ナット極上ファンキー・ジャズ
兄キャノンボール・アダレイのバンドにトランペット担当として所属していた、弟ナット・アダレイ。兄の影に隠れた様なイメージで、彼のトランペットはなかなか正当に評価されていない。しかし、である。ナットは、ソウル・ジャズの立役者の1人。ファンキー・ジャズについても、兄のキャノンボールと共に、ファンキー・ジャズの普及に貢献している。
Nat Adderley『Naturally!』(写真左)。1961年6月20日、7月19日の録音。ちなみにパーソネルは、1961年6月20日の録音が、Nat Adderley (cor), Joe Zawinul (p), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。1961年7月19日の録音が、Nat Adderley (cor), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。
ナット・アダレイがリーダーの素敵なファンキー・ジャズ盤である。2つのセッションに分かれて、パーソネルも異なるのだが、不思議なことに、違和感は無く、統一感がある。東海岸のメンバーで固められてはいるが、まるで、ウエストコースト・ジャズの様な、聴かせるアレンジで、流麗で聴き応え十分、味のあるファンキー・ジャズが展開されている。
まず、ナットのコルネットが良い。コルネットの音のエッジがラウンドした、ちょっとくすんだ様な音が、そこはかとなくファンキー&ブルージーな雰囲気を漂わせ、全体的にゆったり大らかな吹奏が、洒落たファンキー・ジャズ志向のサウンドの中で映えに映える。ワンホーン・カルテットなので、そんなナットのコルネットのサウンドが良く判る。
2つのセッションはどちらも良い演奏。6月20日のセッションの方が、ナットの馴染みのメンバーでの演奏でオリジナル志向。カルテット全体が伸び伸びとポジティヴに演奏を重ねている雰囲気。やや荒削りの様に感じるが、それは勢いという言葉に代えて、バンド独特のファンキーなグルーヴを醸し出している。
7月19日の録音は、マイルス・バンドにも所属したハードバッパーの一流どころがリズム・セクションを務めている分、予定調和なファンキー・ジャズが展開されていて、流麗で洒落た演奏で安心感はあるが、スタンダード志向の演奏ということもあって、ちょっと手練感漂う演奏。良く出来た演奏ではあり、聴き心地は抜群。
ただ、ナットのコルネットが、2つのセッションを束ね、統一感を醸し出していて、2つのセッションのカップリングだからという違和感は無い。流麗で聴き応え十分、味のあるファンキー・ジャズがアルバム全体に展開されている。
この盤、聴けば聴くほど、極上のファンキー・ジャズ、ファンキー・ジャズの完成形のひとつと言っても良い位の内容だと僕は思うんだが、この盤は今まで地味な位置に甘んじている。
恐らく、兄キャノンボールの影に隠れた存在という印象と、ジャズ盤紹介本にあがらない、そして、なかなか、CDリイシューがされなかった、という負の要素が重なったのが原因なんだろう。しかし、聴けば聴くほど思う。この盤、ファンキー・ジャズの秀作として良いのではないか、と。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.01.07 更新
・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
記事をアップ。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
の記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。













最近のコメント