2026年1月19日 (月曜日)

MJQとピーターソン・トリオ

J.A.T.P.のステージから、MJQとピーターソン・トリオの演奏を収録したオペラハウスでの1957年ライヴ録音。ヴァーヴ・レーベルからスプリット・アルバムとしてリリースされ、LP時代、A面が「Modern Jazz Quartet」、B面が「Oscar Peterson Trio」。僕がジャズを聴き始めた頃は、このスプリット・アルバムというところが胡散臭くて、手を出すことは無かった。

Modern Jazz Quartet and Oscar Peterson Trio『At The Opera House』(写真左)。1957年10月19日、シカゴのオペラハウスでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)、以上【Modern Jazz Quartet (MJQ) 】、Oscar Peterson (p), Herb Ellis (g), Ray Brown (b)、以上【Oscar Peterson Trio】。

2018年、CDリイシューされた時に手にした。まず、MJQの演奏から始まる。冒頭の「D&E Blues」は録音状態が悪く、これは「スカ」盤を掴んだか、と思ったが、演奏が進むにつれ、録音状態は良くなっていく。1957年録音としては中程度。それでも、MJQの演奏の内容はしっかりと把握出来る。続く、ピーターソン・トリオの演奏については、録音状態はまずまず良好。ピーターソン・トリオの迫力ある演奏が記録されている。
 

Modern-jazz-quartetandoscar-peterson-tri  

 
MJQの演奏はたった3曲だが、MJQのライヴ演奏の優れたところがしっかりと把握出来る。冒頭「D&E Blues」は、ホットな演奏。ハイテクニックでスインギーな、MJQらしいスピード感のある演奏。続く「Now's the Time」は、パーカー作のホットなビ・バップ曲なんだが、MJQはクールで静的なバップ曲にリアレンジして演奏してみせる。静的だがビートはビ・バップ。3曲目の「Round About Midnight」は、他にない独特なアレンジで聴かせに聴かせる。

ピーターソン・トリオの演奏は全5曲。この頃のトリオは、ドラムの代わりにハーブ・エリスが入った「クラシック・ピアノ・トリオ」。このピアノ=ギター=ベースのトリオ演奏が迫力満点。スイングしまくるピーターソンのピアノに、エリスのギターがガッチリ絡む。オーバー・スイング気味にスイングしまくるピーターソンとエリス。そして、その演奏のベースラインをガッチリ押さえるレイ・ブラウンのベース。このトリオのベストに近いパフォーマンスが楽しめる。

ジャズ者初心者の方々に是非とも、という盤では無いが、ジャズを聴き始めて、ジャズというものがなんとなく判った、ジャズ者中堅、ジャズを本格的に聴き始めて10年位、MJQの名盤、ピーターソンの名盤を複数枚聴いたあとで、このライヴ盤を聴くと、やっぱりジャズはライヴを聴かないと、そのジャズマンの真の実力は判らないな、ということを再認識すると思う。曲数は少ないが、MJQとピーターソン・トリオのライヴの実力の高さが良く判る好ライヴ盤である。
 
 

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2025年12月11日 (木曜日)

お気に入りの「拳銃の報酬」

MJQのアルバムの中では地味な存在のアルバムだが、これがなかなかの内容の佳作なのだ。基本、サウンド・トラックなので、昭和のジャズ者の方々から「コマーシャルだ」と敬遠されていたのかもしれない。だが、実際に聴いてみると、サウンド・トラックという雰囲気が全くしない。MJQのオリジナル・アルバムだ、と言われても、自然と納得してしまう、なかなかの内容。

Modern Jazz Quartet『Music from Odds Against Tomorrow』(写真左)。1959年10月9–10日の録音。邦題「拳銃の報酬」。ちなみにパーソネルは、Modern Jazz Quartet(MJQ)= Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。MJQが、ストーリーに沿って作曲した初めてのサウンド・トラック盤。

まず、冒頭一曲目の「Skating in Central Park」が絶品。もともと、曲自体が絶品。以前、ニューヨークのセントラルパークのスケート場に行ったことがあるが、その時の、目の前に広がる風景、雰囲気が、まさにこの曲の曲想、雰囲気にピッタリ。穏やかな冬の午後の陽射しの中、家族で、恋人同士で、スケートを楽しむ。そんな光景が浮かんでくるような、典雅で流麗で暖かい曲。
 

