2025年5月28日 (水曜日)

バードの考える ”ポスト・バップ”

前作『Blackjack』は、それまでの純ジャズの演奏トレンドの数々を上手くブレンドした、ブルーノート志向の「硬派なソウル・ジャズ」だった。その『Blackjack』から僅か4ヶ月後の録音。再び、ブルーノート志向の「硬派なソウル・ジャズ」を連発するのか、と訝しく思ったが、聴いてみて「これはちょっと違うぞ」。

Donald Byrd『Slow Drag』(写真左)。1967年5月12日の録音。ブルーノートの4292番。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Sonny Red (as), Cedar Walton (p), Walter Booker (b), Billy Higgins (ds, vocals on "Slow Drag")。前作『Blackjack』(1967年1月録音)から、わずか4ヶ月後に録音されたドナルド・バードのリーダー作。ソニー・レッド、別名シルベスター・カイナーと組んだ3枚目の作品。

まず「Drag」は、”麻薬”では無い。”麻薬”は「Drug」。調べてみると「Drag」とは、ラグのメロディ(=これを ”Drag” というらしい。足を引き摺るように踊るラグタイムの踊りのメロディ)。「Slow Drag」で、ゆったりとしたラグタイムの踊りのメロディ、って感じでしょうか。とにかく「麻薬」では無いので(笑)。

ドナルド・バードは「機を見て敏なる」変化するトランペッター。バランス感覚と方向感覚に優れ、その時代毎の大衆の音のニーズ、その時代毎のジャズの演奏トレンドを敏感に察知し、それを自らのジャズに反映させてきた。その優れた適応力と表現力がこの盤にも溢れている。いわゆる、当時の「ポスト・バップ」の最先端の音世界の一つ。
 

Donald-byrdslow-drag

 
もうここには「硬派なソウル・ジャズ」は無い。緩やかな、ユルユルで粘りのあるファンクネスが横溢するソウル・ジャズ。ジャズ・ファンク一歩手前の、ブラック・ファンクを小粋に取り込んだソウルフルなジャズ。そして、そのグルーヴに、そこはかと漂う、ちょっと怪しげな「サイケデリック」な響き。そして、ブラック・ファンクの重要な音要素「アーシー」な響きがビートにしっかり反映されている。

そう、この『Slow Drag』の音世界は、フレーズはソウル・ジャズ、リズム&ビートは、ファンクネス濃厚+アーシーなファンク・ビート、ブラック・ファンクなリズム&ビートに、ソウルフルなジャズが乗っかった、ゆったりとした、ちょっと退廃的な雰囲気がする音世界。そこに、当時のロック&ポップスに漂い始めていた「サイケデリック」な音要素を忍ばせている。当時の「ポスト・バップ」な音世界として、かなり野心的な内容だと僕は感じる。

ドナルド・バードのトランペットとソニー・レッドのアルト・サックスのフロント2管は好調を維持、バードのアーシーかつブルージー、ブリリアントで端正な吹き回しは安定のパフォーマンス。辛辣なトーンのレッドのアルト・サックスはまさに「ポスト・バップ」。

モードとフリーとソウル・ジャズが混在したフレーズを、ブラック・ファンクなリズム&ビートが底から支える。不思議な響きの、一旦ハマったらとことん癖になる、ドナルド・バードの「ポスト・バップ」な音世界である。
 
 

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2025年5月27日 (火曜日)

D.バードの硬派なソウル・ジャズ

1960年代後半、ジャズの多様化がさらに進む一方、ビートルズのアメリカ公演後、大衆音楽としてジャズの人気が下降線を辿り出した頃である。そんな時代の中、前作『Mustang』(1966年)はジャズ・ロック。当時、ヒットしたらしい。パーソネルを見渡すと、ハードバップど真ん中からモード・ジャズが得意なメンバーだが、なかなかノリの良いジャズ・ロックをかましていた。

Donald Byrd『Blackjack』(写真左)。1967年1月9日の録音。ブルーノートの4259番。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Sonny Red (as), Hank Mobley (ts), Cedar Walton (p), Walter Booker (b), Billy Higgins (ds)。ドナルド・バードのトランペットと、ソニー・レッドのアルト・サックス、ハンク・モブレーのテナー・サックスがフロント3管のセクステット編成。

