ルーさんのモータウンへの挑戦
本作は、1968年にトランペッターのブルー・ミッチェル、オルガン奏者のチャールズ・アーランド、ギタリストのジミー・ポンダーと録音した作品だが、冒頭の「Say It Loud – I'm Black and I'm Proud」を聴けば、たちどころに判る。この盤は、ルーさんの「R&B志向、モータウン志向のソウル・ジャズ&ジャズ・ファンク」である。
Lou Donaldson『Say It Loud』(写真左)。1968年11月6日の録音。ちなみにパーソネルは、Lou Donaldson (as, vo), Blue Mitchell (tp), Charles Earland (org), Jimmy Ponder (g), Leo Morris (ds)。JB(James Brown)に共感して、カヴァSay It Loud (I'm Black and I'm Proud)ーしてタイトルに冠したと思われ、R&B志向、モータウン志向を協力に押し出した、ルーさんのソウル・ジャズ。
リズム&ビートが「とーん・と−ん・とんとんとんとん」といった、モータウン独特のリズム&ビートに乗って、ルーさん流のソウル・ジャズが展開される。結構、ネットでは酷評されているんだが、爆発的なグルーヴが無い、作られたファンク・ミュージックとか散々に揶揄されているんだが、これはこれで正解なんだけど。
この盤でも、ルーさんは、モータウン志向に走ってはいるけれど、演奏の根っこは「モダン・ジャズ」。モータウンにどっぷり填まれば、体の良いジャズ・ファンクのリズム&ビートを拝借した「イージーリスニング音楽」になってしまう、ことを危惧した結果だと思っている。そう、この盤の根底に流れているのは、ソウル・ジャズであり、ジャズ・ファンク、あくまで「ジャズ」なのだ。
だから、モータウン風の曲のカヴァー演奏になると、腰が動くほどのファンクネスは無いし、グルーヴ感も無い。この盤の根底に流れているのは「ジャズ」であり、爆発的なグルーヴが無い、作られたファンク・ミュージックと言われても仕方が無い内容。
でも、ジャズとして、ハードバップとして捉えると、モータウンって、こうなるのか、というプロトタイプ的内容。演奏内容、演奏レベルに問題があるのでは無い。モータウンをジャズでカヴァるって、いう行為が無茶だということ、無理がある行為だということを、このアルバムは教えてくれる。
冒頭の「Say It Loud (I'm Black and I'm Proud)」のカヴァー演奏が、モータウンのジャズ化の限界だろう。これ以上に、グルーヴを爆発させ、ファンクネスを濃くしたら、モータウンの「イージーリスニング音楽」になってしまう。
ルーさんはジャズマン。このカヴァー演奏でも、しっかり、ジャズに軸足を置いたまま、モータウンのジャズ化にチャレンジしたのではないか、と睨んでいる。
とにかく、有名スタンダード曲、ハードバップとモード・ジャズにこそ、ピッタリと合致した「Summertime」や「Caravan」を、モータウン志向のソウル・ジャズで解釈するのは、あまりに無謀であった。
これは、明らかにプロデュースの誤り。もしかしたら、ルーさんがやりたい、ときかなかったかもしれないが、これがフランシス・ウルフの限界だったのだろう。
この盤は、ルーさんがいかに「純ジャズ」畑のジャズマンだったかを再認識させてくれる。どんなアレンジの演奏にだって、ルーさんは、ジャズに軸足を残したまま、いろいろなアレンジにチャレンジした。ルーさんの純ジャズ志向のジャズマンとしての矜持を感じさせてくれる盤である。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.01.07 更新
・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
記事をアップ。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
の記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から13年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。













最近のコメント