2025年12月 9日 (火曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤 119

ふと、ジョージ・ケイブルスが聴きたくなった。ジョージ・ケイブルス(George Cables)。1944年11月生まれ。今年で81歳になるベテラン・ピアニスト。ブレイキーやロリンズ、デックスなどのサイドメンを務める。僕は、復帰後のアート・ペッパーとの共演で、彼の名とプレイを知った。

George Cables『Icons & Influences』(写真左)。2013年9月16日の録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (p), Dezron Douglas (b), Victor Lewis (ds)。深化する醸熟ブルージーなピアニスト、ジョージ・ケイブルス、79歳でのパフォーマンス。デズロン・ダグラスのベース、ビクター・ルイスのドラムをバックのリズム隊に擁した、ピアノ・トリオ編成。

彼のピアノは、しなやかな硬質さを持ったタッチ、適度に多弁なインプロビゼーション。聴いていて、実に端正であり、実に「雅」であり「粋」である。とにかく、聴いていて楽しい、「メインストリーム・ジャズ」をバッチリ感じさせてくれるピアノである。この盤でも、そんなケイブルスの個性的なピアノがてんこ盛り。

良く唄うピアノである。スタンダード曲はもとより、ミュージシャンズ・チューン、そして自作曲と、テーマの旋律が流麗な曲を選んでいるのか、ケイブルスの良く唄うピアノが、更に映えに映える。
 

George-cablesicons-influences

 
しなやかな硬質さを持ったタッチが軽快に、爽快感を撒き散らしながら、シーツ・オブ・サウンド風の速くてモーダルなアドリブを展開する。ほんの少しだけ、指がもつれるところはあるが、全く気にならない。

ブルージーな展開がとりわけ絶品。適度に多弁だが、端正で典雅で粋な弾きっぷりで、決して俗っぽくならず、上質の「聴かせる」ブルース志向のピアノ・インプロビゼーションに仕立て上げられていて見事。ケイブルス流のモーダルな展開が、これまた唄うが如くの雅さで、とてもお洒落でクール。当時、79歳とは思えない溌剌さと明快さ。

そして、ケイブルスの「ケイブルス流」のモーダルな展開は「古くない」。過去の”どこかで聴いた様な」モーダルなフレーズはどこにも聴かれない。ケイブルスの79歳になっても、さらに深化する、ケイブルスのモード解釈が実に頼もしく響く。この盤は、ハードバップの焼き直しでもなければ、20世紀のモード奏法へのオマージュでも無い。

この盤のトリオ演奏は、現代の「ネオ・ハードバップ&ネオ・モード」。現代の若手中堅の「ネオ・ハードバップ&ネオ・モード」なイマージネーションに比肩する、ケイブルス流のモード・パフォーマンス。そして、ブルージーで適度に多弁なところが、ケイブルス独特の響きを醸し出して、現代のジャズ・シーンにおいても、唯一無二の個性を保持していて立派。この盤も謹んで「ピアノ・トリオの代表的名盤」の1枚とさせていただきたい。
 
 

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2025年12月 1日 (月曜日)

好盤・レイチェルZ『Sensual』

Rachel Z(レイチェルZ)。本名は「レイチェル・C・ニコラッソ」。アメリカはNYの生まれ。バークリー音楽大学、ニュー・イングランド音楽院を経て、プロデビュー。1980年代末に、マイク・マクニエリに認められて、人気フュージョンバンド、ステップス・アヘッドのメンバーとなって、認知度が飛躍的にアップした。

続いて1995年、ウェイン・ショーターの7年ぶりの新作となった「ハイ・ライフ」に全面参加。このアルバムの中でのレイチェルZは、キーボードとオーケストレーションを担当、高い評価を受けている。

Rachel Z『Sensual』(写真左)。2024年の作品。ちなみにパーソネルは、Rachel Z (p, electronica), Tony Levin, Matt Penman, Jonathan Toscano (b), Omar Hakim (ds), Mino Cinelu (perc)。レイチェルZの通算13枚目のリーダー作。

