなドラミングがこれまた見事。コブハムの純ジャズ系ドラマーとして力量を再認識する。

ロンとサム・ブラウンのデュオ、2曲目の「Ten Strings」でのベースとギターのフリーなインタープレイは内容が濃い。ロンのベースがフリー・ジャズに完全適応し、前衛音楽にしっかり軸足を置くことが出来る。ベーシストとしてのテクニックの面でも優れたものがあることが良く判る。

例えば、ベースの哲人、チャーリー・ヘイデンに比肩する、高いレベルのテクニックと個性。この盤で、ロンのベーシストとしての実力、力量、適応力の全てが判る内容になっている。

今でもネットの世界では、ロンのベースに対して、一部に手厳しい評価がある。ベース音にピックアップを付けて増幅している音が許せない、時折ピッチが狂っている、そう言ったマイナス面だけがクローズアップされている。

しかし、この盤を聴いてみると、ベースの音が整っていて、ピッチを合わせたロンのベースは、やはり優れている。リーダー作の多さ、サイドマンとしてのセッション参加機会の莫大な数。それらが、ロンのベースの優秀性を如実に物語っていると僕は思う。
 
 

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2024年4月22日 (月曜日)

伝説ベース、ロンの初リーダー作

ジャズ演奏におけるベースの役割は大きい。まず、演奏全体の曲のボトムをしっかり支える。次に、曲のルート音をしっかり押さえて、曲全体の調性を整える。そして、リズム隊として、ドラムとピアノと共同で、曲のリズム&ビートを供給する。

「演奏内容と共演メンバーを活かすも殺すもドラマー次第」というが、ベースもドラマーと同様に、ジャズ演奏における役割は大きい。「演奏内容と共演メンバーを活かすも殺すもベーシスト次第」と言っても過言ではない。

ベースはフロント楽器の演奏のバックで、ベースは音程を出せる楽器なので、低音域のルート音をガッチリ押さえ、フレーズで演奏全体のボトムをしっかり支えることが出来る。ベースは低音域の音程、フレーズでリズム&ビートを供給する。ドラムはアタック音でリズム&ビートを供給する。

Ron Carter『Where?』(写真左)。1961年6月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b, cello), Eric Dolphy (as, b-cl, fl), Mal Waldron (p), George Duvivier (b), Charlie Persip (ds)。モダン・ベーシストのレジェンド、ロン・カーターの初リーダー作である。

ロンが初リーダー作で選んだジャズは「エリック・ドルフィー」。エリック・ドルフィーの唯一無二のモード・ジャズをロンのベースが支え、曲全体の調整を整える役割を担う。それが、ロンの選んだ、自らの初リーダー作のコンセプト。
 

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ドルフィーの高速捻れまくりエモーショナルな、かっ飛んだ唯一無二のフレーズの洪水な演奏の「低音域のルート音」をガッチリ押さえ、ドルフィーの個性出まくりのフレーズの「ボトム」をしっかり支える。そして、ロン独特のベースのフレーズでリズム&ビートを供給する。

ドルフィーの高速フレーズに対応するため、アコースティック・ベースを、別のベーシスト、デュビビエにお願いして、ロン自身はアコースティック・ベースをチェロに持ち替えて、高速速弾きな、低音域の音程、フレーズでリズム&ビートを供給し、演奏全体の曲のボトムをしっかり支える。

マル・ウォルドロンが、ロンにしっかりと寄り添う様に、哀愁感溢れるピアノを弾きまくる。ロンのベースと共同で、高速フレーズで演奏全体のボトムをしっかり支える。そして、マルのピアノ、パーシップのドラムと共同で、曲のリズム&ビートを供給する。ドルフィーの唯一無二のモード・ジャズに、ピッタリと寄り添う、一期一会のリズム・セクション。

このドルフィーの「高速捻れまくりエモーショナルな、かっ飛んだ唯一無二のフレーズの洪水な演奏」に追従し、鼓舞し、ガッチリ支える一期一会のリズム・セクションに恵まれたからこそ、この盤におけるドルフィーの快演がある。

