硬派クロスオーバーなベンソン
CTIレーベルは、クロスオーバー&フュージョン・ジャズの代表的レーベルである。クロスオーバー&フュージョン・ジャズについては、聴き手の「聴き心地、聴き易さ」を優先した、イージーリスニング志向のアルバムが多く見られるが、中には、純ジャズ志向の、なかなか硬派でメインストリームな盤もあって、これが意外と楽しめる。
George Benson 『Body Talk』(写真左)。1973年7月17–18日の録音。CTIレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、George Benson (g), Earl Klugh (rhythm-g), Harold Mabern (el-p), Ron Carter (ac-b), Gary King (el-b), Jack DeJohnette (ds), Mobutu (perc, congas), Frank Foster (ts), Gerald Chamberlain Dick Griffin (tb), Jon Faddis, John Gatchell, Waymon Reed (tp, flh), Pee Wee Ellis (arr, cond)。
ブルース・フィーリング、ソウル・フィーリングに溢れる、純ジャズ志向のクロスオーバー・ジャズ盤である。演奏全体の構成は、8ビートがメインのエレクトリックなクロスオーバー・ジャズだが、演奏されるジャズの雰囲気は「純ジャズ」。1960年代後半から、エレクトリック楽器の導入が進んだジャズ界の中で、エレクトリック楽器を活用しながらも、演奏内容は硬派な純ジャズという、なかなかの内容のベンソン盤である。
とにかく、ベンソンが弾きまくる、弾きまくる。バックには、ハードバップ期から、そして、当時の新進気鋭のジャズマン達が大集合して、8ビートがメインのエレクトリックなクロスオーバー・グルーヴなバッキングを展開するが、そんな充実のバックが霞むほどのベンソンのエレギの弾きっぷり。何かに取り憑かれたように、鬼気迫る、それでいて、どこか余裕のある素晴らしい弾き回しに惚れ惚れする。
ソウル・フィーリング溢れる、R&B志向のクロスオーバーな演奏も良い味を出している。ベンソンのソウル・クロスオーバーな演奏は、ファンクネスを過度に出さず、スマートでライトなファンクネスを撒き散らしながら、ブラス・セクションを絡めながら、R&Bなグルーヴ、モータウン名グルーヴを醸し出しながら、やっぱり「弾きまくる」。このブラス・セクションが「キモ」。R&B、そしてモーダウンには、ブラス・セクションが良く似合う。
全5曲中、4曲がベンソンの作(1曲目「Dance」だけ、エリスとの共作)気合いが入っている。ウエス・モンゴメリーの後継者と目されて脚光を浴びたベンソンではあるが、この盤では、ウエス・モンゴメリーの影響下から抜け出て、ウエスの弾きっぷりを下敷きにしつつ、ベンソンならではのギターの個性を確立させているのが、この盤のパフォーマンスを聴いていて、それが良く判る。純ジャズ志向の良質なエレギである。
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