Modern-jazz-quartetmusic-from-odds-again

 
この曲をミルト・ジャクソンのヴァイブと、ジョン・ルイスのピアノが、典雅に流麗に暖かく弾き進めて行く。そして、パーシー・ヒースのベースが、この佳曲のベース・ラインをしっかり押さえ、落ち着かせ、コニー・ケイのドラムが、ヴァイブとピアノのインプロに、リズム&ビートのアクセントを小粋に付けていく。絶品の6分7秒である。

この冒頭の「Skating in Central Park」のMJQの演奏のトーンが、以降の5曲に反映されて、サウンド・トラック盤らしからぬ、アルバムとしての音の統一感があって良い感じ。この盤のMJQの演奏のトーンは「クラシックの室内楽的なジャズ・カルテットの演奏」。どこかクラシックの流麗さを宿しつつ、ビートはオフ、アドリブ・フレーズの展開は明らかにジャジー。この盤には「MJQらしい」演奏がてんこ盛りである。

録音については、ちょっと硬質でドンシャリ。オーディオ的にジャズを聴く方々にとっては「駄盤」かもしれないが、演奏内容は豊かで良好、録音状態もあまり気にならない。僕にとっては、この盤、冒頭の「Skating in Central Park」にとどめを刺す。この1曲だけでも僕は満足。2曲目以降もMJQらしさ満載なので、僕にとっては愛聴盤。
 
 

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2025年12月 3日 (水曜日)

スムースなステップス・アヘッド

後期のステップス・アヘッドって、マイク・マイニエリがリーダー兼プロデュースで、音の雰囲気、バンド・パフォーマンスは、マイニエリが決定しリードし、優れたアレンジの下、メンバーがプロフェッショナルなテクニックを駆使して、マイニエリの標榜する音志向を実現する。そんなセッション・バンドに変化していったと思っている。

Steps Ahead『Yin-Yang』(写真左)。1992年の作品。ちなみにパーソネルは、Mike Mainieri (vib, syn, perc), Bendik (sax), Rachel Z (p, syn), Jeff Andrews (b), Victor Bailey (b :3 only), Steve Smith (ds), Guest= Dean Brown (g: 2), Jimi Tunnell (g: 1, 2, 4), Steve Khan (g: 1, 3, 6, 8, 10), Wayne Krantz (g; : 5, 8), Bruce Martin (programming: 1 to 3), Chuck Loeb (rhythm guitar: 3), George Whitty (syn: 1), Rick Margitza (ts: 1, 10)。

マイク・マイニエリがリーダーは変わらないが、ピアノ&シンセサイザー担当が専任となって、レイチェルZが入り、ベースがジェフ・アンドリュースに交代している。で、音はどう変わったのか。前作は、ロック・ビートの効いたクロスオーバー&フュージョン・ジャズだったのだが、今作は、ファンク・ビートを積極導入、音作りは「アーバン&スムース」な音世界にアレンジされていて、さしずめ、ファンキーでスムースなスタップス・アヘッドに変身している。
 
Steps-aheadyinyang  
 
ファンクネスを纏ったスムース・ジャズ志向の音作りであるが、そんな中でも、ピアノ&シンセサイザーの専任担当のレイチェルZの切れ味の良いアコピと雰囲気良好なシンセサイザーが、アーバンでスムースな音作りに大きく貢献している。便ディックのサックスは、伸びの良い耽美的で印象的。サックスの洗練されたアーバンな雰囲気のする音色は、このステップスアヘッド盤をスムース・ジャズへと誘う。

マイク・マイニエリのプロデュースが効いていて、メンバーそれぞれの楽器の音のバランスが良く、マイニエリのヴァイブをはじめとして、ベンドリックのサックス、レイチェルZのピアノ&シンセサイザーが、それぞれ、存在感をしっかり主張するだけの演奏スペースを与えられていて、聴き応えがある。少なくとも、平凡な内容のスムース・ジャズでは無い。

クールでファンキーでメロディアス。クロスオーバー&フュージョン・ジャズな音世界の残像を残しつつ、演奏メンバーそれぞれの力量の中で、アーバンでファンキーなスムース・ジャズが展開される。内容的には、テクニックのレベルは高く、硬軟自在の音作りは「耳を飽きさせない」。1990年代のスムース・ジャズの好盤として記憶されても良い内容。ながら聴きにも最適です。
 