ピックアップでベース音を増幅した時代は、ピッチが合っていない、音がボワンボワンで締まりがない、など、低評価がつきまとった時期もあったが、ベースが生音でピッチをきっちり合わせたロンのベースは、やはり優れている。ロンのベースが絶妙にリズム・セクションを牽引し、ドルフィーがそんな相性バッチリのリズム&ビートに乗って疾走する。

「演奏内容と共演メンバーを活かすも殺すもベーシスト次第」ということを改めて教えてくれる、ロンの初リーダー作である。
 
 

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2023年12月30日 (土曜日)

Walton, Carter & DeJohnette

シダー・ウォルトン(Cedar Walton)。1934年1月、米国テキサス州ダラスの生まれ。アート・ブレイキーのバンド、ジャズ・メッセンジャーズのメンバーとして有名になり、その後バンドリーダーおよび作曲家として長いキャリアを確立。2013年8月に惜しくも鬼籍に入っている。

ウォルトンのピアノはメインストリーム志向の正統派ジャズ・ピアノ。見事なバップ・ピアノで、ハートバップ志向もいけるが、モーダルなジャズもいける。端正で正確なタッチの「情熱&躍動バップ・ピアノ」。テクニックが確かで破綻が無い。多弁で躍動感溢れるバップ・ピアノが魅力的。

『Walton, Carter & DeJohnette』(写真左)。別タイトル『The All American Trio』(写真右)。邦題は『素晴らしき仲間たち/ オールアメリカントリオ』。1983年12月22 & 23日の録音。日本のベイステート・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Cedar Walton (p), Ron Carter (b), Jack DeJohnette (ds)。

「情熱&躍動バップ・ピアノ」のシダー・ウォルトンと、職人ベースのロン・カーター、ポリリズミックなドラマー、ジャック・デジョネットのトリオ演奏。
 

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この録音時、ウォルトンは49歳。脂の乗り切った、バリバリ中堅の余裕綽々「情熱&躍動バップ・ピアノ」が聴きもの。ハメを外さず、粛々とひき進めるバップ・ピアノは一流品。スタンダード曲とオリジナル曲を織り交ぜて、スインギーでバップ一直線のピアノ・トリオは聴いていて気持ちが良い。

バックを支えるロンのベースは、懐かしいブヨンブヨンなベースだけれど、捻らずシンプルにベースラインを押さえていて、演奏の底をガッチリ支えている。

デジョネットのドラミングは、多弁で躍動感溢れるウォルトンのピアノと被ることを避けて、いつもよりシンプルでストレートなバップ・ドラムを聴かせてくれる。隙間無く音を埋めて疾走するウォルトンのピアノには、「間」を活かした展開は無いので、隙間を埋める様な、ポリリズムミックなドラミングは意識的に避けている様だ。

バックのベースとドラムのシンプルなサポートを得て、ウォルトンは必要以上に多弁になること無く、自然体でシンプルな「情熱&躍動バップ・ピアノ」を弾きまくる。職人的リズム隊が控えているので、コードもモードも自由に弾きまくることができるウォルトンはストレスレス。自由に思うがままに、クールに「情熱&躍動バップ・ピアノ」を弾きまくる。
 
 

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  ・四人囃子の『Golden Picnics
 

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2023年5月18日 (木曜日)

レジェンドだけど「元気なロン」

1950年代のハードバップ期から、ずっと第一線で活躍してきたレジェンド級のベーシストについて、振り返って見ると、ほとんどが鬼籍に入ってしまっている。2020年辺りで、現役でプレイしているレジェンド級のベーシストは「ロン・カーター(Ron Carter)」しか見当たら無くなってしまったようだ。

Ron Carter『Foursight - The Complete Stockholm Tapes』(写真左)。2018年11月17日、ストックホルムのジャズクラブ「Fasching」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b), Jimmy Greene (ts), Renee Rosnes (p), Payton Crossley (ds)。テナー・サックスがフロント1管の、シンプルな「ワンホーン・カルテット」編成。

