音志向の転換点・Samurai Samba
1970年代後半から1980年代前半のフュージョン・ブームの真っ只中、後に伝説となる人気グループが多く出た。パッと頭に浮かんだだけでも、「スタッフ」「ジェントル・ソウツ」「クルセイダーズ」「ブレッカー・ブラザーズ」「ステップス・アヘッド」「スパイロ・ジャイラ」「イエロージャケッツ」など、個性溢れるバカテク集団がずらり。
Yellowjackets『Samurai Samba』(写真左)。1985年のリリース。ちなみにパーソネルは、Russell Ferrante (key), Marc Russo (as), Jimmy Haslip (5-string bass), Ricky Lawson (ds)。後に伝説となる人気グループの一つ、イエロージャケッツの3枚目のアルバム。オリジナル・メンバーのギタリスト、ロベン・フォードが完全に抜けて、ギター抜きのカルテット体制が確立した、最初のアルバム。
バンド・サウンドとしては、バンド当初のテクニカルで軽快でポップ、爽快なL.A.フュージョン志向から、AORを抱き込んだ、エレクトリックでアーバンなコンテンポラリー・ジャズへと変化し始めている。ギターの代わりに、マーク・ルッソのサックスが入り、アーバンな雰囲気を醸し出す。
そして、ボーカルのゲストに、AORの貴公子「ボビー・コールドウェル」がゲスト参加して、ソフト&メロウなボーカルを披露している。このコールドウェルのボーカルが、アダルト・コンテンポラリーな雰囲気を増長し、デビュー当時の「爽快なL.A.フュージョン」を過去のものにしている。
それでも、「爽快なL.A.フュージョン」の名残りの「キャッチーで歯切れの良いリズム&ビート」はそこはかとなく残っていて、曲によっては、エレクトリックでアーバンなコンテンポラリー・ジャズに完全に変化しきっていないところが、この盤の「肝」。
この「爽快なL.A.フュージョン」の名残りの「キャッチーで歯切れの良いリズム&ビート」は以降もバンドの個性として残り、イエロージャケッツの個性の一つである「スカッとしたフュージョン・ジャズ」として定着する。以降、イエロージャケッツは、エレクトリックでアーバンなコンテンポラリー・ジャズと、スカッとしたフュージョン・ジャズのハイブリッドなサウンドを個性として、「深化」を続けていく。
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