2024年3月 5日 (火曜日)

エルヴィンの初リーダー作です

ジャズ・ドラマーの中では、アート・ブレイキー、エルヴィン・ジョーンズ、スティーヴ・ガッドの3人がお気に入り。3人のディスコグラフィーをまとめ直していて、まだまだアルバム評をブログ記事にしていないリーダー作があることに改めて気がついた。どうも、ドラム、ギターは後回しになってしまう傾向にあって、反省、反省。

The Jones Brothers『Keepin' Up with the Joneses』(写真左)。1958年3月24日の録音。ちなみにパーソネルは、Thad Jones (flh, tp), Hank Jones (p). Eddie Jones (b), Elvin Jones (ds)。サド、ハンク、エルヴィンのジョーンズ3兄弟に、姓が「Jones」繋がりで、エディ・ジョーンズが入ったカルテット編成。実はこの盤の存在を全く失念していて、今回、初聴きになる。

エルヴィン・ジョーンズのディスコグラフィーをまとめ直していて、エルヴィンの初リーダー作は『Elvin!』(1961・Riverside)だと思っていたら、この盤があった。といっても、The Jones Brothers名義で、エルヴィンはそのユニットの一部、ではあるが、リーダー作といえば、立派なリーダー作である。

「The Jones Brothers」とは、姓が「Jones」のメンバーの集まり。その内訳は、トラペットのサド、ピアノのハンク、ドラムのエルヴィンの3人は実の兄弟。そして、ベースのエディは他のメンバーと血のつながりは無く、姓が同じというだけのメンバー。それでも、4人とも姓が「Jones」なので「The Jones Brothers」としている。

収録曲全7曲、全曲ゆったりとしたミッド・テンポの演奏がメインで、4ビートの心地良いスイング感が良い感じ。この4ビートの心地良いスイング感を醸し出しているのが、エルヴィンのドラミング。この盤では、エルヴィンはブラシを使ってドラミングで、サドのトランペットやハンクのピアノのソロの邪魔にならず、引き立て役に回りながら、サドやハンクのソロをしっかり支え鼓舞している。
 

The-jones-brotherskeepin-up-with-the-jon

 
エルヴィンの硬軟自在、緩急自在、メリハリの効いた抑揚が絶妙なドラミングはこの初リーダー作で確立されている。特に、この盤ではブラシを使ったドラミングで、繊細なニュアンスも付加していて、見事にモダンなドラミングを叩き出しているのは立派。

そんなエルヴィンの優れたドラミングをバックに、サドはトランペットを朗々とブリリアントに吹き上げる。もともとサドはミッド・テンポからスロー・テンポのフレーズの吹奏に優れている。この盤では、朗々とブリリアントな音色で、音も大きく溌剌と、その実力を遺憾無く発揮している。

ハンクのピアノも絶好調。よほどエルヴィンのドラミングとの相性が良いのだろう、洒脱で流麗バップなピアノを氣持ち良さそうにグイグイ弾きまくる。2曲目のタイトル曲「Keepin' up With the Joneses」では、小粋でファンキーなオルガンを披露している。これがまた味があって良い感じ。

全曲ゆったりとしたミッド・テンポの演奏がメインで、速弾き、速吹きなバカテクな展開は無いが、歩くスピードの4ビートの心地良いスイング感に乗った、サドのトランペット、ハンクのピアノは聴き味抜群。そして、そのリズム&ビートを叩き出しキープするエルヴィンのドラミングはこれまた見事。

何の変哲もない、シンプルで上質のハードバップ演奏の数々ですが、とにかく味があって小粋。丁々発止としたインタープレイとは全く無縁な、バップでモダンなミッド・テンポの演奏。グループのアンサンブルに、メンバー個々のソロに、意外と聴き応えがある好盤です。
 
 

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2021年8月22日 (日曜日)

サドの最終リーダー作である。

Thad Jones(サド・ジョーンズ)のトランペット&コルネットはかなりの腕前である。サドのキャリアの途中、サド・ジョーンズ=メル・ルイス・オーケストラ(サド=メル・オケ)の活躍が目覚ましかったこともあって、サドのトランペッターとしてのキャリアにスポットライトが当たることがあまり無かったようだ。

もともと、サド・ジョーンズはカウント・ベイシー楽団で人気No.1のトランペッターとして1953年から活躍、1950年代後半には、ブルーノートに優れたリーダー作を残していて、トランペッターとしての力量は優れたものがあった。

サド=メル・オケにおける在籍期間が1965年から1978年だったので、その間、サド=メル・オケの共同リーダーとしての活動中は、トランペッターとしてのリーダー作が無かったので、仕方の無いところかもしれない。

Thad Jones『Three And One』(写真左)。1984年10月4日の録音。スティープルチェイス・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Thad Jones (cor), Ole Kock Hansen (p), Jesper Lundgaard (b), Ed Thigpen (ds)。リーダーのサド・ジョーンズのコルネットがフロント一管の「ワン・ホーン・カルテット」な編成である。

サドはサドメルのオーケストラを抜けた後、デンマークを拠点として活動しており、この盤は、デンマークの首都コペンハーゲンを拠点とするステープルチェイス・レーベルでの録音になる。
 

Three-and-one-1

 
溌剌と躍動感溢れるブリリアントなサドのコルネット。しっかり芯が入った、力感溢れる吹きっぷりだが、メロディアスで柔らかな音色には、思わず「聴き惚れる」。ピッチがしっかりと合っていて、繰り出すフレーズはどれもが美しい。

ピアノのハンセンとベースのルンドガードは、デンマーク出身の地元ジャズマンであるが、なかなか健闘している。ドラム担当は、1974年からコペンハーゲンに移住している、燻し銀ドラマー、エド・シグペン。このシグペンの小粋なドラミングがカルテットの演奏全体をしっかり引き締めている。

タイトル曲の「Three And One」は、ジョーンズ兄弟が揃って初めて吹き込んだアルバム『Keepin' Up With The Jones』に初収録された、サド作の佳曲。

ハンク、サド、エルヴィンの3人兄弟(Three)に、ベーシストのエディ・ジョーンズ、つまり別のジョーンズ(One)という、ジョーンズ3兄弟に捧げた、ジャズ・スタンダードとなったサドの代表曲のひとつで、この盤においては、力感溢れる聴き応えのある演奏になっていて、実に良い味を出している。

サドが亡くなったのは1986年。この盤が吹き込まれたのは1984年の10月。サドが亡くなる2年前、リーダー作としてはラスト・レコーディングとなってしまった。しかしながら、この盤ではリーダー作としてのラスト・レコーディングとは思えない、溌剌としたサドのコルネットが聴けるのが嬉しい。スティープルチェイス・レーベル、本当に良い盤を残してくれた。
 
 
 
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  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

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  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

 
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2020年11月 7日 (土曜日)

サド・ジョーンズの良質の個性

「ハードバップの名演の宝庫」と形容されるブルーノート・レーベルの1500番台には、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の名盤紹介には滅多に出ないが、聴けば、それはそれは、いかにもハードバップらしい、極上のモダン・ジャズの雰囲気を湛えた、渋く小粋な内容の「知る人ぞ知る」好盤がゴロゴロしている。

Thad Jones『The Magnificent Thad Jones Vol.3』(写真左)。ブルーノートの1546番。お馴染みVan Gelder Studioでの録音。パーソネルがちょっと複雑。1曲目から4曲目までが、1957年2月3日の録音で、Thad Jones (tp), Benny Powell (tb), Gigi Gryce (as), Tommy Flanagan (p), George Duvivier (b), Elvin Jones (ds)。

5曲目は、前作の好盤『The Magnificent Thad Jones』に収録されなかった演奏で、この曲だけ、録音月日とパーソネルが異なっていて、1956年7月14日の録音で、Thad Jones (tp), Billy Mitchell (ts), Barry Harris (p), Percy Heath (b), Max Roach (ds)。好盤『The Magnificent Thad Jones』セッションから収録が漏れた演奏である。その内容は申し分無い。
 
 
The-magnificent-thad-jones-vol
  
 
サド・ジョーンズのトランペットは、ハイノートを決めて、エネルギッシュに吹きまくるハード・バッパーでは無い。中低音域を上手く活かして、音の芯はしっかりしているが、柔らかで優しい、ほのぼのとしたトランペットが身上。テクニックもそのレベルは高いが、そのテクニックの高さを前面に出さずに、ミッドテンポの安定したアドリブ・フレーズをほんわかと吹き上げ続ける。

加えて、サドのトランペットは意外と「リリカル」。1曲目から4曲目のパーソネルで演奏される各曲で、サドのミッドテンポでリリカルなトランペットが映えに映えている。恐らくメンバーの人選が良いのだろう。こういうリリカルなトランペットには、伴奏上手なトミフラのピアノがバッチリ合う。硬軟自在なエルヴィンのドラミングもグッド。

ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンのプロデュースの効果だろうか、サド・ジョーンズのトランペットの「良質の個性」がクッキリと浮かび上がってくる様な好盤。問題はジャケットで、この盤のジャケットはブルーノートらしくない。タイポグラフィーも写真も平凡と言えば平凡。恐らくこの盤、ジャケットでかなり損をしているんじゃないか、と思っている。
 
 
 

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  ・『Middle Man』 1980
 
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  ・The Band の「最高傑作」盤
 
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  ・僕達はタツローの源へ遡った


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2020年7月 5日 (日曜日)

サド=メルの「イチ押しの一枚」

ジャズ・ボーカルとビッグバンドについては、自分の今までの「聴き方の遍歴」は普通では無い。王道であるボーカリストや楽団を最初に聴き込んでいない。ビッグバンドについては、最初は当然、デューク・エリントン楽団とカウント・ベイシー楽団から入るのだが、僕は違った。ジャズを聴き始めたのが、フュージョン全盛期の1970年代後半だったこともあるのだろうが、ビッグバンドへの入り方がちょっと通常とは変わっていた。

ビッグバンド・ジャズで最初にお気に入りになったのが「Gil Evans & Monday Night Orchestra」と「Thad Jones = Mel Lewis & The Jazz Orchestra」そして「Toshiko Akiyoshi-Lew Tabackin Big Band」。そして、1980年代に入ってからは、あろうことか「Jaco Pastorius & Word of Mouth Big Band」であった。エリントン楽団もベイシー楽団も聴くには聴いたんだが、どうもピンと来なかった。

Thad Jones = Mel Lewis & The Jazz Orchestra『Central Park North』(写真)。1969年6月17, 18日、NYのA&R Studios での録音。略称「サド=メル楽団」は、もともと一流ジャズメンがプレイを楽しむことを目的に編成されたリハーサル・オーケストラ。メンバーそれぞれのパフォーマンスの自由度が高いのが特徴。加えて、アレンジが多種多様、実にカラフル。
 
 
Central-park-north  
 
 
そんな「サド=メル楽団」の良いところが満載のスタジオ録音盤がこの『Central Park North』になる。アレンジ方針が固定されていないので、アルバム毎にその「音の色合い」は変わる。この盤については、8&16ビートの大々的導入など、ジャズ・ロック色が強いところが魅力。音の迫力、躍動感、グルーヴ感が半端ない。当時としては「新しいビッグバンド」の音の響きだったのだろう。僕もこの盤については、一聴して虜になった。

とにかく格好良いのだ。冒頭の「Tow Away Zone」のビートの効いたファンキーなリズムが単純に「格好良い」。しかも、ロックなビートにも関わらずスインギー。これが堪らない。この1曲だけでも「今までのビッグバンドとは違う音」を感じることが出来る。このジャズ・ロックなグルーヴ感は癖になる。2曲目の「Quietude」は逆に、コッテコテの「ハードバップ」。洒落たアレンジで古さを感じない。

どの曲にも新しいビッグバンドの響きが感じられるのだが、これは、恐らく、ハナのピアノ、ディヴィスのベース、そして、ルイスのドラムの「リズム隊」の成せる技では無いかと思っている。そして、それをしっかりと成立させているのが、サドの担当する「アレンジ」。リズム&ビートとアレンジの斬新さで、サド=メル楽団の魅力全開の一枚である。
 
 
 

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  ・『You’re Only Lonely』 1979

 ★ まだまだロックキッズ     【更新しました】 2020.06.28 更新。

  ・Zep『永遠の詩 (狂熱のライヴ)』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2020.06.28 更新。

