ハーグローヴの初リーダー作
朝から雨が降ったり止んだりで天気は悪いが、グッと涼しくなった。今日は最高気温が26度と一気に30度を下回った。そりゃ〜涼しいよな。これだけ涼しくなると、ジャズも色々な種類の、色々なジャズマンのアルバムを聴くことが出来る。あまりに暑いと、まずジッとして、スピーカーの前で聴き耳を立てるのもしんどいし、激しい展開の曲はどうしても敬遠したくなる。
Roy Hargrove『Diamond In the Rough』(写真左)。1989年12月、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Roy Hargrove (tp), Ralph Moore (ts), Antonio Hart (as), Geoffrey Keezer, John Hicks (p), Al Foster, Ralph Peterson Jr. (ds), Charles Fambrough, Scott Colley (b)。新伝承派、ネオ・ハードバップでの「ファーストコール」トランペッターの一人、ロイ・ハーグローヴの初リーダー作である。
ネオ・ハードバップを代表するトランペッター、ロイ・ハーグローヴ。この初リーダー作を聴くと、それはそれは素晴らしいトランペットを吹いている。テクニックは申し分無く、歌心も満点。録音当時、弱冠20歳。このトランペットが二十歳そこそこの青年のプレイなのか。これって、歴史を振り返ってみて、クリフォード・ブラウンやリー・モーガン、ウィントン・マルサリスに匹敵する天才トランペッターである。
涼しくなると、こういう好盤としっかり向き合いたくなる。とにかく、ハーグローヴのトランペットが素晴らしい。収録曲についても、手垢の付いたような、どスタンダード曲の「Ruby My Dear」や「Whisper Not」も、しっかりと新しいアレンジで、新しいアドリブ・イメージを展開して、新鮮な雰囲気で聴かせてくれる。この力量たるや、とても20歳とは思えない。
バックをサポートするメンバーも好演につぐ好演。ベテランのサポートも借りつつ、新伝承派の若手メンバーが溌剌としたサポートを展開していて、とても清々しい。聴いていて気持ちの良い、聴き終えた後にスカッとする感じ。良い演奏だ。特に、ピアノのジェフ・キーザーが大活躍。モーダルなピアノでの効果的なバッキングもさることながら、作曲面でもなかなかの自作曲を3曲も提供している。
これだけの実力を持ったトランペッターであったにも関わらず、我が国での人気はイマイチだった記憶がある。しかし、である。ロイ・ハーグローヴのトランペットは凄い。ジャズ・トランペットの歴史上、屈指の存在で、再評価をするべきジャズマンの一人である、と僕は思う。そんなハーグローヴであるが、後年、腎不全に苦しみ、最後の14年間、透析を受けていたが、2018年11月2日、腎臓病によって引き起こされた心停止のために逝去した。まだ一昨年の出来事である。
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