2026年4月22日 (水曜日)

エリントン楽団の小作品集です

リラックスして聴けるビッグバンドの演奏の数々。ピアノをストレイホーンに全面的に任せている曲や、珍しい楽器(バスクラリネットやバイオリンなど)がソロをとる場面が多くあって、普段のエリントン楽団のビッグバンド・サウンドとは一味違う、「室内楽のような親密さ」を感じられるのが最大の特徴。

Duke Ellington『Blues in Orbit』(写真左)。1958年2月4, 12日、1959年2月25日、12月2, 3日の録音。ちなみにパーソネルは、Duke Ellington (p), Billy Strayhorn (p), Ray Nance (tp, vln), Britt Woodman (tb), Jimmy Hamilton (cl, ts), Johnny Hodges (as), Russell Procope (as, cl), Paul Gonsalves (ts), Harry Carney (bs), Jimmy Woode (b), Jimmy Johnson, Sam Woodyard (ds) をはじめとする、デューク・エリントン楽団。

当時のエリントン楽団の充実ぶりを伝える重要作として高く評価すべきアルバムである。豪華なブルース・ナンバーがやっぱり良い。「Three J's Blues」は、3人の「J」から始まる奏者、ジミー・ハミルトン(クラリネット)、ジョン・サンダース(トロンボーン)、ジョニー・ホッジス(アルトサックス)のソロをフィーチャーした12小節ブルース。「C Jam Blues」は、エリントンの代表的なスタンダード曲。
 

Duke-ellingtonblues-in-orbit

 
このアルバムのタイトル曲は「Blues in Orbit」。非常にスローで重厚なブルース。夜の静寂を感じさせるような、深く落ち着いた演奏が、当時の「深夜のセッション」という録音環境を象徴している。アルバムの最後を飾る「Villes Ville Is the Place, Man」は、アップテンポでエネルギッシュな曲。ホッジスの伸びやかなサックスと、楽団全体のダイナミックなアンサンブルが最高に恰好良い。

エリントンの右腕、ビリー・ストレイホーンが作曲・編曲を手がけ、自らピアノも弾く、洗練されモダンな響きを持つ「Smada」。「Blues in Blueprint」は、低音のバスクラリネットが印象的な、不気味でミステリアスな雰囲気を持つブルース。エリントンとストレイホーンによる実験的な響きがユニーク。

ブルースを中心とした小作品集。当時、エリントンが取り組んでいた組曲形式の大作とは対照的な内容。プロデューサーのテオ・マセロによると、セッションは深夜0時に始まり、午前2時にはステーキの出前で休憩を挟むといった、非常にリラックスした環境で録音されたとのこと。「ルーズなジャム(即興)」志向の、当時のエリントン楽団としては珍しいスタジオ録音盤。バーチャル音楽喫茶「松和」のエリントンの愛聴盤の一枚である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年3月23日 (月曜日)

デューク&ホッジスの不思議盤

Duke Ellington & Johnny Hodges『Side By Side』(写真左)。このアルバムは、ジャズ界の巨匠デューク・エリントンと、彼の楽団のスター・アルト・サックス奏者であるジョニー・ホッジスによる1959年発表の好盤。

パーソネルは、と言うと、この盤、ちょっと複雑な事情を抱えている。全9曲中、3曲だけが、デューク・エリントンがピアノを担当、残りは、ビリー・ストレイホーンがピアノを担当している。

ちなみに、1959年2月26日の録音分、1曲目「Stompy Jones」、2曲目「Squeeze Me」、4曲目「Going Up」のパーソネルは、Duke Ellington (p), Johnny Hodges (as), Harry "Sweets" Edison (tp), Les Spann (fl, g), Al Hall (b), Jo Jones (ds)。

その他の曲、1958年8月14日の録音分、3曲目「Big Shoe」、5曲目以降「Just a Memory」「Let's Fall in Love」「Ruint」「Bend One」「You Need to Rock」のパーソネルは、Johnny Hodges (as), Roy Eldridge (tp), Lawrence Brown (tb), Ben Webster (ts), Billy Strayhorn (p), Wendell Marshall (b), Jo Jones (ds)。

確かに、冒頭の「Stompy Jones」の出だしのピアノを聴けば、あ、これはデューク・エリントンかも、と思う。硬質でパーカッシヴなタッチ、バラードでの流麗でリリカルな弾き回し。独特なマイナーでブルージーな響き、そして、心地よく響き左手の低音。続く「Squeeze Me」も、あ、これは、エリントンだか、と思う。そこはかとなく、自己主張するエリントン。さすが、バンド・リーダーの面目躍如ではある。
 

Duke-ellington-johnny-hodgesside-by-side

 
しかし、である。3曲目の「Big Shoe」のピアノを聴くと、あれ、ちょっと違うぞ、と思う。エリントンにしては、優しく温和。フロントを徹底的に引き立てる「伴奏上手」。もう一人の主役、テナーのジョニー・ホッジスは、こちらの方が、のびのびとアルト・サックスを鳴らしているような印象を受ける。これは、5曲目「Just a Memory」以降は同じイメージ。このピアノは、ビリー・ストレイホーンである。

2回聞き直すと、その差が分かる。1曲目「Stompy Jones」、2曲目「Squeeze Me」、4曲目「Going Up」と、その他の曲での「ピアノの違い」。デューク・エリントンとビリー・ストレイホーン。