  ・太田裕美『手作りの画集』

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2010年3月21日 (日曜日)

ビッグバンド・ジャズは楽し・7

ビッグバンドについて、ジャズ初心者の頃、「これは凄いぞ」と直感的に感じたのが、Thad Jones(flh), Mel Lewis(ds)の2人が、1965年に結成した、サド&メル・ジャズオーケストラ。

サド&メル・ジャズオーケストラは、FMラジオで初めて聴いた。エリントン楽団やベイシー楽団とは全く違う、新しい音が実に心に響いた。演奏されているビートが新しく、1970年代後半、ジャズ者初心者の僕は、この新しいビッグバンドの音に強く惹かれた。

そんなサド&メルを、初めてアルバムとして聴いたのは『Consummation』(写真左)だったかと思う。このアルバム・ジャケットのイラストが実に印象的だった。Leo Meiersdorffがイラストレーターとして起用されている。身体のしなり、強調された指、原色中心のメリハリのある色使い。このジャケットに惹かれて、例の「秘密のジャズ喫茶」で聴かせて貰った。\

サド&メルのビッグバンドの特徴は、まず、ソロパートに対して、時間が充分に確保されているという点である。ジャズ・コンボの様に、ソロパートにしっかりと時間を与えていて、それぞれのソロイストは活き活きと自由にソロを演奏する。その自由さが気に入った。

それから、適度に隙間のある独特なアンサンブルと疾走感溢れるパンチの効いたユニゾン&ハーモニー。適度に隙間がある中で、音の切れ目でホーン楽器がビシッと決めるので「切れ味抜群」に聴こえる。その「抜群の切れ味」が、独特のドラムブレイクと併せて、疾走感、爽快感を与えてくれる。とにかく、決めるところをキッチリ決めてくれるので、実に格好良いのだ。
  
 
 Thadmel_consummation
 
 
7曲目「Fingers」が凄い。高速演奏、ハイテンポなナンバー。サド&メルのビッグバンドは、高速演奏にも拘わらず、崩れることが無い。メンバー個々の演奏テクニックが実にしっかりしている。「抜群の切れ味」で決めるところをキッチリ決めてくれるので、この高速演奏が「耳につく」ことは無い。

加えて、ビートは8ビートの採用にチャレンジし、電気楽器の導入も全く厭わない。逆に、アレンジの妙で、実に上手くビッグバンド演奏として聴かせてくれる。とにかく、サド&メルはアレンジが格好良い。時代は「1970年」。クロスオーバー・ジャズという流行が始まった頃。新しいジャズの流行をサラリと取り入れているところが、実にお洒落である。

その代表的な演奏が、5曲目の「US」。エレピの演奏が実に小粋で格好良い。誰かしらとパーソネルを見れば、なんとローランド・ハナ。純ジャズのビートをしっかり踏襲しつつ、ジャズから決して離れない「ファンク風」エレベは誰だ、と思ってパーソネルを見れば、なんとリチャード・デイビスではないか。クロスオーバー・ビッグバンド・ジャズと言って良い、実に格好良い演奏だ。

1978年に解散してしまうが、未だに人気の「サド&メル」。今の耳で聴いても、ソロパートに対して、時間が充分に確保されているという点、適度に隙間のある独特なアンサンブルと疾走感溢れるパンチの効いたユニゾン&ハーモニーについては、まだまだ「新しさ」を感じる。サド&メル・ジャズオーケストラについては、歴史的なビッグバンドとして、もっと注目されても良いと改めて感じます。

さて、昨晩夜半過ぎから今朝にかけて凄い風、そして早朝からは大雨が加わった、所謂「春の嵐」の我が千葉県北西部地方。今日は日帰りで墓参り。朝5時起床だったので、外は春の嵐真っ只中。

車で出かけたが、強い風でハンドルは取られるわ、大雨で視界が失われるわ、大変なドライブとなった。しかし、朝9時には雨も上がり、昼には良い天気に。帰りは西日が強くて、車の中は暑いくらい。劇的な天候の変化にビックリである。 
 
春嵐(はるのあらし) 新社会人の 背中押し
 
 
 
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