2024年8月 4日 (日曜日)

初めて、エスコフェリーを聴く

Smoke Sessions Records は、コンスタントに、現代のネオ・ハードバップ、現代のコンテンポラリー・ジャズの好盤をリリースしている。今まで、影の存在に甘んじていた、優れた資質を持つジャズマンをスカウトして、専属のリーダー人材とするのに長けている。

今まで、Smoke Sessions Records からリリースされたアルバムのリーダーの中で、この人は誰、というジャズマンも多くいた。しかも、その、それまで無名に近かったジャズマンがリーダーを張ったアルバムについて、どれもが水準以上の優れた内容なのだから隅におけない。Smokeからの新盤については、折につけ、しっかりと内容確認をしている。

Wayne Escoffery『Like Minds』(写真左)。2022年3月31日、NYの「Sear Sound Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Escoffery (ts, ss), David Kikoski (p), Ugonna Okegwo (b), Mark Whitfield Jr (ds) のワンホーン・カルテットが基本。ゲストに、Gregory Porter (vo, on 4, 5), Tom Harrell (tp, on 2, 4),
Mike Moreno (g, on 1, 3, 8, 9), Daniel Sadownick (per, on 5), が入っている。
 
Wayne Escoffery(ウエイン・エスコフェリー)は、1975 年イギリスにて生まれ、後にアメリカに移住。
以降ニューヨークで活動し、グラミー賞受賞歴もあるサックス奏者/作曲家。リーダー作は、2001年の『Times Change』を手始めに、今回の2023年の『Like Minds』まで、11枚を世に出しているのだが、僕は彼のリーダー作に触れたことが無かった。
 

Wayne-escofferylike-minds

 
この新作『Like Minds』は、現代のネオ・ハードバップど真ん中な内容。非常に充実した、硬派で正統派な演奏内容は好感度アップ。リーダーのアルト・サックス担当のエスコフェリー、ピアニストとして評価の高いキコスギ、堅実ベースのウゴナ・オケゴ、躍動感溢れるドラミングで、演奏全体を鼓舞するマーク・ホワイトフィールドJr。まず、カルテットのメンバーが充実している。

エスコフェリーのアルト・サックスは、正統派でテクニック良好、突出した個性は無いが、総合力勝負の優れたもの。録音時47歳。テクニック優秀な中堅アルト・サックス奏者である。まず、このエスコフェリーのアルト・サックスが全編に渡って、良い味を出している。聴き応え十分のブリリアントで流麗で大らかなアルト・サックス。

キコスギのピアノが効いている。キコスギの柔軟度の高い、適応範囲の広い、現代のネオ・バップなピアノが良い。要所要所で、気の利いたフレーズを弾き回して、フロントのエスコフェリーのアルトを支え、オケゴのベース、ホワイトフィールドJrのドラムと共に、演奏全体のリズム&ビートを変幻自在に供給する。

ゲストの存在も良いアクセントになっている。現代のレジェンド級のバップ・トランペッターであるトム・ハレル、革新的なギタリストの マイク・モレノ、上質パーカッションの ダニエル・サドーニック、そして、 グラミー級ボーカリストの グレゴリー・ポーター。これらのゲストが、要所要所で極上にパフォーマンスを提供していて、このエスコフェリーのリーダー作の内容を更に充実させている。

4ビートを含むコンテンポラリ系の演奏がメインの、充実した内容のネオ・ハードバップ盤。特に現代のモード、ネオ・モーダルな演奏が秀逸です。破綻の無い、力感溢れ、流麗でコンテンポラリーな内容の演奏は、聴いていてとても心地の良いもの。本盤も、Smoke Sessions Recordsからの好盤の一枚です。
 
 

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2024年8月 3日 (土曜日)

ファンズワースのスモーク第3弾

Smoke Sessions Records。1999年、ニューヨークのアッパーウエストにオープンしたジャズクラブ「Smoke」のオーナーが2014年に設立したジャズ専門レーベル。

そのジャズクラブ「Smoke」に出演している人気アーティスト、特に、実績のある中堅〜ベテランのジャズマンをリーダーにしたアルバムをメインにリリースしているのだが、その内容は「昔の名前で出ています」的な旧来のハードバップな演奏を懐メロ風にやるのでは無く、しっかりと現代の「ネオ・ハードバップ」や「コンテンポラリーなメインストリーム系ジャズ」な演奏に果敢に取り組んでいる。