もう一人の主役、アルト・サックスのジョニー・ホッジスが、バックのピアノがエリントンだろうが、ストレイホーンだろうが、お構いなしに、絶好調のアルト・サックスを聴かせてくれるので、アルバム全体の統一感は辛うじて維持されている。オールド・スタイルではあるが、切れ味抜群、大らかな展開、印象的なラウド・ブロウ。ホッジスのアルト・サックスの良いところが、全編に渡って記録されている。

不思議なアルバムである。この盤は、ジョニー・ホッジスの単独名義で出すべきアルバムでは無かったか。客演のピアノに「デューク・エリントン」と「ビリー・ストレイホーン」を連名で置けば良かった様な気がする。

なぜ、ジョニー・ホッジスとデューク・エリントンの連名リーダーにしたのか。ヴァーヴ・レコードの総帥プロデューサー、ノーマン・グランツの売らんが為の策略だったのかもしれない。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2026年3月 8日 (日曜日)

デュークのピアノを愛でる名盤

昨日のブログで「当然、デューク・エリントンという偉大な「ピアニスト」を愛でる「これ一枚」ではないことは明瞭。デュークのピアノの個性を愛でるには、もっと好適なアルバムが沢山ある」と書いた。では、そのアルバムとは何か、ということになる。デュークのピアノの個性を愛でる好盤とはいかなるものか、である。

Duke Ellington『Money Jungle』(写真左)。1962年9月17日の録音。ちなみにパーソネルは、Duke Ellington (p), Charles Mingus (b), Max Roach (ds)。エリントンを師と敬愛するミンガスと、エリントンの下で叩きたかったローチ。そんなエリントンを尊敬する2人がリズム隊についた、エリントンのトリオ盤である。

このアルバムは、ジャズ盤入門本でよくそのタイトル名が挙がる名盤である。その理由を明確に記した評論文が無いのが不思議なのだが、この盤は、明らかに、ピアニスト、デューク・エリントンの個性と特徴が明確に判る名盤である。

硬質でパーカッシヴなタッチ、バラードでの流麗でリリカルな弾き回し。独特なマイナーでブルージーな響き、そして、心地よく響き左手の低音。デュークの様なジャズ・ピアノは他に無い。ジャズの歴史の中で唯一無二である。そんなエリントンのピアノの個性と特徴がこのトリオ盤に詰まっている。
 

Moneyjunglejpg

 
エリントン名義のトリオ盤である。エリントン作の曲で占められる。この盤では、明らかにベースのミンガス、ドラムのローチが、エリントンを敬愛し、エリントンのピアノの個性と特徴を良く理解し、ピアノの音をよく聴いて、バックで真剣にサポートしている様が伝わってくる。エリントンのピアノは当時として実に「プログレッシヴ」。ハードバップ時代のピアノの展開とは異なる、新しい響きを宿したピアノには思わず脱帽。

とにかくユニークなデュークのピアノ。それまでの、そして、それからの他のジャズ・ピアノには全く類似の無い、唯一無二のデュークのピアノの個性。そんなデュークのピアノには、やはりデューク作のオリジナル曲が良く似合う。

象徴的な展開としては「ミンガスがベース弦をはじき、ローチがポリリズムで音楽を盛り上げ、エリントンがパーッカッシヴなタッチで、非常に不協和なコードを奏でる」。曲によっては3者の演奏に対する温度差を感じることはあっても、全ての曲は水準を遙かに越えている。特に、硬質でパーカッシヴなタッチ、流麗でリリカルな弾き回し、そして独特な不協和なコードのエリントン、そのエリントンのピアノをがっちりサポートし、エリントンのピアノを引き立てる様は圧巻である。

デュークのピアノの個性がビンビンに伝わってくる名盤。このピアノ・トリオ盤は、デュークの、デュークによる、デュークの為のピアノ・トリオ盤。デュークのピアノをフィーチャーし、デュークのピアノが神々しく聴こえてきて、デュークのピアノを愛でることの出来る名盤である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から14年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2026年3月 7日 (土曜日)

デュークには ”困ったちゃん” 盤

レコード・コレクターズ(レココレ)2026年2月号の特集「この曲のピアノを聴け! ジャズ/フュージョン編」を、当ブログでは、「この曲一曲」を「これ一枚」に拡大して、レココレに紹介されているアルバムを聴き直している。で、今回のピアニストは「デューク・エリントン」。あの、ビッグバンドの最高峰、エリントン楽団の総帥、ジャズの楽聖。

『Duke Ellington & John Coltrane』(写真左)。1962年9月26日の録音。ちなみにパーソネルは、Duke Ellington (p), John Coltrane (ts :all but track 3, ss :track 3), Aaron Bell (b :tracks 1, 4–5, 7), Jimmy Garrison (b :tracks 2–3, 6), Elvin Jones (ds :tracks 1–3, 6), Sam Woodyard (ds :tracks 4–5, 7)。

タイトルは、デューク・エリントンとジョン・コルトレーンが並列で並んでいるんで、デュオ演奏かなと思うんだが、コルトレーンのサックスがフロント一管のカルテット編成。しかも、ベースとドラムが微妙に入れ替わる奇妙なパーソネル。プロデューサーは、かの有名なボブ・シールなんだが、一体、何を考えたんだか。