 

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2025年12月 2日 (火曜日)

ステップス・アヘッドの後期第1作

「ステップス(Steps)」。リーダー格、ヴァイブのマイク・マイニエリ(写真右)が「思いついた」グループとのこと。Wikiにその経緯が粋な言葉で綴られている。「7番街の南、ニュー・ヨーク市のナイトクラブで、1979年にアルバイトたちによる冒険的な企てとして、ステップスは始まった」。

1982年に「ステップス(Steps)」という名称がノース・カロライナ州のあるバンドによって商標登録されていることがわかり、それゆえバンドの名前を「ステップス・アヘッド(Steps Ahead)」に変えた。その新しい名前を冠したアルバムを1983年にリリースする。そんなステップス・アヘッドの、大幅にメンバー・チェンジした後期作。

Steps Ahead『N.Y.C.』(写真左)。1989年の作品。ちなみにパーソネルは、Mike Mainieri (vib, syn, p, perc), Bendik (sax, key), Steve Kahn (g), Tony Levin (el-b, chapman stick), Steve Smith (ds)。ロック・ビートの導入とデジタル機器の活用による、フュージョン・ジャズの成熟形。

リーダー格でヴァイブ担当のマイク・マイニエリ以外、メンバー総取っ替え。マイケル・ブレッカーは、ヴィクター・ベイリーは、ピーター・アースキンは、ハイラム・ブロックは、ウォーレン・バーンハートは、みんなどこへいった状態。音的にも、ロック・ビートの大々的導入で、クロスオーバー・ジャズ志向が強化され、デジタル機器の活用によって、音のエッジが鋭く、切れ味の良い音世界が広がる様になった。
 

Steps-aheadnyc

 
しかし、出てくる音は、成熟したクロスオーバー&フュージョン・ジャズの音世界。フロント楽器の奏でるフレーズから、バックのリズム・セクションの叩き出すリズム&ビートまで、洗練された、充実したデジタルの音で演奏される、米国東海岸クロスオーバー&フュージョン・ジャズの音世界。ロック・ビートを優先的に導入したお陰で、ファンクネスが中和され、リズム&ビートの洗練度が上がっている。

マイク・マイニエリが、ミディ仕様のビブラフォンを使用。エレクトリックなヴァイブの音がユニークに響く。ベンデックのキュイーンとねじり上げる様なサックスが印象的。元ジャーニーのスティーブ・スミスのロックなドラムが、ステップス・アヘッドにロック・ビートを供給する。スティーヴ・カーンが、クリエイティヴでインテリジェンス溢れるエレギを披露する。トニー・レビンのエレベが、スミス同様、ロック・ビートなベースラインを供給する。

この大幅メンバー・チェンジ前の、ビッグネームなジャズマン達による、クロスオーバー&フュージョン・フォーマットでのセッション的演奏を、カッチリとプロデュースした、しっかりと作り込んだ感のあるクロスオーバー&フュージョン・ジャズのパフォーマンスに置き換えたかの如くの、ステップス・アヘッド後期、第一作。クロスオーバー&フュージョン・ジャズの傑作の1枚として再評価したい。
 
 

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2025年7月16日 (水曜日)

エアーズのサイケ・ジャズの秀作

アトランティック・レコードは「ブラック・ミュージック」というレーベル・カラーの印象が強いが、意外と実験的ジャズ、ジャズロック、フリー・ジャズなど、時代のトレンドの最先端をしっかりと捉えた、いわゆる「尖った」ジャズの秀作を多数、世に送り出している。今回のピックアップ盤は「サイケデリック・ジャズ」。

Roy Ayers『Stoned Soul Picnic』(写真左)。1968年6月29日の録音。アトランティック・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Roy Ayers (vib), Charles Tolliver (tp, flh), Hubert Laws (fl, piccolo), Gary Bartz (as), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b, tracks 1 & 2), Miroslav Vitouš (b, tracks 3–6), Grady Tate (ds)。ちなみにプロデキュースは、ジャズ・フルートの達人、ハービー・マン。

ロイ・エアーズは、米国のジャズ・ヴァイブ奏者。自身のバンド、ユビキティと共にジャズとファンクを融合させた音楽ジャズ・ファンクを生み出す。その洗練された独自性はアシッドジャズやレア・グルーヴ、ヒップホップに関わる人々に再評価され、多くのラッパーの楽曲にサンプリングされている(Wikipediaより)。
 

