ナットのエレ・ジャズ・ファンク
9月も半ばを過ぎたというのに「暑い」毎日である。熱中症を警戒の「引き篭もり」の日々がまだ継続中。確実に運動不足になりつつあるのでが、これはこれで仕方がない。涼しくなったら、せっせとウォーキングをしてリカバリーする予定。
「引き篭もり」の部屋の中で聴くジャズ。硬派な純ジャズをメインに聴き続けてきたら、流石に「飽きてきた」。ふっと思い出したのが「CTIジャズ」。純ジャズの耳安めに、8月中は「ボサノバ・ジャズ」を聴いていたが、9月に入って、流石にボサノバでもないよな、ということで止めた。そう、9月の純ジャズの耳休めは「CTIジャズ」である。
Nat Adderley『You, Baby』(写真)。1968年3, 4月、Van Gelder Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Nat Adderley (cornet), Jerome Richardson (ss, fl), Joe Zawinul (el-p), Ron Carter (b), Grady Tate (ds) が演奏のメインのクインテット。ナットのトランペットとリチャードソンのソプラノ&フルートがフロント2管。
そこに、以下の伴奏隊がつく。Harvey Estrin, Romeo Penque, Joe Soldo (fl), George Marge (fl, oboe), Al Brown, Selwart Clarke, Bernard Zaslav (viola), Charles McCracken, George Ricci, Alan Shulman (cello), Bill Fischer (arr, cond)。フルートが大活躍、オーボエの独特な音色、弦はチェロとヴィオラだけのユニークな編成。
聴いてズバリ、CTIサウンドによる「エレクトリック・ジャズ・ファンク」である。イージーリスニング志向でありながら、甘いサウンドでは無い。意外と硬派でしっかりと趣味の良いビートの効いたソフト&メロウなジャズ・ファンクである。
そんなビートの効いたソフト&メロウなジャズ・ファンクな雰囲気の中で、ナットの繊細で流麗な電気コルネットが、ファンクネスを漂わせながら、ソウルフルなフレーズを奏でていく。バリバリと吹くのでは無い、繊細に流麗にリリカルに電気コルネットを吹き上げる。このナットのコルネットのプレイが印象的。
エレピを担当するのは、ジョー・ザヴィヌル。ナットとは、兄のキャノンボールのバンドで一緒だったが「犬猿の
仲」だったらしい。しかし、この盤では、ザヴィヌルの流麗で耽美的でファンキーなエレピが実に良い雰囲気を醸し出している。このザヴィヌルのエレピの音色とフレーズが、この盤の「趣味の良いビートの効いたソフト&メロウなジャズ・ファンク」の音作りを決定付けている。
収録されたどの曲も「趣味の良いビートの効いたソフト&メロウなジャズ・ファンク」として良い雰囲気を醸し出しているが、2曲目のカントリーのヒット曲「By the Time I Get to Phoenix」や、3曲目のナット作「Electric Eel」や、4曲目のザヴィヌル作の「Early Chanson」辺りは聴き応え十分。
8曲目の「New Orleans」は、ソウルフルな演奏が印象的。9曲目「Hang On In」は8ビートの流麗なバラード、そして、ラストの「Halftime」は、マーチングを融合させたジャズ・ファンクで大団円。
ナットの吹くセルマー社の電化コルネットが実に効果的に響く、CTIの「エレクトリック・ジャズ・ファンク」の佳作の一枚。内容的に硬派なジャズ・ファンクなので、「スピーカーに対峙してジックリ聴き込む」にも十分に耐える好盤です。
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