そんなSmoke Sessions Recordsの実績のある中堅〜ベテランのジャズマンの中に「Joe Farnsworth(ジョー・ファンズワース)」がいる。ファンズワースは、1968年マサチューセッツ州生まれの、今年で56歳になる中堅ドラマー。テナー・サックスのエリック・アレクサンダーのサイドマンとしての実績が主で、あまり目立った存在では無かったが、Smoke Sessions Records専属になってから、充実のリーダー作をリリースする様になり、サイドマンとしても充実のサポートを提供している。

Joe Farnsworth『In What Direction Are You Headed?』(写真左)。2022年8月31日、NYの「Sear Sound Studio C」での録音。ちなみにパーソネルは、Immanuel Wilkins (as), Kurt Rosenwinkel (g), Julius Rodriguez (ac-p, el-p), Robert Hurst (b), Joe Farnsworth (ds)。Smoke Sessions Recordsから放つ約1年半ぶりのリーダー3作目。

現代ジャズ・ギターの雄、カート・ローゼンウィンケルと切れ味良いアルト・サックスのイマニュエル・ウィルキンスがフロントを張るクインテット編成。この編成の顔ぶれを見れば、単純に現代のネオ・ハードバップはやらないよな、と思って、ワクワクしながらのアルバム鑑賞である。
 

Joe-farnsworthin-what-direction-are-you-

 
冒頭の「Terra Nova」から、非4ビートの現代のコンテンポラリー・ジャズ志向、アメリカーナ系の牧歌的フォーキーでリリカルで流麗な演奏が繰り広げられる。新しい感覚と新しい響き。良い。ネイチャーな音風景が心地良い。

2曲目「Filters」では、ローゼンウィンケルのギターがバリバリ、高速モダールなフレーズを吹きまくり、ウィルキンスのアルト・サックスが相対する。素晴らしいアドリブ・フレーズのバトル。そこに、ロドリゲスのアコピが高速な弾き回しで応戦する。この2曲だけで、このアルバムは隅に置けない、素晴らしい内容のアルバムであることを確信する。

現代版の「70年代ジャズ・ロック」な小粋でグルーヴィーな演奏もあれば、硬派で正統派な現代のネオ・ハードバップな演奏もあり、ダンディズム溢れる硬派なエレ・ジャズもありと、バラエティー溢れる内容だが、どの演奏も「現代のコンテンポラリー・ジャズ志向」で統一されている。とっ散らかった感は全く感じられないのが素晴らしい。

そんな「現代のコンテンポラリー・ジャズ志向」をガッチリ保持し、バンド全体に波及させ、フロントを鼓舞しているのは、リーダーのファンズワースのドラミングである。ファンズワースのドラミングは、コンテンポラリー感が半端無く、今までに聴いたことのない、アグレッシヴでポリリズミック、変幻自在で硬軟自在なドラミングで、現代のコンテンポラリー感を増幅している。

決して古さを感じさせない、現代のネオ・ハードバップの最先端の音の一つを聴かせてくれる充実した内容は見事。ローゼンウィンケルのギターとウィルキンスのアルト・サックス、そして、リーダーのファンズワースのドラムが、とりわけ「新しい」。このクインテット、パーマネント化されるのだろうか。僕はパーマネント化を望みたい。そして、同一メンバー、同一志向での次作を早く聴きたい。
 
 

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2023年12月10日 (日曜日)

ヘンダーソンの円熟を聴く。

Smoke Sessions Records。コンスタントに良い内容のアルバムをリリースしていて、常々、感心している。

実績のある中堅〜ベテランのジャズマンをリーダーにしたアルバムをメインにリリースしているのだが、その内容は「昔の名前で出ています」的な旧来のハードバップな演奏を懐メロ風にやるのでは無く、しっかりと現在の「ネオ・ハードバップ」な演奏に果敢に取り組ませている。これが「当たり」で、あのベテランが、と感じる快作を多くリリースしている。

Eddie Henderson『Witness to History』(写真左)。2022年9月13日、NYの「Sear Sound Studio C」での録音。ちなみにパーソネルは、Eddie Henderson (tp), Donald Harrison (as), George Cables (ac-p, el-p), Gerald Cannon (b), Lenny White (ds), Mike Clark (drums on 1)。

Eddie Henderson(エディ・ヘンダーゾン)は、エレ・ファンク出身のトランペット奏者。1970 年代初頭、ハービー・ハンコックの「ムワンディシ・バンド」のメンバーとして有名になり、その後、10年間を通じて、自身のエレクトリック・ジャズのグループを率いている。そして、ヘンダーソンは医学の学位を取得し、精神科医とミュージシャンとして並行してキャリアを積み、1990年代、アコースティック・ジャズに復帰している。
 