レイチェルZのピアノは、ピアノの幅、いわゆるスケールで聴かせるピアノ。演奏の幅の広さと奥行きと響きで聴かせる、実に味のあるピアノ。この盤では、そんな個性に、耽美的でリリカル、印象派的なピアノという個性が加わって、ピアノの表現の幅が更に広がっている。耽美的でリリカルなメロディーとハーモニー。ありそうで無い、意外と個性の強いピアノの響き。
 

Rachel-zsensual  

 
アレンジも秀逸。全9曲中、共作も含むRachel Zのオリジナルが8曲。ジャズ、ロック、フォーク、ワールドミュージックの音要素を融合させた、コンテンポラリーな純ジャズ志向にがっちりアレンジ、ポスト・バップなパフォーマンスが前面に押し出てくる工夫を凝らしたアレンジは、聴いていて、とても楽しい。

ベーシスト3人が交代で対応しているが、ジョナサン・トスカーノのベースが、レイチェルZとの相性という点で、頭一つ抜きん出ている。そして、オマー・ハキムの、ダイナミックで多彩なドラミングスタイルによる、魅惑的なリズム&ビートが、演奏全体を引き締め、鼓舞し、レイチェルZのピアノに寄り添う。

三者が生み出すグルーヴは、仄かに「新しい」。現代のポスト・バップな雰囲気。レイチェルZなりのアレンジが生み出す、レイチェルZ独特のグルーヴ。

レイチェルZは、1962年12月28日生まれ。今年で63歳。ジャズ・ミュージシャンとしては、大ベテランの域に入りつつある。しかし、日本盤としてのアルバムリリースがほとんど無いこと、彼女を積極的に推すネットショップも無いことが影響して、日本での認知度は今も低いまま。どうしてかなあ。このアルバムの内容、なかなかのものだと思うのだが。とにかく好盤です。
 
 

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2025年11月30日 (日曜日)

ゴールドバーグ ”世界の果てにて”

アーロン・ゴールドバーグは、ジョシュア・レッドマン、ギレルモ・クライン、ジョン・エリス、ジミー・グリーン、オマー・アヴィタル(OAMトリオの共同リーダー)などのアーティストのリーダーおよびサイドマンとして、1990年代後半から2000年代初頭にかけてジャズ界から注目を集めてきた。

Aaron Goldberg『At the Edge of the World』(写真左)。2016年9月16, 21日の録音。ちなみにパーソネルは、Aaron Goldberg (p), Matt Penman (b), Leon Parker (ds, vo, perc, embodirhythm)。現代のトップ・ピアニストの1人、アーロン・ゴールドバーグがリーダーの、マット・ペンマン、レオン・パーカーとのトリオ作品。

アーロン・ゴールドバーグの、オーソドックスで耽美的、リリカルな音使いで、従来のハードバップなピアノかと思いきや、以前に無い、独特な「ならでは」のフレーズが出てきて、演奏全体を通じて「ネオ・ハードバップ&ネオ・モード」の先端を行く「ポスト・バップ」な音作りが、なんともはやユニーク。聴いていて飽きない。
 
Aaron-goldbergat-the-edge-of-the-world
 
アーマッド・ジャマルの演奏で有名な「Poinciana」から始まるが、コールドバーグの活力あるピアノが活き活きと響き渡り、新鮮なハーモニーとリズムの強烈さを生み出している。「Black Orpheus (Manha De Carnaval)」では、控えめなサンバのビートが心地良い、ブラジリアンな雰囲気満載の展開だが、レオン・パーカーのパーカッションが効果的に響く。耽美的でリリカルなサンバ・ジャズの響きが心地良い。

マッコイ・タイナー作の「Effendi」では、トリオ演奏の相互関係の中、結束力のあるインタープレイを繰り広げる。「Luaty」では、シンプルで典雅なワルツを奏で、「Tokyo Dream」では、芳しいブルースの香りを漂わせる。ハッチャーソンの「Isn't This My Sound Around Me」「When You Are Near」では、モード的なアプローチの中、ペンマンとパーカーが気持ちよさそうにスイングする。

アーロン・ゴールドバーグのピアノ、マット・ペンマンのベース、レオン・パーカーのドラムが、三位一体となってよくまとまった、有機的に結合した、なかなかのトリオ演奏である。共演を重ね、演奏内容を深化させてきた、優秀なピアノ・トリオであることが良く判る、名演を集めた佳作。聴き飽きることが無い。
 