冒頭の「In a Sentimental Mood」が、アルバム全体の雰囲気を決定付けるものなんだが、これがまあ(笑)。フロントのコルトレーンのテナーに、エリントンのピアノ、ベルのベース、そして、エルヴィンのドラム。この演奏では、とにかく、コルトレーンとエルヴィンが「うるさい」。当時のコルトレーン・カルテットの演奏の雰囲気をそのまま、持ち込んでいる。エリントンのピアノを全く聴いていない様に感じる。失礼極まりない2人(笑)。

デューク・エリントンは、ジャズ・ピアニストとしても超一流で、そのピアノは、ジャズ・ピアノの歴史の中でも、とびきり「個性的」。硬質でパーカッシヴなタッチ、バラードでの流麗でリリカルな弾き回し。独特なマイナーでブルージーな響き、そして、心地よく響き左手の低音。デュークの様なジャズ・ピアノは他に無い。ジャズの歴史の中で唯一無二である。
 

Duke_coltrane_13
 

しかし、である。コルトレーンがフロント一管、エルヴィンがドラム、加えて、ベースのギャリソンが加わったセッションでは、このデュークのピアノの個性を、コルトレーン、エルヴィン、ギャリソンが「潰している」もしくは「無視している」様に感じるくらい、デュークのピアノを聴いていない様な演奏になっている。特にコルトレーンとエルヴィンの唯我独尊ぶりにはちょっと驚くくらい。しかし、デュークは悠然と余裕綽々に自分のピアノを弾き進める。凄みを感じる。

さすが、ベースがベル、ドラムがウッドヤードというエリントン楽団出身のリズム隊に変わると、さすがに、デュークのピアノの個性をしっかり理解していて、デュークのピアノの音をよく聴き、その「間」の取り方、独特なマイナーでブルージーなフレーズにしっかり追従し、デュークのピアノを引き立てる。

そこにコルトレーンがフロントに入ると、コルトレーンが戸惑っているのか、唯我独尊な吹きっぷりを修正して、エリントン楽団のリズム隊のトーンに合わせようとするのだが、完全にはいかない。途中でまた唯我独尊な吹きっぷりに戻ったり、エリントン楽団のトーンに戻ったり。意外とコルトレーンは不器用なんだなあ、と微笑ましく思ったり、なんだかなあと呆れたり(笑)。

ずばり言うと、この盤、デュークのピアノの個性を愛でるに不足、コルトレーンの個性を愛でるのにも不足、デュークとコルトレーンのビッグネーム同士のセッションでの「化学反応」を期待すると肩透かしを食らう、困ったチャンなアルバムだと僕は感じている。当然、デューク・エリントンという偉大な「ピアニスト」を愛でる「これ一枚」ではないことは明瞭。デュークのピアノの個性を愛でるには、もっと好適なアルバムが沢山ある。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2026年1月 4日 (日曜日)

デューク・エリントンの極東組曲

新年明けましておめでとうございます。さて、今年最初のジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの記事は「デューク・エリントン」。エリントンは生涯を通じて「組曲」という形式で多くの傑作を世に送り出している。代表的な作品だけで20作以上の組曲があり、どれもが傑作である。ということで、そろそろ、このエリントンの「組曲」をおさらいする時期にきたかな、ということで、まずはこの一枚である。

Duke Ellington『Far East Suite』(写真左)。邦題は「極東組曲」。1966年12月19–21日の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。いわゆる「デューク・エリントン楽団」である。

Duke Ellington (p), Mercer Ellington, Herbie Jones (tp, flh), William "Cat" Anderson, Cootie Williams (tp), Lawrence Brown, Buster Cooper (tb), Chuck Connors (b-tb), Johnny Hodges (as), Russell Procope (as, cl), Jimmy Hamilton (ts, cl), Paul Gonsalves (ts), Harry Carney (bs), John Lamb (b), Rufus Jones (ds)。

この「極東組曲」というタイトルと、収録曲「Ad Lib on Nippon」に惹かれて、まだジャズ者初心者3年生くらいの頃に、この盤を聴いている。商魂丸出しのオリエンタル・ムードは皆無、曲の対象にした国独特の音階やその国固有の楽器の音色を借りたりは一切していないので、まず、どこが「極東組曲」なのか、と訳が判らなくなったのを覚えている。

そもそも「Far East Suite(極東組曲)」というタイトルがおかしくて、極東の国を対象とした曲は、我が国が対象の「Ad Lib on Nippon」だけ。収録曲の対象国を見ていくと、タイトルは「近東組曲」とした方が座りが良い。そもそもこの組曲、1963年に行った世界ツアーに触発されたもので、ダマスカス、アンマン、ラマラ、カブールなどを訪問し、その国々の印象を曲のイメージに落とし込んだもの。だから、曲の対象にした国独特の音階やその国固有の楽器の音色を借りたりは一切していない。
 

Duke-ellingtonfar-east-suite

 
どの曲も、エリントン・ミュージックの粋を集めた、素晴らしい演奏ばかり。彼が「楽器」と考えている彼のオーケストうの能力や個性、ソロイストたちのもつ力量を最大限に活かし、エリントン・カラー、エリントン・サウンズで染め上げている。エリントンの組曲の中でも、トップクラスの内容を誇る。そして、この組曲の特徴は、それぞれの曲に、ソリスト、オーケストラの特定のメンバーのパフォーマンスがフィーチャーされている。

