2025年4月13日 (日曜日)

ブラウニーの ”Jams 2” を聴く

1981年からの「発掘調査」で発見された、クリフォード・ブラウン(以下、ブラウニー)の未発表演奏は、2枚のLP盤『More Study In Brown』と『Jams 2』として発売された。今回のブログ記事は『Jams 2』について、である。

Clifford Brown『Jams 2』(写真左)。日本フォノグラムからのリリース。録音日と曲目、パーソネルは以下の通り。

1954年8月11日、 L.Aでの録音。Track1「Coronado」で、ちなみにパーソネルは、Clifford Brow (tp), Walter Benton, Walter Benton (ts), Herb Geller, Joe Maini jr. (as), Kenny Drew (p), Curtis Counce (b), Max Roach (ds)。

1954年8月14日、LAでの録音。Track2「Introduction」、Track3「I'll Remember April」、Track4「Crazy He Calls Me」で、ちなみにパーソネルは、Clifford Brown (tp), Clark Terry, Maynard Ferguson (tp), Harold Land (ts), Herb Geller (as), Junior Mance, Richie Powell (p), George Morrow, Keter Betts (b), Max Roach (ds), Dinah Washington (vo)。

1954年8月11日、 L.Aでの録音は、正式盤としては、Clifford Brown『Best Coast Jazz』。ここからがちょっとややこしいのだが、ブラウニーの急逝後、この『Best Coast Jazz』の未発表音源を収録した出したLPが『Clifford Brown All Stars』。この『Clifford Brown All Stars』の未発表音源集から、さらに漏れた未発表音源が、この盤のTrack1「Coronado」。
 

Clifford-brownjams-2

 
この未発表の発掘音源でも、ブラウニーのトランペットのパフォーマンスは素晴らしいの一言に尽きる。他のジャズマンのパフォーマンスを完全に凌駕する、ブラウニーのトランペットのテクニックと歌心。素晴らしい内容であるに関わらず、18分の長尺演奏なので、他のアルバムに収録できなかったのだろう。

1954年8月14日、LAでの録音は、正式盤としては、Clifford Brown『Jam Session』。この『Jam Session』の未発表の発掘音源が、この盤のTrack2「Introduction」、Track3「I'll Remember April」、Track4「Crazy He Calls Me」。この未発表の発掘音源については、正式盤の採用された音源と比べて、その内容は同等、もしくはそれ以上の内容である。

Track2「Introduction」は、ボブ・シャッドによるイントロダクションで、Track3「I'll Remember April」、Track4「Crazy He Calls Me」は、ダイナ・ワシントンのボーカル入り。特に、Track3「I'll Remember April」は、収録時間11分強の長尺セッションで迫力あるパフォーマンスが展開されていて見事。

ブラウニーの短い活動期間の中、怒涛の「名演の録音月間」である1954年8月。この1981年からの「発掘調査」で発見された未発表音源も、そんな「名演の録音月間」1958年8月の中のセッションの一部。ウエストコースト・ジャズ全盛期の、ブラウニー全盛期の優れたジャム・セッションの記録。この未発表音源集も、ブラウニーのパフォーマンスを愛でる中で、外せない好盤である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました! 

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

  ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
   記事をアップ。
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から14年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4

2025年4月12日 (土曜日)

”More Study In Brown” を聴く

このところ、やっと春らしい気温の日が続くようになった。陽も長くなった。気持ちも開放的になる。気持ちが開放的になると、管楽器がフロントのハードバップが聴きたくなる。それも、バリバリ吹きまくるやつだ。そう想いを回らせていたら、クリフォード・ブラウン(以下「ブラウニー」)が聴きたくなった。

Clifford Brown & Max Roach『More Study In Brown』(写真左)。日本フォノグラムからのリリース。ちなみにパーソネルは、Clifford Brown (tp), Sonny Rollins (ts, tracks: A1 to A4), Harold Land (ts, tracks: B1 to B4), Richie Powell (p), George Morrow (b), Max Roach (ds)。

CDでの1曲目「I'll Remember April」と3曲目「Flossie Lou」が 1956年2月17日の録音。2曲目の「Junior's Arrival」が 1956年1月4日の録音。(以上『Clifford Brown and Max Roach at Basin Street』の未発表音源)。

4曲目「Mildama」と6曲目「These Foolish Things」が 1954年8月6日の録音、5曲目「Jordu」が 1954年8月3日の録音。(以上『Brown and Roach Incorporated』の未発表音源)。

7曲目「Lands End」が 1955年2月23日の録音。8曲目「The Blues Walk」が 1955年2月24日の録音(以上『Study In Brown』の未発表音源』)。

1曲目「I'll Remember April」、2曲目の「Junior's Arrival」、3曲目「Flossie Lou」、4曲目「Mildama」のテナーが、ソニー・ロリンズ。5曲目「Jordu」、6曲目「These Foolish Things」、7曲目「Lands End」、8曲目「The Blues Walk」のテナーがハロルド・ランド。
 

Clifford-brown-max-roachmore-study-in-br

 
1981年からの「発掘調査」で発見されたブラウニーの未発表演奏は、2枚のLP盤『More Study In Brown』と『Jams 2』として発売された。今回のブログ記事は『More Study In Brown』について、である。

この『More Study In Brown』は、ブラウニーの名盤『Study In Brown』(1955年2月23–25日の録音)と『Clifford Brown and Max Roach at Basin Street』(1956年1月4日、2月16ー17日の録音)そして『Brown and Roach Incorporated』(1954年8月2, 3, 5 & 6日の録音)からの未発表音源を集めたもの。