今回はCDリイシュー時のボートラ「All Members」は、録音日時もパーソネルも、オリジナルの『Blackjack』自体とは全く異なるので、今回は割愛して話を進める。と言うことで、録音日、パーソネルは上記の通り。

さて、前作『Mustang』(2024年6月14日のブログ参照)はジャズ・ロックだった。今回の『Blackjack』はソウル・ジャズ。ドナルド・バードのソウル・ジャズといえば、1964年に大手ヴァーヴからリリースされた『Up with Donald Byrd』(2025年5月17日のブロ参照)があるが、これは「売らんがため」の「一般ウケ」するアレンジが施された、ながら聴きに向いた、イージーリスニング・ジャズ志向の「R&Bテイストを交えたソウル・ジャズ」だった。
 

Donald-byrdblackjack

 
さて、ブルーノートに戻っての、ドナルド・バードのソウル・ジャズはどうなのか。プロデューサーは、当然、総帥アルフレッド・ライオン。この『Blackjack』を聴き終えて、思う。ドナルド・バードはブルーノートの音と志向を良く理解し、それを明確に具現化している、と。この『Blackjack』には、ブルーノート仕様の、純ジャズ志向のなドナルド・バード流ソウル・ジャズが展開されている。

ジャズ・ファンクまでには至らない、純ジャス志向で硬派なソウル・ジャズが展開される。アドリブ展開ではモーダルなフレーズで展開しまくる面も多々あり、女性コーラスの登場などという、俗っぽくポップな仕掛けは皆無。あくまで硬派に、あくまでアーティステックに、ソウルフルなジャズを展開している。これが、実にブルーノートらしく、ドナルド・バードはジャズの演奏志向において、適応力が幅広で適応力が抜群、ということを再認識する。

ドナルド・バードのトランペットと、ソニー・レッドのアルト・サックス、ハンク・モブレーのテナー・サックスがフロント3管は、分厚く重厚、ファンクネス芳しく、唄うが如くソウルフル。バードのアーシーかつブルージー、ブリリアントで端正な吹き回しが良い。モブレーが迫力はる魅力的な、ファンクネス溢れるモーダルなフレーズを連発している。レッドのフリーキーな吹き回しも凄い。

1967年という時代に、それまでの純ジャズの演奏トレンドの数々を上手くブレンドして、硬派なソウル・ジャズに仕立て上げられた『Blackjack』の音世界。それは、紛れもなく、ブルーノートの音であり、ブルーノートの考えるソウル・ジャズの具現化でもある。ブルーノートのハウス・トランペッター、ドナルド・バードの面目躍如である。
 
 

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2025年5月21日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・286

ジャズ、クロスオーバー&フュージョンのみならず、ソウル、R&Bの数々の名盤に参加してきた、超一流のセッション・ギタリスト、フィル・アップチャーチの1972年のリーダー作。パーソネルを見渡すと、後のクロスオーバー&フュージョン・ジャズを担う曲者ミュージシャンたちがずらりと並んでいる。ダニー・ハサウェイ、チャック・レイニー、ジョー・サンプル、ハービー・メイソン、ベン・シドランなどなど。

Phil Upchurch『Darkness Darkness』(写真左)。1972年の作品。ちなみにパーソネルは、Lead Guitar – Philip Upchurch (g), Joe Sample (p), Chuck Rainey (b), Harvey Mason (ds) Arthur Adams (rythm-g), Ben Sidran (org), Don Simmons (ds), Donny Hathaway (el-p), Bobbi Porterhall (congas,tamb) , Nick De Caro (horns- arr, cond)。

1972年といえば、クロスオーバー・ジャズが隆盛に向かいつつある時代。そんな時代に、クロスオーバー&フュージョンの音を先取りした、エレクトリックなソウル・ジャズ。それは、優れたプロデュースとアレンジの賜物で、プロデュースにはトミー・リピューマ、アレンジにAORのニック・デカロ。時代を先取した音作りを実現した、プロデュース&アレンジ、納得である。
 

Phil-upchurchdarkness-darkness

 
収録曲はカヴァー中心。ジェイムス・テイラーの名曲「Fire And Rain」、ジェイムズ・ブラウンの「Cold Sweat」、ブルースカバー「Please Send Me Someone To Love」、マーヴィン・ゲイの「Inner City Blues」、キャロル・キングの「You've Got A Friend」。それぞれの名曲をソウルフルにファンキーに、アップチャーチ独特の硬質パキパキな音色で、コキコキとソフト&ハードなエレギで弾き進めていく。

キャロル・キングの「You've Got A Friend」など、その典型的な演奏だろう。緩やかなソフト&メロウな前奏から、メインのフレーズを神妙に祈る様に弾き進めていく。しかし、真ん中あたりから、いきなりハードな展開にガラッと変わる。ハードだがグルーヴィーなフレーズで、祈りが天に届く様な叫びに変化し、ダイナミックでソウルフルな弾きっぷりが見事。この変化とグルーヴ感はアップチャーチ独特の、ならではのものである。

時は1972年。インスト中心、カヴァー中心、この盤ってフュージョン・ジャズでしょ、と言われることが多いが、これはまだ、クロスオーバーでもなければ、フュージョンでも無い。上質でユニークな「エレクトリックなソウル・ジャズの成熟形」の一つ。この圧倒的にソウルフルな感覚とハードなグルーヴ感は他にはない、唯一無二なもの。名盤である。
 
 

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2025年5月17日 (土曜日)

バードのポップなソウル・ジャズ

ドナルド・バードは「機を見て敏なる」変化するトランペッター。ハードバップ初期の頭角を表し、ハードバップの優れた内容のリーダー作を幾枚もリリース。1960年前後、ハードバップが成熟して、ジャズの多様化の時代に移行する際、いち早く、ファンキー・ジャズに手を染める。

モード・ジャズにもチャレンジして、硬派な純ジャズ志向トランペッターとして名をあげたと思ったら、ソウル・ジャズにどっぷりハマっていく。そんな1964年のドナルド・バード。コッテこての「R&Bテイストを交えたソウル・ジャズ」のリーダー作を連発していく。

Donald Byrd『Up with Donald Byrd』(写真左)。1964年の10月6日、11月2日、12月16日の録音。 大手のVerveレーベルからのリリースながら、録音場所は「Van Gelder Studios」。

ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Jimmy Heath (ts, tracks 2–5), Stanley Turrentine (ts, tracks 7 & 8), Herbie Hancock (p), Kenny Burrell (g), Bob Cranshaw (b, tracks 1–6), Ron Carter (b, tracks 7–9), Grady Tate (ds), Candido Camero (perc, tracks 7 & 8), The Donald Byrd Singers なる女性ボーカル隊が付く。

録音場所といい、パーソネルを見渡すと、セッションの参加メンバーは、ごっそりと当時のブルーノート・レーベルから借りてきた様な、一流人気ジャズマンが名を連ねている。前半の1–6曲目のアレンジは、当時の人気アレンジャー「クラウス・オガーマン」。さすが、大手のジャズ・レーベルのヴァーヴ。金に糸目はつけない、ゴージャスなアルバム制作である。
 

Donald-byrdup-with-donald-byrd

 
さすが大手のジャズ・レーベルのヴァーヴ、このアルバム、ドナルド・バードのコッテこての「R&Bテイストを交えたソウル・ジャズ」を捉えているのだが、とにかく、ポップで俗っぽい。つまりは、ジャズのアーティスティックな面は横に置いて、確実に「一般ウケ」する「売れる」音作りをしている。プロデューサーは誰か、と見たら、のちのフュージョン・ジャズの仕掛け人の代表格「クリード・テイラー」だった。

とにかく、コッテこてファンキーな、聴きやすい「R&Bテイストを交えたソウル・ジャズ」。ドナルド・バードのトランペットは、モードも交えて、意外と正統派なトランペットを吹いているんだが、ピアノのハンコック、ギターのバレルなどは、徹底的にソウル・ジャズ志向濃厚なフレーズをこれでもかと連発している。キャンディドのパーカッションが、ファンキー度、ソウルフル度をさらに濃厚にする。

