2025年1月25日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・277

1980年代は「純ジャズ復古」の時代。1970年代後半からのフュージョン・ジャズの大ブームの後、その反動だったのか、1985年にEMI傘下で復活したジャズ・クラブ「ブルーノート」がニューヨークのタウンホールで開催した「ワン・ナイト・ウィズ・ブルーノート」をキッカケに、純ジャズ復古の大号令がかかった。

Dizzy Gillespie『New Faces』(写真左)。1985年の作品。GRPレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Dizzy Gillespie (tp), Branford Marsalis (ts, ss), Kenny Kirkland (p), Lonnie Plaxico, Lincoln Goines (b), Robby Ameen (ds), Steve Thornton (perc)。ブランフォード・マルサリス、ケニー・カークランド、ロニー・プラキシコ、録音当時のニュー・フェイスを迎えてのディジー・ガレスピー晩年の好盤。

ビ・バップの生みの親の一人である、ディジー・ガレスピー。そんなモダン・ジャズの巨人が新世代と共に創作したネオ・ハードバップな好盤。名匠デイヴ・グルーシンのプロデュース。明らかに、1950年代のビ・バップ、ハードバップとは雰囲気が違う、1980年代のネオ・ハードバップのパフォーマンスがこの盤に詰まっている。

純ジャズ復古のトレンドを受けて、フュージョン・ジャズがメインのGRPレーベルが、デイヴ・グルーシンのプロデュースで製作した「ネオ・ハードバップ」な内容なのだが、これがなかなか充実しているから面白い。演奏全体の基本は「モード」。そして、まず、巨匠ディジー・ガレスピーのトランペットが実にモダンな響き。音はベテランな雰囲気の余裕ある吹奏なのだが、出てくるフレーズが新しい。
 

Dizzy-gillespienew-faces

 
1950年代の手垢の付いたフレーズでは無い。そして、ブランフォードのテナーが効いている。明らかに新しい響きを湛えたモーダルなテナー。しかし、ガレスピーが、このブランフォードのテナーに相対して、互角なインタープレイを展開しているのにはビックリである。ビ・バップの創始者、レジェンド・ガレスピー恐るべし。

リズム・セクションでは、カークランドが、とても新鮮なモーダル・フレーズを連発しながら、新旧フロントを支え、鼓舞する。そして、プラキシコのブンブン唸るベースが、アメーンのドラムとソーントンのパーカッションが、インタープレイの底をしっかりと支える。

このプラキシコのベースがあってこそ、アメーンのドラムとソーントンのパーカッションがあってこそ、新旧フロントの極上のネオ・ハードバップなインタープレイが展開されるというもの。

今まで、ジャズ盤紹介に上がったのを見たことが無いアルバムですが、初めて聴いた時は思わずビックリ、極上の1980年代のネオ・ハードバップのパフォーマンスが展開されていて、思わず何回も聴き直した記憶がある。1980年代のGRPのネオ・ハードバップなんて、と聴かず嫌いで敬遠するなかれ。この盤、なかなかイケる内容のネオ・ハードバップ初期の好盤だと思います。
 
 

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 ★ AORの風に吹かれて 

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2025年1月 6日 (月曜日)

ハッピー・スイングなライヴ盤

ニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジのジャズクラブ「Smalls Jazz Club」は、お馴染みの大御所から若手有望株まで、様々なミュージシャンが、夜毎ホットで多彩な演奏を繰り広げている、現代の名門ジャズ・クラブ。

2005年の再オープン後、2007年、ジャズ・ピアニストのスパイク・ウィルナーが音楽監督を務め、同クラブでのライヴ音源をアーカイブ化~CDリリースするために「Smalls Live」レーベルを設立、この「Smalls Jazz Club」でのライヴ音源を次々にリリースしている。

Harold Mabern『Live at Smalls』(写真左)。2012年6月22–23日、NYの「Smalls Jazz Club」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Harold Mabern (p), John Webber (b), Joe Farnsworth (ds)。多弁でR&B志向の「現代のファンキー・ピアニスト」のレジェンド、ハロルド・メイバーンのピアノ・トリオでのライヴ録音盤。