Eddie-hendersonwitness-to-history

 
エディ・ヘンダーソンのSmoke Sessions Records からの最新作、4枚目となるリーダーアルバム。冒頭「Scorpio Rising」は、エレ・マイルスを彷彿とさせる「エレ・ファンク」。ヘンダーソンのトランペットは、マイルスみたいなんだが、マイルスほど尖んがってはいない。エッジの丸い流麗なマイルス、って感じのトランペットが「今風」で良い。しっかり、現代のエレ・ジャズの雰囲気を醸し出す、なかなかのエレ・ファンク。

2局目「Why Not?」以降、エレ・ファンクから、ネオ・モードな演奏に変わるが、このモーダルな演奏の中で、ヘンダーソンのモーダルなトラペットが実に映える。流麗でドライなマイルスの様な、モーダルなヘンダーソンのトランペットが良い感じ。ただし、モーダルなフレーズはどれもが「今風」で、昔のモーダルなフレーズを模したりはしていない。この辺りに、ヘンダーソンの矜持を強く感じる。

マイルスのモード・ジャズからエレ・ファンクを踏襲しているが、マイルスのフレーズやアイデアを模すことなく、現代のエレ・ファンクやネオ・ハードバップの感覚をしっかりと踏まえて、ヘンダーソンなりのエレ・ファンク、ヘンダーソンなりのモード・ジャズを展開しているところに僕は感心する。今回のセッションに参加しているベテラン・ジャズマンも良い味を出している。

ヘンダーソンは1940年10月生まれ。録音時は83歳。もう大ベテランの域に達したヘンダーソン。今回のアルバムは「ヘンダーソンの円熟」を音に変えて我々に聴かせてくれた様な「快作」である。
 
 

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2023年5月 9日 (火曜日)

現代トロンボーン盤の優秀盤

毎月、ジャズの新盤については、まめにチェックしている。そんな新盤の中で、Smoke Sessions Recordsは、コンスタントに良い内容のアルバムをリリースしていて、常々、感心している。

我が国にはその名がなかなか伝わってこない、実績のある中堅〜ベテランのジャズマンをリーダーにしたアルバムをメインにリリースしている。が、その内容は「昔の名前で出ています」的な旧来のハードバップな演奏を懐メロ風にやるのでは無く、しっかりと現在の「ネオ・ハードバップ」な演奏に果敢に取り組んでいて頼もしい。

Steve Davis『Bluesthetic』(写真左)。2022年2月8日、NYの「Seer Sound Studio C」での録音。Smoke Sessions Recordsからのリリース。ちなみにパーソネルは、Steve Davis (tb), Peter Bernstein (g), Steve Nelson (vib), Geoffrey Keezer (p), Christian McBride (b), Willie Jones III (ds)。トロンボーン奏者、スティーヴ・デイヴィスがリーダーの、ギター、ヴァイブ入りのセクステット編成。

リーダーのスティーヴ・デイヴィス(Steve Davis)は、1967年4月生まれ。今年で56歳。米国出身のジャズ・トロンボーン奏者。僕は、この人の名前をどこかで見たことがある、と思って調べたら「1989年にジャズ・メッセンジャーズに参加した」とある。

そうそう、ジャズ・メッセンジャーズにいたのね。思い出しました。そうそう、ワンフォーオールのメンバーでもあったのも、思い出しました。初リーダー作が1994年。これまでにリーダー作は20枚程度と、1.5年に1枚程度、コンスタントにリリースしているのも立派。

もともとトロンボーンという楽器の性格上、フロント管の一翼を担っているとは言え、ソロの「映え方」は、トランペットやサックスに比べると、どうしても劣る。速いフレーズが得意でないこと、ハイトーンが出ないこと、しかし、丸みのあるホンワカした独特の音色はトロンボーンならではのもので、一旦、填まると癖になる。
 

Steve-davisbluesthetic_20230509212701

 
この盤は、そんなトロンボーンをフロント管に「1管」としている潔さ。トロンボーンのワンホーン盤は、僕はあまり知らない。トロンボーンについては、先ほど上げた楽器の性格上の問題があるので、トランペットやサックスを加えて、主旋律のユニゾン&ハーモニーをクッキリ浮かび出させる工夫をするのだが、この盤ではそれはしない。トロンボーンの「聴かせる」テクニックがポイントになる。

