これぞピアソンのビッグバンド
当時のブルーノートでは全く珍しいビッグバンド盤である。ちなみにCDリイシュー時、全15曲になったが、10曲目から15曲目はボートラ。LPオリジナルは、前半の1曲目から9曲目までの全9曲。よって、この記事では、LPオリジナルの9曲に限って話を進めたい。
Duke Pearson『Introducing Duke Pearson's Big Band』(写真左)。1967年12月15日の録音。ちなみにパーソネルは、Duke Pearson (p, arr), Randy Brecker, Burt Collins, Joe Shepley, Marvin Stamm (tp), Benny Powell, Julian Priester (tb), Kenny Rupp (b-tb), Jerry Dodgion (as, fl, piccolo), Al Gibbons (as, fl, b-cl), Lew Tabackin, Frank Foster (ts), Pepper Adams (bs, cl), Bob Cranshaw (b), Mickey Roker (ds)。
さて、ブルーノートでは珍しいビッグバンド盤である。しかも、リバティ・レコードに買収されて、総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンが去った後、このビッグバンド盤のプロデュースはデューク・ピアソン本人。リーダーとアレンジを担当していたピアソンが、セルフ・プロデュースまで担当したビッグバンド盤。
大手リバティからのリリースである。コストのかかるビッグバンド録音、いきおい、売れる内容になっているんだろうな、とCDプレイヤーのスタートボタンを押す。冒頭、ピアソン作の「Ground Hog」は、ポップでジャズロック気味な大衆受けするビッグバンド・サウンド。やっぱりなあ、やっぱり、ピアソンも人の子、大衆に迎合するアレンジで行くのか、と納得しそうになる。
しかし、2曲目「New Girl」から様相が変わってくる。ピアソンの音作りの個性がバッチリ出たアンサンブルで、ドライブ感が気持ち良いビッグバンド演奏が出てくる。ルー・タバキンのテナーも若々しくて良い感じだし、ミッキー・ローカーのドラミングが印象的。大衆迎合型のビッグバンドとは一線を画している。
曲が進むにつれ、硬派でハードで完璧メインストリームなビッグバンド・ジャズがバンバン出てくる。しかも、ビッグバンド・ジャズとして、こんな曲を選ぶか、と思うような、渋い選曲が出てくる。チック・コリア作の「Straight Up and Down」、ジョー・サンプル作の「New Time Shuffle」、レニー・ウェルチの歌唱で有名な「A Taste of Honey」など、こんな渋い曲をビッグバンドにアレンジするなんて、アレンジャーのピアソンに感服する。
パーソネルを見渡すと、これまた、当時の才能あるジャズマンが大集結。トランペット奏者ランディ・ブレッカー、バート・コリンズ、マーヴィン・スタム、ドラマーのミッキー・ローカー、サックス奏者フランク・フォスター、ルー・タバッキン、ペッパー・アダムス、トロンボ奏者ガーネット・ブラウンとジュリアン・プリースター。さすがブルーノート。目の付け所が違う。
後半に行くに従って、硬派な度合い、ハードな度合い、メンストリームな度合いが、どんどん高まっていく。ここまでくれば、聴いて楽しい、のレベルでは最早無い。しっかりと対峙して、ピアソンのリーダーシップ、ピアソンのアレンジ、ピアソンの個性をジックリ楽しみたい。ビッグバンドの好盤の1枚である。
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