メイバーンのピアノは、ブルージーでゴスペルチックな和音の響きが特徴。その特徴を前提にバップなピアノをダイナミックに弾きこなす。米国ルーツ・ミュージックの響きがノスタルジックに響く。高速速弾きの演奏から、情感豊かなバラード演奏まで、幅広くバリバリと弾きこなす、高度なテクニシャンでもある。

メイバーンのピアノは、とにかく音数が多い。ブロックコードの応酬から、付帯音をあしらった、音数の多いテーマの装飾。バックのファンズワーズのドラミングは、「おかず多用」のファンキーなドラミング。
 

Harold-mabernlive-at-smalls

 
そして、音数の多いピアノとドラムが弾き進めるフレーズの「間」を埋める様な、ウェーバーのウォーキング・ベース。しかし、この音数の多さが、このトリオの演奏の、雰囲気良好な爽快感、疾走感につながるのだから、ジャズ演奏は面白い。

冒頭の「Alone Together」の導入部、最初の2分間のピアノ・ソロを聴けば、メイバーンのピアノの特徴が良く判る。手数の多い、装飾音の多い、それでいて、嫌味にならず耳障りにならない、高速バップなピアノ。

とにかく、メイバーンのピアノは「ご機嫌な」ピアノ。ゴスペルチックなハッピー・スインガー。そんなメイバーンのピアノがラストの「Afro Blue」まで、爽快感を振り撒いて疾走する。

特に5曲目「Boogie For Al McShann」から、続く「Sesame Street」(人気子供番組の曲で有名)の流れは聴きもの。ブギウギ調のピアノソロをガンガンに弾きまくり、「Sesame Street」をむっちゃ格好良い4ビート・ジャズに仕立て上げて、これまたガンガンに、ゴスペルチックでハッピー・スインギーなピアノで「キメまくる」。

良いライブ盤です。メイバーンは1936年3月生まれで、このライヴ演奏時は76歳。これだけの大ベテランの年齢なら、バップなフレーズにノスタルジックな雰囲気が漂いそうなものだが、このライヴ盤演奏では古さは全く感じない。

どころか、新しい響きに満ちている。アレンジが優れているのだろう。とにかく、メイバーンのライヴ・パフォーマンスは聴いていてとても楽しい。ハッピー・スインガーの面目躍如である。
 
 

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2024年12月22日 (日曜日)

思索的で内省的な誠実テナー

優れた資質を持ちながら、今まで、マイナーな存在に甘んじていたり、なぜかメジャーにならないをジャズマンをスカウトするのに長けたレーベル「Smoke Sessions Records」。このレーベルのアルバムで、こんな優れたジャズマンいたんや、と、新しい優れたジャズマンに出会うことがよくある。ジャズはまだまだ深化し、まだまだ、その裾野は広い、ということを実感する。

Wayne Escoffery『Alone』(写真左)。2024年4月23日録音、NYの「Sear Sound Studio C」での録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Escoffery (ts), Gerald Clayton (p), Ron Carter (b), Carl Allen (ds)。エスコフェリーのテナー1管がフロントのワン・ホーン・カルテット。エスコフェリーの思索的で内省的なテナーがじっくりと味わえる。

ウェイン・エスコフェリー(Wayne Escoffery)は、米国のテナー・サックス奏者。1975年2月23日、英ロンドン生まれ。今年で49歳。高校3年の時に、ジャキー・マクリーンに出会い師事する。1997年にジャズパフォーマンスの学士号を首席で取得。1999年、NYに移り、2000年以来、彼はニューヨークでカール・アレン、エリック・リード、ミンガス・ビッグ・バンドと共に活動している。2001年に初リーダー作をリリース。以降、2年に一度の割合でリーダー作をコンスタントにリリースしている。
 

Wayne-escofferyalone

 
僕はこの盤を聴くまで、エスコフェリーのテナーに対峙したことが無かった。彼のテナーの音は「艶やか」。音は太く重心が低い。フレーズの運びは堅実、テクニックは確かで破綻がない。この盤での彼のテナーは、低音域の音を多く使いながらの、しっとりと落ち着いた吹き回しが歌心満点で、ついつい聴き込んでしまう。一言で言うと「とても良いテナー」。