そういう点では、この盤でのスティーヴ・デイヴィスは素晴らしいパフォーマンスで、フロント1管を吹き切っている。まず、テクニックが素晴らしい。ある程度の速いフレーズをしっかり吹き切り、様々なニュアンスの音色を吹き分け、切れ味の良い躍動感溢れる吹き回し。トロンボーンだけで、管楽器が請け負うニュアンスのフレーズを全て出し揃えている。ほんと上手い。

そんな優れたトロンボーンを引き立てる様に、ギターとヴァイブがしっかりと絡む。優れたスティーヴ・デイヴィスのトロンボーンを更に前面に押し出し、印象的に引き立たせる、そんな役割を持ったギターとヴァイブのブッキングが、この盤の成功の一番の仕掛けだろう。アレンジも優れているが、ギターとヴァイブをフロント・バックに据えることで、こんなにトロンボーンの音色が引き立つとは思わなかった。

バックのリズム・セクションも良好。ジェフ・キーザーのピアノがとりわけ良好で、印象的なフレーズをバンバン弾き回している。ベースのマクブライドは、フロント管が丸みのあるホンワカした独特の音色のトロンボーンなので、ブンブン、しなりのある重厚なベースラインはやらない。トロンボーンの音色を損なわない、優しくクッキリとしたウォーキング・ベースでしっかりと支える。これには感心することしきり、である。

トロンボーンがメインのネオ・ハードバップ盤として、白眉の出来です。久し振りに、爽快で心地良いジャズ・トロンボーンを聴かせて貰いました。現代ジャズにおけるトロンボーンがメインの優秀盤の1枚として良い内容だと思います。
 
 

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2023年4月19日 (水曜日)

聴き直して「良いものは良い」

21世紀に入って、ジャズはまだまだ「深化」を続けている。20世紀、特に1950〜60年代の様に、ジャズの新しい演奏トレンド、例えば、モードやフリー、スピリチュアルなどの様な革新的な内容の演奏トレンドはもはや現れないとは思うが、これまでのジャズ演奏を彩った演奏トレンドを「深めていく」動きは衰えていない。

Bernstein, Goldings, Stewart『Perpetual Pendulum』(写真左)。2021年7月15ー16日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Larry Goldings (org), Peter Bernstein (g), Bill Stewart (ds)。ラリー・ゴールディングスのオルガン、ピーター・バーンスタインのギター、ビル・スチュワートのドラムで編成されたオルガン・ジャズ・トリオ。ジャケットを見ればすぐ判る「Smoke Sessions Records」からのリリース。改めての聴き直しである。

1980年代後半から、長年、セッションを重ねてきた3人のトリオ演奏。硬軟自在、緩急自在、変幻自在なスチュワートのドラミングが「肝」。そんな切れ味の良いドラミングに鼓舞されて、ゴールディングスがオルガンを、バーンスタインがギターを弾きまくる。魅力的なオルガンとギターのユニゾン&ハーモニー、そしてチェイス。曲毎に展開されるアドリブ合戦も聴いていて楽しいことこの上無い。
 

Perpetualpendulum_2  

 
演奏曲は全11曲。メンバーそれぞれの自作曲とスタンダード曲が上手く織り込まれていて、良い感じのアルバムに仕上がっている。それぞれのオリジナル曲の演奏も良い出来だが、とりわけ、スタンダード曲の解釈と演奏が白眉で、過去の演奏のコピーや焼き直しに陥っていないのには感心する。オルガン・ギター・ドラムのトリオ演奏は過去にごまんとあるんだが、この3人のスタンダード曲の解釈は新しい。

「Come Rain or Come Shine」は、オルガンの音色とギターの音色の特質を活かしたソロの受け渡しがユニーク。エリントンの「Reflections in D」は典雅なフレーズ、ロマン溢れる雰囲気が秀逸。バーンスタインの曲「Little Green Men」は劇的に突っ走る。タイトル曲「Perpetual Pendulum」は小粋な味のある演奏。いずれも、モーダルで理知的、それでいて、スインギーでブルージーな展開には感心させられる。

以前から「ごまんとある」オルガン・ジャズ・トリオだが、このバースタイン、ゴールディングス、スチュワートのトリオは、過去の音楽成果を焼き直したり、真似したりはしていない。紡ぎ出すフレーズの響きも新しいし、スタンダード曲の解釈も3人の個性を最大限に活かしたもので、他には無い響きがある。ネオ・ハードバップと一括りされそうな演奏であるが、実は内容的には「温故知新」。この現代ジャズにおける中核の3人、全く隅に置けない。
 
 

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2023年4月17日 (月曜日)

ペイトンのマイルスへの捧げ物

1980年代半ば辺りから始まった「純ジャズ復古」のムーヴメント。ウィントン・マルサリスをリーダーとする「新伝承派」、ブルックリンを中心に、そのアンチテーゼなジャズを展開した「M-Base派」などが、新しいメンストリーム志向の純ジャズを展開した。そんな中、1990年代のジャズ・シーンに現れ出でたトランペッター、ニコラス・ペイトン。

ニコラス・ペイトンは、ウィントン・マルサリス、ウォレス・ルーニーらと共に、次世代のジャズを担うトランペッターとして、将来を嘱望された。21世紀に入って現時点では、ウィントンは目立った活動が聞こえてこなくなり、ルーニーは、2020年3月、コロナでの合併症で他界した。ニコラス・ペイトンも今年で50歳。ペイトンだけが、現時点で、コロナ禍にも負けず、コンスタントにリーダー作をリリースし続けている。

Nicholas Payton『The Couch Sessions』(写真左)。2022年7月12&13日、NYでの録音。Smoke Sessions Recordからのリリース。ちなみにパーソネルは、Nicholas Payton (tp, p, rhodes & clavinet), Buster Williams (b), Lenny White (ds)。リーダーのニコラス・ペイトンが、マルチ・プレイヤーとして、トラペットとキーボードを担当し、ベースにバスター・ウイリアムス、ドラムにレニー・ホワイトというレジェンド級のリズム隊を擁したトリオ編成。
 

Nicholas-paytonthe-couch-sessions

 
アルバム全体の雰囲気は「マイルス・トリビュート」。タイトル通り、居間で寛ぎながらのセッション風の演奏が心地良い。冒頭のジェリ・アレン作の「Feed the Fire」では、ペイトンのマイルス風のトランペットは勿論のこと、ハンコック風のキーボードにも良い味を出していて、特にエレピはとても良い雰囲気。マイルスのバンドに所属していた経験のある、ウィリアムスのベース、ホワイトのドラムも、そんな「マイルス・トリビュート」な演奏にしっかりと追従している。

4曲目のウェイン・ショーター作の有名曲「Pinocchio」では、冒頭、マイルスについて語っている(と思われる)ペイトンのトークには、ウィリアムスやホワイトも合いの手や笑い声で応じている様子が録音されている。そして、続く演奏は、もろマイルスのペイトントランペット、ロン・カーター的なウィリアムスのベース、トニー・ウィリアムス的なホワイトのドラムが、このモーダルな難曲をクールに格好良く解釈し、疾走感&爽快感溢れるパフォーマンスに展開する。

確かに「マイルス・トリビュート」な演奏ばかりなんだが、マイルス・ミュージックの物真似になっていないところが良い。マイルス・ミュージックの「肝」の部分はしっかり押さえているが、演奏全体の雰囲気はペイトンのオリジナル。ところどころに、トークやサンプリング的なヴォイスやヴォーカルが入っているところを問題視する向きもあるが、僕は気にならない。それだけ、3人のパフォーマンスの部分が優れていてクールで格好良い。好盤です。
 
 

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2023年3月24日 (金曜日)

ベテランのネオ・ハードバップ

Smoke Sessions Records(以降、Smokeと略)。1999年、NYのアッパーウエストにオープンしたジャズクラブ「Smoke」のオーナーが、2014年に設立したジャズ専門レーベル。

「Smoke」に出演している人気アーティスト(ベテランが主)の録音を中心に「ポスト・バップ・ジャズ」、「メインストリーム」系のオーソドックスな作品が中心。今後のジャズシーンを担うであろう若手のリーダー作も積極的にリリースしている。

最近、Smokeのリリースするアルバムを良く聴く。これまで第一線を走ってきたベテラン・ジャズマンをメインにリーダー作を作成していて、モード・ジャズ、ネオ・ハードバップなど、ポスト・バップ〜メインストリーム系の純ジャズがメイン。

メンバーの選定も優秀。特に、このベテランのリーダー作が良い味を出している。感心するのは、昔の演奏をなぞるのでは無い、現代の新しい響きのモード・ジャズ、ネオ・ハードバップを表現していること。