 

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2025年11月23日 (日曜日)

21世紀のマリアーノを堪能する

スーッと真っ直ぐな伸びの良い爽やか音。これがチャーリー・マリアーノのアルトサックスの個性である。そして、マリアーノは、ビバップ、ハードバップに留まらず、1960年代後半には、クロスオーバー・ジャズにチャレンジし、良好なパフォーマンスを残している。インド音楽にも興味を示し、マルチなアルト・サックス奏者という印象を残している。

Charlie Mariano『Not Quite a Ballad』(写真左)。2000年7月21日、ドイツのヴュルツブルグでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Alto Saxophone – Charlie Mariano (as), Bernhard Pichl (p), Rudi Engel (b), Bill Elgart (ds), Jonathan Seers (cond)、で、バックにヴュルツブルグ管弦楽団がつく。

もともとは、1998年11月、マリアーノはヴュルツブルク・フィルハーモニー管弦楽団と、長年の悲願であった、クラシックの交響楽団との共演を果たしている。そして、2年後、ヴュルツブルクで2度目のコラボレーションが実現、そのコンサートのライヴ音源が今回のライヴ盤である。そして、このライヴには、マリアーノのバックに「ニュー・オン・ザ・コーナー・トリオ」がリズム・セクションとして参加している。

そして、この「ニュー・オン・ザ・コーナー・トリオ」(Bernhard Pichl (p), Rudi Engel (b), Bill Elgart (ds))は、1994年以来、ヴュルツブルク管弦楽団と定期的にジャズ・プロダクションを共同で企画していて、今回、マリアーノとヴュルツブルク管弦楽団とのコラボレーションの中で、リズム・セクションを担うニュー・オン・ザ・コーナー・トリオが、マリアーノと管弦楽団の橋渡し的役割を果たしている。
 

Charlie-marianonot-quite-a-ballad

 
チャーリー・マリアーノのアルト・サックスの音色って、 とても流麗で渋いっていう印象が強い。 質実剛健、切れ味の良いよく響くブラス。そして、マリアーノのアルト・サックスは、なにより、音が「明るく耽美的」なバップなアルト・サックスという雰囲気で、音が力強く、良く通り、よく唄う。

このライヴ盤では、この明るく耽美的で、音が力強くてよく通り、よく唄う。そんなマリアーノアルト・サックスを、トリオを従えた「ワンホーン・カルテット」として、また、ヴュルツブルグ管弦楽団を従えた「ウィズ・ストリングス」として楽しむ事が出来る。

アルビノーニの「Adagio」では、そんなマリアーノのアルト・サックスが映えに映える。道化師のアリア「Vesti La Giubba」は、マリアーノのリリカルで耽美的でドラマチックな吹きっぷりが見事。インドの作曲家ラママニの「Yagapriya」は、インド音楽の雰囲気が織り込まれたユニークなもの。そしてタイトル曲の「Not Quite a Ballad」では、マリアーノのベスト・パフォーマンスを聴くことが出来る。

このライヴ盤は、マリアーノの「ワンホーン・カルテット」と「ウィズ・ストリングス」の両方を堪能することが出来、マリアーノのアルト・サックスの個性を存分に楽しむことができる好盤。「ニュー・オン・ザ・コーナー・トリオ」のトリオ演奏も、ヴュルツブルグ管弦楽団の演奏もレベルが高く、申し分無い。決して、メジャーな存在ではないが、良いライヴ盤です。
 
 

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2025年11月17日 (月曜日)

バトル・シリーズの3作目です。

相も変わらず、Smoke Sessions Records の新譜を聴く度に、まあ、よくこれだけコンスタントに、現代のネオ・ハードバップ、現代のコンテンポラリー・ジャズの好盤をリリースし続けているものだ、と感心する。しかも、ベテラン、中堅のジャズマンを登用して、時折、興味深いアレンジ、演奏編成を仕掛けるのだから、隅に置けない。