The Donald Byrd Singers なる女性ボーカル隊のコーラスが出てくると、一気に「俗っぽさ」が濃厚になる。この濃厚となる「俗っぽさ」をどう聴くかで、この盤の評価は変わるだろう。但し、その時代の響きを忠実に記録しているので、この音はこの音で意味のあるものではある。頭ごなしに否定するものでもないだろう。

ドナルド・バードの「R&Bテイストを交えたソウル・ジャズ」。ブルーノート・レーベルでは、しっかり純ジャズの要素を押さえていて、意外とアーティスティックな雰囲気が漂うソウル・ジャズに仕上がっているのだが、この大手のヴァーヴ・レーベルでは、明らかに「売らんがため」の「一般ウケ」するアレンジが施されていて、ポップで俗っぽいソウル・ジャズになっているのが面白い。

ながら聴きに向いた、イージーリスニング・ジャズ志向の「R&Bテイストを交えたソウル・ジャズ」だろう。真剣に対峙して聴き込む類の盤ではないが、何かし「ながら」の邪魔にならない、ポップで心地良いソウル・ジャズとして、さりげなく聴き流すには良好な盤ではある。
 
 

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2025年4月29日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・283

グラント・グリーン(Grant Green)。1979年1月31日、NYで、ジョージ・ベンソンのブリージン・ラウンジでの演奏会に出席していた際、車内で心臓発作を起こし倒れ、そのまま、帰らぬ人となった。43歳であった。

しかし、グリーンの逝去時の1979年から、ブルーノートの「お蔵入り」音源から、グリーンの未発表音源のリリースが始まる。なんと、1979年から2006年まで、全部で10枚もの未発表音源リーダー作が、発掘リリースされている。

Grant Green『Matador』(写真左)。1964年5月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Grant Green (g), McCoy Tyner (p), Bob Cranshaw (b), Elvin Jones (ds)。録音当時は「お蔵入り」未リリース。1979年、日本のキングレコードからブルーノートの未発表音源として、発掘リリースされた。

独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグリーンのギターが、ハードバップ&ファンキー&ソウルなジャズとして成熟した、絶妙なバップ・ギターが堪能できる逸品である。

まず、パーソネルを見て「唸る」。当時のコルトレーンの伝説のカルテットからピアノのマッコイ・タイナー、ドラムのエルヴィン・ジョーンズを借りてきている。そして、ベースには、柔軟な職人ベーシスト、ボブ・クランショウが座る。

このリズム・セクションの存在感が凄い。そして、このリズム・セクションをバックに、グリーンのギターがワン・フロントのカルテット編成。これ、どんな演奏になってるのか、聴く前から不安になる(笑)。
 

Grant-greenmatador

 
冒頭のタイトル曲、グリーンのオリジナル曲「Matador」から、そんな不安は杞憂に終わる。11分弱の長尺の演奏だが、これがまあ、凄まじい内容で、グリーンのギターの個性が、クッキリてんこ盛り。魅惑的な反復フレーズ、熱気溢れるミッドテンポなアドリブ展開。

独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグリーンのギターに相対する様に、タイナーの流麗でダイナミックなピアノが後に続く。そして、バッキングに徹するエルヴィンのポリリズミックなドラミングは、演奏のファンキー度合いを増幅し、クランショウの堅実ベースが、演奏の「底」をガッチリと支えている。

この冒頭の「Matador」の演奏だけでも、うへっ、これは凄いなんだが、続く2曲目の「My Favorite Things」の演奏はこれまた凄い。コルトレーンの十八番の名曲だが、このグリーンの「My Favorite Things」を聴いていると、ハードバップ&ファンキー&ソウル・ジャズとして聴いた時、コルトレーンの演奏より、このグリーンの演奏の方が、曲想を良く掴んでいて優れている、と感じるくらいに凄い。

以上の2曲だけでも、この盤は名盤だと思うし、3曲目「Green Jeans」から「Bedouin」、CDのみのボートラ、ラストの「Wives and Lovers」まで、グリーンの成熟したギターの個性を、最優先に楽しむべき演奏が詰まっている。

当時のコルトレーンの伝説のカルテットからピアノのマッコイ・タイナー、ドラムのエルヴィン・ジョーンズを借りてきているからといって、当盤とコルトレーンの諸作と比較するのは「野暮」というものだろう。