「Tourist Point of View」は、ゴンサルヴェスのテナー、
「Bluebird of Delhi (Mynah)」は、ハミルトンのクラリネット、
「Isfahan」は、ホッジスのアルト、
「Mount Harissa」は、ゴンサルヴェスのテナーとエリントンのピアノ、
「Blue Pepper」 は、 ホッジスのアルトとアンダーソンのトランペット、
「Agra」は、カーニーのバリサク、
「Amad」は、ブラウンのトロンボーン
「Ad Lib on Nippon」は、エリントンのピアノとハミルトンのクラリネット

日本を訪れた印象をまとめた曲「Ad Lib on Nippon」は、1964年来日時の日本の印象をエリントン・ミュージックに落とし込んだ名曲。4つのパートからなっており、11分を超える1つの組曲のような構成となっている。じっくり聴いていると、どうも、古き日本と現代の日本との交錯をエリントン・ミュージックで表現しているのかな、と解釈している。

ともあれ、僕はこの『Far East Suite(極東組曲)』で、エリントン・ミュージックの凄さを初めて理解した。今でも、エリントン・ミュージックの印象をリセットしたい時は、このアルバムを聴く。聴く度に、新しい発見があり、新しい驚きがある、僕にとって「化け物」みたいなアルバムである。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年9月 5日 (金曜日)

エリントン楽団の異色盤です。

ベツレヘムのデューク・エリントン作品の人気盤である。この盤では、エリントン楽団としては珍しい、デュークのオリジナル曲だけでなく、ジャズ・スタンダード曲を演奏している。ジャズ・スタンダード曲をエリントン楽団が演奏すると「こうなる」が明快に理解出来る貴重盤でもある。

『Duke Ellington Presents..』(写真左)。1956年2月の録音。ベツレヘム・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは以下の通り。元メンバーが再集結、往年のエリントン・サウンドの再演という様なパーソネルである。

Duke Ellington (p), Cat Anderson, Willie Cook, Ray Nance, Clark Terry (tp), Quentin Jackson, Britt Woodman (tb), John Sanders (valve-tb), Jimmy Hamilton (cl, ts), Johnny Hodges (as), Russell Procope (as, cl), Paul Gonsalves (ts), Harry Carney (bs), Jimmy Woode (b), Sam Woodyard (ds), Ray Nance (vin, vo), Jimmy Grissom (vo)。

1曲目「Summertime」(George Gershwin, Ira Gershwin, Dubose Heyward)
2曲目「Laura」 (Johnny Mercer, David Raksin)
3曲目「I Can't Get Started」 (Vernon Duke, Ira Gershwin)
4曲目「My Funny Valentine」 (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
(この間はデューク曲が続く)
9曲目「Deep Purple」 (Peter DeRose, Mitchell Parish)
10曲目「Indian Summer」 (Al Dubin, Victor Herbert) 
 

Duke-ellington-presents

 
ジャズ・スタンダード曲が、エリントン・アレンジに染まっていく、濃密で幻想的なエリントン・サウンドで演奏されるジャズ・スタンダード曲は、アーバンでブルージーでジャジー。エリントン楽団ならではの、スタンダード曲の解釈が、この盤の最大の聴きものである。

聴いていると気がつくが、個性のあるメンバー達をフューチャーした音作りも、この盤のユニークなところ。キャット・アンダーソンのトランペットが見事な「Summertime」、ポール・ゴンザルベスのテナー・サックスが印象的な「Laura」「Cotton Tail」。

ハリー・カーネーのバリトンが熱い「Frustration」、ジョニー・ホッジスのアルト・サックスに惚れ惚れする「Day Dream」。ジミー・ハミルトンのクラリネットが楽しい「Deep Purple」。ラッセル・プロコープのアルト・サックス・ソロが美しい「Indian Summer」。エリントン楽団の面目躍如。

ネットを眺めてたら、このアルバムを「エリントニアンのショーケース」とする記事があって、なるほど、っと納得。個性のあるメンバー達をフューチャーするところは確かに「エリントニアンのショーケース」。そして、エリントン・バンドっぽくないところが魅力の「エリントン楽団が考えるジャズ・スタンダード集」。この盤、エリントン楽団の異色盤。意外と面白い内容です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2025年1月19日 (日曜日)

デュークの ”ピアノ演奏” の企画盤

デューク・エリントン(Duke Ellington)は、偉大なバンド・リーダーとして、そして膨大な数の作曲家としてジャズ史に輝く「ジャズの最大の巨人」である。そして、作曲家とバンド・リーダーとして最高の評価をされているかたわら、デュークは「ピアニスト」としても、優れた才能の持ち主である。意外と未だにジャズ者の間でも認識が薄いのではないだろうか。

Duke Ellington『Piano In the Foreground』(写真)。1961年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Duke Ellington (p), Aaron Bell (b), Sam Woodyard (ds)。コロンビア・レーベルからのリリース。デュークのピアノ・トリオでの演奏。最初からピアノ演奏集として企画され録音された、いわゆる「企画盤」。

デュークのピアノは、ジャズ・ピアノの歴史の中でも、とびきり「個性的」。硬質でパーカッシヴなタッチ、バラードでの流麗でリリカルな弾き回し。独特なマイナーでブルージーな響き、そして、心地よく響き左手の低音。デュークの様なジャズ・ピアノは他に無い。ジャズの歴史の中で唯一無二である。
 