それぞれの名盤の未発表音源だが、その内容は、正式採用された音源と同等、もしくはそれ以上の内容なのが凄い。とにかく、主役のブラウニーのトランペットは申し分ない。正式採用された音源と同等の素晴らしさ。ローチのドラムもブラウニーと同様に素晴らしい。

特に素晴らしいのがテナーの二人。ランドとロリンズだが、この二人のパフォーマンスは、正式採用された音源よりも溌剌として、イマージネーション豊かなアドリブを繰り広げている。正式採用されなかったのが不思議なくらいの素晴らしいテナー。

とりわけ、ロリンズが凄い。今まで、ブラウニーとの共演ではロリンズは萎縮しているかの様な、慎重なテナーを聴かせていたが、この未発表音源では、そんな慎重なロリンズはいない。溌剌と豪快に、ブラウニーを凌駕するが如くのテナーを吹き上げている。

LPの収録時間の関係上、やむなく未発表音源となったのだろうが、どこかブラウニーのトランペットだけを前面に押し出す、ブラウニーのトランペットだけを目立たせるのを第一目的として、正式盤の選曲をしたのでは無いだろうか、と穿った見方を僕はしている。それほど、この未発表音源のランドとロリンズは、ブラウニーのトランペットに肉迫している。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました! 

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

  ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
   記事をアップ。
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から14年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4

2025年4月 3日 (木曜日)

BNらしい ”バードランドの夜”

レココレ誌の執筆陣が選んだ「ベスト100」。ブルーノート創立の1939年以降、ジャズの潮流が変わりつつある1968年までにリリースされたアルバムから、ブルーノートらしい「内容と音と響き」、そんな三拍子揃ったブルーノート盤の「ベスト100」を順に聴き直していく企画。今日はその「第21位」。

Art Blakey『A Night at Birdland vol.1』(写真)。邦題『バードランドの夜』。1954年2月21日、NYのジャズクラブ、バードランドでのライヴ録音。パーソネルは、Clifford Brown (tp), Lou Donaldson (as), Horace Silver (p), Curly Russell (b), Art Blakey (ds)。クリフォード・ブラウンのトランペット、ルー・ドナルドソンのアルト・サックスがフロント2管、シルヴァー=ラッセル=ブレイキーのリズム隊、併せて、クインテット編成。

ここで先に一言。この盤については、どのジャズ盤紹介本でも「ジャズの代表的な演奏トレンドであるハードバップの始まりを記録した盤」としている。いわゆる「ハード・バップ誕生の瞬間」を記録した歴史的名盤と評価されている。が、売り文句としては実にキャッチーな表現だが、この盤が記録したライヴ・パフォーマンスを境目に、ハードバップが一気に展開されていった訳ではない。

録音当時、この盤の様なハードバップな演奏が、NYの様々なライヴ・スポットで、演奏され始めていたのだろう。そんな、ビ・バップからハードバップへの「演奏トレンド」の進化を、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンはいち早く感じ取り、いち早く記録に留めたい、と思ったのだろう。そして、その企みは「大成功」。

まず、この盤、ライヴ盤というところが素晴らしい。スタジオ録音だと、何度か録り直しをして完成度を高めることができるので、どうしても「作り出した」感がつきまとう。しかし、ライヴ盤は違う。演奏の「一発録り」なので、臨場感が半端無く、やり直しができないので、この記録された音がその場で演奏された音そのもの、というリアリティーと説得力がある。
 

Art-blakeya-night-at-birdland-vol1  

 
しかし、このライヴ音源、どう聴いても、パッと集まってパッと演奏する、いわゆるジャム・セッション的な演奏では無い。演奏の完成度がとても高い。スタジオ録音に匹敵する完成度の高さ。

ブルーノートはスタジオ録音の場合、リハーサルを十分積むことを義務付けていて、しかもそのリハーサルにもギャラを払う、という徹底ぶり。そうやって、演奏の完成度の高さを担保しているのだが、この『バードランドの夜』も、ライヴではあるが、事前にリハーサル的なライヴを積み上げた結果である様に思う。

恐らく、バンドとしても、ブルーノートとしても、満を持してのライヴ録音だっただろう。録音隊のルディ・ヴァン・ゲルダーも、相当、気合を入れてのライヴ録音に感じる。ダイナミックレンジも申し分なく、楽器の音の生々しさも申し分無い。バードランドの会場の臨場感、空間の広がりも感じる絶妙な録音。音の響きは「ブルーノート・オリジナル」。

ビ・バップからハードバップへの「演奏トレンド」の進化を、スタジオ録音ではなくライヴ録音とし、臨場感とリアリティーと説得力を獲得(ブルーノートらしい内容)。そして、リハーサルを積んだ後の完成度の高い演奏を捉え(ブルーノートらしい音)、ルディ・ヴァン・ゲルダー本気のブルーノート・オリジナル」な音で記録する(ブルーノートらしい響き)。

このライヴ盤は、ブルーノートらしい「内容と音と響き」が、最高の形で整っている、モダン・ジャズの名盤の一枚である。そういう意味で、レココレ誌のブルーノート盤「ベスト100」の「21位」というのはいかがなものか。僕は、このライヴ盤は「第1位」でも良いと思っているし、せめて、ベスト10には必ず入る名盤と評価している。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました! 