そんな現代の新しい響きのモード・ジャズ、ネオ・ハードバップを、第一線を走ってきたベテランのジャズマンが、余裕と深みを持って、粛々と演奏する。その音世界は、現代のジャズの新しい響きを宿しているにも関わらず、決して尖ってはいない。燻し銀の如く「渋く」、堅実で余裕を持ったリズム&ビートは、決して「走る」ことは無い。それでいて、演奏のレベルは高く、テクニックも優秀。若手ジャズマンには出せない、年齢と経験の深さを基にした、クールで深みのある純ジャズである。

Bobby Watson『Back Home in Kansas City』(写真左)。2022年4月5日、NYでの録音。Smokeからのリリース。ちなみにパーソネルは、Bobby Watson (as), Jeremy Pelt (tp), Cyrus Chestnut (p), Curtis Lundy (b), Victor Jones (ds)、そして、ゲストに、Carmen Lundy (vo)。リーダーのボビー・ワトソンのアルト・サックスとジェレミー・ペルトのトランペットがフロント2管のクインテット編成が基本。
 

Bobby-watsonback-home-in-kansas-city

 
リーダーのボビー・ワトソンは、1953年カンザス州生まれ。今年で70歳になるベテランのアルト・サックス奏者。1977〜1981年、アート・ブレイキー& ジャズ・メッセンジャーズに在籍。メロディセンス溢れるプレイや作曲能力で人気を博した。メッセンジャーズを脱退後は自己のバンド“Bobby Watson & Horizon” を中心に、様々なセッション等で活躍。伝統的で安定したメインストリームな、歌心を湛えたアルト・サックスを吹くところが僕は好きだ。

この盤は、コロナ禍の中、故郷カンザスシティに思いを馳せた、ストレート・アヘッドな純ジャズ盤である。全11曲、全て、モード・ジャズ、ネオ・ハードバップな演奏で占められる。モーダルなフレーズが心地良いのだが、このモーダルなフレーズが全く古くない。「どこかで聴いた事がある」感が全く無く、新しい響きに満ちている。これには感動した。新伝承派のモード・ジャズなどは、もう遠い過去のものになったなあ、と改めて思った。

ボビー・ワトソンのアルト・サックスは絶好調。余裕があって流麗で歌心満点。音はブリリアントで、ブラスが良く鳴っている。この溌剌としたアルト・サックスが、今年70歳の大ベテランが吹いているとは。しかし、パフォーマンス全体を覆う「余裕と大らかさ」は若手には出せない「味」である。そして、中堅トランペッターのジェレミー・ペルトが、ワトソンのアルト・サックスにしっかり寄り添っていて、フロント2管をしっかりと盛り立てている。

ピアニストのサイラス・チェストナット、ベーシストのカーティス・ランディ、ドラマーのビクター・ジョーンズ。このリズム・セクションがとても良い。特に、サイラス・チェスナットの仄かにファンキーでモーダルなピアノが効いている。ベースとドラムが堅実にリズム&ビートをキープする中、チェスナットの歌心溢れるピアノが、歌心溢れるワトソンのアルト・サックスを鼓舞し引き立てる。ワトソンのアルト・サックスとチェスナットのピアノとの相性の良さ。メンバー選定の勝利である。

ジャズの演奏トレンドの中でも歴史があるモード・ジャズ、ネオ・ハードバップな演奏で占められているが、古さを全く感じ無い、逆に、新しさを感じる、新しい響きを感じる「不思議な魅力」を湛えた、聴き応え十分の好盤です。
 
 

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2023年2月24日 (金曜日)

ネオ・ハードバップ志向の快作

しかし、Smoke Sessions Records って、良いアルバムをリリースするよな、とつくづく思う。日本ではあまり知られていない、ベテラン・ジャズマンを中心に、ネオ・ハードバップ志向の内容の濃いアルバムをコンスタントにリリースしている。しかも、ジャケット・デザインに統一感があって、以前のブルーノート・レーベルの様な雰囲気がとても良い。

Steve Davis『Bluesthetic』(写真左)。2022年2月、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Steve Davis (tb), Peter Bernstein (g), Steve Nelson (vib), Geoffrey Keezer (p), Christian McBride (b), Willie Jones III (ds)。トロンボーンのスティーヴ・デイヴィスがリーダー、デイヴィスのトロンボーン、バーンスタインのギター、ネルソンのヴァイブがフロントのセクステット編成。