Duke-ellingtonpiano-in-the-foreground

 
スタンダード曲の解釈とアレンジも、とびきり「個性的」で、聴いていると最初は何の曲か判らないくらいだが、聴き進めるうちに、既にそれと判る、アーティスティックで大胆なアレンジ。例えば、ガーシュイン作曲の有名スタンダード曲「Summertime」は、デュークでしか出来ない大胆かつ個性的なアレンジで、デュークの十八番アレンジ手法「ジャングル」なアレンジをピアノ・トリオに応用して衝撃的。

ベースとドラムはリズム・キープに徹している。このデュークのピアノ・トリオ盤は、編成はトリオであっても、現代のインタープレイをメインとしたトリオとは違う、デュークのピアノのソロにリズム・キープが付く、という感じの、あくまでデュークのピアノだけを愛でる「企画盤」である。

現代まで、我が国のジャズ盤紹介本やジャズ雑誌のアルバム紹介で、デュークのピアノにスポットライトを当てた、デュークのピアノの個性と才能に特化した記事を僕は見たことが無い。デュークといえば「ビッグバンド」ときめつけている様で、これではデューク・エリントンの半分だけを紹介しているに過ぎない。デュークを理解するには、デュークのピアニストの側面にも「耳を向けて」もらう必要がある。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました! 

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

  ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
   記事をアップ。
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4 

2022年1月31日 (月曜日)

エリントンとブラウンのデュオ盤

パブロ・レーベルには、ハードバップ時代に「ありそうで無かった」メンバーのカップリングが多数ある。加わて、この人がこんな編成の演奏するの、とビックリする企画ものもある。フュージョン全盛期の1970年代に活発に活動したレーベルで、メインストリーム系のジャズ・レーベルからすれば「逆風」の時代ではあるが、純ジャズ・ベースの内容の濃いアルバムも多数リリースしているから立派。

Duke Ellington & Ray Brown『This One's for Blanton』(写真)。1972年12月5日の録音。パーソネルは、Duke Ellington (p), Ray Brown (b)。全編に渡って、ジャズ界きっての巨匠、デューク・エリントンとジャズ・ベースの「ヴァーチュオーソ」の1人、レイ・ブラウンとのデュオ演奏である。この組合せ、パブロ・レーベルでないと成立しないだろう。総帥プロデューサーのノーマン・グランツに感謝、である。

ジャズ界きっての巨匠、デューク・エリントンであるが、最晩年の1971〜73年の間、パブロ・レーベルに、自分のオーケストラを離れ、単独のピアニストとして、5枚のリーダー作を録音している。あまり注目されていないようだが、どのアルバムもピアニスト・エリントンの個性を十分に反映していて、聴き応えのあるものばかり。
 

This_ones_for_blanton

 
このレイ・ブラウンとのデュオ盤も内容は非常に濃い。パーカッシブで硬質なタッチで、音間に「黒いファンクネス」が漂い、ブルージーな右手の「スクエアに流麗な」旋律、という、エリントンのピアノの個性が手に取るように判る。加えて、レイ・ブラウンが、いかに「ヴァーチュオーゾ(卓越した技巧をもつ演奏家)」レベルのベーシストであったかが、手に取るように判る。

エリントンのピアノについては、音数は比較的少なく、バリバリ弾きまくる訳でもない。スクエアにスイングしつつ、間を活かした、流麗で「タメ」のあるアドリブ・フレーズは唯一無二。どこから聴いても「エリントン」な、どこから聴いても「エリントン」と判る個性的なピアノが、ブラウンの卓越したベース・ラインに乗って、乱舞する様はいつ聴いても鳥肌の立つ思い。

エリントンの唯一無二な個性的なピアノを、もっと聴きたかったなあ、と強く思わせる、素敵な内容のデュオ盤。出しゃばらず、エリントン御大を素晴らしいテクニックのアコースティック・ベースでサポートするレイ・ブラウンも素敵。それまでありそうで無かったパブロのデュオ盤。ジャケットもまずまずで、おすすめの名盤です。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2021年9月 1日 (水曜日)

デューク・エリントンのピアノ

パブロ・レーベル。「昔の名前で出ています」的だの、昔の終わったジャズマンを集めた「懐メロジャズ」だの、我が国ではあまり評判は良くなかった。が、アルバムをちゃんと聴けば判るが「そんなことは無い」。平均的に「内容の整ったメインストリームな純ジャズ」のオンパレードで、聴いていて楽しいジャズばかりである。

しかも、ハードバップ時代には無かった編成やメンバーのカップリングが多数あって、パブロ・レーベルの諸作については、1970年代の「ネオ・ハードバップ」的な優秀作の宝庫と言えるでは無いか、と思っているくらいだ。21世紀になった今、パブロ・レーベルについては再評価をすべきだろう。聴いて楽しい録音が多数、存在する。

Duke Ellington『Duke's Big Four』(写真左)。1973年1月8日の録音。パーソネルは、Duke Ellington (p), Joe Pass (g), Ray Brown (b), Louie Bellson (ds)。ビッグバンドの総帥レジェンド、デューク・エリントンがピアニストとしてリーダーを張り、ギター入りのカルテット編成での録音。ピアノのエリントン、ベースのブラウン、ギターのパス、ドラムのベルソン、いずれもレジェンド級のビッグネーム。
 

Dukes-big-four_1

 
ビッグバンドの総帥かつ作曲家のエリントンのピアノは流麗でメロディアスなピアノを想起するのだが、どうして、そんな流麗なイメージとは正反対。硬質なタッチでアグレッシブ。フレーズも先進的で時に前衛的。あくまでコードがベースの旧来のスタイルだが、間を活かした、音を選んだ右手のシングル・トーンは典雅。左手のブロックコードが穏やかでは無い、硬質な打ち下ろす様な、少し不協和音な響きを宿したマイナーなブロックコード。