Eric Alexander & Vincent Herring『Split Decision』(写真左)。2024年7月4–6日の録音。ちなみにパーソネルは、Vincent Herring (as), Eric Alexander (ts), Mike LeDonne (p), John Webber (b), Lewis Nash (ds)。ヴィンセント・ハーリングのアルト・サックス、エリック・アレキサンダーのテナー・サックスの2サックスが2管フロントのクインテット編成。アレキサンダー&ハーリングのバトル・シリーズの3作目。

ジャズ界屈指のサックス奏者2人が、楽しくフレンドリーな「2管フロント」で、リラックスした、それでいて、大らかで力感溢れる2サックスのユニゾン&ハーモニー、時にサックスのバトル、時に、それぞれの歌心溢れるアドリブ・ソロを披露する。良い意味で競争力のある2人、活力のある、ハードバピッシュな演奏を競うが如く、時に、手を取り合って、展開する。
 

Eric-alexander-vincent-herringsplit-deci

 
この2管フロントのパフォーマンスを聴いて思うのだが、その2人の音には、もはやコルトレーンの影は無い。現代のネオ・ハードバックのサックスについては、コルトレーン・スタイルは「常識」となり、ジャズ・サックスの「基本」となった。コルトレーンの没後、約60年。ほぼ、そのサックス・スタイルの変遷をリアルタイムに感じてきたが、この盤の演奏を聴いていて、万感の想いがする。

名手2人のパフォーマンスである。悪かろう筈が無い。2人とも、それぞれの個性とテクニックのありったけを尽くして、サックスを吹きまくる。どこかで少しでもミスをしたら、相手に「切られる」、みたいな、心地良い集中を感じる良好なテンションと、和やかな熱気の中での素晴らしいパフォーマンス。Smoke Sessions Records の真骨頂である。

マイク ・ルドン、ジョン・ウェバー、ルイス・ナッシュのリズム・セクションも良好&好調。ルドンはマッコイ・タイナー張りのプレイで胸の空くようなプレイを展開、ウェバーのベースは堅実なビートを弾き出し、ナッシュのドラムが演奏全体のリズム&ビートをコントロールする。フロント2管を含めたクインテット、心地良いネオ・ハードバップを叩き出す。好盤です。
 
 

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2025年11月 5日 (水曜日)

ハレルの現代の ”ポストバップ”

不思議な雰囲気のコンテンポラリーなネオ・ハードバップな作品。ハードバップ時代の流麗なテーマに、エレクトリックピアノで活気づけられたより現代的なグルーヴが融合した、ジャズの伝統と現代性を見事に融合した現代のコンテンポラリー・ジャズの秀作である。

Tom Harrell『Alternate Summer』(写真左)。2022年11月28日、12月27日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Tom Harrell (tp), Dayna Stephens (ts), Mark Turner (ts), Charles Altura (ac-g, el-g), Luis Perdomo (p, rhodes), Ugonna Okegwo (b), Adam Cruz (ds)。

リーダーはトランペットのトム・ハレル。デイナ・スティーブンス、マーク・ターナーのテナー、チャールズ・アルトゥラのギター、ベネズエラ生まれのルイス・ペルドモのピアノ、ローズ、ドイツ系ナイジェリア人のウゴナ・オケグウォのベース、アダム・クルーズのドラム のセプテット編成。

アルバムの中、トム・ハレルのトランペットは、いつもながら、素晴らしい表現力と深みのある音色で、楽曲全体のサウンドを統一し、一本の筋をグッと通している。
 今回のハレルは、伝統的なバップ・トランペットに終始しているが、出てくるその柔軟でどこか哀愁感漂う、耽美的でリリカルなトランペットは懐古趣味のそれではない。現代のネオ・ハードバップど真ん中の、現代のバップ・トランペットの音色であり、パフォーマンスである。
 

Tom-harrellalternate-summer

 
冒頭「Miramar」は、スタッカートを基調としたメロディーと、独創的な即興演奏を彩るブルージーでグルーヴィーなフレーズがユニーク。ハレルのトランペットの洗練された表現が見事、サックス奏者のターナーとキーボード奏者のペルドモが豊かでメロディアスな旋律を紡ぎ上げる。

2曲目の「Peanut」は、ファンクネスを心地良く漂わせるポスト・バップなチューン。3曲目のタイトル曲「Alternate Summer」は、温かみのあるさわやかなバラード。

以降、「Intermetzo」は、オケグウォの素晴らしいベースソロと官能的な響きが彩る、上品な3/4拍子の楽曲。「UV」は、アルトゥラのしなやかなエレギが飛翔する変則ブルース。「Chalcedon」は、魅惑的なメロディとペルドモのグルーヴ感溢れるキーボード・ワークが光るポストバップの秀曲。

そして、「Plateau」は、脈打つリズムのベースが大活躍。「Wind」は、躍動感あふれるインタープレイが見事、そして、陶酔感あふれる「Radius」で大団円。

ウォームな各楽器の音色、各楽器のバランスの良さ、録音も良く、聴いていて気持ちが良い。現代のネオ・ハードバップど真ん中、現代のコンテンポラリーなポストバップな音世界は、温故知新な音に満ちていて、飽きが来ない。良いアルバム、トム・ハレルの秀作です。
 
 

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2025年10月29日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・303

スコット・ハミルトン(Scott Hamilton)。1954年9月12日生まれ。今年で71歳。米国ロードアイランド州出身。1976年にニューヨークに移り、1977年に初リーダー作『Scott Hamilton Is a Good Wind Who Is Blowing Us No Ill』(Concord Jazz)でメジャー・デビュー。ジャズ・サックスが、皆「コルトレーン」スタイルを踏襲する中、オーソドックスな吹奏スタイルを守り通し、現在では、オールド・スタイル・テナーのレジェンド。

Scott Hamilton『Looking Back』(写真左)。2024年1月14 -16日、スウェーデンでの録音。ちなみにパーソネルは、Scott Hamilton (ts), Jan Lundgren (p), Hans Backenroth (b), Kristian Leth (ds)。『Danish Ballads & More』『Classic』に続く、モダンジャズ全盛期にもかかわらずオーソドックスなスタイルを守り通す、硬派なテナー奏者、スコット・ハミルトンが、ヤン・ラングレン率いる「北欧ピアノ・トリオ」をバックにした好盤。

ヤン・ラングレン (スウェーデン), ハンス・バッケンルート (スウェーデン), クリスチャン・レト (デンマーク) の北欧のピアノ・トリオ、ヤン・ラングレン・トリオをバックに、スコット・ハミルトンが、朗々と悠然とテナー・サックスを吹き上げていく。これがまあ「絶品」なのだ。透明度の高い、耽美的でリリカルな、北欧ジャズのピアノ・トリオの音世界に、ハミルトンのテナーがバッチリ合う。
 

Scott-hamiltonlooking-back

 
ゆったりとした、朗々と吹き上げていくテナーだが、これ自体がテクニックの塊。フレーズの音に変な揺らぎが無く、ピッチがずれることはない。ロングトーンにも音の揺らぎが無い。これ、凄いテクニック。このテクニックに裏打ちされているからこそ、ハミルトンのバラード・プレイは映えに映えるのだ。加えて、音が心地良い塩梅に「太い」。マイルドだが芯の入った音は、歌心と説得力・訴求力抜群。加えて、スイング感、ドライブ感も抜群なのだから、申し分無い。

冒頭、あの有名ミュージカル映画・マイ・フェア・レディの挿入曲「I’ve Grown Accustomed to Her Face」から始まり、マイルスの演奏でも知られるレオ・ドリーブの歌曲「The Maids of Cadiz」続く、トミー・フラナガン作の隠れ名曲「Beyond the Bluebird」、スコット・ハミルトンの自作の佳曲「Big Tate」、そして、ホーギー・カーマイケルの名曲「Rockin’ Chair」と、ここまで聴き続けると、もう、ハミルトンのオールド・スタイル・テナーの魅力にどっぷりと填まっている。

今年71歳のハミルトン。オールド・スタイルのテナーは健在。というか、オールド・スタイルのテナーの魅力が増幅されている。選曲も良い、アレンジも良いのだろうが、バックに北欧の強力なピアノ・トリオを配した、というのも、ハミルトンのオールド・スタイルなテナーが映えに映える、大きな理由だろう。聴けば聴くほど、味わいが深くなる、現代のネオ・ハードバップの秀作である。
 
 

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2025年10月 4日 (土曜日)

ブランフォードの『Belonging』

タイトルが『Belonging』。冒頭の曲が「Spiral Dance」。あれ、これって、キース・ジャレットの『Belonging』と同じじゃないか、と思って全曲見たら、キースの『Belonging』そのもの。そう、このアルバムは、キース・ジャレットの『Belonging』を再解釈した、ユニークな企画盤である。

Branford Marsalis Quartet『Belonging』(写真左)。2024年3月25–29日の録音。ちなみにパーソネルは、Branford Marsalis (sax), Joey Calderazzo (p), Eric Revis (b), Justin Faulkner (ds)。今年3月リリースのブランフォード・マルサリスの新作。ブランフォードのサックスがフロント1管の、いわゆる「ワンホーン・カルテット」編成。

ブランフォード・マルサリスのブルーノート・レコード移籍第一弾は、キース・ジャレットのヨーロピアン・カルテットの名作『Belonging』を丸ごと再解釈に取り組んだアルバムになる。収録曲、曲順も同じ、演奏スル編成も、サックスがフロント1管の「ワンホーン・カルテット」も同じ。キースの『Belonging』は、フロント1管のサックスが、ヤン・ガルバレクと、バリバリ欧州ジャズの透明度の高い、思い切り個性的なサックスだったので、その対比がどうなるか、興味津々である。
 

Branford-marsalis-quartetbelonging  

 
ブランフォードのサックスは、コルトレーン・スタイルとロリンズ・スタイルを足して2で割った様な、サックスの吹奏スタイルとしては、コルトレーン以前のオールド・スタイル寄りのサックス。この盤でも、ブランフォードのサックスを聴くと、途中のフレーズはテクニカルでコルトレーンの吹奏スタイルを踏襲しているが、吹き終える部分の音の伸びは、揺らぎのあるオールド・スタイル。つまり、ブラフォードのサックスの吹奏スタイルは「21世紀のネオ・オールド・スタイル」と言ってよい、モダンなもの。

キースのヨーロピアン・カルテットの名作『Belonging』の音世界を、ブランフォード・カルテットの個性で再構築していく。物真似、カヴァーの部分は全く無い。『Belonging』に収録された曲をベースに、ブランフォード・カルテットなりに解釈して、オリジナルな演奏を展開する。これが見事。ブランフォードの「21世紀のネオ・オールド・スタイル」なサックスが実に効果的で、キースのヨーロピアン・カルテットの『Belonging』の音世界を想起することは無い。

実はかなり久し振りにブランフォードのサックスを聴いたのだが、やっぱり、ブランフォードのサックスは良いなあ、と彼のサックスの良さを再認識した。特にこの「21世紀のネオ・オールド・スタイル」なサックスが、唯一無二で個性的で実に良い。ちょっとブランフォードの最近の諸作を聴き直さなければ....。この『Belonging』、好盤です。
 
 

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2025年10月 1日 (水曜日)

ミラーの未発表ソロ・ピアノ盤

マルグリュー・ミラーは、1955年8月、米国ミシシッピー州生まれ、2013年5月に脳卒中にて急逝。57歳だった。彼のピアノは、ラムゼイ・ルイス、そしてオスカー・ピーターソンの影響を受け、ダイナミックでスインギーな演奏と疾走感のある指回し、堅実かつ成熟した、ハード・バッパーなピアノ。フレーズはファンキーで流麗で力感溢れ、繊細な表現にも優れた、オールマイティーなパフォーマンスが特徴。

Mulgrew Miller『Solo in Barcelona』(写真左)。2004年2月2日、スペインのバルセロナでの録音。ちなみにパーソネルは、Mulgrew Miller (p) のみ。マルグリュー・ミラーのソロ・ピアノ盤である。ミラーのピアノの個性が如実に判る、優れた内容の未発表ソロ・ピアノ盤である。

マルグリュー・ミラーは、1980年代以降のポスト・バップ・シーンにおける最重要ピアニストの一人。1980年半ば以降の「純ジャズ復古」の時代の中では、ウィントン・マルサリス率いる「新伝承派」の括りに入っていたが、ミラーのピアノは、単純な1960年代のモード・ジャズの焼き直し、ステップアップでは無い。彼のオリジナリティーを織り込んだ、ミラー独自のモード・ジャズを自家薬籠中のものにしている。
 

Mulgrew-millersolo-in-barcelona 

 
このライヴ盤は、ミラーにとってはユニークな内容で、モーダルな演奏手法をほとんど使わずに、ハード・バッパーなパフォーマンスをメインに、ソロ・ピアノを弾き回している。ただし、音の重ね方とかフレーズの響きは、ハードバップ時代には全く無いもので、明らかに、ポスト・バップな、21世紀のネオ・ハードバップな響きがする。ファンキーな弾き回しなど、いかにも、ミラー自身がリラックスして楽しんで演奏する様子が伝わってくる。

ディジー・ガレスピーのバップ曲「Tour De Force」から始まり、アントニオ・カルロス・ジョビンのボッサ曲「O Grande Amor」、はたまた、エロール・ガーナーの名曲バラード「Misty」、そして、コール・ポーターの「I Love You」をはじめとする「It Never Entered My Mind」「Milestones」「Woody'n You」「Just Squeeze Me」などの有名スタンダード曲などを、途中、ミラーの自作曲を織り交ぜながら、小粋なアレンジで弾き進めていく。

全く小難しくなく、ジャズの良さ、楽しさがダイレクトに伝わってくるミラーの弾き回し。アレンジ良し、即興演奏の弾き回しが魅力的で、ファンキーな弾き回しなどは聴いていて楽しい。ミラーのピアノの良さが本当に良く判るソロ・ピアノ盤。難しいことを考えず、気軽に聴いてもらいたい、ピアノ・ソロ盤の名盤の1枚だと思います。
 
 

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2025年9月29日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・299

「予定調和」とは全く無縁の、全く先の読めない展開。音はショーター・ミュージックの音。しかし、出てくるフレーズは全く予測不能な未知の音世界。そんな予測不能な未知の音世界を、このワンホーン・カルテットは確信を持って突き進む。即興演奏、インタープレイの極致。聴き馴れたショーター・ミュージックの音なのに、出てくる音は初出のフレーズがてんこ盛り。

Wayne Shorter『Celebration, Volume 1』(写真左)。2014年10月18日、ストックホルム・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Shorter (ts, ss), Danilo Perez (p), John Patitucci (b), Brian Blade (ds)。モダン・ジャズ・テナー奏者のレジェンドの一人、ジャズ・ジャイアント、ウェイン・ショーターの81歳の時のライヴ・パフォーマンスの記録。

素晴らしいパーソネルである。ダニロ・ペレスは、パナマ出身のピアニスト。ワールド・ミュージック志向の独特なピアノは変幻自在。ジョン・パティトゥッチは、エレ・アコの両刀使い、技巧派ベーシストの第一人者。ブライアンド・ブレイドは、現代ジャズ・ドラマーのリーダー格。そんな三人をリズム・セクションを従えての、ウェイン・ショーターのテナー&ソプラノ1管の「ワンホーン・カルテット」である。
 

Wayne-shortercelebration-volume-1

 
そんな凄腕のリズム・セクションを従えてのパフォーマンスである。このライヴでは、ショーターも絶好調、心ゆくまで、ショーター・ミュージックの音世界をこれでもか、と言わんばかりに展開している。絞り出すようなテンション、妖しい黒魔術的雰囲気漂う浮遊感、ワールド・ミュージック志向トーンの野趣溢れる流麗なフレーズ。

冒頭の「Zero Gravity To The 15th Dimension」から、そんなショーター・ミュージックが大々的に展開される。リズム・セクションの出だしのワンフレーズから、ショーター・ミュージックの音がする。どう聴いたって、ショーターの音世界。そして、そんな前奏に、ショーターのテナーが滑り込んでくる。濃厚な「ショーター・ミュージックの世界へようこそ」である。

このライヴ音源は、ショーターが生前、自らが監修したと聞く。この音源は、生前、ショーターが残した「新作」。こんな素晴らしいライヴ音源が、しかも、ショーター自ら監修した音源が残っていたなんて。この音源は「Vol.1」。情報によると、このライヴ音源、全部で4枚リリースされる予定らしいので、あと3枚、これはとても楽しみだ。
 
 

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