面白い編成である。定番のトランペット、サックスがフロント楽器に「居ない」。力感溢れるホンワカ・ブロウのトロンボーン、線が細くて繊細なギター、流麗で硬質な響きのヴァイブ。そんな、ジャズにおいて、ややマイナーな楽器がフロント張っているのだ。通常の純ジャズとは音の響きが異なる。これが、この盤の個性であり、一番の特徴。
 

Steve-davisbluesthetic_20230224210901

 
内容的には、時代の先端を行く「ネオ・ハードバップ」の響きが色濃く漂う。お洒落なモーダルなメロディ−・ライン、ややアブストラクトにブレイクダウンする、限りなくフリーに近い自由な響き、フロント楽器のユニゾン&ハーモニーも響きは新しく洗練されており、昔のモード・ジャズの焼き直しで留まっていないことが良く判る。

バックのリズム隊が、そんな新しい響きを湛えた「ネオ・ハードバップ」な雰囲気作りに、大いに貢献している。キーザーのピアノ、マクブライドのベース、ジョーンズIIIのドラム。現代の最先端のネオ・ハー痔バップなリズム&ビートを叩き出している。実に現代のネオ・モードらしいフレーズとビート。このリズム隊があって、ユニークなフロント3楽器が更に輝きを増している。

安定感抜群の懐深いネオ・ハードバップ。ストレート・アヘッドでメインストリーム志向の純ジャズは聴いていてスカッとする。全ての曲がオリジナル曲ではあるが、親しみのあるフレーズがてんこ盛りで、小難しいところが無いところも評価出来るところ。ジャズはまず「判り易い」が重要なことを再認識させてくれる好盤。
 
 

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  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

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2022年9月14日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・249

エルヴィン・ジョーンズのリーダー作を聴き直していて、ドラマーのリーダー作って、面白いなあ、って思う。どれだけ、様々なジャズの演奏方式や演奏トレンドに対応出来るかが、ジャズ・ドラマーとしての「優秀度合い」の指標のひとつになるんじゃないか、と感じている。

優秀なドラマーであればあるほど、様々なジャズの演奏方式や演奏トレンドに対応したリーダー作を出している。1枚1枚、リリース毎に異なったジャズの演奏方式や演奏トレンドに対応したリーダー作を制作するドラマーもいるし、長年の活動の中で、それぞれの時代時代によって、その時代のジャズの演奏方式や演奏トレンドに対応したリーダー作を制作するドラマーもいる。

Al Foster Quintet『Reflections』(写真左)。2022年1月25日、NYでの録音。Smoke Sessions Recordsからのリリース。 ちなみにパーソネルは、Al Foster (ds), Nicholas Payton (tp), Chris Potter (ts,ss), Kevin Hays (p), Vincent Archer (b)。今年79歳になる伝説のジャズ・ドラマー、アル・フォスターがリーダー、2管フロントのクインテット編成である。

マイルスが信頼を寄せ、ロリンズ、タイナー、ジョーヘンら、レジェンド級ジャズマンと共演してきた、伝説のジャズ・ドラマーであるアル・フォスター。フォスターについては、リーダー作は多く無い。今回のこの新盤で、確か8枚目ではないか。逆に共演は多い。僕は、やはり、マイルスとの共演での「趣味の良いジャズ・ファンクなビシバシドラム」が印象に残っている。

で、今回の新リーダー作を聴いてみて、マイルス・バンドでの「趣味の良いジャズ・ファンクなビシバシドラム」は何処へやら、ポリリズミックで柔軟度の高い、エネルギッシュで「小粋な」ドラミング。アルバムの演奏トレンドは「ネオ・ハードバップのモード・ジャズ」。
 

Al-foster-quintetreflections

 
この盤でのアル・フォスターのドラムは、モード・ジャズに完璧に対応し、21世紀のモーダルなドラミングをきっちり披露している。今年79歳になる、大ベテランのドラミングとは思えないほど、ダイナミックでエネルギッシュ。

パーソネルを事前に確認せずに、この新盤を聴いたのだが、アル・フォスターの見事なドラミングがしっかりと耳に残ったのと、フロントの2管、トランペットとサックスの見事なモーダル・フレーズが強く印象に残った。見事というのは、1960年代のモードでは無い、新伝承派のモードの焼き直しでも無い、純粋に「21世紀のネオハードバップにおけるモード」なフレーズを吹き分けているところ。

トランペットは「ニコラス・ペイトン」、今年49歳のハイテクニックな中堅。サックスは「クリス・ポッター」、今年51歳のリリカルで力感溢れるテナーマン。どちらも若い頃から第一線で活躍してきたジャズマンだが、ここまで、コンテンポラリーで新しい響きのモーダルなフレーズを吹きまくるとは思わなかった。

そんなフロント2管を硬軟自在、変幻自在、緩急自在にサポートし、鼓舞するアル・フォスターのドラミング。これが、これまた余裕をかました見事なドラミングで、柔軟度の高いポリリズムが、ピアノのケビン・ヘイズ、ベースのヴィンセント・アーチャーと共に、フロント2管のフレーズをがっちり掴んで、がっちりリードする。

しかし、アル・フォスターの「21世紀のネオハードバップにおけるモード」に完全対応したドラミングを聴いて、優れたドラマーって、全く隅に置けないなあ、という思いを再認識した。それほど、この新盤における、アル・フォスターの変幻自在なドラミングは素晴らしい。アル・フォスターという伝説のドラマー、まだまだ現役バリバリである。
 
 

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2022年8月17日 (水曜日)

優れた「現代のネオ・モード盤」

スティーヴ・デイヴィス(Steve Davis)。1967年4月生まれ、米国マサチューセッツ州出身。今年で55歳。ベテランの域に達したトロンボーン奏者である。リーダー作は1994年以来、平均1〜2年に一枚のペースでリーダー作をリリースし続けている。

1989年には、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに加入している。若かりし頃からの有望なトロンボーン奏者だったことが判る。サイドマンとしてのアルバム参加も多く、人気のトロンボーン奏者である。が、我が国では、ほとんど無名。Criss Crossレーベルの殆ど専属状態だったので、日本のレコード会社が扱うことも無く、CDショップも直輸入するには、無名であるが故、リスクが高かったのだろう。

僕は、Chick Corea+Originの『Live at The Blue Note』で、サイドマンとして参加している、スティーヴ・デイヴィスを知った。テクニックが確かなトロンボーンで、複雑なモーダル・フレーズを多種多彩に吹き上げるトロンボーンに、ちょっとビックリした思い出がある。また、1997年に結成された「ネオ・ハードバップ」専門のグループ「One for All」のメンバーとしてのプレイも度々耳にしている。

Steve Davis『Bluesthetic』(写真左)。2022年2月、NYでの録音。Smoke Sessions Recordsからのリリース。ちなみにパーソネルは、Steve Davis (tb), Peter Bernstein (g), Steve Nelson (vib), Geoffrey Keezer (p), Christian McBride (b), Willie Jones III (ds)。トロンボーン+ギター+ヴァイブがフロント3管のセクステット編成。管はスティーヴ・デイヴィスのトロンボーンのみ。あくまで、リーダーのディヴィスのトロンボーンが前面に出るラインナップ。
 

Steve-davisbluesthetic

 
冒頭の「Encouragement」を聴くだけで、これは優れたモード・ジャズの演奏がメインだと判る。前奏の雰囲気などは、1960年代の新主流派の音世界を彷彿とさせるもの。いかにも「モード・ジャズ」的なフレーズの積み重ねで、モード好きの僕などは、この1曲だけでワクワクしてしまう。

確かに、1960年代の新主流派のモーダルな音世界が下敷きにあるのだが、アドリブ・フレーズの展開は「新しい」現代のモード・ジャズ風。ネオ・ハードバップならぬ「ネオ・モード」と言って良い位、新しい響きに満ちている。それでいて、難解なところは無く、スムーズでスインギーで判り易い。全曲、デイヴィスのオリジナル曲で固められているのだが、ディヴィスの作曲の才にも感心する。

これって重要なことで、モードを採用しているので、硬派な純ジャズ風に聴こえるが、フレーズの展開は「流麗」そのもの。それだけ取り出せば、スムース・ジャズと言っても通用するくらいの「滑らかさ」。丸みを帯びて、柔らかい拡がりのある、それでいて音の芯がしっかりとしたトロンボーンの音色。その流麗さについては、ディヴィスのトロンボーンの特徴的な音色が貢献している。

現代のモード・ジャズ、今のモード・ジャズの優れた演奏がこの盤に詰まっている。モーダルなフレーズが芳しいジェフ・キーザーのピアノをメインとしたリズム・セクションも良い演奏で、バンド全体の音を支え、盛り立てている。ギターとヴァイブは、あくまで、ディヴィスのトロンボーンの引き立て役に徹していて清々しい。優れた内容の「現代のモード・ジャズ盤」である。
 
 

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