そして、このエスコフェリーのテナーを支えるリズム・セクションが、クレイトンのピアノ、ロンのベース、アレンのドラムという、実に渋いハイセンスな人選。これが「Smoke Sessions Records」の良きプロデュースで、この上質なリズム・セクションに、エスコフェリーのテナーが映えに映える。ワンホーン・カルテットによる、フロント管の「映えさせ方」をよく心得た、心憎いリズム・セクションである。

じっくりしっとり艶やかに吹き上げられる「いそしぎ」や「星影のステラ」などスタンダード曲がとてもい良い雰囲気。思索的で内省的な誠実テナーの音色が、クールで落ち着いた雰囲気を増幅して、知らず知らずのうちに、スピーカーの前に陣取って、じっくりしっかり聴き込んでしまう。不思議な魅力のエスコフェリーのテナー盤。好盤です。
 
 

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2024年12月21日 (土曜日)

新鮮なバーンスタインの新盤

いつもいつも、Smoke Sessions Recordsからの新譜を聴く度に、まあ、よくこれだけコンスタントに、現代のネオ・ハードバップ、現代のコンテンポラリー・ジャズの好盤をリリースし続けているものだ、と感心する。

優れた資質を持ちながら、今まで、マイナーな存在に甘んじていたり、なぜかメジャーにならないをジャズマンをスカウトして、専属のリーダー人材とし、リーダー作を制作し、リリースする。そして、このリーダー作が、これがまあ、どれもが内容充実の好盤揃い。Smoke Sessions Recordsからは、まだまだ目が離せない。

Peter Bernstein『Better Angels』(写真左)。2024年4月1日、NYの「Power Station Studio A」での録音。ちなみにパーソネルは、Peter Bernstein (g), Brad Mehldau (p), Vicente Archer (b), Al Foster (ds)。人気ベテラン・ギタリスト、ピーター・バーンスタインの約4年ぶりのリーダーアルバムになる。

ピーター・バーンスタインは、1967年、NYの生まれ。今年で57歳。ブルース基調の正統派ジャズ・ギターの継承者、バーンスタインも完全に「大ベテラン」の仲間入り。

この盤でも、滋味溢れる、ブルース感覚溢れる、正統派の純ジャズ・ギターを聴かせてくれる。とにかく、ブルージーでジャジーでマイルドでスインギーな「バップ・ギター」が実に良い感じなのだ。
 

Peter-bernsteinbetter-angels

 
この盤では、バックのリズム・セクションが相当に充実している。ブラッド・メルドーのピアノ、ヴィセンテ・アーチャーのベース、アル・フォスターのドラム。一流ジャズマンが集う、オールスターのリズム隊。

このリズム隊の叩き出すリズム&ビートが、明らかに「新しい」響きを湛えていて、正統派なハードバップな演奏でありながら、古さを決して感じさせない。特に、メルドーの「バップなピアノ」が新鮮。スインギーにバップなドラムを叩きまくるフォスターも聴きもの。

「新しい」響きを宿したリズム隊をバックに、バースタインが、これまた「新しい」イメージのフレーズを弾きまくるのだから堪らない。演奏する内容は従来の王道ハードバップなのだが、響きとフレーズ、音の重なりが全く違う。

恐らく、モーダルなアドリブ展開が、弾き進めるフレーズのバリエーションを圧倒的に増やしている、と思われる。モーダルなジャズの恩恵を最大限に生かした「ネオ・ハードバップ」な正統派バップなジャズ・ギターが新鮮。

現代の正統派の純ジャズ・バップな演奏が新鮮。インプロビゼーションの展開のバリエーションが豊かで新鮮で、メインストリームなハードバップな演奏でありながら、古さ、懐かしさは全く感じない。新鮮で溌剌とした「ネオ・ハードバップ」な演奏は聴き始めると意外と「クセ」になる。現在、密かなヘビロテ盤になっている。
 
 

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2024年12月18日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・275

