2022年4月12日 (火曜日)

バリー・ハリスの初リーダー作

バリー・ハリス(Barry harris)は、「優れた総合力そのもの」を個性とするピアニスト。スタイルは「バップ」。ビ・バップの演奏マナーをハードバップに転化した弾きっぷりで、テクニック溢れる流麗な指捌きと簡潔なアドリブ・フレーズが特徴。

Barry Harris『Breakin' It Up』。1958年7月31日、シカゴでの録音。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), William Austin (b), Frank Gant (ds)。デトロイト出身の「総合力勝負」のピアニスト、バリー・ハリスの初リーダー作になる。演奏形態は「ピアノ・トリオ」。バリー・ハリスのピアノの特徴が良くわかる演奏形態である。

録音年の1958年と言えば「ハードバップ」の最盛期。ハードバップのピアニストは「一聴すれば直ぐに判る個性」を持ったピアニストが多く、「総合力勝負」のピアニストは数が非常に少なかった。「一聴すれば直ぐに判る個性」の方が、聴く方からすると判り易く、好き嫌いも判別し易い。「一聴すれば直ぐに判る個性」を持ったピアニストの方が人気が高かったのは良く判る。

そんな中、バリー・ハリスの様な「総合力勝負」のピアニストは珍しかった。しかし、「総合力勝負」のピアニストはテクニック優秀、歌心満載。ハンク・ジョーンズ然り、アーマッド・ジャマル然り。味のある、小粋な、職人芸的な燻し銀ピアニストが多くいたと記憶する。
 

Barry-harrisbreakin-it-up

 
バリー・ハリスのピアノは、どこから聴いても「総合力勝負」のピアニストなので、ややもすれば、カルテル・ピアノとか、ラウンジ・ピアノと揶揄される危険性がある。が、フレーズのノリとグルーヴ感がしっかり「ジャズ」しているので、イージーリスニング風なピアノにはならないのは立派。

冒頭の有名スタンダード曲「All the Things You Are」を聴けば、バップなピアノであり、バド・パウエルの影響をウケているのが良くわかる。しかし、バドよりはタッチがジェントルであり、フレーズが典雅である。これが、バリー・ハリスの真骨頂。

甘い旋律を持つ「Stranger in Paradise」など、カクテル・ピアノに成り下がるか、と思いきやそうはならない。バップなピアノで、リズミカルにグルーヴ感溢れるアドリブ・フレーズをさり気なく弾き回して、ジェントルではあるが、しっかり「ハードバップ」していて良い感じだ。

バド・パウエルのピアノから、激しさと鬼気迫る超絶技巧を差し引いて、優雅さと親しみ易さを足した様な、まさに、バド・パウエルのピアノを流麗に聴き易くしたようなピアノであることが良く判る。バリー・ハリスのピアノの特徴がとても良くわかる初リーダー作。好盤です。
 
 

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2022年4月11日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・97

ジャズ・ピアニストの個性には2通りあると思っている。1つは「一聴すれば直ぐに判る個性」。タッチやフレーズに、その人独特の癖や弾き回しや響き、雰囲気があるパターン。

もう1つは「優れた総合力そのもの」を個性とするパターン。前者はジャズ者の初心者でも直ぐにその個性が良く判る。後者はジャズ者初心者には、ちょっと判り難い個性である。

Barry Harris『Chasin' the Bird』(写真)。1962年5月31日、8月23日の録音。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Bob Cranshaw (b), Clifford Jarvis (ds)。パウエル派の「優れた総合力そのもの」を個性とするタイプのピアニスト、バリー・ハリスのトリオ盤である。

バリー・ハリスと言えば、スタイルは「バップ・ピアニスト」。ビ・バップの演奏マナーをハードバップに活かした演奏が個性で、テクニック溢れる流麗な指捌きと簡潔なアドリブ・フレーズが個性。バド・パウエルのピアノから、激しさと鬼気迫る超絶技巧を引いて、優雅さと親しみ易さを足した様な、まさに、バド・パウエルのピアノを流麗に聴き易くしたようなピアノである。
 

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タッチは明確、テクニックは抜群、歌心に優れ、アドリブ展開もオリジナリティー溢れるもの。という「優れた総合力」が魅力で、そんな優れた総合力の中に、優雅さと親しみ易さが滲み出てくるピアノがハリスの個性。ブルージーな感覚やファンキーな要素は控えめで、典雅な弾き回しのスピード感とオフ・ビートが醸し出すグルーヴ感が特徴。間の取り方も趣味が良く、バップなピアノの好例として聴き応えがある。

