2024年3月20日 (水曜日)

第2期RTF 『銀河の輝映』再び

チック・コリアは「リターン・トゥ・フォーエヴァー(Return to Forever・以降、RTFと略)」を結成、それまでのジャズのトレンドを集約し、最先端のコンテンポラリーなメインストリーム志向の純ジャズを実現した。いわゆる「第1期RTF」である。

そして、チックは次の展開として「エレ・ジャズ」を選択。親分マイルスは、ファンクなエレ・ジャズでブイブイ言わせている。チックは「ハードなインスト・ロック」との融合を選択、ロックの象徴であるエレギを導入。ロック色を強めて、バンドのサウンド志向を「ハードなジャズ・ロック」に定める。第2期RTF である。

ハードな演奏内容ではあるが、収録されている演奏の旋律は「キャッチャーでメロディアス」。これがこのバンド独特の個性となって、このチック率いる第2期RTFは、当時最高の部類の「ジャズロック」バンドとして人気を獲得する。その最初の成果が『Hymn of the Seventh Galaxy』(1973年)であった。

Return To Forever『Where Have I Known You Before』(写真左)。邦題『銀河の輝映』。1974年の作品。改めてパーソネルは、Chick Corea (p, key, syn, perc), Al Di Meola (g), Stanley Clarke (b, key, electric chimes), Lenny White (ds, congas, bongos, perc)。ギターが、ビル・コナーズに代わって、アル・ディ・メオラ(以降、ディメオラと略)にチェンジ。「ハードなジャズ・ロック」志向がさらに濃厚になっている。

ジャジーで超絶技巧&正統派な、クロスオーバー&フュージョン志向のギタリストのディメオラに代わったおかげで、ガッチリと硬派でハードで超絶技巧な「クロスオーバー・ジャズ&ジャズ・ロック」な雰囲気濃厚。コナーズの時は、どこか「プログレ的な演奏」が見え隠れしていたが、この盤では、どこから聴いても、ジャズに軸足がしっかり残っている。聴き応えのある、硬派エレ・ジャズの傑作である。
 

Where-have-i-known-you-before_1
 

チック御大のキーボードは、それはそれは見事なもの。シンセサイザーの使い方、テクニック、共に最高。とにかく超絶技巧。フェンダー・ローズ、ホーナー・クラヴィネット、ヤマハ・電子オルガン、アープ・オデッセイ、ミニムーグ等々。これだけ、電子キーボードを弾きこなせるジャズ・キーボーダーはいないだろう。

ジョー・ザビヌルもハービー・ハンコックも、もはや敵では無い(笑)。そして、この盤では、アコースティック・ピアノの音色も美しい。ジャズ界最高のマルチ・キーボーダーの面目躍如である。見事である。

第2期RTFの2作目だけあって、スタンリー・クラーク(以降、スタンと略)のベースとレニー・ホワイトのドラム、共に充実したリズム・セクションに仕上がっている。特に、叩きまくるレニー・ホワイトのグルーヴ感は素晴らしい。ホワイトのドラミングが、この第2期RTFの「ハードなジャズ・ロック」志向のグルーヴとなり、推進力となっている。

スタンのエレベも見事。大向こう張って前に出しゃばるのでは無く、バックに回って、しっかりとジャジーなビートを押さえており、このアルバムについて、ジャズ・ロックな雰囲気を濃厚にしている。スタンのエレベが、このアルバムをジャズ・ロックたらしめている。

そんなメンバー4人の個性が結集して、第2期RTFの「ハードなジャズ・ロック」を現出しているのが、ラストの演奏時間14分25秒の大曲「Song to the Pharoah Kings」。聴いていて「仰け反るほど」に素晴らしい。ディメオラの超絶技巧エレギが炸裂し、チックのシンセが唸りを上げる。スタンのエレベはジャジーなビートを繰り出し、ホワイトは独特のジャズ・ロックなグルーヴ感を振り撒きながら叩きまくる。凄まじい第2期RTFの「ハードなジャズ・ロック」。

この第2期RTFの2作目『銀河の輝映』は傑作。アグレッシブなパワー、シャープでスピーディーな展開、超絶技巧なテクニカルさが全編に溢れていて、第2期RTFの音世界、ここに完成、である。
 
 

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2024年2月10日 (土曜日)

第2期RTF『第7銀河の讃歌』再び

マイルスがエレクトリック・ジャズに手を染めたのが切っ掛けとなって、1970年代前半のジャズのトレンド、「ジャズの電気化」と「ロックとの融合」が進み始める。いわゆる「クロスオーバー・ジャズ」である。マイルスはいち早く電気化を実現、「ファンク」との融合を推し進めた。

そこで、チック・コリアは考える。第1期Return to Forever(RTFと略)では、それまでのジャズのトレンドを集約し、最先端のコンテンポラリーなメインストリーム志向の純ジャズを実現した。かたや、マイルス親分はファンクなエレ・ジャズでブイブイ言わせている。チックもエレ・ジャズをやりたくなった。そして、チックは「ハードなインスト・ロック」との融合を選択する。

Return to Forever『Hymn of the Seventh Galaxy』(写真左)。邦題は『第7銀河の讃歌』。1973年8月レコードプラネットで録音。パーソネルは、Chick Corea (key, p, org), Bill Connors (g), Stanley Clarke (b), Lenny White (ds, per)。第2期RTFのデビュー盤である。

「最先端のコンテンポラリーなメインストリーム志向の純ジャズ」を実現した第1期RTFから、ジャズの象徴的楽器であるサックスを抜いて、代わりに、ロックの象徴であるエレギを導入。バンド・サウンドのロック色を強めて、バンドのサウンド志向を「ジャズ・ロック」に定める。

エレギの担当には、ブルース&ロック畑のギタリスト「ビル・コナーズ」を抜擢。「くすんだ音でちょっとラフな調子」というコナーズのエレギが相当効果的に効いている。速いフレーズを弾き回す時、ビートを崩す感じのラフな弾き回しになるんだが、これがアタッチメントの音と相まって「くすんだ音でちょっとラフな調子」になっている。これが、この盤のジャズロックの音の最大の個性。その個性を全面に押し出して、わざとロックっぽく弾いている雰囲気が実に良い。

そして、この第2期RTFはハードなジャズ・ロックに徹することになる。とにかく「ハード」。ただ、旋律はキャッチャーでメロディアスなものが中心なので、ハードな演奏ではありながら、聴き辛いというものではない。70年代ロックで言うと、プログレ、例えばイエスとかクリムゾン、ELPの演奏が聴けるのならば、全く問題の無いハードさである。
 

Hymn_seventh_galaxy_1

 
主役のチックのエレクトリック・キーボードについては申し分無い。これほどまでに、エレクトリック・キーボードを弾きこなせるミュージシャンはいないと思う。それぞれのキーボード&シンセに精通し、それぞれのキーボード&シンセの個性をしっかり踏まえた使い分けについては素晴らしい限り。

もう一つ、チックの凄いところは、この盤に収録されている自作曲の出来の良さ。旋律はキャッチャーで、ロマンティックでメロディアス。スパニッシュ・フレーバーが隠し味。この様な「印象的な旋律」を持った曲を中心に構成されている。

故に、この盤はアレンジも良く考えられていて、聴きやすく親しみ易く、聴いていて楽しく「ノリ易い」。この辺りが、同時代、トニーが率いた「ライフタイム」や、マクラフリンが率いた「マハヴィシュヌ・オーケストラ」との違いだろう。

他のメンバーも素晴らしいパフォーマンスを披露する。クラークのベースはブンブン唸りを上げ、ホワイトのドラミングは重爆撃機の如く重低音ビートを供給する。この超重量級のビート&リズムも、この第2期RTFの特徴。

あの千変万化のチックの重力級キーボードと、ビル・コナーズの重量級エレキギターを相手にするには、これくらいの「超重量級」のリズム・セクションで迎え撃たないと、バンド演奏全体のバランスが取れない。

エレギがコナーズなので、なんとなく、第2期RTFの諸作の中で、評価が一段だけ低めだが、どうしてどうして、収録された曲やグループ・サウンズ全体の雰囲気など、総合的に見渡すと、なかなかに優れた、相当に尖った「ハードなジャズロック」だと思う。

ハードな演奏内容ではあるが、収録されている演奏の旋律は「キャッチャーでメロディアス」。これがこのバンド独特の個性となって、このチック率いる第2期RTFは、当時最高の部類の「ジャズロック」バンドとして人気を獲得していく。今の耳にも、強烈な「ハードなジャズロック」として訴求力抜群である。
 
 

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2024年1月24日 (水曜日)

デュオ盤『Crystal Silence』再び

『Return To Forever』と『Light As A Feather』の名盤2枚で、リリカルでメロディアスなユートピア志向のサウンドをメインとした「クロスオーバーなエレ・ジャズ」を表現したチック・コリア。

しかし、音楽性のバリエーションが豊かなチックは、その傍らで、メインストリーム系の純ジャズにも、しっかりと手を染めている。ただし、チックは旧来のハードバップをなぞることは無い。必ず、新しい「何か」にチャレンジする。この時点で、チックが手がけたのは「デュオ」。あの名デュオ、コリア&バートンの誕生である。

この名デュオの結成の経緯については以下の通り。1972年、ミュンヘンで開催されたジャズ・フェスで、コリアとバートンはデュオによるジャム・セッションを披露する。それを聴いていたECMの総帥プロデューサーのマンフレート・アイヒャーが、コリアとバートンに「デュオ盤」の制作を持ちかけた。つまりは、この名デュオは、アイヒャーの提案によって結成されたらしい。

Chick Corea & Gary Burton 『Crystal Silence』(写真左)。1972年11月6日、オスロ、タレント・スタジオで録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p), Gary Burton (vib)。ECMレコードからのリリース。プロデューサーは当然、マンフレート・アイヒャー。以降、チックが亡くなるまで、不定期にアルバムをリリースしライヴを敢行した「名デュオ」のファースト盤である。

透明な響きとロマンティシズム。チックとバートンの「共通の音の質と志向」が、この盤で出会った。デュオというフォーマットは、簡単そうに見えて難しい。まず「音の質と志向」が同質のものでないと苦しい。また、お互いの音が重なったり被ったりしてはいけないし、フロントに出るタイミングとバッキングに回るタイミングが一致していなければ、バラバラな演奏になる。
 

Crystal_silence_1  

 
片方が目立ちすぎてもいけないし、引っ込み思案でもいけない。その辺の「あうん」の呼吸と、相手の音を聴きながらの、機微を心得た、臨機応変なインプロが重要になる。それって、双方に高度なテクニックと音楽性が備わっていないと出来ない仕業。このチックとバートンのデュオは、その「デュオ」に関する必要な事柄が、奇跡的に全て双方に揃った、稀有なデュオ・ユニットである。

チックとバートンは、いとも簡単に、この難度の高い「デュオ」のフォーマットを征服する。この盤を聴けば、恐らくたいていの人は「デュオって意外と簡単やん」と感じるに違いない。それほど、チックとバートンは、自然にシンプルに、ポジティヴに柔軟に、ピアノとヴァイヴのデュオ演奏を紡ぎ上げていく。

さて、チックとバートンのデュオ盤と言えば、この1972年の『Crystal Silence』にとどめを刺す、と言って良い位の素晴らしい出来、奇跡的に充実した内容となっていて、収録されたどの曲も素晴らしい出来。

とりわけ、冒頭の「Senor Mouse」、5曲目の表題曲「Crystal Silence」、そしてラストの「 What Game Shall We Play Today」の出来が際立っている。適度な緊張感に包まれた、とてもスリリングでリリカルな、躍動感溢れるデュオ演奏。即興の妙が芳しく、ロマン溢れるフレーズがとても美しい。

聴けば判る。素晴らしい不滅のデュオ盤。両人フロントに立ってのユニゾン&ハーモニーは絶妙。フロントに立ったチックのソロもバートンのソロも素晴らしい。バックに回ったチックもバートンも、絶妙に機微を心得た、ハイ・テクニックで切れ味の良いバッキングを聴かせてくれる。

ちなみに、このデュオという演奏フォーマットについては、特にバートンは当初、「リズム・セクション無しで、ヴァイブとピアノだけの演奏を1時間も聴きたがるオーディエンスなんているのだろうか」と猜疑心を抱いていたという。しかし、そのパフォーマンスは歴史に残るほどの素晴らしさで「大当たり」。ECMという欧州ジャズのレーベルだからこそ出来た盤であり、アイヒャーの慧眼の成せる技であった。
 
 

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2024年1月23日 (火曜日)

名盤『Light As A Feather』再聴

大傑作『Return To Forever』の録音が1972年2月、リリースが1972年9月。次作の録音が1972年10月。『Return To Forever』のアルバムとしての出来と評判を確認して、満を持しての次作の録音である。この次作、チックの、そして、バンド「リターン・トゥ・フォーエヴァー(RTF)」の揺るぎない自信が満ち溢れた傑作に仕上がった。

Chick Corea & Return To Forever『Light As A Feather』(写真)。1972年10月8, 15日の録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (el-p, Fender Rhodes), Stanley Clarke (b), Flora Purim (vo, perc), Joe Farrell (ts, ss, fl), Airto Moreira (ds, perc)。チック・コリア率いる「リターン・トゥ・フォーエヴァー(RTF)」の2枚目のアルバム。

タイトルの「Light As A Feather」は直訳すると「羽のように軽い」。前作『Return To Forever』で提示された、リリカルでメロディアスなユートピア志向のサウンドをメインとした「クロスオーバーなエレ・ジャズ」をベースに、ポップでメロディアスな面を全面に押し出した音世界。つまり、この盤に詰まっているのは「羽のように軽い」クロスオーバー・サウンドである。

評論家の方々やジャズ・ファンの方で『Light as a Feather』は、前作『Return to Forever』と比べてポップになって、神秘性、緊張感が薄れて「イマイチ」なんて言われることがあるが、的はずれも甚だしい。そもそも、アルバム・コンセプトが違う。チックがこのRTFで表現するサウンドはバリエーション豊かで圧倒的に幅広。安易に前作のサウンドを踏襲することはしないだろう。

当盤のコンセプトは「羽のように軽い」クロスオーバー・ジャズ志向である。そう解釈すればこの盤の評価は座りが良くなる。そして、この「羽のように軽い」クロスオーバー・ジャズ志向を濃厚に表現しているのが、チックの弾く「フェンダー・ローズ」である。チックの弾くフェンダー・ローズの音色・フレーズが、この盤の音世界の志向を決定付けている。
 

Chick-corea-return-to-foreverlight-as-a-

 
そもそも、以前より、チックのフェンダー・ローズは凄い。ローズにはローズなりの弾き方というものがあって、ローズをアコピのように弾いても何の意味も無い。コリアは、ローズならではの、ローズの特性を活かした弾き方が出来る第一人者である。

かのマイルスが電気化していった時、ローズをアコピの様にしか弾けない(弾かない?)ハービーに代わって、マイルス・グループのレギュラーとなったのがチック。あのマイルスが、チックのローズの弾き方にはたいそう満足したというから凄い。確かに、ローズって、その音の表現という面で、こんなに可能性を秘めた楽器だったんだ、とチックの演奏を聴いて、強く思ったのを覚えている。

そんなローズの幅のある表現の中で、この盤では、チックはローズの「ポップでメロディアスな表現」を引き出し、「羽のように軽い」クロスオーバー・ジャズ志向のフレーズを弾きまくる。冒頭「You're Everything」から「Light as a Feather「Captain Marvel」「500 Miles High」「Children's Song」と、チックのポップでメロディアスなローズの響き、フレーズが満載である。

そして、極めつけは、何と言っても、ラストの名曲・名演「Spain」。「アランフェス協奏曲」をイントロに用いた、スパニッシュな雰囲気満載の人気曲。フローラ・プリムの爽やかで神秘的な歌声と、チックの硬軟自在、緩急自在、変幻自在の「ポップでメロディアスな」ローズの弾きっぷりが堪らない。

この『Light As A Feather』は「演奏の親しみやすさ」と「バンド全体の演奏能力の高さ」がバランス良くミックスされた、ポップでメロディアスなクロスオーバー・ジャズ。前作の『Return to Forever』は「硬」、当作の『Light As A Feather』は「軟」。チックは自らの新しい音志向を2枚のアルバムで「硬軟」の双方向から表現した、と言える。見事である。
 
 

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2024年1月22日 (月曜日)

名盤『Return to Forever』再聴

ECMでの録音、マンフレート・アイヒャーとの出会い、欧州ジャズとの触れ合い。このあたりが良かったのだろうか。チック・コリアは、自由度の高い硬派なモード・ジャズ〜フリー・ジャズへの傾倒から、リリカルでメロディアスなユートピア志向のサウンドをメインとした「クロスオーバーなエレ・ジャズ」に転身した。

Chick Corea『Return to Forever』(写真左)。1972年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (el-p), Joe Farrell (fl, ss), Stan Clarke (b), Airto Moreira (ds, perc), Flora Purim (vo, perc)。ジャズのアルバムの中で一番好きな盤を一枚だけ挙げよ、と言われたら、僕はこの盤の名を挙げる。僕にとっての「永遠の名盤」の中の一枚である。

フュージョン・ブームの先駆けとなった記念碑的名盤、と良く言われるが、それは違うだろう。フリー・ジャズによる、従来の「音楽の本質」の放棄の後、必然として現れた、新しいモダン・ジャズの観念に基づいた「音楽の本質」の追求の一つの成果が、この『Return to Forever』だろう。

それほど、この盤には、音楽の美しさ、音楽を演奏することの喜び、そして、音楽を愛でることの楽しみ、が溢れている。この盤の演奏内容は文句の付けようがない。フュージョン・ブームの先駆けといわれるので、ソフト&メロウなリラクシング系の癒し音楽を思い浮かべる方が多いと思うが、それはとんでもない誤解である。

この盤は全編に渡って印象的なフレーズ満載であるが、演奏の根幹は「骨太なメインストリーム・ジャズ」。ハード・バップな要素から、モード・ジャズからフリー・ジャズな要素まで、1972年の録音時点での「純ジャズ」の要素を包含し、クロスオーバーな8ビートに乗せて、演奏者全員が印象的なフレーズとリフをかましまくる。それはそれは素晴らしい技の応酬であり、目眩く印象的なフレーズとリフの嵐である。
 

Return_to_forever  

 
全編に渡って、チックのフェンダー・ローズが美しい。これだけ、ハイ・テクニックに裏打ちされた、様々な美しい響きを伴ったフェンダー・ローズは「なかなか聴けない」。即興演奏ベースのフェンダー・ローズを演奏させたら、チックの右に出る者はいないだろう。

そのローズの音に絡む、スタンリー・クラークのウッド・ベース。重低音溢れ、ブンブンと唸りを上げる超弩級のベース音。しかし、チックのフェンダー・ローズに最適に絡んでいるので、全く耳障りでは無い。そのバックで、様々なパターン、音色のリズムを供給するアイアート・モレイラのドラム&パーカッション。スタン・チック・モレイラ、この3者のリズム・セクションの音は凄まじく美しい。

唯一無二、空前絶後な「フェンダー・ローズ」+「ビート&リズム」の上で、吹き上げられるジョー・ファレルのソプラノ・サックスとフルート、そして、 フローラ・ピュリムのボーカルは、舞い上がる様な飛翔感を持って、ユートピア的なサウンドの如く、ポジティブに明るく響く。

LP時代A面の1〜2曲目である「Return To Forever」〜「Crystal Silence」を聴いて、やっぱりジャズの演奏フォーマットって凄いな〜、と単純に感心する。LP時代のA面ラスト「What Game Shall We Play Today」を聴きながら、音楽ってジャンルじゃないよな〜、って強く思う。

LP時代のB面を占める、美しく躍動感溢れる名演・名曲「Sometime Ago 〜 La Fiesta」に至福の時を感じながら、ジャズを聴いていて良かったな〜、と再認識する。特に「La Fiesta」は素晴らしい。ジャズ曲の傑作の一曲である。

純ジャズの要素はもとより、フリー・ジャズ、フュージョン・ジャズ、ワールド・ミュージック、プログレッシブ・ロック、クラシック、などなど、チックがクールと思う音楽の要素がギッシリと詰まっている。それも、しっかりと整理され、しっかりとアレンジされているところがチックらしい。

基本的には、チックの生み出す音楽は「ぶれ」が無い。この『Return to Forever』には、チックの考えるジャズの全てが詰まっている。以降、チックはこの「チックの考えるジャズ」の中で展開されていく。圧倒的に幅広で奥行きのあるチックの音世界。そして、その成果の数々はジャズの音楽遺産の中で最高の部類にある。
 
 

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2023年10月 4日 (水曜日)

欧州ジャズ仕様のチックのソロ

チック・コリアにおいて、1971年、ECMレーベルへの移籍は、それまでの彼の個性と音楽性のまとめと、今後の音楽性の志向を定める良い機会になったと感じている。特に「Piano Improvisations」ソロ・ピアノ盤の2枚には、それまでの彼の個性と音楽性のまとめを捉えていて、僕にとっては、チックの個性を確認する時、必ず立ち戻る「重要盤」となっている。

Chick Corea『Piano Improvisations Vol.2』(写真左)。1971年4月21, 22日の録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p) のみ。昨日ご紹介した『Piano Improvisations Vol.1』と同一日の録音。内容のレベルとしては、この「Vol.1」と同一なものになる。

が、この盤は、ECMレーベルの音志向を前提とした「チック独特の自由度の限りなく高いモーダルな演奏」と「チック独特のフリーな演奏」が詰まっている。今の耳で聴くと、ECM仕様のチックのモーダル&フリーなピアノ・ソロが展開されていると感じている。つまり、ECM仕様=欧州ジャズを前提とした「チックのモーダル&フリーなピアノ・ソロ」が、この盤の特徴になる。

そもそも、ピアノ・ソロ盤について、米国ジャズでは「モーダル&フリーなピアノ・ソロ」が見当たらない。モーダル&フリーなテナーはあるにはある。でも米国ジャズにおけるモーダル&フリーなテナーは、ベースやドラムなどの打楽器が必ず付いている。

恐らく、激情に則って、感情の赴くままテナーを吹くと、感情が先行してリズム&ビートを見失う可能性が高く、その防止措置として、打楽器がメインのリズム隊を入れているのだろう。

キースにしろ、セシル・テイラーにしろ、基本は欧州ジャズにあって、つまりは現代音楽、若しくは現代クラシックの影響下で、モーダル&フリーなインプロを展開するのが基本だからだろう。
 

Chick-coreapiano-improvisations-vol2

 
ピアノは打楽器と旋律楽器の両方を担える「一台でオーケストラ」が出来る楽器なので、現代音楽、若しくは現代クラシックの展開を、ジャズにおけるモーダル&フリーなインプロの応用することが可能なんだろうなあ、と思っている。

そんなECM仕様=欧州ジャズを前提とした「チックのモーダル&フリーなピアノ・ソロ」が全編に渡って展開されているのが、この『Piano Improvisations Vol.2』と解釈している。

しかし、興味深いのは、モンクの「Trinkle, Tinkle」と、ショーターの「Masqualero」という、米国ジャズにおける「ミュージシャンズ・チューン」を演奏していること。まあ、ECMの総帥プロデューサー、マンフレート・アイヒャーが了解したもんだ、と思うのだが、この2曲のソロ・パフォーマンスがとても興味深い。

この2曲だけは「チック独特のモーダル&フリーな演奏」を展開している。ECM仕様のそれでは無い。他の自作曲のインプロと明らかに雰囲気が違う。この2曲のパフォーマンスに、音楽家としてのチックの矜持を強く感じる。

後にセルフ・プロデュースをガンガンやっていくチックである。プロデュース能力もかなり高いレベルだったのだろう。この2曲は、アイヒャーの影響下には無いと感じる。明らかにチック単独の「チック独特のモーダル&フリーな演奏」である。

欧州ジャズを前提とした「モーダル&フリーなピアノ・ソロ」については、チックの今後のキャリアにおいて、避けては通れない、絶対に経験しておかなければならないものだったのだろう。

その欧州ジャズを前提とした「モーダル&フリーなピアノ・ソロ」を経験するには、ECMの総帥プロデューサー、マンフレート・アイヒャーの薫陶を受けることが最適であり、近道だったのではないか、と想像している。

チックのソロ・ピアノ盤については、意外とその数は少ない。チックの個性と音楽性のショーケースとしての『Piano Improvisations Vol.1』と『Piano Improvisations Vol.2』。この2枚は、チックのピアノ、チックの音楽を理解する上で、必聴のアルバムである。この2枚のソロ・ピアノ盤を聴けば、チックの音楽性の幅の広さと奥深さを十分に感じることが出来る。
 
 

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2023年10月 3日 (火曜日)

チックの個性が出揃ったソロ盤

チック・コリアの逝去の伴い、2022年5月、今一度、チック・コリアのリーダー作を「今の耳」で聴き直す作業に入った訳だが、今年に入って、いろいろ、私生活で面倒なことが相次ぎ、8ヶ月間、開店休業状態だった。が、やっと整理できて、今日、再開である。

チック・コリアはデビュー当時、新主流派の一歩先を行く、ばりばりのメンストリーム系の純ジャズの担い手で、モードからフリーまで、硬派な純ジャズをガンガンやっていた。そして、マイルスにスカウトされ、エレ・マイルスのバンドでキーボードを担当。チック独特のモードから現代音楽っぽいフリーなマナーで、ローズをバリバリに弾きまくっていた。当然、マイルスからの影響は大きく、1969年5月録音の『Sundance』まで、マイルスの影響は大であった。

が、チックは、その「エレ・マイルスからの音楽的影響」からの脱却を図る。チック自身のオリジナリティーを表現する為、欧州のECMレーベルと契約する。ECMレーベルの総帥プロデューサー、マンフレート・アイヒャーの下、米国ジャズの影響下から脱して、欧州ジャズにおける「チック独特のモードから現代音楽っぽいフリー」を追求する。

Chick Corea『Piano Improvisations, Vol.1』(写真左)。1971年4月21, 22日の録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p) のみ。チック・コリアの初ソロ・ピアノ盤。ソロ・ピアノは、その演奏するピアニストの個性が露わになる、というが、このチックのソロ盤は「その通り」の、ソロ・ピアノの名盤である。
 

Chick-coreapiano-improvisations-vol

 
チック;コリアの音楽性の1つに「ファンタジーとロマンティシズム」があるが、これは、恐らく、クラシック音楽からの影響、特に、欧州ジャズのジャズ・ピアノ(特に北欧ジャズなど)に触発されて表出した個性だと思われる。その表出が、このソロ盤のA面にある。冒頭の「Noon Song」など、チックの「ファンタジーとロマンティシズム」が蔓延している。これは、当時のジャズとして、新しい表現だった。メロディアスで流麗、キャッチャーなフレーズ。チックの面目躍如である。

そして、欧州ジャズの影響下での「チック独特のキャッチャーでモーダルな演奏」は、A面の2曲目以降、「Song for Sally」から「Sometime Ago」に満載。この欧州ジャズの影響下での「チック独特のキャッチャーでモーダルな演奏」が、チックの、この盤以降の「チック独特のキャッチャーでモーダルな演奏」の基本となっていく。後のアルバムに現れる個性的なフレーズの断片が、このA面に散りばめている。

B面は「チック独特のフリーな演奏」がてんこ盛り。この欧州ジャズの影響下でのチックのフリーなピアノ演奏は圧巻。フレーズの基本は「現代音楽」と「現代クラシック」。そこにハイテクニックで硬質なタッチのチックが、様々なバリエーションの、チック独特のフレーズが湯水の如く湧いて来る。イマージネーションの幅広さと奥深さ。チックの才能の凄さを再認識する。

ECMレーベルに移籍して、まずは『A.R.C.』で、「限りなく自由度の高いモーダルな演奏からフリー」をぶっ放したチックであるが、このソロ・ピアノ盤で「ファンタジーとロマンティシズム」、そして「チック独特のキャッチャーでモーダルな演奏」が露わになった。この『Piano Improvisations, Vol.1』で、チックの個性が出揃った。ECMレーベルに移籍して正解だったことになる。
 
 

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2023年1月16日 (月曜日)

チックの尖ってカッ飛んだ傑作

チックのピアノは「硬質で切れ味の良いエッジの立ったスピード感溢れるタッチ」で、現代音楽風の、前衛的な響きを宿したピアノの弾き回しが特徴。そんな尖ったタッチで、尖ってばかりでは無い、流麗でメロディアスなフレーズを弾いたり、スパニッシュ・フレーバーなフレーズを弾いたり、ロマンティシズムな弾き回しが堪らない。

そんなチックが、若かりし頃、最高に尖って、フリー一歩手前のガンガン自由度高い弾き回しでブイブイ言わせていた時期がある。そんな時期、チック率いるリズム・セクションの「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」の尖った2枚のリーダー作の2枚目がこの盤。

Chick Corea『A.R.C.』(写真)。1971年1月11ー13日の録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p, key), Dave Holland (b), Barry Altschul (ds)。もちろん、このチック率いるトリオは「Circle(サークル)」のリズム・セクションそのもの。

この盤は、まだ駆け出しのECMレーベルからのリリース。チックの尖った現代音楽風の限りなく自由度の高いモーダルな演奏」に着目した、ECMも総帥プロデューサー、マンフレート・アイヒャーの慧眼、恐るべしである。
 

Chick-corea-arc_1

 
チック率いるリズム・セクションの「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」の前作『The Song of Singing』にも増して、尖りに尖った、ぶち切れて、カッ飛んだチックのピアノが凄まじい。ECMエコーの録音に、チックの現代音楽風の、前衛的な響きを宿した硬質で尖ったタッチが心地良く響く。ホランドのベースは締まった低音でチックを支え、アルトシュルのドラムは、ど天然で自由なポリリズムでチックを鼓舞する。

そして、前作『The Song of Singing』のラストに収録されていた、ショーター作のモーダルな名曲「Nefertiti」が、この盤にも演奏されていて、しかも先頭に収録されている。これが凄い。本当にギリギリでフリーの手前、限りなく自由度の高いモーダルな「Nefertiti」が疾走する。

このECM盤の「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」には、流麗でメロディアスなフレーズ、スパニッシュ・フレーバーなフレーズなど、ロマンティシズムな弾き回しは皆無。ただただ、尖ってカッ飛んだ、現代音楽風の前衛的な響きを宿した、硬質で切れ味の良いエッジの立ったスピード感溢れる「インタープレイ」だけが疾走する。

アルバムのタイトルは、当時、チックが関わっていたサイエントロジーの用語である「Affinity, Reality, Communication(親和性、現実、コミュニケーション)」の略。よくよく見ると、タイトルからして、むっちゃ尖ってカッ飛んでいる(笑)。
 
 

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2023年1月15日 (日曜日)

硬質で尖ったチックの鍵盤楽器

当ブログで「チックのフリーへの最接近」の一連の記事の中で、チックとブラックストンが結成した「Circle(サークル)」。チック率いるリズム・セクションの奏でる「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」と、ブラックストンのリード楽器が奏でる「完全フリーな演奏」の融合を図ったバンドだったが、その融合のチャレンジは想像する以上に無理があったと思われる、と語った。

では、チック率いるリズム・セクションの「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」はどんな内容のものだったのか。それは2枚のチックのリーダー作に残されている。

Chick Corea『The Song of Singing』(写真左)。1970年4月7, 8日の録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p, key), Dave Holland (b), Barry Altschul (ds)。パーソネルを見れば、このチック率いるトリオは、「Circle(サークル)」のリズム・セクションそのもの。

当初リリースは全6曲だったが、CDリイシューの度にボートラが追加され、1987年リイシュー時は全8曲。1989年リイシュー時は全9曲。ちなみにどのバージョンを聴いても、その内容に優劣は無い。どのバージョンのアルバムを入手しても、「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」は如何なるものだったかを感じ取る事が出来る。

今でもこの盤は「チックのフリー・ジャズ」として捉えられている向きがあるが、これはフリー・ジャズでは無い。
 

Chick-coreathe-song-of-singing

 
フリー・ジャズって、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れる、いわゆる「フリー」になって演奏するジャズ演奏の事なんだが、このチック盤は①〜④まで、何れの要素の束縛からは逃れていない。

時々、フリーなインプロに走る瞬間もあるが、演奏の基本は「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」。この盤で聴けるフリーなインプロは、確実に現代音楽の要素を踏襲していて、いわゆる「フリー・ジャズ」な表現とは異なる。モードからフリーへ走る瞬間も、フリーからモードへ戻る瞬間も、きっちり「予定調和」していて、明らかに「調性音楽」な内容である。

といって、この盤の「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」はとても優れている。これだけ硬派で尖ったモーダルな演奏は当時見当たらない。特にチックのピアノは凄い。確実にこの頃のチックは「キレて」いる。プツンとキレて、硬質で尖った、それでいてハイテクニックで流れる様な、妖気溢れるモーダルなフレーズを弾きまくっている。

その妖気溢れるモーダルなフレーズは、ショーター作曲の名曲「Nefertiti」で最高潮に達する。もの凄い鬼気迫る弾き回し。それでいて「クールでヒップ」。そんなプツンとキレて、硬質で尖ったチックの鍵盤楽器が聴けるのは、この盤が最右翼だろう。

当時、マイルスがチックを重用し、チックの悪口は絶対に言わなかった事が何となく判った様な気がした『The Song of Singing』である。
 
 

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2023年1月 8日 (日曜日)

チックの「フリーへの最接近」3

チックがブラックストンと出会って結成した「Circle(サークル)」というクインテット。僕がジャズ者初心者の頃のジャズ盤紹介本では「チックがフリーに走って失敗したバンド」なんて書いていたが、よくよく聴くと失敗バンドなんてとんでもないと思う。まあ1年足らずで解散したバンドなので「失敗バンド」なイメージが湧くのだろうが、ジャズの世界では、そもそも長く続くパーマネントなバンドは数が少ない。

即興演奏をメインとするジャズである。メンバーを固定して、バンドの音志向を固定したら、マンネリに陥るリクスは高まるだろうし、ジャズマンも人間である、飽きも来るだろう。即興演奏をイマージネーション豊かにやるには、まず演奏を楽しく、モチベーション豊かであることが大切だと思うので、そういう意味で、そもそも長く続くパーマネントなバンドは数が少ないのだろう。

Circle『Paris Concert』(写真)。1971年2月21日、パリでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p), Anthony Braxton (reeds, perc), Dave Holland (b, cello), Barry Altschul (ds, perc)。アンソニー・ブラックストンが1管フロントのカルテット編成。

CDの時代になって、Ciecleの諸作はリイシューされる機会が僅少で、何とか入手出来る音源はこのライヴ盤しか無かった時期が長く続いた。このライヴ盤でチックの伝説のバンド「Circle(サークル)」を体験する訳だが、これがジャズ評論家の方々が言う「チックのフリー・ジャズ」として聴くと「???」。確かにところどころでフリー・ジャズっぽい展開はあるにはあるが、良く聴くとこれはフリー・ジャズじゃない。

フリー・ジャズって、①音階(キー)から、②コードあるいはコード進行から、③ハーモニーから、④リズムから、の束縛から逃れる、いわゆる「フリー」になって演奏するジャズ演奏の事。

このチックの「Circle(サークル)」サウンドって「限りなく自由度の高いモード・ジャズ」がメインで、フリー・ジャズに走る時は、どちらかといえば「前衛音楽のマナーを踏襲した即興演奏」で純粋なフリー・ジャズでは無いと感じている。
 

Circle-paris-concert

 
そして、ブラックストンのリード楽器だけが、フリー・ジャズの前提を踏襲していて、チック率いるリズム・セクションが奏でる「前衛音楽のマナーを踏襲した即興演奏」とは、全く噛み合わない。この噛み合わないところに「張りつめた様な緊張感を生んでいる」とされ、「スリリングな演奏」とされた訳だが、それはちょっと、聴き手側の勝手な解釈なんでは、と思ってしまう。

ブラックストンからすると「皆、フリー・ジャズやってよ」なんだろうし、チック率いるリズム・セクションからすると「あれれ、フリー・ジャズと前衛音楽って、似て非なるものやったんや〜」なんだったと思う。ブラックストンは現代音楽の影響を強く受けたフリー・ジャズなリード奏者とされるが、実は根っからのフリー・ジャズ志向のリード奏者だったことがこのライヴ盤を聴いていて良く判る。

恐らく、チックもブラックストンも「フリー・ジャズと前衛音楽って、根っこは同じ」と思ったんだろうし、お互い「現代音楽の影響を強く受けている」と思ったんだろうし、「Circle(サークル)」結成当初は「イケる」と感じていたんではないか、と思う。しかし、やってみて、限りなく自由度の高いモーダルな演奏と完全フリーな演奏との混在は想像以上に無理があった、ということが実際に判ったのだろう、と想像している。

そう解釈すれば、この『Paris Concert』というライヴ盤、チック率いるリズム・セクションの「限りなく自由度の高いモード・ジャズ」がメインで、モード・ジャズの自由度を最大限に追求して突き詰めていったら「前衛音楽のマナーを踏襲した即興演奏」に展開するのが一番当たりが良い、という演奏志向を前提としたインプロビゼーションの素晴らしさを心ゆくまで愛でることの出来る盤だということになる。

ブラックストンには悪いが、モード・ジャズを突き詰め、前衛音楽マナーのフリーな展開をバリバリ弾きまくる、若き尖ったチックは魅力的。そして、それに追従するホランドの重量感溢れるベースと、限りなく自由でポリリズミックなアルトシュルのドラムも実に良い。ということで、このライヴ盤は、チック率いる、尖ったリズム・セクションを愛でる盤、という結論になる。

何度も言うが、ブラックストンには悪いと思っている。ブラックストンは、この「Circle(サークル)」の後、優れた完全フリー・ジャズなリーダー作を何枚もリリースしているので、ブラックストンについては、こちらを聴いて、彼の優れた資質と個性を愛でている。
 
 

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