Roy-ayersstoned-soul-picnic

 
アルバムの音世界は、当時の「ニュー・ジャズ」の範疇の「サイケディック・ジャズ」。ジャケットからして、当時の全米の精神的流行だった「サマー・オブ・ラヴ」を思いっ切り反映している「サイケなデザイン」。サイケデリック・ロックの影響を受け、実験的で厭世感漂う、夢幻的でトリッピーな雰囲気、そして、アルバム全体を覆う、退廃的なファンクネス。幻想的な妖術的なリズム&ビートが、そんな「サイケ」な雰囲気を増幅する。

そんなサウンドスケープの中を、エアーズの幽玄な響きの拡がりが印象的なヴァイブが浮遊するように流れていく。ヴァイブの硬質な音が、その浮遊するフレーズの輪郭をクッキリと浮かび上がらせる。サイケでクリスタルなエアーズのヴァイブの音。サイケなフレーズを連発するが、フレーズそのものはどこかモーダルで、しっかりジャズに根を下ろしている。このエアーズのヴァイブこそが、この盤をサイケデリック・ジャズの名盤の1枚としている。

しっかりとジャズに根を張った「サイケデリック・ジャズ」の秀作。音楽として、ジャズとして破綻しているような、無手勝流の「サイケデリック・ジャズ」もあるが、このエアーズの「サイケデリック・ジャズ」は、ジャズの範疇として安心して聴くことが出来る。「サイケデリック・ジャズ」入門として恰好の1枚である。
 
 

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2025年7月12日 (土曜日)

バートンの”新しい” ジャズロック

ゲイリー・バートン(Gary Burton)は、レッド・ノーヴォが始めた4本マレット奏法をより高度に開拓・確立させた、現代ジャズ・ヴァイブのイノヴェーター。純ジャズやニュー・ジャズ、フリー・ジャズと様々なジャズの演奏トレンドに対応するが、ジャズ、カントリー、ロックをミックスした、クロスオーバー・ジャズ志向のジャズロックなサウンドで最初の人気を確立している。

Gary Burton『Lofty Fake Anagram』(写真左)。1967年8月15–17日の録音。邦題は『サイケデリック・ワールド』。ちなみにパーソネルは、Gary Burton (vib), Larry Coryell (g), Steve Swallow (b), Bob Moses (ds)。ジャズロック路線を確立したアルバム『Duster』から、ドラムが、ロイ・ヘインズからボブ・モーゼスに代わってはいるが、アルバム全体の演奏の雰囲気は「ジャズロック」。

改めて聴き直してみて思うのは、このゲイリー・バートンのジャスロックは「新しい」。それまでのジャズロックへのアプローチは、あくまで、ジャズからロックへの一方通行的アプローチで、フロントにもリズム隊にも「ジャズ臭さ」が残っている。が、この バートンのジャズロックへのアプローチは、ジャズとロック、双方向からのアプローチで「ジャズ臭さ」がほとんど感じられない。

リーダーのバートンのヴァイブは意外と「我が道を行く」。ジャズロックやクロスオーバー、ニュー・ジャズ、はたまた純ジャズと、様々なジャズ演奏のトレンドに対応するが、バートンのヴァイブの音自体はあまり「変わらない」。

この盤を「ジャズロック」たらしめているのは、まずはエレギのコリエルだろう。エレギのコリエルの音が、明らかに「ロック寄り」なのだ。
 
Gary-burtonlofty-fake-anagram  
 
ロック、と言ってしまえば、あまりにギターテクニックが高度すぎるので「違うだろう」と指摘される懸念があるが、明かな「ロック寄りのジャズ・エレギ」とすれば、とても座りが良くなる。

ラストの「General Mojo Cuts Up」のフリーなインプロビゼーションにしても、コリエルのエレギをメインに聴いたら、このまま、プログレッシブ・ロックのジャンルに持っていっても違和感が無い。

フリーなインプロとしても、プログレの雄、フリーなインプロも得意とする「キング・クリムゾン」のそれより、内容は高度で内容があってハイテクニック。やっぱり、この「General Mojo Cuts Up」の演奏は、ジャズをベースに持った優れたミュージシャンだけが成せる技なんだろうな、と感心しながら、耳を傾ける。

従来の「ジャズ臭さ」が希薄なスワローのベースとモーゼスの、ニュー・ジャズ的グルーヴ感溢れるリズム&ビートも貢献度が高い。やはり、この盤が「新しい」ジャズロックの響きを色濃く宿しているのは、コリエル=スワロー=モーゼスのリズム・セクションの個性が故であろう。そこに、普遍的なバートンのヴァイブが乱舞する。

別に、バートンは「サイケデリックなジャズロック」にフォーカスを当てている訳では無いので、邦題の『サイケデリック・ワールド』という表現はちょっと偏っていて誤解を生みやすい。「新しい」響きのジャズロックの音を「サイケデリック」の一言で括ってしまうことに無理がある。

ジャズとロックの融合、クロスオーバー志向の「新しい」響きのジャズロックの出現、と僕は解釈している。僕はこの盤を「新しい」ジャズロックの好盤の1枚と位置づけている。
 
 

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2025年7月 8日 (火曜日)

バートン&カーラのコラボ ”葬送”

とかく、ジャズロックやクロスオーバー・ジャズやニュー・ジャズに走りがちだったゲイリー・バートンが、腰を据えて、カーラの楽曲とアレンジに向き合った、硬派で純ジャズなゲイリー・バートンのヴァイブの飛翔が聴ける、壮大な組曲仕立てのコンセプト・アルバムである。

Gary Burton 『A Genuine Tong Funeral』(写真左)。邦題『葬送』。1967年7月の録音。ちなみにパーソネルは、Gary Burton (vib), Michael Mantler (tp), Jimmy Knepper (tb, b-tb), Howard Johnson (tuba, bs), Steve Lacy (ss), Gato Barbieri (ts), Carla Bley (p, org, cond), Larry Coryell (g), Steve Swallow (b), Bob Moses (ds)。

ゲイリー・バートンが、作編曲家&ピアニストの「鬼才」カーラ・ブレイと組んだ壮大なコンセプト・アルバム。死と葬送をテーマに、副題が「言葉なきダーク・オペラ」とあるように、この時代の米国の重い空気感が漂う。カーラ・ブレイの作品を完全フィーチャーしたアルバムで、収録曲は全て、カーラ・ブレイ作。

カーラ・ブレイのコメントを引用させて頂く。「この作品は、死に向かうエモーションの上に築かれたドラマチックな音楽であり、この死という大きな喪失に対する、もっとも不敬なるものから生まれた作品である。そして舞台の上で、光と衣装を伴って演じられるように意図されたもの」とのこと。

何を言わんとしているのか、良く判らぬが、とにかく「死と葬送をテーマにした」コンセプト・アルバムだということである。
 

Gary-burton-a-genuine-tong-funeral

 
演奏的には、ゲイリー・バートンのカルテットにカーラのバンド仲間6人が加わっているパーソネルで、音的には、トランペット、チューバ、バリトン・サックス、テナー・サックス、ソプラノ・サックス、といった管楽器のユニゾン&ユニゾンに、カーラ固有のユニークな音の重ね方を施し、独特の雰囲気を醸し出している。

それに乗って、あるいは、その管楽器隊の音の「合間」を、バートンのヴァイブが、モーダルに疾走する。バートンとカーラならではの、ジャズの即興バリエーションの拡張とマンネリの回避。そんなバートン&カーラならではのモダン・ジャズの深化がこのコンセプト・アルバムに記録されている。

現代音楽やクラシックの要素をジャズに融合したようなところも、現代音楽やクラシックの要素の選択が、バートン&カーラはユニークで、他のジャズ・ミュージシャンが選択する現代音楽やクラシックの要素とは、明らかに切り口が違う。

コリエルのギターも、怪しげでおどろおどろしい雰囲気を加味して、カーラ独特の雰囲気に拍車をかける。ガトー・バルビエリのフリーキーなテナーが、演奏全体に漂う重い空気感に、不安定な要素を散りばめる。コリエルのギターとバルビエリのテナーは、このコンセプト・アルバム演奏の「要」のひとつである。