エリントンはジャズ界最大のレジェンドの1人。そんなエリントンがピアノを弾くのだ。それをサポートするベース、ギター、ドラムは、それはそれは神妙に慎重にサポートしている様が良く判る。ブラウンのベースは往年の骨太でソリッドで歌心溢れるベースだが、エリントンの邪魔は絶対にしない。エリントンのピアノのイメージと被ることは全く無い、パスのギターは力強く流麗。ベルソンは洒脱なドラミングでエリントンのピアノにピッタリ寄り添う。

滋味溢れる、他に無い、エリントン独特のジャズ・ピアノ演奏がこの盤に記録されている。ハードバップ期のファンクネスを漂わせた、躍動感溢れるインタープレイとは一線を画した、ファンクネスを奥にしまい込みつつ、コードの妙によって「黒い情念」を表現し、間を活かした演奏で、そのイメージを増幅するという、意外ととんでもないピアノ・トリオ+ギターの演奏がここにある。1970年代のパブロ・レーベルを侮ってはならない。
 
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2021.08.11 更新。

  ・The Brothers Johnson『Light Up the Night』&『Winners』

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2021.08.11 更新。

  ・『ヘンリー8世と6人の妻』を聴く

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2021.08.11 更新。

  ・伝説の和製プログレ『四人囃子』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から10年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

2020年10月20日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・191

「彼のピアノ」のスタイルは「ありそうでない」スタイル。部分部分を聴くと、過去の誰かのスタイルと同じじゃないか、と思うんだが、良く聴くと、どれも過去のスタイルとはちょっと違う。そういう「過去のスタイルとはちょっと違った」スタイルをいくつか散りばめて、プレイ全体で、伝統に根ざした新しい響きのスタイルを獲得している。つまりは、新伝承派のモットーを地で行っているということ。

「彼のベース」の演奏テクニックは群を抜いている。特に、ピチカート奏法における、旋律を奏でるギター・ライクなインプロビゼーションは傑出したもの。クラシックの素養が垣間見えるベースは、ピッチがしっかりと合っていて、彼のソロの旋律弾きは聴いていて気持ちが良い。「旋律弾き」は、まるでギターである。これがあの図体のでかいアコベを使っての技とは思えない、驚愕のテクニックである。

Mulgrew Miller & Niels-Henning Ørsted Pedersen『The Duo Duke Ellington 100』(写真左)。January 15, 1999年1月15日、Copenhagenでの録音。ちなみにパーソネルは、Mulgrew Miller (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b)。
1999年、デンマークのオーディオ・ブランド、バング&オルフセン(B&O)が、デューク・エリントンの生誕100周年とエリントンとベース奏者ジミー・ブラントンのパートナーシップを祝して企画したトリビュート盤である。
 
 
The-duo-duke-ellington-100  
 
 
先の「彼のピアノ」とは、Mulgrew Miller(マルグリュー・ミラー)、「彼のベース」とは、Niels-Henning Ørsted Pedersen(ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン)のことである。ミラーは、2013年5月(享年57歳)、ペデルセンは2005年4月(享年58歳)鬼籍に入っている。デュオを構成する2人は共に故人となる。どちらも50歳台後半、早過ぎる逝去であった。

デューク・エリントンの曲をデュオでやる。エリントンの曲って、かなりの数のカヴァーがあるので、どこかで聴いたことがあるような、ちょっと手垢が付いた様な雰囲気がするものなんだが、このデュオに限ってはそうならない。まず、アレンジがユニーク。こうきたか、と思わせる、意外性のある、ユニークで小粋なアレンジが施されていて新鮮。これって、2人ともかなり高度なテクニックと歌心あってのこと。

ミラーのピアノもペデルセンのベースも唯一無二な個性なので、聴いていて実に楽しく、実に興味深い。ミラーの変幻自在、硬軟自在、緩急自在な、とても柔軟性と適応力のあるピアノと、どっしりとした重低音フレーズで旋律の底をしっかりと支え、デュオの相手を鼓舞するベース。有名なエリントン曲が続くのだが、とても耳新しく響くデュオ盤。こんな優秀な音源が、約20年の時を経てリリースされたことに「拍手喝采」である。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況》
 
 ★ AORの風に吹かれて       
【更新しました】 2020.10.07 更新。
 
  ・『Middle Man』 1980
 
 ★ まだまだロックキッズ    【更新しました】 2020.10.07 更新。
  
  ・The Band の「最高傑作」盤
 
★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2020.10.07 更新。
 
  ・僕達はタツローの源へ遡った


 
Matsuwa_billboard 
 
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から9年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4 
 

その他のカテゴリー

_Blue Noteの100枚 _ECMのアルバム45選 _この盤のドラムを聴け! _この盤のピアノを聴け! _こんなアルバムあったんや _ながら聴きのジャズも良い _クリスマスにピッタリの盤 _コンテンポラリーな純ジャズ _ジャケ買い「海外女性編」 _ジャズ・ギターの名演 洋楽編 _ジャズ喫茶で流したい _トランペットの隠れ名盤 _ビッグバンド・ジャズは楽し _ビートルズのカヴァー集 _ピアノ・トリオの代表的名盤 _フェンダー・ローズを愛でる _フュージョン・ジャズの優秀盤 _僕なりの超名盤研究 _和ジャズの優れもの _和フュージョンの優秀盤 _夜の静寂にクールなジャズ _音楽喫茶『松和』の昼下がり A&Mレーベル AOR Argo & Cadetレーベル Atlanticレーベル Bethlehemレーベル Blue Note 1500番台 Blue Note 4000番台 Blue Note 4100番台 Blue Note 4200番台 Blue Note 4300番台 Blue Note 4400番台 Blue Note 85100 シリーズ Blue Note LTシリーズ Blue Noteレーベル Candidレーベル CTIレーベル DD・ブリッジウォーター ECMレーベル Electric Birdレーベル Enjaレーベル Jazz Miles Reimaginedな好盤 Pabloレーベル Pops Prestigeレーベル R&B Riversideレーベル Savoyレーベル Smoke Sessions Records SteepleChaseレーベル T-スクエア The Great Jazz Trio TRIX Venusレコード Yellow Magic Orchestra 「松和・別館」の更新 アイク・ケベック アキコ・グレース アジムス アストラッド・ジルベルト アダムス=ピューレン4 アブドゥーラ・イブラヒム アラン・ホールズワース アル・ディ・メオラ アントニオ・サンチェス アンドリュー・ヒル アンドレ・プレヴィン アート・アンサンブル・オブ・シカゴ アート・ファーマー アート・ブレイキー アート・ペッパー アーネット・コブ アーマッド・ジャマル アール・クルー アール・ハインズ アーロン・ゴールドバーグ アーロン・パークス イエロージャケッツ イスラエル・ジャズ イタリアン・ジャズ イリアーヌ・イリアス イリノイ・ジャケー インパルス!レコード ウィントン・ケリー ウィントン・マルサリス ウェイン・ショーター ウェザー・リポート ウェス・モンゴメリー ウエストコースト・ジャズ ウォルフガング・ムースピール ウディ・ショウ ウラ名盤 エグベルト・ジスモンチ エスビョルン・スヴェンソン エスペランサ・スポルディング エディ・ハリス エメット・コーエン エリック・アレキサンダー エリック・クラプトン エリック・ドルフィー エルヴィン・ジョーンズ エロール・ガーナー エンリコ・ピエラヌンツィ エンリコ・ラヴァ オスカー・ピーターソン オズ・ノイ オーネット・コールマン カウント・ベイシー カシオペア カーティス・フラー カート・ローゼンウィンケル カーラ・ブレイ ガボール・ザボ キャノンボール・アダレイ キャンディ・ダルファー キング・クリムゾン キース・ジャレット ギラッド・ヘクセルマン ギル・エバンス クインシー・ジョーンズ クイーン クリスチャン・マクブライド クリス・ポッター クリフォード・ブラウン クルセイダーズ クレア・フィッシャー クロスオーバー・ジャズ グラント・グリーン グレイトフル・デッド グローバー・ワシントンJr ケイコ・リー ケニーG ケニー・ギャレット ケニー・ドリュー ケニー・ドーハム ケニー・バレル ケニー・バロン ゲイリー・バートン ゴンサロ・ルバルカバ ゴーゴー・ペンギン サイケデリック・ジャズ サイラス・チェスナット サザンロック サド・ジョーンズ サム・ヤヘル サム・リヴァース サンタナ サン・ラ・アーケストラ ザ・バンド シェリー・マン シダー・ウォルトン シャイ・マエストロ シャカタク ジェイ & カイ ジェイ・ジェイ・ジョンソン ジェフ・テイン・ワッツ ジェフ・ベック ジェラルド・クレイトン ジェリー・マリガン ジミ・ヘンドリックス ジミー・スミス ジミー・ヒース ジム・ホール ジャキー・マクリーン ジャコ・パストリアス ジャズ ジャズの合間の耳休め ジャズロック ジャズ・アルトサックス ジャズ・オルガン ジャズ・ギター ジャズ・テナーサックス ジャズ・トランペット ジャズ・トロンボーン ジャズ・ドラム ジャズ・バリトン・サックス ジャズ・ピアノ ジャズ・ファンク ジャズ・フルート ジャズ・ベース ジャズ・ボーカル ジャズ・レジェンド ジャズ・ヴァイオリン ジャズ・ヴァイブ ジャック・デジョネット ジャン=リュック・ポンティ ジュニア・マンス ジュリアン・ラージ ジョエル・ロス ジョシュア・レッドマン ジョナサン・ブレイク ジョニ・ミッチェル ジョニー・グリフィン ジョン・アバークロンビー ジョン・コルトレーン ジョン・コルトレーン on Atlantic ジョン・コルトレーン on Prestige ジョン・スコフィールド ジョン・テイラー ジョン・マクラフリン ジョン・ルイス ジョン・レノン ジョーイ・デフランセスコ ジョージ・ケイブルス ジョージ・デューク ジョージ・ハリソン ジョージ・ベンソン ジョー・サンプル ジョー・パス ジョー・ファレル ジョー・ヘンダーソン ジョー・ロヴァーノ ジーン・アモンズ スタッフ スタンリー・タレンタイン スタン・ゲッツ スティング スティング+ポリス スティービー・ワンダー スティーヴ・カーン スティーヴ・ガッド スティーヴ・キューン ステイシー・ケント ステップス・アヘッド スナーキー・パピー スパイロ・ジャイラ スピリチュアル・ジャズ スムース・ジャズ スリー・サウンズ ズート・シムス セシル・テイラー セロニアス・モンク ソウル・ジャズ ソウル・ミュージック ソニー・クラーク ソニー・スティット ソニー・ロリンズ ソロ・ピアノ タル・ファーロウ タンジェリン・ドリーム ダスコ・ゴイコヴィッチ チェット・ベイカー チック・コリア チック・コリア(再) チャーリー・パーカー チャーリー・ヘイデン チャールズ・ミンガス チャールズ・ロイド チューリップ テッド・カーソン テテ・モントリュー ディジー・ガレスピー デイブ・ブルーベック デイヴィッド・サンボーン デイヴィッド・ベノワ デオダート デクスター・ゴードン デニー・ザイトリン デュオ盤 デューク・エリントン デューク・ジョーダン デューク・ピアソン デヴィッド・ボウイ デヴィッド・マシューズ デヴィッド・マレイ トニー・ウィリアムス トミー・フラナガン トリオ・レコード ドゥービー・ブラザース ドナルド・バード ドン・チェリー ナット・アダレイ ニルス・ラン・ドーキー ネイティブ・サン ネオ・ハードバップ ハロルド・メイバーン ハワード・マギー ハンク・ジョーンズ ハンク・モブレー ハンプトン・ホーズ ハービー・ハンコック ハービー・マン ハーブ・アルパート ハーブ・エリス バディ・リッチ バド・シャンク バド・パウエル バリー・ハリス バーニー・ケッセル バーバラ・ディナーリン パット・マルティーノ パット・メセニー ヒューバート・ロウズ ビッグ・ジョン・パットン ビリー・コブハム ビリー・チャイルズ ビリー・テイラー ビル・エヴァンス ビル・チャーラップ ビル・フリゼール ビル・ブルーフォード ビートルズ ファラオ・サンダース ファンキー・ジャズ フィニアス・ニューボーンJr フィル・アップチャーチ フィル・ウッズ フォープレイ フランク・ウエス フランク・シナトラ フリー フリー・ジャズ フレディ・ローチ フレディー・ハバード ブッカー・アーヴィン ブッカー・リトル ブライアン・ブレイド ブラッド・メルドー ブランフォード・マルサリス ブルース・スプリングスティーン ブルー・ミッチェル ブレッカー・ブラザーズ プログレッシブ・ロックの名盤 ヘレン・メリル ベイビー・フェイス・ウィレット ベニー・グリーン (p) ベニー・グリーン (tb) ベニー・ゴルソン ペッパー・アダムス ホレス・シルバー ホレス・パーラン ボサノバ・ジャズ ボビー・ティモンズ ボビー・ハッチャーソン ボビー・ハンフリー ボブ・ジェームス ボブ・ブルックマイヤー ポップス ポール・サイモン ポール・デスモンド ポール・ブレイ ポール・マッカートニー マイク’・スターン マイケル・ブレッカー マイルス( ボックス盤) マイルス(その他) マイルス(アコ)改訂版 マイルス(アコ)旧版 マイルス(エレ)改訂版 マイルス(エレ)旧版 マックス・ローチ マッコイ・タイナー マハヴィシュヌ・オーケストラ マルグリュー・ミラー マル・ウォルドロン マンハッタン・ジャズ・5 マンハッタン・ジャズ・オケ マンハッタン・トランスファー マーカス・ミラー ミシェル・ペトルチアーニ ミルト・ジャクソン モダン・ジャズ・カルテット モンティ・アレキサンダー モード・ジャズ ヤン・ガルバレク ヤン・ハマー ユセフ・ラティーフ ユッコ・ミラー ラテン・ジャズ ラムゼイ・ルイス ラリー・カールトン ラリー・コリエル ラリー・ヤング ラルフ・タウナー ランディ・ブレッカー ラーズ・ヤンソン リッチー・バイラーク リトル・フィート リンダ・ロンシュタット リー・コニッツ リー・モーガン リー・リトナー ルー・ドナルドソン レア・グルーヴ レイ・ブライアント レイ・ブラウン レジェンドなロック盤 レス・マッキャン レッド・ガーランド レッド・ツェッペリン ロイ・ハーグローヴ ロック ロッド・スチュワート ロニー・リストン・スミス ロバート・グラスパー ロベン・フォード ロン・カーター ローランド・カーク ローランド・ハナ ワン・フォー・オール ヴィジェイ・アイヤー ヴィンセント・ハーリング 上原ひろみ 北欧ジャズ 古澤良治郎 吉田拓郎 向井滋春 四人囃子 国府弘子 増尾好秋 大村憲司 大江千里 天文 天文関連のジャズ盤ジャケ 太田裕美 寺井尚子 小粋なジャズ 尾崎亜美 山下洋輔 山下達郎 山中千尋 敏子=タバキンBB 旅行・地域 日本のロック 日本男子もここまで弾く 日記・コラム・つぶやき 日野皓正 書籍・雑誌 本多俊之 松岡直也 桑原あい 欧州ジャズ 歌謡ロック 深町純 渡辺貞夫 渡辺香津美 米国ルーツ・ロック 英国ジャズ 荒井由実・松任谷由実 西海岸ロックの優れもの 趣味 阿川泰子 青春のかけら達・アーカイブ 音楽 高中正義 70年代のロック 70年代のJポップ

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー