メイバーン初期のソロ・ピアノ
Harold Mabern(ハロルド・メイバーン)は、僕のお気に入りのピアニストの1人である。メイバーンはテネシー州メンフィス出身。1936年3月生まれ、2019年9月17日に惜しくも鬼籍に入っている。享年84歳。1968年に初リーダー作、意外とサイドマンでの活躍が目立っているが、リーダー作は多い。自身では2002年にヴィーナス・レコードに録音した『Kiss of Fire』が一番売れたリーダー作だ、としている。
Harold Mabern『Joy Spring』(写真左)。1985年の録音。ちなみにパーソネルは、Harold Mabern (p)。ドライブ感溢れるファンキー・ピアニスト、ハロルド・メイバーンのソロ・ピアノ盤。カナダのトロントの「カフェ・デ・コパン」でのライヴ録音。ラジオでも放送されたとのこと。
活動初期の頃のソロ・ピアノ盤なので、演奏するピアニストの個性がシンプルに判り易い。そして、このライヴ盤は、収録曲のほとんどはスタンダード曲で占められている。他のピアニストとの比較がし易い。メイバーンのピアノを理解するには恰好のアルバムである。
メイバーンのピアノは、明快で切れ味の良い、重量感溢れるタッチ。適度なテンションの下、アグレッシヴでポジティヴな、ドライヴ感溢れる弾き回し。濃厚に漂うファンクネス。このメイバーンのピアノ・ソロを聴いていて、思わず、レイ・ブライアントの『Alone at Montreux』を思い出した。
しかし、どこか似ているのだが、基本的にメイバーンのタッチの方がエッジが立っていて硬質。フレーズはメイバーンの方が「シュッと」している。こってこてファンキーなピアノであることには違いない。この「スッキリ&カッチリしたファンクネス」がメイバーンの個性であり、他のファンキー・ピアニストとの「差異化要素」である。
このスッキリ&カッチリしたファンキー・ピアノでスタンダード曲をユッタリとしたドライブ感を醸し出しながら、淀みなく、破綻無く弾き進めていく。スタンダード曲の解釈も良い感じ。ファンキーでありながら、どこか小粋でアーバンな「お洒落な」雰囲気が漂うところが「ニクい」。なかなかに聴き応えのあるソロ・ピアノ盤だと思う。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2022.12.06 更新。
・本館から、プログレのハイテク集団「イエス」関連の記事を全て移行。
★ 松和の「青春のかけら達」
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から11年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
最近のコメント