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

  ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
   記事をアップ。
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から14年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4

2024年10月 6日 (日曜日)

ブラウニーのジャム・セッション

ブラウン~ローチ・クインテットの始動後、『Clifford Brown & Max Roach』と『Brown and Roach Incorporated』の直後、同一日、同一メンバーでのジャム・セッションの『Clifford Brown All Stars』と『Best Coast Jazz』は、ブラウニー(クリフォード・ブラウンの愛称)にとって、1954年8月のロスでの、怒涛の「名演の録音月間」の成果であった。

Clifford Brown『Jam Session』(写真)。1954年8月14日、ロスでのライヴ録音。1954年のリリース。ちなみにパーソネルは、Clifford Brown, Maynard Ferguson, Clark Terry (tp), Herb Geller (as, tracks 1, 3 & 4), Harold Land (ts), Junior Mance (p, tracks 1, 3 & 4), Richie Powell (p, track 2), Keter Betts, George Morrow (b), Max Roach (ds), Dinah Washington (vo, track 2) 。

ブラウニーの短い活動期間の中、この怒涛の「名演の録音月間」である1954年8月。『Best Coast Jazz』は、名演の録音月間」でのライヴ録音である。演奏形式は、トランペット3管、アルト・サックス1管、テナー・サックス1管、そして、ピアノ・トリオのリズム隊。ゲストに1曲だけ、女性ボーカルが入る「ジャム・セッション」形式。

ブラウニーはジャム・セッションに強い。相当なテクニックと音の大きさで相手を圧倒しようとするのでは無く、相手の音をしっかり聴きつつ、相手の音に呼応し、相手の優れたパフォーマンスを引き出す様な、リードする様なパフォーマンスを繰り広げる。
 

Clifford-brownjam-session

 
よって、ブラウニーとジャム・セッションに勤しむフロント管は、皆、活き活きと優れたパフォーマンスを披露する。そんなブラウニーのジャム・セッションの「流儀」が脈々と感じ取れる、内容の濃いジャム・セッションの記録である。ちなみに、このライヴ盤の音源は、Dinah Washington『Dinah Jams』と、同一日、同一メンバーでのライヴ・セッション。

この盤では、ブラウニーのトランペットが絶好調なのはもちろん、トランペットのファーガソン、クラーク、そして、アルト・サックスのゲラー、テナー・サックスのランド、皆、ブラウニーの素晴らしいパフォーマンスに引きずられて、素晴らしいパフォーマンスを繰り広げている。

そして、このジャム・セッションは、米国ウエストコースと・ジャズのメンバーがメインでのジャム・セッションで、東海岸と比べると、どこかアレンジが整っていて、アドリブ展開のブロウ爽快感抜群なのが特徴。そんなどこか爽快なジャム・セッションの中で、ブラウニーは自由闊達にトランペットを吹きまくる。

ダイナ・ワシントンがボーカルを取る2曲目のスローバラード「Darn That Dream」も絶品。このライヴ盤は、ウエストコースト・ジャズ全盛期の、優れたジャム・セッションの記録。しかし、よくライヴ録音をし、よくアルバム・リリースしましたね。エマーシー・レコードのお手柄です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

    ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2024年10月 5日 (土曜日)

好盤 ”Clifford Brown All Stars”

関東地方はやっと涼しくなってきた。最高気温23〜25度の日もあれば、30度に届く日もあるが、連日35度前後という酷暑の毎日からすると、グッと涼しくなった。これだけ、涼しくなってきたら、連日、耳を傾けるジャズも、耳当りの良い爽やかなもの一辺倒から、熱気溢れるハードバップものに変わってくる。

『Clifford Brown All Stars』(写真)。1954年8月11日、ロスでの録音。ちなみにパーソネルは、Clifford Brown (tp), Herb Geller, Joe Maini (as), Walter Benton (ts), Kenny Drew (p), Curtis Counce (b), Max Roach (ds)。1954年の録音だが、ブラウニー(クリフォード・ブラウンの愛称)の急死後、1956年にEmArcyレーベルからリリースされた未発表音源。

ブラウン~ローチ・クインテットの始動後、『Clifford Brown & Max Roach』『Brown and Roach Incorporated』の直後、『Best Coast Jazz』と同一日、同一メンバーでのジャム・セッション。この後の『Best Coast Jazz』のライヴ録音を含め、1954年8月のロスでの、怒涛の「名演の録音月間」である。
 

Clifford-brown-all-stars

 
当然、ブラウニーのトランペットのパフォーマンスは素晴らしいの一言に尽きる。何かに取り憑かれたかの様に、高速フレーズをいとも容易く吹きまくるブラウニーは迫力満点。これだけ高速なフレーズを連発しつつも、余裕ある雰囲気が伝わってくる。どれだけテクニックに優れ、どれだけ強力な肺活量なんだろう。とにかく「凄い」の一言に尽きる。疾走する「Caravan」、歌心溢れる「Autumn in New York」。この2曲だけでも、聴いていて惚れ惚れする。

米国ウエストコースト・ジャズにおける一流どころが集っているので、フロントを分担するアルト&テナー・サックスのパフォーマンスも、最高とは言えないまでも、そこそこ充実したブロウを披露している。厳しい評価をする向きもあるが、ブラウニーのパフォーマンスと比較すること自体、ちょっと乱暴な気がする。アルト&テナー、意外と健闘しています。

リズム・セクションは「充実&安定」の一言。ブラウニーのかっ飛ぶトランペットをしっかり支え、しっかりとリズム&ビートを供給していて立派。当時の米国ウエストコースト・ジャズにおけるハードバップなジャム・セッションの記録として、しっかりとした内容の好盤だと思います。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

    ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2022年3月16日 (水曜日)

Brown and Roach 5 の最終盤 『at Basin Street』

最近、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown・愛称 : ブラウニー)関連のアルバムを聴き直している。当ブログでも、ブラウニー関連のアルバムのレビューについては、主要なリーダー作については、ほぼアップした、と思っていたら、幾つか「抜け」があったので、今回はそれを補填していきたい。

『Clifford Brown and Max Roach at Basin Street』(写真左)。1956年1月4日、2月16ー17日の録音。ちなみにパーソネルは、Clifford Brown (tp), Sonny Rollins (ts), Richie Powell (p, celesta), George Morrow (b), Max Roach (ds)。テナー・サックスが、旗揚げ盤の『Clifford Brown & Max Roach』から『Study in Brown』まで、ハロルド・ランドだったのだが、当盤ではソニー・ロリンズに交代している。

1956年6月26日に、ブラウニーは交通事故にて急死しているので、この盤は「Brown and Roach クインテット」での最終作となってしまっている。1956年3月22日には、同一メンバーで、ソニー・ロリンズ名義の『Sonny Rollins Plus 4』を録音しており、「Brown and Roach クインテット」へのロリンズの加入は正式に決まっていたのだろう。
 

At-basin-street

 
さすがに、ソニー・ロリンズの加入の効果は大きい。もともと、Brown and Roach クインテットは「バップで流麗な長尺演奏と熱気溢れるインタープレイ」がグループ・サウンドの個性なのだが、この個性がロリンズの加入で、より一層、確固たるものに、かつ、スリリングなものになっている。

ロリンズとしても、アレンジや奏法に工夫を凝らしたハードバップよりも、個々のジャズマンのパフォーマンスがメインのインタープレイが基本のバンド・サウンドの方が、自分の個性を発揮し易い。ブラウニーにしても、ロリンズにしても、ローチにしても、個々のジャズマンのパフォーマンスを尊重したインタープレイは願ったり叶ったりだったろうから、この『at Basin Street』の内容はとても充実している。

これほど、ブラウニーとロリンズがフロント・パートナーとしての相性が良いとは思わなかったので、ブラウニーの急死によって、この編成でのバンド活動が終了してしまったのは実に惜しいことであった。もともと、ブルーノート盤『バードランドの夜』で始まった「バップで流麗な長尺演奏と熱気溢れるインタープレイ」を、より具体化し、より洗練していった成果がこの盤に溢れている。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2022.03.13 更新。

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2022.03.13 更新。

  ・遠い昔、懐かしの『地底探検』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2022.03.13 更新。

  ・四人囃子の『Golden Picnics』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2021年8月23日 (月曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・5 『Helen Merrill With Clifford Brown』

僕なりの超名盤研究の5回目。40年以上、ジャズ盤を聴き続けてきて、今でも新盤は極力押さえて聴き続けている場合、こういう超名盤の類については、時間の関係上、なかなか聴き直すチャンスが無い。

この20年辺りはテーマを決めて、そのテーマに合致したジャズ盤を聴き直したり、リイシューされた初聴の盤や月毎にリリースされる新盤を聴いたりしている。超名盤を聴き直すまとまった時間がなかなか取れないのだ。よって、今回の「僕なりのジャズ超名盤研究」のシリーズって、超名盤を聴き直す「またとない機会」で、これはこれで実に楽しい時間を過ごさせて貰っている。

『Helen Merrill』(写真左)。別名『Helen Merrill With Clifford Brown』。1954年12月の録音。ヘレン・メリルの初リーダー盤。ちなみにパーソネルは、Helen Merrill (vo), Clifford Brown (tp), Danny Bank (b-cl, fl, bs), Jimmy Jones (p), Barry Galbraith (g), Milt Hinton, Oscar Pettiford (b), Osie Johnson, Bobby Donaldson (ds), Quincy Jones (arr, con)。

「ニューヨークの溜息」と謳われたヘレン・メリルの代表的名盤である。そして、早逝の天才トランペッター、クリフォード・ブラウンとの優れた共演でも有名。アレンジャーに、若手の優秀なアレンジャーとして活躍していたクインシー・ジョーンズを採用。

ヘレン・メリルは1930年生まれなので、この盤の録音時は24歳。クリフォード・ブラウンの起用も、クインシー・ジョーンズの起用も、ヘレンの意志だったというから凄い。
 

Helen_merrill

 
1950年代前半のジャズ・ヴォーカル盤としては、確かにアレンジが優れていて、とってもモダンなイメージがする。今の耳で聴いてもあまり古さを感じさせないアレンジは、さすが「Q(クインシー)」である。

この優れたモダンなアレンジに乗って、ヘレン・メリルの歌伴を担当するクリフォード・ブラウン(ブラウニー)のトランペットが凄い。ヘレンは肉声で唄い、クリフォードはトランペットで唄う。つとに有名なのは2曲目の「You'd Be So Nice to Come Home To(邦題:帰ってくれたら嬉しいわ)」のブラウニーだが、実は全曲全編に渡って、ブラウニーのトランペットが炸裂しまくっているから、これまた凄い。

しかも、今回、よく聴いてみると、ヘレン・メリルのヴォーカルを引き立て、ヘレン・メリルのヴォーカルに寄り添うべく、トランペットの音色を調節している。前奏・間奏時には、張りのある疾走感溢れるブリリアントな音色。ヘレン・メリルのヴォーカルに寄り添い、ユニゾン&ハーモニーを奏でる時は、柔らかで包み込む様なウォームな音色。ブラウニーのトランペットのテクニック、恐るべしである。

ヘレン・メリルのヴォーカルの素晴らしさは言うまでも無い。ニューヨークの溜息、ヘレンのボーカル全開。聴いていて爽やかで、聴いていてクール。判り易くて、聴き易いボーカル。「ニューヨークの溜息、日本の恋人」と形容されるのが、とても良く理解出来るヘレンのボーカルである。

凄く久し振りにこの超名盤を聴いたのだが、やっぱり「良いものは良い」。ヘレンの歌唱とクリフォードのトランペットとの「奇跡の邂逅」の記録である。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2021年8月21日 (土曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・4 『A Night at Birdland』

「僕なりの超名盤研究」の第4回目。この盤については、どのジャズ盤紹介本でも「ジャズの代表的な演奏トレンドであるハードバップの始まりを記録した盤」としている。いわゆる「ハード・バップ誕生の瞬間」を記録した歴史的名盤と評価されている。が、売り文句としては実にキャッチャーな表現だが、この盤が記録したライヴ・パフォーマンスを境目に、ハードバップが一気に展開されていった訳ではない。

Art Blakey『A Night at Birdland Vol.1&2』。1954年2月21日、NYのライブスポット、バードランドでのライヴ録音。邦題『バードランドの夜』。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Clifford Brown (tp), Lou Donaldson (as), Horace Silver (p), Curley Russell (b)。アナウンスは「Pee Wee Marquette」。バードランドの夜は、このピー・ウィー・マーケットの熱気溢れる紹介アナウンスから幕を開ける。臨場感抜群である。

さて、この『バードランドの夜』、この演奏がハードバップの萌芽とされる訳だが、聴いてみてどこがそうなんだか、特に、ジャズを聴き始めた頃、このライヴ盤を聴いても「さっぱり判らん」が正直なところ。

ところで「ハードバップ」とは何か、であるが、Wikipediaを紐解き、要約すると「アメリカ東海岸で、1950年代に始まり1960年代まで続いた演奏スタイル。一般的なジャズサウンドのイメージはこのスタイルと言える。アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現することができ、大衆性と芸術性の共存を可能とした演奏スタイル」とのこと。

これでもまだ「良く判らん」なので、他の演奏スタイルと比較してみる必要がある。ハードバップに至るまでのジャズの演奏形式の変化である。これをやらないと、この『バードランドの夜』を聴いても、何が「ハード・バップ誕生の瞬間」を記録した歴史的名盤なのか、さっぱり判らないままである。
 

A-night-at-birdland

 
ハードバップの前の流行の演奏スタイルは「ビ・バップ」。最初に決まったテーマ部分を演奏した後、コード進行に沿いつつ、自由な即興演奏を順番に行う形式。演奏テクニックとアドリブ・フレーズの優秀性に重きが置かれ、スインギーな側面やメロディーを楽しむ側面はそぎ落とされ、アクロバティックな即興演奏だけが着目される演奏形式となった。音楽としての「聴き手」の嗜好を無視した内容に陥り易く、ジャズの大衆性が阻害され易い演奏形式ともいえる。

で、比較である。まず、ビ・バップの演奏の雰囲気は、Dizzy Gillespie『Groovin' High』(2015年7月28日のブログ参照)などで感じることが出来る。次に、ビ・バップからハードバップの過渡期の雰囲気は、Charlie Parker『The Genius Of Charlie Parker, #3 - Now's The Time』(2021年4月8日のブログ参照)、そして、ハードバップ初期の雰囲気はこの『A Night at Birdland Vol.1&2』で感じることが出来る。

特に面白いのは、ビバップからハードバップの過渡期の雰囲気を記録してパーカー盤。ビバップの祖の一人、パーカーがメインとなっているリーダー作だが、内容的には、ハードバップの特色である「アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現する」部分の兆しがこの過渡期の盤に記録されている。確かにこのパーカー盤はビ・バップでは無い。

そして、今回の『バードランドの夜』。確かに、この盤の演奏は明らかに「アレンジなどにも工夫を凝らし、メロディアスで聴きやすいと同時に、演奏者の個性や情熱を表現する」部分が貫かれている。曲のコードをより細かく分けたり、テンポの速くして演奏をより複雑にしたり、演奏のニュアンス、バリエーション豊かにして、演奏の表現力を豊かにした、いわゆる「聴かせること」そして「アーティスティックなこと」を前面に押し出した演奏は聴き応え十分。

このライヴ盤には、ハードバップの要素がぎっしり詰め込まれている。しかも、このアルバムはスタジオ盤では無い、一発録りのライブ録音。つまり、1954年には、皆が皆では無いにしろ、このハードバップ的な演奏がライヴで、一発録りな雰囲気で行われていたのである。当時のジャズの演奏レベルの高さというものを改めて感じる。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2019年12月22日 (日曜日)

西海岸ジャズのブラウニー 『Best Coast Jazz』

思い出した様に、最近、クリフォード・ブラウン(愛称「ブラウニー」)を聴き直している。今まで、散々聴き直したヘビロテ盤も聴き直しているが、今まで、数回しか聴いていなかった盤をメインに聴き直している。これが面白くて、以前、若い頃聴いた時の印象と全く違った印象が多々あって、以前と違って好意的な印象が多い。年齢を重ねると共に、若い頃、聴き取れなかった「何か」が聴きとれるようになったからだろうか。

Clifford Brown『Best Coast Jazz』(写真左)。1954年8月11日の録音。ブラウニーが事故によって急逝する約2年前の録音。ちなみにパーソネルは、Clifford Brown (tp), Herb Geller, Joe Maini (as), Walter Benton (ts), Kenny Drew (p), Curtis Counce (b), Max Roach (ds)。録音場所は「Capitol Studios, Los Angeles, California」とある。ブラウニーが西海岸ジャズのメンバーと録音した盤である。