フリーに傾くようで傾かない。モードっぽいのだが、従来のモード奏法とは違った決め事で、アドリブ・フレーズの自由度を広げている様だ。管楽器隊のブラスの響きが、様々な形で、様々な響きで提示される。これも、アドリブ・フレーズの自由度を限りなく広げていく、大きな要素になっている。

これもジャズ。内容的には、賛否両論になるだろうが、これもジャズである。僕はこのコンセプト・アルバムの演奏そのものを高く評価している。新しいジャズとしての「即興演奏」の可能性を広げていると聴いた。好盤である。
 
 

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2025年7月 6日 (日曜日)

純ジャズ志向のニュー・ジャズ

ゲイリー・バートン(Gary Burton)。1943年1月、米国生まれ。今年で82歳。レッド・ノーヴォが始めた4本マレット奏法をより高度に開拓・確立させた、現代ジャズ・ヴァイブのイノヴェーター。10代からプロ活動を始め、1960年代後半、ジャズ、カントリー、ロックをミックスした、クロスオーバー・ジャズ志向のサウンドで人気を確立した。

1970年代以降は、クロスオーバー・ジャズ志向のパフォーマンスと並行して、チック・コリア、キース・ジャレットらとの純ジャズ志向のコラボも展開。1971年秋よりバークリー音楽大学で教鞭を取り始め、パット・メセニー、エバーハルト・ウェーバー、ラルフ・タウナー、タイガー大越、小曽根真等当時の有望な新人を数多く世に紹介ししている。

Gary Burton『The Time Machine』(写真左)。1966年4月5–6日の録音。RCAからのリリース。ちなみにパーソネルは、Gary Burton (vib, p, marimba), Steve Swallow (b), Larry Bunker (ds)。リーダーのゲイリー・バートンのヴァイブがフロントのトリオ編成。バートンがピアノも担当しており、多重録音にて、ピアノ入りのカルテット演奏の表現が面白い。

まだ、バートンが、クロスオーバー・ジャズ志向のサウンドに手を染める前の、ライトでモーダルな純ジャズ志向の演奏が清々しい。1966年という録音年でありながら、かなり硬派なモード・ジャズな演奏がメイン。時々、アブストラクトに、スピリチュアルにブレイクするところなど、当時の「時代の音」を感じる。
 

Gary-burtonthe-time-machine

 
ところどころ、例えば、4曲目、ジョビン作「Chega De Saudade (No More Blues)」のボサノバ・ジャズで、ポップ性を確保して、ちょっと和ませ、再び、ライトで硬派なモード・ジャズに立ち返る。

7曲目のレノン=マッカートニーの「Norwegian Wood」で、再びポップ性を確保、再度和ませ、次の2曲で再びライトで硬派なモード・ジャズに展開、ラストは超スタンダード曲「My Funny Valentine」のベタなカヴァーで締める。なかなか考えた収録順で、曲毎のアレンジもふるっている。

バートンのヴァイブはもともとファンクネスは極薄なので、演奏全体の印象は純ジャズ志向の「ニュー・ジャズ」。スインギーな面は全く無くて、このアルバムは、バートンの知的で幻想的なヴァイブの乱舞を聴くべきアルバムだろう。

バートンの様々なマレット捌きとフレーズの展開が堪能出来る。スワローのベース、バンカーのドラムも、バートンの知的で幻想的なヴァイブに呼応するように、新しい響きを宿した、純ジャズ志向の「ニュー・ジャズ」的なリズム&ビートを叩きだしていて良好。好盤です。
 
 

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2025年7月 3日 (木曜日)

ハッチャーソンのモード・ジャズ『Components』

レココレ誌の執筆陣が選んだ、ブルーノート盤の「ベスト100」。まずは、このレココレ誌が選んだ「ベスト100」のアルバムの中で、当ブログで扱ったことが無いアルバムをピックアップして聴き直している。今日は、1960年代のモダン・ジャズの演奏トレンドの代表格「新主流派ジャズ」の好盤。

Bobby Hutcherson『Components』(写真左)。1965年6月10日の録音。ブルーノートの4213番。ちなみにパーソネルは、Bobby Hutcherson (vib, marimba), James Spaulding (as, fl), Freddie Hubbard (tp), Herbie Hancock (p, org), Ron Carter (b), Joe Chambers (ds)。1966年リリース、ハッチャーソンのリーダー作第2作目。