「優れた総合力そのもの」を個性とするピアニストは、演奏する楽曲の持つ個性・特性をあぶり出すことに長けている。テクニック溢れる流麗な指捌きは、癖や弾き回しに惑わされる事無く、演奏する楽曲の持つ特性を判り易く表現してくれる。

加えて、この盤の録音がとても良くて、ボブ・クランショウのベース、クリフォード・ジャーヴィスのドラムによる好サポートが、手に取るように聴き取れる。特にクランショウのメロディアスな「唄う様に」響くベースラインがとても魅力的。

バリー・ハリス、33歳のパフォーマンス。この盤では「バップなピアノ」での直球勝負。選曲も、ハリスの個性を引き立たせる、典雅でメロディアスなスタンダード曲が中心で、ハリスの弾き回しには惚れ惚れする。謹んで「ピアノ・トリオの代表的名盤」に選定したいと思います。
 
 

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2020年8月 3日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・85

現代のジャズ・ピアノの源は、やはり「バド・パウエル」と「ビル・エバンス」だと思うのだ。ジャズ・トリオのインタープレイの祖、ビル・エバンスだって、弾きっぷりの底にあるのは、バド・パウエルが確立した「バップ」な弾きっぷり。バドのバップな弾きっぷりに、ビルのインタープレイの弾きっぷりを合わせて、現代のジャズ・ピアノの大本があると思うのだ。

Barry Harris『At The Jazz Workshop』(写真左)。1960年5月、米国サンフランシスコの The Jazz Workshop でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。バド・パウエル直系、バップな弾きっぷりのピアニスト、バリー・ハリスのライヴ盤の快作である。

「ノリ」が命のバップ・ピアノ。バリー・ハリスのピアノは、右手は良く回り、左手のベースラインはゴンゴン骨太に爽やかに響く。逆に、トリオでの三者一体となったインタープレイの要素はほとんど無い。あくまで「バップ」。まさに、バップ・イディオムが、盤全体に横溢する、パウエル直系の爽快なライブ・パフォーマンスである。
 
 
At-the-jazz-workshop  
 
 
とにかく元気なバップ・ピアノ。この「元気」がバリー・ハリスの好盤の印。思索的な、耽美的なバリー・ハリスは似合わない。ガンガンに行くのではなく、ノリノリで行くタイプ。力よりは技で勝負するバップ・ピアノ。その良いところを余すところなく発揮したライヴ盤。聴いていて気持ちが良い。聴いていて、思わず足が動き、手でリズムを取る。

バップなピアノを支えるには「重い」ベースが良い。この盤では「バップ」なピアノを支える正統なベース、ひたすらリズムキープに徹する、サム・ジョーンズの重低音ベースが良い。そして、「バップ」なピアノのパフォーマンスにリズムの緩急を、リズムのキープを司る、大胆かつ繊細な、ルイス・ヘイズのドラムが良い。

ハリスの典型的なバップ・ピアノ。それを支えるジョーンズの重低音ベース。リズム&ビートを司る大胆かつ繊細なヘイズのドラム。バップなピアノ・トリオの好パフォーマンスがこの盤に詰まっている。そして、ジャケットを見れば、なかなかお洒落なロゴタイプにあしらわれた「ジャズらしい」ジャケット。ピアノ・トリオの好盤である。
 
 
 

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2017年9月22日 (金曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・64

ジャズ者の中で「そのジャズメンの絶頂期」の演奏しか聴かない、という方がいる。絶頂期のプレイこそがそのジャズメンの一番優れている演奏で、それ以外は「絶頂期に比べて劣る」演奏だから聴かないという。そもそも、素人と我々が何を持って、そのジャズメンの「絶頂期」を認定するのか、合点がいかぬ。

いわゆる、そのジャズメンの若かりし頃、若しくは歳を取って老いた頃の演奏は成熟していない、若しくは衰えた演奏なので、全く取るに足らない、ということになる。まあ、それはそれで1つの考え方なんだろうけど、僕は同意しかねるなあ。ジャズメンの若かりし頃、年老いた頃にも、それぞれに個性と良さがあると思っているので、僕はそのジャズメンの演奏人生の全てを聴くようにしている。

Barry Harrys『Barry Harrys In Spain』(写真左)。1991年12月5日、マドリッドでの録音。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Chuck Israels (b), Leroy Williams (ds)。リーダーのバリー・ハリスは、1929年生まれだから、62歳の時の演奏になる。リロイ・ウィリアムス、チャック・イスラエルのサポートが目を惹く。このピアノ・トリオ、絶対良いよ、と直感する。

バリー・ハリスと言えば、スタイルは「バップ・ピアニスト」。ビ・バップの演奏マナーをハードバップに活かした演奏が個性で、テクニック溢れる流麗な指捌きと簡潔なアドリブ・フレーズが個性。そういう意味では、絶頂期は『Barry Harris at the Jazz Workshop』の頃、1960年辺りになる。
 

Barry_harrys_in_spain_1

 
それではこの1991年、62歳でのパフォーマンス、『Barry Harrys In Spain』は取るに足らない盤なんだろうか。否、この1991年の『Barry Harrys In Spain』でのバリー・ハリスのパフォーマンスは、31歳の頃、1960年の絶頂期に匹敵する内容の濃さである。もちろん、1960年の頃に比べれば、指捌きやアドリブ・フレーズの閃きは劣る。しかし、それでも、この1991年の音は豊かで深い。

しかも、1960年の頃は優れたバップ・ピアニストだったハリスが、この盤ではモードな演奏にも手を染め、1960年の頃に比べて、個性の裾野が広がっている。これを「指捌きやアドリブ・フレーズの閃き」が絶頂期と比較して劣るから、と切り捨てるか。それはあまりに短絡的だろう。この盤でのバリー・ハリスのピアノは絶頂期に比べて豊かで深い。

バップ・ピアニストのハリスが 、ウェイン・ショーター作の「Sweet Pea」を演奏するなんて、思ってもみなかった。ここでは、バップ・ピアニストのハリスがモーダルなフレーズを難なく弾きこなしている。しかも、音の表現に深みがある。これは歳を取り、様々な経験を積むことにより獲得した「奥の深い」深みなんだろう。

良いピアノ・トリオ盤です。チャック・イスラエルのベース音が素敵に響き渡り、リロイ・ウィリアムスのアグレッシブなドラミングが演奏全体をグイグイ引っ張ります。晩年のハリスの演奏は絶頂期の頃と比較して、負けず劣らず「深み」のある演奏が個性です。これはこれで正統なハリスの演奏。晩年には晩年の良さがあります。
 
 
 
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2014年6月14日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・52

バップ・ピアノというのは、こういうピアノを言うのだろう。Barry Harris『Magnificent!』(写真左)である。切れ味の良い、胸の空くような疾走感溢れる,典型的なバップ・ピアノが聴ける好盤である。

このアルバムは、1969年11月の録音。ジャズのトレンドからすると、コルトレーン亡き後、フリー・ジャズが台頭した時代。ロックの台頭により、クロスオーバー・ジャズの萌芽が聴かれた時代。そんな時代に、こんな硬派なバップ・ピアノのトリオ演奏が録音されていたなんて、ちょっとした驚きを感じる。

1969年のジャズ・シーンに、1950年代前半に流行ったバップ・ピアノに対する需要があったのかどうか定かでは無いが、このバリー・ハリスのアルバムは、1969年に録音されている。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Ron Carter (b), Leroy Williams (ds)。ドラムは無名に近いが、ベースはロン・カーターが担当している。

まあ、バップ・ピアノのトリオ演奏の中で、ロン・カーターがベースを担当する必要があったかどうかも定かでは無いが、とりわけ、ロンがベースを担当しているからということで、何か特別な化学反応が起きているかと問えば、そうでもないので、このアルバムでのロンについては特筆すべきことは無い。

このアルバム『Magnificent!』は、バリー・ハリスのバップ・ピアノを愛でる、この一点に価値のある一枚である。バリー・ハリスは、バップ・ピアニストの祖、バド・パウエル直系。バド・パウエルの忠実なフォロワーで、パウエルのコピー・ピアニストと揶揄される向きもある、裏を返せば、典型的なバップ・ピアニストの一人です。
 

Barry_harris_agnificent
 

でも、このアルバムを聴けば、パウエルのコピー・ピアニストとの揶揄は、完全に言い過ぎ、若しくは、大きな誤解であることが判ります。確かに、タッチ・展開については、パウエルのフォロワーという印象がつきまといますが、その音の質と雰囲気は、パウエルと比べてメロディアスであり、流麗なところが、パウエルと大きく異なるところ。

アドリブ・フレーズも長尺の展開にも耐える、十分にイマージネーション豊かな、メロディアスなもので、ハード・バップの良いところをしっかりと取り入れたところも、バド・パウエルのアドリブ・フレーズとは大きく異なるところでしょう。それでいて、演奏のテンションは高いものがあり、この高いテンションのパフォーマンスは、ビ・バップ直系を彷彿とさせるものです。

バリー・ハリスのバップ・ピアノの好盤としては『Breakin' It Up』や『Barry Harris at the Jazz Workshop』というアルバムがあるのですが、タッチの溌剌度、テンションの高さ、バップ・ピアノの明快度という点からは、この『Magnificent!』が一番優れた内容だと思います。

ジャケット・デザインもジャジーでシンプルで良し。こんなバップな好盤が、1969年にリリースされていたなんて、ジャズの懐の深さを感じます。爽快感がとても強い内容で、聴き終えた後、スカッとします。バップ・ピアノはかくあるべし、と主張している様な、とても良い内容の好盤です。

 
 

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2011年8月12日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・28

約2ヶ月ぶりの「ジャズ喫茶で流したい」シリーズ。今日は28回目。無名ではあるが、落ち着いて小粋な、我がバーチャル音楽喫茶『松和』でロングランな「ギター+ピアノ・トリオ盤」をご紹介したい。

ジャズは様々なフォーマットのアルバムが沢山あって、特に、ハード・バップなんて、1950年代中頃から現在に至るまで、様々なバリエーションの演奏があって、そのアルバムの数は膨大な量になる。その膨大な数のアルバムを少しずつ聴き進め、「おお、これは」と喜びの声をあげるようなアルバムに出会った時、ジャズ者であったことに感謝し、ジャズ者としての醍醐味を感じることが出来るのだ。

我がバーチャル音楽喫茶「松和」で、ちょくちょくかかるハードバップなアルバムがある。Roni Ben Hur With Barry Harris Trioの『Backyard』(写真左)。ピアノ・トリオ+ギターのカルテット構成。ちなみにパーソネルは、Barry Harris(p), Leroy Williams(ds), Lisle Atkinson(b), Roni Ben-Hur(g), Amy London(vo)。1995年3月の録音になる。

リーダー格のRoni Ben-Hur(ロニー・ベンハー・写真右)は、1985年にイスラエルから移民してきたギタリスト。ビ・バップなスタイルのギタリストです。日本ではあまり知られていないと想います。僕もこのアルバムで彼の名前を知りました。

彼のギターは、超絶技巧なんていう「大向こうを張る」タイプのギタリストでは無く、ギターのナチュラルな響きをそのままに、間の取り方、フレーズの自然さを前面に押し出した「粋なフレーズとテクニックを前面に押し出した」ギタリストである。このアルバム全編に渡って、ナチュラルで基本に忠実な「バップ・ギター」を心地良く聴かせてくれている。誠実なギターフレーズとでも形容できる、判り易く気持ちの良い、ギターのインプロビゼーションを堪能することが出来ます。

バッキングの要は、バリー・ハリス。ハリスのピアノは、言葉で表現するのが実に難しいピアニストではある。しかし、このアルバムを聴いていて、ハリスのピアノは徹頭徹尾「ビ・バップ」なピアノであり、その「ビ・バップ」なピアノに緩急織り交ぜ、リズムのアクセントを変幻自在に取り回し、テクニックよりは雰囲気優先、しかも基本に忠実なテクニックと相まった、実にクールな「バップ・ピアノ」を聴かせてくれる
 

Backyard

 
バリー・ハリスのピアノの本質は「ビ・バップ」、そして、リーダー格のロニー・ベンハーは「ビ・バップ」な雰囲気が特徴のギタリスト。

双方とって相性抜群。このアルバムでは、ビ・バップを基調とした演奏家達がそれぞれに、ハードバップへの今風の展開を仕掛けていて、ハードバップへの効果的な応用の成果を沢山みせてくれます。リズム&ビートもスローな曲からミッドテンポの小粋な演奏まで、それはそれは落ち着いた、大人のハードバップを聴かせてくれます。

速いテンポの曲もありますが、速いと言っても、超絶技巧な圧倒的な速さでは全くありません。老練かつ職人芸的な、聴くジャズ者の耳に優しい、はっきりとしたテクニックが活かされる「時速80キロ」的な、安全でかつ落ち着いた「速いテンポ」。これがこのアルバムの最大の特色だと想います。ジャズは超絶技巧だけが全てでは無い。テクニックをグッと押さえた、味のある雰囲気のあるジャズだって、立派なジャズ。

途中1曲だけ、唐突に女性ボーカル入りの楽曲が展開される。8曲目「Something To Live For」で、他のインストナンバーが充実しているだけに、この女性ボーカルの存在にかなりの違和感を感じる。この8曲目「Something To Live For」は完全な蛇足だろう。なぜこの曲だけが女性ボーカル入りなのか。完全なプロデュースのミスだろう。

女性ボーカル参加の「ズッコケ」を我慢しつつ、他の演奏は、ミッドテンポからスローテンポのテンポの、「テンポの偏り」がはっきりとしたハード・バップな演奏。この「テンポの偏り」がポイント。しっかりと落ち着いた雰囲気の中、ロニー・ベンハーの堅実なバップギターとバリー・ハリスのバップピアノとの相性が抜群。「小粋なハードバップ」がこのアルバムの中に満載である。

良いアルバムです。何回聴いても決して飽きることの無い優れものです。決してジャズ本、ジャズ入門本にも載っていない地味なアルバムですが、これがかなりポイントの高い「掘り出し物」なんですね。これだからジャズは面白い、ジャズは裾野が広い。ジャズの奥深さを改めて感じさせてくれるアルバムです。

 

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2011年7月 4日 (月曜日)

パウエル派の「ならではの個性」

ジャズ・ピアノのスタイルは旧来より、パウエル派・エバンス派の2派に大別されてきた。しかし、ジャズの歴史もハードバップ以降、約60年を経過し、既に、この分類も過去のものになっている。ハードバップ時代、パウエル派と呼ばれたピアニストもそれぞれ絶対的個性を確立、21世紀となった今、ジャズ・ピアノの系譜も新たな世代に入っている。
 
パウエル派という表現は、ハードバップ時代から継続して活躍する、大ベテランのジャズ・ピアニストに対してのみ、適用されるスタイルだろう。しかし、ハードバップ時代から既に約60年。以前、パウエル派と呼ばれた大ベテランのジャズ・ピアニストも、既にそれぞれの独特の個性を確立している。
 
バリー・ハリスも、ハードバップ時代は「パウエル派」。ハードバップ時代のバリー・ハリスは、バド・パウエルのスタイルを完璧に踏襲しつつ、パウエルの様に攻撃的では無く、ブルージーで優雅で優しいフレーズが唯一の特徴だった。
 
ここに『Barry Harris In Spain』(写真左)というアルバムがある。1991年のリリースになる。ハードバップ時代から既に約40年が経過。ここでの、バリー・ハリスは、既にバド・パウエルのスタイルから、完全に脱皮している。確かに、歌う右手と合いの手程度の左手、右手勝負というスタイルは、パウエル派の名残りを残してはいるが、パウエルほど極端ではない。
 

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語る右手と効果的に合いの手を入れるような左手のバランスが実に巧み。歌う右手は、哀愁を帯びたマイナー調で、堅実なテクニックに裏打ちされた端正な響き。これはもう「バド・ハウエル」とは似ても似つかぬ個性。
 
冒頭1曲目の「Sweet Pea」を聴くだけで、これはもうバリー・ハリスならではの個性で、この個性が「バド・パウエル」の影響を強く受けているとは、全く持って思わない。バリー・ハリスの哀愁を帯びたマイナー調は、その響きに「黒さ」を醸し出す。そして、パウエル派としてならした時代に身につけたハイ・テクニックは、動く右手を「歌う右手」に昇華させる。
 
ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Chuck Israels (b), Leroy Williams (ds)。イスラエルズとウイリアムスのリズム・セクションも素晴らしいバッキングを聴かせてくれる。優れたピアノ・トリオのアルバムは、ピアニストだけで成立するものではない。リズム&ビートをしっかりと担い、主役のピアノを盛り立てるベースとドラムの存在があってこそ、である。 
 
良いピアノ・トリオのアルバムです。バリー・ハリスの「歌う右手」が堪能出来る優れたアルバムだと思います。バリー・ハリスの歌う右手は、哀愁を帯びたマイナー調で、堅実なテクニックに裏打ちされた端正な響き。

バリー・ハリスのピアノは個性が乏しくて判り難い、なんていう評もあるんですが「とんでもない」。このアルバムに収録された演奏はどれもが、バリー・ハリスというピアニストの個性を十分に堪能出来るものです。理屈はいらない。ジャズ者の皆さんに、是非、一度は聴いて頂きたいピアノ・トリオ盤です。
 
 
 
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  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

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