ジャズマンの力量を図るには、スタジオ録音よりもライヴ録音の方が良い。スタジオ録音が何回でも録り直しができるが、ライヴは撮り直しはできない。即興演奏を最大の個性とするジャズについては、この即興演奏のパフォーマンスが重要になる。即興演奏は「一発勝負」が基本。そういう意味では、ジャズマンの力量を推し量る指標の一つ「即興演奏」については、ライヴ録音を聴く方が、その力量のほどが良く判る。

Herbie Hancock, Michael Brecker & Roy Hargrove『Directions in Music: Live at Massey Hall』(写真左)。2001年10月25日、トロントのマッセイホールでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Herbie Hancock (p), Michael Brecker (ts), Roy Hargrove (tp, flh), John Patitucci (b), Brian Blade (ds)。

大御所ピアニストのハービー・ハンコック、早逝の天才テナー・マンのマイケル・ブレッカー、こちらの早逝の天才トランペッター、ロイ・ハーグローヴ、ネオ・ハードバップ系の中堅ベーシストのジョン・パティトゥッチ、メジャーデビューした頃の初々しい、新しい響きのドラミングが良好のブライアン・ブレイド。今から振り返ってみれば、錚々たるメンバーが顔を揃えたクインテット編成。

メンバーそれぞれのパフォーマンスが半端ない。まずは、テナーのマイケル・ブレッカー。このマイケルのテナーが凄い。アンサンブルもアドリブも、そのパフォーマンスは絶品。スケールが大きくテクニカル。ストレートで流麗で少しウォーム。過去のどのテナーマンとも違う、マイケルならではテナーの音で、バリバリ吹きまくっている。ソロにおける、迫力満点なブロウも繊細な吹き回しも、圧倒的なアピール力を持って迫ってくる。
 

Directions-in-music-live-at-massey-hall

 
そして、ロイ・ハーグローヴのトランペット。このハーグローヴのトランペットも凄い。テナーのマイケルと対等に渡り合う、切れ味良く、高度なテクニックによるブリリアントでど迫力のブロウ。繊細な表現もクールで優しい。このライヴ盤のハーグローヴのパフォーマンスを聴いていると、マイルスの後を継ぐものはハーグローヴではなかったのか、と思ってしまう。それくらいに素晴らしいハーグローヴのトランペット。ソロも絶品。

フロントの二人がとにかく凄いが、バックのリズム・セクションも負けてはいない。フロントの二人に刺激されたのか、いつになくハンコックがバリバリとピアノを弾いている。これだけ溌剌とバリバリとピアノを弾くハンコックは、この時期にしては珍しい。まだまだいける、まだまだ第一線、という感じのハンコックのピアノが良い。

ベースのパティトゥッチとドラムのブレイドは、当時、ウェイン・ショーターのグループに参加しており、リズム隊としての息はピッタリ。強烈なフロントの二人に絡むように、鼓舞するように、強靭で柔軟なリズム&ビートを供給する。新しい、ネオ・ハードバップなリズム隊のリズム&ビートが心地よく耳に響く。

ストイックでモーダルな展開のジャズだが、その内容と響きは新しさに満ちている。決して後ろを振り返らない。前を見据えて、先に行こうとする推進力を感じる、極上のネオ・ハードバップな響き。このライヴ盤は、21世紀に入っての「ネオ・ハードバップ」の名盤として良いかと思う。
 
 

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2024年9月11日 (水曜日)

チック&オリジンの ”Change”

確かに、チックって、いつも、質の良い「ジャズの新しい何か」を提示してくれるのだが、世の中に受けないと思ったら、一旦、さっさと撤収することが多いので、このチックの提示する「ジャズの新しい何か」に違和感を感じた方々は、やっぱりチックもそう思って引っ込めた、と勘違いしているきらいがある。

Chick Corea & Origin『Change』(写真左)。1999年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Chick Corea (p, marimba), Bob Sheppard (b-cl, fl, bs, as, ss, ts), Steve Wilson (cl, fl, as, ss), Steve Davis (tb), Avishai Cohen (b), Jeff Ballard (ds), チック・コリア&オリジンとしては初のスタジオ録音。

リード楽器 x2+トロボーンのフロント3管のセクステット編成。まるで、1960年代のジャズ・メッセンジャーズの様な編成である。しかし、出てくる音は全く異なる。今回、改めて聴いてみて、21世紀に入って、その演奏トレンドが顕著となる「ネオ・ハードバップ」の走りの様な内容に、ちょっとビックリ。