前作『Dialogue』のパーソネルの違いは、ピアノがヒルからハンコックへ。サックス・フルートがリヴァースからスポルディングに変わっている。前作から前衛度合いが後退し、フリーへの傾倒が弱くなった。「モーダルで限りなくフリーな演奏、現代音楽に通じる硬質でクリスタルな響き」が弱まって、ハードバップの展開をそこはかとなく残した、メインストリーム志向の新主流派ジャズに落ち着いている。
 

Bobby-hutchersoncomponents

 
初リーダー作の「肩に力が入った状態」がほどよく緩和されて、当時のジャ演奏のトレンドである、新主流派のモード・ジャズを目一杯に展開している。この盤での、ハッチャーソンのモード・ジャズは、レベル・精度ともに高い。この盤で「ハッチャーソンの考えるモード・ジャズ」が確立している、と感じる。ポスト・バップの響きが芳しい。ハッチャーソンのヴァイブの新主流派度合いは見事なもので、ハッチャーソンのモーダルなヴァイブは完成の域に達している。

そして、そのハッチャーソンのモーダルなヴァイブを支え、鼓舞し、前面に押し出しているのは、ハンコックのピアノ。ハンコックは、新主流派のモード・ジャズの「ツボ」を誰よりも心得ていて、ハンコックのモード・ジャズにおける伴奏パフォーマンスは素晴らしい。ここでは、ハッチャーソンの考えるモード・ジャズに則った、素晴らしいモーダルな伴奏を繰り広げている。

当時のジャズ演奏のトレンドである、新主流派のモード・ジャズの秀作の1枚である。ハッチャーソンの考えるモード・ジャズが確立し、パーソネルの面々は、ハッチャーソンの考えるモード・ジャズに則った、素晴らしいモーダルなパフォーマンスを披露する。好盤である。
 
 

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2025年6月 8日 (日曜日)

MJQの活動前期の名ライヴ盤

まず、最初に断言するが、このライヴ盤は、MJQの名ライヴ盤『The Last Concert』と比肩する、MJQの前期のパフォーマンスを代表する、最高のライヴ盤である。MJQの良いところの全てが、このライヴ盤に凝縮されている。とにかく、見事なカルテット演奏。アカデミックな香りが濃厚、ジャズの芸術性の部分がグッと前面に出た、モダン・ジャズの良いところがこの盤に詰まっている。

The Modern Jazz Quartet『European Concert』(写真左)。1960年4月11–13日、スウェーデンのストックホルムとヨーテボリでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。MJQの「揺らぎの無い鉄壁のカルテット」。初出のLPでは2枚組でのリリースだった。

アレンジが素晴らしく、バグスのブルージーで、ファンクネス漂うヴァイブと、ルイスのクラシック風な、音を選んだ間を活かしたのピアノが、あまりに流麗で洒脱で小粋で気がつきにくいのだが、MJQのパフォーマンスは「バップ」が基本。クラシック志向のアレンジが先に印象として残るので忘れがちになるのだが、MJQの演奏は、とことん「ハードバップ」である。
 

The-modern-jazz-quarteteuropean-concert

 
欧州のクラシックの音志向&アレンジと、米国西海岸のバップ・ジャズとの融合音楽がMJQのサウンド、と僕は解釈している。バグスのヴァイブ、ルイスのピアノ、ヒースのベース、ケイのドラム。このカルテットの音は、どこから聴いても、どこから切っても、ハードバップしている。そして、演奏の底に漂うアーバンなファンクネスと、濃厚ジャジーな雰囲気が、MJQの演奏をどっぷりモダン・ジャズに仕立てている。

音の鮮度というか、音の響きが「切れ味良く」「ブリリアントで」「アクティヴ」。MJQの活動前期の総決算的位置付けのライヴ盤で、バグスのヴァイブ、ルイスのピアノ、ヒースのベース、ケイのドラム、それぞれの音が「若く」「活き活き」している。ライヴ演奏での「スピード感」も特筆に値する。

僕はルイス作の「Skating in Central Park」が大好きなのだが、このライヴ盤での演奏は絶品。以前、実際にNYのセントラルパークのスケート場を見に行ったことがあるのだが、その時の光景、スケートをする人達が、気持ち良く、笑顔で楽しく滑っている、そんなスケート場の情景が瞼に浮かぶようだ。この1曲だけでも、このライヴ盤、MJQの名盤である。
 
 

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