ジャケット写真から感じる様に、スタジオでのジャム・セッションを一発録りで収録したもの。収録された曲も長尺の2曲のみ(LP時代のA面に1曲、B面に1曲の割り当て)。ジャム・セッションと言えば、印象的に「東海岸ジャズ」って感じがするので、若い頃、この盤に初めて出会った時、西海岸ジャズがメインのジャム;セッションか〜、なんて、あんまり気乗りがしない、ほとんど期待感無しに聴いた思い出がある。
 

Best-coast-jazz-1

 
まず、やっぱりブラウニーのトランペットは素晴らしい。ジャム・セッションの数々のパフォーマンスの中でも突出している。暫く聴いていると「ブラウニーやな」と明確に判る、ブリリアントで躍動感溢れ、流麗かつ繊細なトランペットは明らかにブラウニーだ。ウィントンにもマイルスにも出来ない、唯一無二な「トランペットがトランペットらしく鳴る」ブラウニーのプレイに思わず耳を奪われる。

ブラウニー以外の西海岸ジャズのメンバーも健闘しています。ドラムのマックス・ローチは別格として、当時、既に人気だったケニー・ドリューのピアノ、吹き込み直前まで日本に駐屯していたウォルター・ベントンのテナー、西海岸の黒人ベーシストのカーティス・カウンスなど、西海岸ジャズの名うてのジャズマン達が気持ち良く、アドリブ・フレーズを紡いでいます。そんなに悪くないですよ、ホント。

ジャケットは白黒写真で「やっつけっぽい」感じで、なんか胡散臭いんですが、内容はなかなかのもの。ジャム・セッションはジャズの醍醐味の1つですが、それぞれの楽器の即興演奏を気軽に楽しめる好盤です。特に、ブラウニーの「ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド」で繰り広げる超ロング・ソロが圧巻。やはり、このジャム・セッションの主役は圧倒的にブラウニー。
 
 
 
東日本大震災から8年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

2019年12月19日 (木曜日)

プレスティッジのメモリアル盤 『Clifford Brown Memorial』

暫く、クリフォード・ブラウンを聴いていないことに気がついた。クリフォード・ブラウン、愛称「ブラウニー」。ブラウニーのリーダー作は若い頃にかなり聴き込んだ。その反動だとは思うのだが、ここ10年ほど、ブラウニーのトランペットをほとんど聴いていない。しかし、ブラウニーのトランペットはジャズ・トランペットの基準である。やはり、たまにはここに戻らないとなあ、ということで盤を漁る。

Clifford Brown『Clifford Brown Memorial』(写真左)。Prestigeからのリリース。PRLP 7055。1953年6月11日にてNYでの録音、同年9月15日にてStockholmでの録音。ちなみにパーソネルは、NYでの録音は、Clifford Brown (tp), Benny Golson (ts), Idrees Sulieman (tp), Gigi Gryce (as), Herb Mullins (tb), Oscar Estell (bs), Tadd Dameron (p), Percy Heath (b), Philly Joe Jones (ds)。Stockholmでの録音は、Clifford Brown (tp), Art Farmer (tp), Arne Domnerus (as), Lars Gullin (bs), Åke Persson (tb), Bengt Hallberg (p), Gunnar Johnson (b), Jack Noren (ds)。

ブラウニーは自動車事故で1956年6月26日に急逝している。ブラウニー急逝の当時、ブラウニー追悼盤、いわゆる「メモリアル・アルバム」が急造された。ブラウニーは人気トランペッターであったが故、様々なレーベルから、ブラウニーの「メモリアル・アルバム」がリリースされている。この盤もその例に漏れず、で、プレスティッジ・レーベルが何とかブラウニーの追悼盤をだしたいなあ、と思っていて、この音源を発掘したんだと思っている。
 

Clifford-brown-memorial-prestige

 
追悼盤というには、あまりに唐突な録音年月日と録音場所である。ただし、聴いてみれば判るんだが、演奏されているハードバップについて、アレンジが良いのだ。いわゆる「聴かれること」を意識している録音で、調べてみたら、それもそのはず、Stockholmでの録音は「Quincy Jones」の監修、NYでの録音は「Ira Gitler」の監修。なるほど、やっつけ感皆無の、しっかり準備され仕込まれた録音という雰囲気が良い。

ブラウニーのトランペットはほぼ申し分無い。Stockholmでの録音はアート・ファーマーと組んだ地元のミュージシャンとの録音とNYでの録音はタッド・ダメロン・オーケストラ在籍時での録音なのだが、ブラウニーは録音を楽しむ様に、音数もいつもとは控えめに吹いている。が、それが良いのだ。バリバリに吹きまくらずに、音数を選んで旋律に忠実に余裕を持って吹く。ブラウニーのトランペットが説得力を持って耳に入ってくる。

この盤の良さは、ブラウニーのトランペットの良さを、判り易く温和な演奏の中で楽しめるところ。メモリアル・アルバムというには、どこか説得力に欠ける演奏内容ではあるが、ブラウニーのトランペットを愛でるには実に良い感じな盤なのだ。久し振りに聴いたのだが、気軽にブラウニーを楽しめる盤として、これから聴き続けるだろうなあ、と嬉しい予感のする盤である。
 
 
 