ロン・カーターは、このライヴ盤の録音時点で81歳。溌剌としたアコースティック・ベースを奏でていて素晴らしい。とても81歳とは思えないパフォーマンス。

ロンは、自身のリーダー作紐解くと、1960年代はリーダー作はドルフィー、マルとの『Where?』のみ。マイルスの下で「限りなくフリーなモード・ジャズ」を志向し、ベースの音は、いかにもモードな演奏に完全対応した様な、間と音の拡がりを活かしたもので、聴けば、これはロンのベースと直ぐ判るほどの個性溢れるベースだった。

しかし、1970年代、マイルスの下を去って独立すると、ほどなくCTIレーベルに移籍。フュージョン・ジャズをメインに活動を継続する。リーダー作の制作については、リーダーとして、ロンの志向するジャズをセッションで具現化する部分はまずまず良好な内容だったのだが、ロンのベースの音自体がいただけない。アンプで電気的に増幅し弦高の低いブヨンブヨンとゴムが伸びたように間延びした、しかも、ピッチが外れたベースの音で、聴くのが辛いリーダー作も多々あった。
 

Ron-carterfoursight-the-complete-stockho

 
1990年代、ブルーノート・レーベルに移籍して以降、ベースの効くに耐えない音が改善され、アコースティック・ベースの弦と胴の骨太な「鳴り」を活かした、ピッチのずれもかなり改善された、まずまずのベース音に修正されて、やっとまともに、ロンのリーダー作を鑑賞する気になった。誰かに指摘されたのかなあ、特に21世紀に入ってからは、安定して端正でロンの個性溢れるアコベで活躍している。

さて、このストックホルムでのライヴ盤に話を戻すと、ロンのベースの音は良好。演奏全体の志向は、過去のモード・ジャズを踏襲しつつ、新しいアレンジや響きを散りばめた「軽めのネオ・ハードバップ」な演奏になっている。大向こうを張ったハッとするような新鮮さはあまり感じられないが、絶対に過去のコピー、過去の焼き直しなモード・ジャズでは無い、どこか現代のモード・ジャズの響きをしっかり湛えた演奏は、意外と聴き応えがある。

他のメンバー、特に、これまたベテラン女流ピアニスト、リニー・ロスネスのパフォーマンスが充実している。そう、ロスネス、モーダルなピアノ、弾きまくりである。とっても溌剌として元気なパフォーマンスにはビックリ。往年のロスネスがここにいる。

サックスのジミー・グリーン、ドラムのペイトン・クロスリーも、あまり馴染みのあるジャズマンでは無いにしろ、当ライヴ盤でのパフォーマンスは大健闘だろう。良い雰囲気、良い感じでのパフォーマンスは聴き応えがある。

選曲も奇をてらわず、と言って、皆がとても知っている「どスタンダード曲」に依存することもなく、ロンの自作曲も交えて、ちょっと小粋なスタンダード曲をチョイスしているところも良い感じ。

現代の「軽めのネオ・ハードバップ」盤として、なかなかの内容の好盤です。録音当時、81歳のロンが元気にプレイしているところも好感度アップ。レジェンド級ジャズマンのリーダー作として、一聴の価値アリ、ですね。
 
 

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2022年8月20日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・247

ゴンサロ・ルバルカバ(Gonzalo Rubalcaba) は「キューバの至宝」と呼ばれるジャズ・ピアニスト。1963年5月、キューバはハバナの生まれ。今年で59歳、来年は還暦。もはや、キャリア的にはベテランからレジェンドの域に差し掛かっている。僕がゴンサロの出会ったのは、1990年『Discovery: Live at Montreux』を手にした時。あの頃、ゴンサロは弱冠27歳。あれから30年以上、ゴンサロのピアノの志向はブレていない。

ゴンサロのピアノは超絶技巧ではあるが、リリカルでメロディアス、そこはかとなくアーシーでワールド・ミュージック的な雰囲気が漂い、カリプソな雰囲気も見え隠れする。回りくどいことは無く、判りやすい光速のパッセージでアプローチは意外と直線的。ビ・バップ・マナーの超絶技巧な高速ピアノと、間を活かした印象派マナーの耽美的でリリカルなピアノの双方を両立させた個性が特徴。

Gonzalo Rubalcaba Trio『Skyline』(写真左)。2021年の作品。ちなみにパーソネルは、Gonzalo Rubalcaba (p), Ron Carter (b), Jack DeJohnette (ds)。ゴンサロが若き日に師事したジャズメンと再会したいという長年の希望を受けて実現した再会セッションの記録。現代のアコベのレジェンド、ロン・カーターと、現代のポリリズミックなドラマーのレジェンド、ジャック・デジョネットがリズム隊で参入している。
 

Gonzalo-rubalcaba-trioskyline

 
ゴンサロのピアノの個性をしっかり記録しつつ、ゴンサロのピアノの成熟を聴いて取れる、内容の濃いピアノ・トリオ盤である。相変わらずの超絶技巧であるが、若かりし頃の「どうだ、凄いでしょ」的な大向こうを張った弾き回しでは無く、硬軟自在、緩急自在、音とリズムをしっかりと選びつつ、機微溢れる、クールでブルージーでモーダルなピアノをじっくり聴かせてくれる。弾きまくるゴンサロ、内省的なゴンサロ、ゴンサロのピアノの良いところがこの盤にしっかり記録されている。

ゴンサロの成熟したピアノの良いところをグイグイと引き出しているのが、ロンのベースとデジョネットのドラム。ロンのべースは、ゴンサロのモーダルなピアノの底をしっかりと支えて安定感抜群。デジョネットのポリリスミックなドラミングは、ゴンサロのピアノに推進力と変化のタイミングを与え続ける。素晴らしいインタープレイの応酬。ゴンサロのピアノが映えに映える。

ゴンサロ健在。ロンも健在、デジョネットも健在。凄まじく、内容濃く、新しい響きを湛えたインタープレイを繰り広げるレジェンド級のピアノ・トリオ。その演奏の数々は凄みが感じられるほど、硬派で切れ味の良いもので、まだまだ若手ピアノ・トリオには及ばない、様々な「粋」なアプローチと弾き回しは、後に名盤と呼ばれるに相応しい内容ではないかと感じて、聴いていて何だか「嬉しく」なりました。
 
 

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2021年6月 9日 (水曜日)

渡辺貞夫 with GJTのライヴ盤 『Carnaval』

このアルバムのリリースは1983年。当時からこのジャケット・デザイン、むっちゃチープで、ロン・カーター名義だったので、ジャケットにある参加ミュージシャンの名前も見ずにスルーしていた。どうやったら、こんなチープなデザインになるのかが判らない。で、最近、このジャケットにある参加ミュージシャンを見たら「SADAO WATANABE」とある。

他のメンバーの名前も書かれており、あれ、これって「グレート・ジャズ・トリオ(GJT)」じゃないの、と思い立った。貞夫さんとGJTと言えば、1970年代後半に幾つかの共演盤があって、もしかしたらその流れで録音されたのでは、と思い始めた。しかし、1983年のリリース。その近辺で貞夫さんとGJTの共演ってあったのかしら、と考えたが、思い当たる節が無い。

Ron Carter, Hank Jones, Sadao Watanabe, Tony Williams『Carnaval』(写真左)。1978年7月30日、東京田園コロシアムで開催された「Live Under the Sky」でのライヴ録音である。ちなみにパーソネルは、Sadao Watanabe (as), Hank Jones (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。なんと、1978年の「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」での、渡辺貞夫 with GJT のライヴ録音である。
 

Carnaval-with-gjt
 

ジャケットにビビらずに、ちゃんと聴けば良かった、と反省しながら一気聴きしたのだが、さすがに「渡辺貞夫 with GJT」である。趣味の良いハードバピッシュな「ワン・ホーン・カルテット」。決して懐古趣味に走らない、1970年代後半での「最先端」のハードバップな演奏がここに記録されている。

ライヴ・フェスだからといって、安易に聴衆に迎合していないのが、この「ワン・ホーン・カルテット」の隅に置けないところで、収録された曲が実に渋い。バップなアルト・サックスが根っこにあるフロントの貞夫さんを、GJTがしっかりフィーチャー出来る楽曲が並んでいる。演奏のテンポもライヴ・フェスなら、アップテンポのノリノリの演奏になりがちだが、この盤では地に足着いた堅実なテンポで、メンバーそれぞれが素敵で印象的なソロ・パフォーマンスを繰り広げている。

1970年代後半のライヴ・フェスなので、ピアノの音がエレピっぽかったり、ロンのベースがアタッチメントで電気的に増幅されて「ブヨンブヨン」と緩んだ音を出していたりするが、演奏されるフレーズは確かなもの。いやはや、なかなか充実した内容のライヴ盤である。完全に、このチープなジャケットに騙されたなあ(笑)。
 
 
 

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2020年1月16日 (木曜日)

ロン・カーターが好調 『Foursight - Stockholm, Vol.1』

1970年代、フュージョン・ジャズの頃には、アコースティック・ベース(アコベ)にアタッチメントを付けて、アンプで増幅した、かつ、ピッチが合っていない「ブヨンブヨン」と間延びした音を響かせて、結構、顰蹙を買っていた。何時の頃だろう、21世紀に入った頃からだと思うが、やっとピッチが合って、アタッチメントでの増幅を止め、アコベ本来の音が戻って来た。

ロン・カーターが好調である。ロンはもともとテクニック優秀、フレーズのイマージネーション豊かなベーシストなので、ピッチが合って、アコベ本来の響きを取り戻したら「無敵」である。1960年代、マイルスの黄金のクインテットに参加していたロンが戻って来た。年齢を重ねた分、アコベの音に深みが増し、アドリブ・フレーズが小粋になり、21世紀に入ってからのロンは好調である。

Ron Carter『Foursight - Stockholm, Vol.1』(写真左)。ちなみにパーソネルは、Ron Carter (b), Renee Rosnes (p), Jimmy Greene (ts), Payton Crossley (ds)。テナー・サックスがフロント・ワンホーンのカルテット構成。2018年11月17日スウェーデンで繰り広げたライブを収録した最新作。
 
 
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ベーシストがリーダーのアルバムの場合、共演者を含めたグループサウンドの内容に耳がいく。まず、この盤では、フロントのジミー・グリーンが良い音。1975年生まれのグリーン、この盤では43歳。油の乗った中堅のテナー・マン。硬軟自在、緩急自在の伸びやかなテナーが良い感じ。そして、リニー・ロスネスが流石のプレイを聴かせてくれる。というか、この盤でのロスネス、絶好調です。

ペイトン・クロスリーは僕の知らないドラマー。でも、この盤のプレイを聴くと、思わず「良い感じのドラマーやなあ」と感心する。堅実で切れ味の良いドラミングは、バンド全体を優しく鼓舞する。そして、ロンのベースが良い。ベースの音もやや大きめで留めて、他の楽器とのバランスが取れていて好感が持てる。ピッチも合っているし、しなやかでソリッドな弾力のあるベースがバンド全体をガッチリと支えている。

現代のモード・ジャズとして、とても良い内容のライブ盤だと思います。モーダルなアドリブ展開も、しっかりと新しい響きと工夫を宿していて、聴いていて飽きが来ない。ロンのアドリブ・ラインも決してマンネリに陥らない、イマージネーション豊かなラインをバッチリ決めていて良い感じ。良い雰囲気のライブ盤。確かに、ロン・カーターは好調である。
 
 
 
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