モード&コードのごった煮な展開は1960年代と同じだが、限りなくフリーに展開しているところが耳に新しい。それも、激情に任せた、本能に赴くままの展開ではなくて、あくまで理知的に、あくまでクールに、限りなくフリー&スピリチュアルに展開しているところが新鮮。
 

Chick-corea-originchange

 
モードな展開も、コードな展開も理知的でクール。出てくるフレーズはファンクレス。欧州の純ジャズ的な透明度の高い、理路整然としたクールな展開。米国出身のジャズマンが中心のセクステットで、欧州の純ジャズ的な展開をする。この辺りは、21世紀に入って、ECMレーベルが標榜した「メインストリーム・ジャズのボーダーレス化」に通じるものがある。

米国ジャズの面々が欧州な純ジャズをやるのだから、この盤がリリースされた当時は、皆、違和感を感じたのだろうな。故に、このチック・コリア&オリジンは全く話題にならなかったどころか、チックはもう終わった、なんて揶揄されたものだ(笑)。

このチックがオリジンで提示した「ジャズの新しい何か」は、最終的に、トリオ演奏に焼き直されて、2006年の『Super Trio』で再提示され、今度は世の中から受けに受け、評価されるのだから、面白いといえば面白いし、当時、チックはもう終わった、なんて揶揄した方々については、意外と無責任やなあ、とも思ったりする。

チックのピアノのフレーズはどこから切っても「チック流」の響きが満載だし、リズム隊としては、ジェフ・バラードの変幻自在、硬軟自在なドラミングは、後の「ネオ・ハードバップ」の響きが満載。オリジンとしての個性的なグループサウンズの響きはしっかりとキープされていて、スタジオ盤として、良好な出来だと思う。
 
 

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2024年8月24日 (土曜日)

ホーニグの「ネオ・ハードバップ」

21世紀に入ってはや丸23年。21世紀に入って頭角を現した、将来有望なジャズマンを追いかけていくと、ライヴ情報などで、サイドマンで活躍する、新たな将来有望なジャズマンに出会う。これが楽しい。

新たなジャズ盤に出会って、そのパーソネルなど情報を確認すると、またまた新たな将来有望なジャズマンに出会う。これがまた楽しい。この2024年になって振り返ると、将来有望な中堅ジャズマンがかなりの数、出揃った感がある。

Ari Hoenig 『NY Standard』(写真左)。2015年9月の録音。2018年のリリース。ちなみにパーソネルは、Ari Hoenig (ds), Tivon Pennicott (ts), Gilad Hekselman (g), Tigran Hamasyan (p #2), Shai Maestro (p #4,6), Eden Ladin (p #3,5), Orlando le Fleming (b)。フロントにテナーとギター、曲により注目のピアニスト3人をフィーチャーした、クインテット編成。

アントニオ・サンチェスと並んで、NYジャズ最重要ドラマーの一人、アリ・ホーニグのリーダー作の9枚目。アントニオ・サンチェスは、デビューした頃からずっと追いかけてきたが、このアントニオ・サンチェスを通じて、アリ・ホーニグの名前を知った。そして、リーダー作を当ブログの記事にするのは初。ドラマーのリーダー作なので、リーダーのドラマーの志向するジャズが展開されている。
 

Ari-hoenig-ny-standard

 
アリ・ホーニングのドラムは、変幻自在な表現豊かなドラミング。自由度の高いリズム&ビートの変化、ドラムの音色のバリエーションの豊かさが存分に楽しめる。クールに熱いドラミングが見事。ホーニングのドラムのコントロールの下、ネオ・ハードバップ、ネオ・モード、ゴスペル&フォーキーなど、ジャズの演奏トレンドを融合した、内容の濃いパフォーマンスを繰り広げている。

ティグラン・ハマシヤン、シャイ・マエストロ、エデン・ラディンの3人のピアニストの曲のイメージに応じて、上手く使い分けている印象。ブルージーでゴスペルチックなハマシヤン、耽美的でリリカルなマエストロ、モーダルで変幻自在なラディン3者3様、ホーニングのドラムのリズム&ビートに乗って、鼓舞され、サポートされながら、気持ちよさそうに、印象的なピアノを弾きまくる。

フロントを張る、ヘクセルマンのギターが良い。モーダルで限りなく自由に、個性的なギターの音色で、個性的なフレーズを弾きまくる。このヘクセルマンのギターに効果的に絡み、効果的にソロを展開するティヴォン・ペンニコットのテナーも良い感じ。

地元NYの「スモールズ」などで繰り広げられている、現代NYを代表する中堅ジャズマンによる、「今」のスタンダード曲の解釈が楽しめる。現代のネオ・ハードバップとネオ・モード。録音年は2015年。まだまだ、ジャズは深化している。
 
 

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2024年8月 7日 (水曜日)

ビル・オコンネルの初ライヴ盤

ビル・オコンネルは、1953年8月、NY生まれのジャズピアニスト。ラテン・ジャズやハードバップとの関わりが最も深い。教育者でもあり、ニュージャージー州ラトガース大学ニューブランズウィックキャンパスのメイソングロス芸術学校でジャズピアノを教えている。リーダー作については寡作。1970年代に1枚、1980年代に1枚、1990年代に3枚。21世紀に入ってからは、2015年以降、やや頻繁に、1〜2年に1枚に割合でリーダー作を出している。

Bill O’Connell Quartet & Quintet『Live in Montauk』(写真左)。2021年8月15日、NYモントークの「Gosman's Dock」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Bill O’Connell (p), Craig Handy (ts), Santi Debriano (b), Billy Hart (ds), スペシャル・ゲストとして、Randy Brecker (tp、tracks 1 & 7)。オコンネルの長い活動期間の中で、初めてのバンド・ライヴ盤。

ハンプトンズ・ジャズ・フェストでのセッションがライヴ音源として収録されている。リーダーのオコンネルのピアノ、テナー・サックス担当のクレイグ・ハンディ、ベーシストのサンティ・デブリアーノ、ドラムのビリー・ハートがメインとなるカルテット編成。1曲目の「Do Nothing till You Hear from Me」と、7曲目の「Tip Toes」だけ、ファンキー・トランペットのレジェンド、ランディ・ブレッカーが客演している。
 

Bill-oconnell-quartet-quintetlive-in-mon

 
スタイルを塗り替えたり、何か、ジャズのライヴの歴史になるような「派手な何か」があるライヴ盤ではないのだが、端正で切れ味の良いネオ・ハードバップな演奏が魅力。硬派な4ビート曲あり、ゆったりしたファンキー・ジャズな演奏あり、バンドの実力の高さが窺い知れる。躍動感もあり、スピード感も十分、整った内容のネオ・ハードバップな演奏が心地良い。

オコンネルのピアノは「総合力勝負」のピアノ。端正で適度にファンキー、破綻無くタッチは深く、少し速めのフレーズで指がよく回る。他にありそうでない、ネオ・バップな、オコンネル独特の弾き回し。ファンキー&ラテンなフレーズが魅力のオコンネルのピアノはなかなか聴き心地が良い。リーダー作は寡作のピアニストではあるが、オコンネルのピアノは一級品。聴き応え十分である。

テナーのハンディ、ゲスト・トランペットのランディのフロント2管は、躍動感溢れる、バップな吹き回しが見事。リズム隊のデブリアーノのベース、ハートのドラムも堅実で柔軟。オコンネルのピアノは、そんなフロントとリズム隊をサポートし鼓舞、ソロのフレーズは「総合力勝負」なピアノで、硬派にファンキーに、余裕の響きで弾き回す。良いネオ・ハードバップなライヴ盤。意外とヘビロテ盤。朝に昼に夜に、どんなシチュエーションにもマッチする万能なネオ・ハードバップ盤。好盤です。
 
 




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2024年8月 5日 (月曜日)

コーエンの「温故知新」な好盤

コロナ禍の影響だろうか、2021年以降、ジャズの新盤で、ソロやデュオの演奏が多くみられる傾向にある。ソロやデュオだとスタジオに入っても、あまり「密」な状態にはならず、感染防止に最適な演奏フォーマット、という判断もあったのだろう。そうそう、自宅のスタジオでも、いわゆる「宅録」のアルバムも結構あったなあ。コロナ禍は、ジャズの演奏フォーマットにも影響を及ぼしている。

Emmet Cohen & Houston Person『Masters Legacy Series, Volume 5: Houston Person』(写真左)。2023年の作品。ちなみにパーソネルは、Emmet Cohen (p), Houston Person (ts), Yasushi Nakamura (b), Kyle Poole (ds)。ピアニストのエメット・コーエンがレジェンドとプレイするレガシー・シリーズの5作目。レジェンドに、サックス奏者、ヒューストン・パーソンを選んでの録音である。

エメット・コーエンは、1990年、米国フロリダ州マイアミの生まれ。今年33歳のバリバリ若手のジャズ・ピアニストである。2011年に初リーダー作『In the Element』をリリース。以降、1年に1枚のペースでコンスタントにリーダー作をリリースしている。今年34歳、期待の中堅ピアニストの一人である。

コーエンはクラシック音楽にも造詣が深く、コーエンのピアノを聴いていると、確かにクラシックの影響が垣間見える。誰かに似ているなあ、と思ったら、そうそう、米国西海岸ジャズで、クラシックとジャズの「二足の草鞋」で活躍した、アンドレ・プレヴィンを想起した。だが、プレヴィンよりブルージーな響きで、ジャジーに弾き回す。

ヒューストン・パーソンは、1934年、米国サウスカロライナ州フローレンスの生まれ。米国ジャズのジャズ・サックス奏者で音楽プロデューサー。今年で90歳になる「現役のレジェンド」である。スウィングやハード・バップのジャンルで演奏し続け、1960年代以降、ソウル・ジャズの中で活躍した。リーダー作は相当数にのぼる。

しかし、我が国ではほとんど無名。リーダー作が1966年以降と、ジャズが斜陽になっていった時期のリリースで、恐らくセールスにならない、と安易に判断したのだろう。僕だって、21世紀に入ってから、このヒューストン・パーソンと出会い、その名を知ったのは、音楽のサブスク・サイトだった。
 

Emmet-cohen-houston-personmasters-legacy

 
そんなエメット・コーエンのピアノ・トリオが、1管フロントにヒューストン・パーソンに迎えたのが、今回のこの盤。特色ある小粋な音色と、表現力に富んだテナー・サックスが聴き心地満点。そんな硬派で正統派、メインストリームなパーソンのテナーを、コーエンのピアノが素敵に流麗にサポートする。

冒頭、パーソンの温かで印象的なテナーが魅力のゆったりとした「Why Not?」で始まる。流麗でバップな弾き回しで、パーソンのテナーをスッポリと包むようにサポートするコーエンのピアノ。決して古くない、新しい響きを宿した、伝統的なハードバップ演奏が実に良い。

4曲目の「Just The Way You Are(素顔のままで)」は、ビリー・ジョエルの名曲のカヴァー。原曲の美しい旋律をデフィルメすることなく、素直でシンプルなテナーでカヴァーするパーソンのテナー。アドリブ展開で「ジャズらしさ」を担うのは、コーエン・トリオのアドリブ展開。原曲のコード進行を借用しつつ、モーダルな展開で、この盤にネオ・ハードバップ志向の「新しい響き」を醸し出している。

5曲目のオールド・スタイルなバップ演奏を展開する「I Let A Song Go Out Of My Heart」。これが絶品。古き良き時代の4ビート・ハードバップを踏襲しながら、出てくる音は「新しい」。決して、懐メロに陥らない、コーエンのピアノのフレーズと、それにしっかりと乗っかるパーソンのオールド・スタイルなテナー。緩やかなミッド・テンポのリズム&ビートに乗ったインタープレイが見事である。

続く6曲目の「All My Tomorrows」の、パーソンのバラード・テナーが実に心地良い。そして、バッキングに回ったコーエンの耽美的で流麗でリリカルなピアノは聴きもの。パーソンの魅力的でオールド・スタイルなテナーを最大限に引き立てる。伴奏にも長けたコーエンの才能が、この演奏で確認できる。

4ビート・ジャズがメインの、ピアニストのエメット・コーエンがレジェンドなテナー奏者、ヒューストン・パーソンとプレイするレガシー・シリーズの5作目。これって古くないか、と聴く前に懸念を感じるのだが、その懸念は見事に裏切られる。新しい響きを宿した伝統的なハードバップ演奏。古さを感じさせない演奏とアレンジは立派。この盤を聴いていて「温故知新」という四字熟語を思い出した。
 
 

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2024年8月 4日 (日曜日)

初めて、エスコフェリーを聴く

Smoke Sessions Records は、コンスタントに、現代のネオ・ハードバップ、現代のコンテンポラリー・ジャズの好盤をリリースしている。今まで、影の存在に甘んじていた、優れた資質を持つジャズマンをスカウトして、専属のリーダー人材とするのに長けている。

今まで、Smoke Sessions Records からリリースされたアルバムのリーダーの中で、この人は誰、というジャズマンも多くいた。しかも、その、それまで無名に近かったジャズマンがリーダーを張ったアルバムについて、どれもが水準以上の優れた内容なのだから隅におけない。Smokeからの新盤については、折につけ、しっかりと内容確認をしている。

Wayne Escoffery『Like Minds』(写真左)。2022年3月31日、NYの「Sear Sound Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Wayne Escoffery (ts, ss), David Kikoski (p), Ugonna Okegwo (b), Mark Whitfield Jr (ds) のワンホーン・カルテットが基本。ゲストに、Gregory Porter (vo, on 4, 5), Tom Harrell (tp, on 2, 4),
Mike Moreno (g, on 1, 3, 8, 9), Daniel Sadownick (per, on 5), が入っている。
 
Wayne Escoffery(ウエイン・エスコフェリー)は、1975 年イギリスにて生まれ、後にアメリカに移住。
以降ニューヨークで活動し、グラミー賞受賞歴もあるサックス奏者/作曲家。リーダー作は、2001年の『Times Change』を手始めに、今回の2023年の『Like Minds』まで、11枚を世に出しているのだが、僕は彼のリーダー作に触れたことが無かった。
 

Wayne-escofferylike-minds

 
この新作『Like Minds』は、現代のネオ・ハードバップど真ん中な内容。非常に充実した、硬派で正統派な演奏内容は好感度アップ。リーダーのアルト・サックス担当のエスコフェリー、ピアニストとして評価の高いキコスギ、堅実ベースのウゴナ・オケゴ、躍動感溢れるドラミングで、演奏全体を鼓舞するマーク・ホワイトフィールドJr。まず、カルテットのメンバーが充実している。

エスコフェリーのアルト・サックスは、正統派でテクニック良好、突出した個性は無いが、総合力勝負の優れたもの。録音時47歳。テクニック優秀な中堅アルト・サックス奏者である。まず、このエスコフェリーのアルト・サックスが全編に渡って、良い味を出している。聴き応え十分のブリリアントで流麗で大らかなアルト・サックス。

キコスギのピアノが効いている。キコスギの柔軟度の高い、適応範囲の広い、現代のネオ・バップなピアノが良い。要所要所で、気の利いたフレーズを弾き回して、フロントのエスコフェリーのアルトを支え、オケゴのベース、ホワイトフィールドJrのドラムと共に、演奏全体のリズム&ビートを変幻自在に供給する。

ゲストの存在も良いアクセントになっている。現代のレジェンド級のバップ・トランペッターであるトム・ハレル、革新的なギタリストの マイク・モレノ、上質パーカッションの ダニエル・サドーニック、そして、 グラミー級ボーカリストの グレゴリー・ポーター。これらのゲストが、要所要所で極上にパフォーマンスを提供していて、このエスコフェリーのリーダー作の内容を更に充実させている。

4ビートを含むコンテンポラリ系の演奏がメインの、充実した内容のネオ・ハードバップ盤。特に現代のモード、ネオ・モーダルな演奏が秀逸です。破綻の無い、力感溢れ、流麗でコンテンポラリーな内容の演奏は、聴いていてとても心地の良いもの。本盤も、Smoke Sessions Recordsからの好盤の一枚です。
 
 

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