東日本大震災から8年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

その他のカテゴリー

_Blue Noteの100枚 _ECMのアルバム45選 _この盤のドラムを聴け! _この盤のピアノを聴け! _こんなアルバムあったんや _ながら聴きのジャズも良い _クリスマスにピッタリの盤 _コンテンポラリーな純ジャズ _ジャケ買い「海外女性編」 _ジャズ・ギターの名演 洋楽編 _ジャズ喫茶で流したい _トランペットの隠れ名盤 _ビッグバンド・ジャズは楽し _ビートルズのカヴァー集 _ピアノ・トリオの代表的名盤 _フェンダー・ローズを愛でる _フュージョン・ジャズの優秀盤 _僕なりの超名盤研究 _和ジャズの優れもの _和フュージョンの優秀盤 _夜の静寂にクールなジャズ _音楽喫茶『松和』の昼下がり A&Mレーベル AOR Argo & Cadetレーベル Atlanticレーベル Bethlehemレーベル Blue Note 4000番台 Blue Note 4100番台 Blue Note 4200番台 Blue Note 85100 シリーズ Blue Note LTシリーズ Blue Noteレーベル Candidレーベル CTIレーベル DD・ブリッジウォーター ECMレーベル Electric Birdレーベル Enjaレーベル Jazz Miles Reimaginedな好盤 Pabloレーベル Pops Prestigeレーベル R&B Riversideレーベル Savoyレーベル Smoke Sessions Records SteepleChaseレーベル T-スクエア The Great Jazz Trio TRIX Venusレコード Yellow Magic Orchestra 「松和・別館」の更新 アイク・ケベック アキコ・グレース アジムス アストラッド・ジルベルト アダムス=ピューレン4 アブドゥーラ・イブラヒム アラン・ホールズワース アル・ディ・メオラ アントニオ・サンチェス アンドリュー・ヒル アンドレ・プレヴィン アート・アンサンブル・オブ・シカゴ アート・ファーマー アート・ブレイキー アート・ペッパー アーネット・コブ アーマッド・ジャマル アール・クルー アール・ハインズ アーロン・ゴールドバーグ アーロン・パークス イエロージャケッツ イスラエル・ジャズ イタリアン・ジャズ イリアーヌ・イリアス イリノイ・ジャケー インパルス!レコード ウィントン・ケリー ウィントン・マルサリス ウェイン・ショーター ウェザー・リポート ウェス・モンゴメリー ウエストコースト・ジャズ ウォルフガング・ムースピール ウディ・ショウ ウラ名盤 エグベルト・ジスモンチ エスビョルン・スヴェンソン エスペランサ・スポルディング エディ・ハリス エメット・コーエン エリック・アレキサンダー エリック・クラプトン エリック・ドルフィー エルヴィン・ジョーンズ エンリコ・ピエラヌンツィ エンリコ・ラヴァ オスカー・ピーターソン オズ・ノイ オーネット・コールマン カウント・ベイシー カシオペア カーティス・フラー カート・ローゼンウィンケル カーラ・ブレイ キャノンボール・アダレイ キャンディ・ダルファー キング・クリムゾン キース・ジャレット ギラッド・ヘクセルマン ギル・エバンス クインシー・ジョーンズ クイーン クリスチャン・マクブライド クリス・ポッター クリフォード・ブラウン クルセイダーズ クレア・フィッシャー クロスオーバー・ジャズ グラント・グリーン グレイトフル・デッド グローバー・ワシントンJr ケイコ・リー ケニーG ケニー・ギャレット ケニー・ドリュー ケニー・ドーハム ケニー・バレル ケニー・バロン ゲイリー・バートン ゴンサロ・ルバルカバ ゴーゴー・ペンギン サイケデリック・ジャズ サイラス・チェスナット サザンロック サド・ジョーンズ サム・ヤヘル サム・リヴァース サンタナ サン・ラ・アーケストラ ザ・バンド シェリー・マン シダー・ウォルトン シャイ・マエストロ シャカタク ジェイ & カイ ジェイ・ジェイ・ジョンソン ジェフ・テイン・ワッツ ジェフ・ベック ジェラルド・クレイトン ジェリー・マリガン ジミ・ヘンドリックス ジミー・スミス ジミー・ヒース ジム・ホール ジャキー・マクリーン ジャコ・パストリアス ジャズ ジャズの合間の耳休め ジャズロック ジャズ・アルトサックス ジャズ・オルガン ジャズ・ギター ジャズ・テナーサックス ジャズ・トランペット ジャズ・トロンボーン ジャズ・ドラム ジャズ・バリトン・サックス ジャズ・ピアノ ジャズ・ファンク ジャズ・フルート ジャズ・ベース ジャズ・ボーカル ジャズ・レジェンド ジャズ・ヴァイオリン ジャズ・ヴァイブ ジャック・デジョネット ジャン=リュック・ポンティ ジュニア・マンス ジュリアン・ラージ ジョエル・ロス ジョシュア・レッドマン ジョナサン・ブレイク ジョニ・ミッチェル ジョニー・グリフィン ジョン・アバークロンビー ジョン・コルトレーン ジョン・コルトレーン on Atlantic ジョン・コルトレーン on Prestige ジョン・スコフィールド ジョン・テイラー ジョン・マクラフリン ジョン・ルイス ジョン・レノン ジョーイ・デフランセスコ ジョージ・ケイブルス ジョージ・デューク ジョージ・ハリソン ジョージ・ベンソン ジョー・サンプル ジョー・パス ジョー・ヘンダーソン ジョー・ロヴァーノ ジーン・アモンズ スタッフ スタンリー・タレンタイン スタン・ゲッツ スティング スティング+ポリス スティービー・ワンダー スティーヴ・カーン スティーヴ・ガッド スティーヴ・キューン ステイシー・ケント ステップス・アヘッド スナーキー・パピー スパイロ・ジャイラ スピリチュアル・ジャズ スムース・ジャズ スリー・サウンズ ズート・シムス セシル・テイラー セロニアス・モンク ソウル・ジャズ ソウル・ミュージック ソニー・クラーク ソニー・スティット ソニー・ロリンズ ソロ・ピアノ タル・ファーロウ タンジェリン・ドリーム ダスコ・ゴイコヴィッチ チェット・ベイカー チック・コリア チック・コリア(再) チャーリー・パーカー チャーリー・ヘイデン チャールズ・ミンガス チャールズ・ロイド チューリップ テッド・カーソン テテ・モントリュー ディジー・ガレスピー デイブ・ブルーベック デイヴィッド・サンボーン デイヴィッド・ベノワ デオダート デクスター・ゴードン デニー・ザイトリン デュオ盤 デューク・エリントン デューク・ジョーダン デューク・ピアソン デヴィッド・ボウイ デヴィッド・マシューズ デヴィッド・マレイ トニー・ウィリアムス トミー・フラナガン トリオ・レコード ドゥービー・ブラザース ドナルド・バード ドン・チェリー ナット・アダレイ ニルス・ラン・ドーキー ネイティブ・サン ネオ・ハードバップ ハロルド・メイバーン ハワード・マギー ハンク・ジョーンズ ハンク・モブレー ハンプトン・ホーズ ハービー・ハンコック ハービー・マン ハーブ・アルパート ハーブ・エリス バディ・リッチ バド・シャンク バド・パウエル バリー・ハリス バーニー・ケッセル バーバラ・ディナーリン パット・マルティーノ パット・メセニー ヒューバート・ロウズ ビッグ・ジョン・パットン ビリー・コブハム ビリー・チャイルズ ビリー・テイラー ビル・エヴァンス ビル・チャーラップ ビル・フリゼール ビル・ブルーフォード ビートルズ ファラオ・サンダース ファンキー・ジャズ フィニアス・ニューボーンJr フィル・アップチャーチ フィル・ウッズ フォープレイ フランク・ウエス フランク・シナトラ フリー フリー・ジャズ フレディ・ローチ フレディー・ハバード ブッカー・アーヴィン ブッカー・リトル ブライアン・ブレイド ブラッド・メルドー ブランフォード・マルサリス ブルース・スプリングスティーン ブルー・ミッチェル ブレッカー・ブラザーズ プログレッシブ・ロックの名盤 ヘレン・メリル ベイビー・フェイス・ウィレット ベニー・グリーン (p) ベニー・グリーン (tb) ベニー・ゴルソン ペッパー・アダムス ホレス・シルバー ホレス・パーラン ボサノバ・ジャズ ボビー・ティモンズ ボビー・ハッチャーソン ボビー・ハンフリー ボブ・ジェームス ボブ・ブルックマイヤー ポップス ポール・サイモン ポール・デスモンド ポール・ブレイ ポール・マッカートニー マイク’・スターン マイケル・ブレッカー マイルス( ボックス盤) マイルス(その他) マイルス(アコ)改訂版 マイルス(アコ)旧版 マイルス(エレ)改訂版 マイルス(エレ)旧版 マックス・ローチ マッコイ・タイナー マハヴィシュヌ・オーケストラ マルグリュー・ミラー マル・ウォルドロン マンハッタン・ジャズ・5 マンハッタン・ジャズ・オケ マンハッタン・トランスファー マーカス・ミラー ミシェル・ペトルチアーニ ミルト・ジャクソン モダン・ジャズ・カルテット モンティ・アレキサンダー モード・ジャズ ヤン・ガルバレク ヤン・ハマー ユセフ・ラティーフ ユッコ・ミラー ラテン・ジャズ ラムゼイ・ルイス ラリー・カールトン ラリー・コリエル ラリー・ヤング ラルフ・タウナー ランディ・ブレッカー ラーズ・ヤンソン リッチー・バイラーク リトル・フィート リンダ・ロンシュタット リー・コニッツ リー・モーガン リー・リトナー ルー・ドナルドソン レア・グルーヴ レイ・ブライアント レイ・ブラウン レジェンドなロック盤 レス・マッキャン レッド・ガーランド レッド・ツェッペリン ロイ・ハーグローヴ ロック ロッド・スチュワート ロニー・リストン・スミス ロバート・グラスパー ロベン・フォード ロン・カーター ローランド・カーク ローランド・ハナ ワン・フォー・オール ヴィジェイ・アイヤー ヴィンセント・ハーリング 上原ひろみ 北欧ジャズ 古澤良治郎 吉田拓郎 向井滋春 四人囃子 国府弘子 増尾好秋 大村憲司 大江千里 天文 天文関連のジャズ盤ジャケ 太田裕美 寺井尚子 小粋なジャズ 尾崎亜美 山下洋輔 山下達郎 山中千尋 敏子=タバキンBB 旅行・地域 日本のロック 日本男子もここまで弾く 日記・コラム・つぶやき 日野皓正 書籍・雑誌 本多俊之 松岡直也 桑原あい 欧州ジャズ 歌謡ロック 深町純 渡辺貞夫 渡辺香津美 米国ルーツ・ロック 英国ジャズ 荒井由実・松任谷由実 西海岸ロックの優れもの 趣味 阿川泰子 青春のかけら達・アーカイブ 音楽 高中正義 70年代のロック 70年代のJポップ

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー