50年代のギター・フュージョン
今年の夏は酷暑。最近、猛暑の夏が常態化しているが、今年の夏はことさら「猛暑の夏」という感じが強い。これだけ暑いと、まず、複雑なフリー・ジャズ、スピリチュアル・ジャズは「御法度」。ハードなモード・ジャズは無意識に遠ざける。これだけ酷暑の夏の午後は、エアコンの効いた部屋で。ギター中心の、イージーリスニング・ジャズか、フュージョン・ジャズが良い。
Al Caiola『Serenade In Blue』(写真)。1955年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Al Caiora (g), Bernie Privin (tp, flh, on track: 1, 4, 5, 7), Romeo Penque (alto-fl, b-cl, English Horn, on track: 2, 3, 6, 8), Hank Jones (p, track: 2, 3, 6, 8), Ronnie Ball (p, track: 1, 4, 5, 7), Clyde Rombardi (b), Kenny Clarke (ds)。
アル・カイオラは、1920年9月生まれ、米国ニュージャージー出身の、ジャズ、カントリー、ロック、ポップなど、様々な音楽ジャンルを網羅したギタリスト。NYでスタジオ・ミュージシャンとしても成功を収め、エルヴィス・プレスリーやフランク・シナトラ等の伴奏を担当したことでも知られる。この盤は、サヴォイ・レーベルに残した1956年盤。
最初、聴き始めた時は、1960年代後半のイージーリスニング・ジャズ系のギター・インストのアルバムだと思った。ただ、音の佇まいがちょっと古い響きがする。この古さは1950年代後半。ハードバップ独特のちょっとくすんだ、音のエッジがラウンドしている音の輪郭。ちょっと調べたら、なんと、アル・カイオラのサヴォイ・レーベルに残した1956年盤だった。
アル・カイオラのギターの音は、正統派な、流麗で音のエッジが丸くて耳当たりが良い音。1970年代のフュージョン・ジャズの音と言われても、納得してしまうくらいの「ソフト&メロウ」な音。ただ、演奏のリズム&ビートは、1950年代後半のハードバップな響きなので、この盤の音世界は、一聴しただけでは「???」となる可能性大な、ユニークな音世界。
しっとりとしたバラード中心の演奏。派手さはないが、ジェントルでウォームでスインギーなカイオラのギターが、爽やかでクールで良い。ゆったりと「ながら聴き」に最適なカイオラのギター・インスト。名曲「Serenade In Blue」「Indian Summer」など、心地良い演奏がてんこ盛り。イージーリスニング志向のギター・ジャズだからといって、敬遠するのは勿体ない。「ながら聴き」の好盤です。
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