ワン・フロント楽器の志向が全く異なるのだから、比較しても仕方がない。もしかしたら、ブルーノートの総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、そんな「野暮」な比較を嫌ったが故の「お蔵入り」だったのかもしれない。

ジャケはウォーホールのイラスト。これがまた良い。この盤、グラント・グリーンの「ハードバップ&ファンキー&ソウルなジャズとして成熟」を心ゆくまで単横できる名盤と言って良いだろう。
 
 

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2025年4月28日 (月曜日)

グラント・グリーンの白鳥の歌

独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなギタリスト、グラント・グリーン。彼の活動後期は、イージーリスニング・ジャズ志向のリーダー作をリリースしている。

それぞれ内容のあるイージーリスニング・ジャズ志向のリーダー作だったと思うが、一般にはウケが悪かった。そして、1979年1月31日、NYで、ジョージ・ベンソンのブリージン・ラウンジでの演奏会に出席していた際、車内で心臓発作を起こし倒れ、そのまま、帰らぬ人となった。43歳であった。

Grant Green『The Main Attraction』(写真左)。1976年3月19日の録音。1976年のリリース。CTI/Kudoレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

Grant Green (g), Burt Collins, Jon Faddis (tp), Sam Burtis (tb), Hubert Laws (fl), Michael Brecker, Joe Farrell (ts), Ronnie Cuber (bs), Don Grolnick (el-p, clavinet), Steve Khan (rhythm-g), Will Lee (el-b), Andy Newmark (ds), Carlos Charles (conga, perc), Sue Evans (perc), Dave Matthews (arr, cond)。

パーソネルを見渡せば、クロスオーバー&フュージョン・ジャズ畑の名うてのミュージシャンがズラリ。実に豪華な面々で、出てくる音は、典型的な「CTIサウンド」。そう、このグラント・グリーンのリーダー作は、CTIからのリリース。プロデューサーは、クリード・テイラー、アレンジ&指揮はディヴ・マシューズ。

CTIサウンドに乗ったグラント・グリーンのパッキパキ硬派で、こってこてファンキーなギター。これがCTIサウンドに実に良く合う。まるで、ウエス・モンゴメリーのCTI盤を聴くが如く、ジョージ・ベンソンのCTI盤を聴くが如く、格別上等のクロスオーバー&フュージョン志向の硬派な純ジャズ・ギターを聴くことが出来る。
 

Grant-greenthe-main-attraction

 
演奏の雰囲気は、ジャズ・ファンク+ソウル・ジャズ。フュージョン・ジャズ志向のソフト&メロウなバックの演奏に乗って、独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグリーンのギターが、ソウルフルに唄いまくる。ソフト&メロウなバック演奏と、パッキパキ硬派でこってこてファンキーなグリーンのギターとの対比が良好。

1曲目のタイトル曲「The Main Attraction」のイントロのブラス・セクションのユニゾン&ハーモニーからして、ソウルそして、R&B志向のこってこてファンキーな響き。そして、出てくるメインの演奏は、適度にユルユルのR&B志向のソウル・ジャズ&ジャズ・ファンク。この1曲だけで20分弱の大作なのだが、ユルユルのR&B志向のソウル・ジャズ&ジャズ・ファンクだが、だれることなく、腰が揺れるが如く、足踏みをするが如く、極上のソウル・ジャズ&ジャズ・ファンクが展開される。

2曲目の「Future Feature」は、モータウンが入った、完璧硬派なソウル・ジャズ。R&B志向のブラス・セクションのユニゾン&ハーモニーが実に重厚ファンキー。ヒューバート・ロウズのフルートもファンキー&ソウルフル。スティーヴ・カーンのリズム・ギターのカッティングもファンク濃厚、そこに、思い切りソウルフルな、独特のシングルトーンでパッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグリーンのギターが唄いまくる。

ラストの3曲目「Creature」は、フェンダー・ローズの音とファンキーなフルートの音がソウルフル、そこに、独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグリーンのギターが絡む。どっぷりソウルフルでR&Bでスローな展開はクセになる。

実は、この『The Main Attraction』が、グラント・グリーンのメジャー・リリースにおける遺作になる。体調が優れなかったので仕方がないが、このCTI/Kudoレーベルでのアルバム制作をどんどん推し進めて欲しかった。それほど、このジャズ・ファンク+ソウル・ジャズをベースにした典型的な「CTIサウンド」に、グリーンのギターは合う。しかし、このアルバムのリリースの2年ほど後に、グリーンは帰らぬ人になってしまう。実に惜しい早逝であった。
 
 

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2025年3月25日 (火曜日)

ディーディーの声はお気に入り

ここ1〜2年、グッと少なくなった気がするのは僕だけだろうか。ジャズ・ボーカリストの新人のアルバムのリリースである。加えて、ジャズ・ボーカル盤の新譜も少なくなった気がする。新人として出てきたジャズ・ボーカリストが短い期間に続けて、リーダー作をリリースすることも稀になった。

ジャズを本格的に聴き始めてから暫くはジャズ・ボーカルが苦手だった。特に女性ボーカルが苦手。ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で紹介される、本格的な女性ボーカリストのアルバムが、どうにも「耳に合わない」。まだジャズを聴き始めた「ジャズ者初心者」だったから、自分の耳が悪いのかと悩んだ時期もあった(笑)。

そんな「女性ジャズ・ボーカル」アレルギーだった僕が、最初にお気に入りになったのが、ディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater、以降「ディーディー」と略す)。1950年生まれ、メンフィス出身の米国の女性ジャズ・ボーカリストである。

Dee Dee Bridgewater『Just Family』(写真左)。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Dee Dee Bridgewater (vo), Stanley Clarke (arr, b, producer), George Duke (key), Ronnie Foster (key, Moogs), Bobbye Lyle (p, key), Chick Corea (el-p), Ray Gomez (g), David T. Walker (g), Alphonso Johnson (b), Scarlet Rivera (vln), Harvey Mason, Leon "Ndugu" Chancler (ds), Airto Moreira (perc)。
 

Just_family_2 

 
ディーディーの3枚目のアルバム。パーソネルを見渡すと、これは、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックにした、コンテンポラリーな女性ジャズ・ボーカル盤である。従来のスインギー&4ビートな本格的な女性ジャズ・ボーカルでは無い、AOR、ポップス、ソウルの要素を上手く取り入れた、コンテンポラリーな女性ボーカル。

これが良かった。クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックに唄いまくるディーディーのボーカルは「ストレートでシンプルでソウルフル」。声に爽やかな力感が心地良く、爽やかなスイング感が心地良い。当時、新しい感覚の女性ジャズ・ボーカルで、クロスオーバー度が高く、ボーダーレスな音志向が耳に新しかった。

今の耳で聴いても、僕の耳には良いボーカルである。当時、大流行していたフュージョン志向かと思いきや、ソフト&メロウな要素は希薄で、ソウルフル&ファンクの要素の方が色濃く、そういう切り口から、このディーディーのボーカルは、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズとして聴いた方が座りが良い。決して、フュージョンでは無い。

クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックに、ディーディーのボーカルが合わせているのでは無く、ディーディーのボーカルに、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズのバックが合わせて、サポートし、引き立てている。そんな雰囲気が見え隠れするところがこのアルバムの良いところ。女性ジャズ・ボーカルの好盤だと僕は思う。
 
 

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2025年3月23日 (日曜日)

ジャケーのウィズ・ストリングス

イリノイ・ジャケーのテナーは、テキサス・テナーの代表格。ブルースを基調とした、骨太で気合いや根性を優先、豪快なブロウを身上とした、米国南部の男らしい荒くれテナー。我が国ではあまり人気が無いが、僕はこのテキサス・テナーの奏でるソウル・ジャズが大好物。

Illinois Jacquet『Bosses of the Ballad: Illinois Jacquet Plays Cole Porter』(写真左)。1964年10月29 & 30日、NYでの録音。Argoレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Illinois Jacquet (ts), Tom McIntosh, Benny Golson (arr)。バックにオーケストラが付く。イリノイ・ジャケーのテナーが主役のウィズ・ストリングス盤。

ジャズの多様化が進んだ1964年の、テキサス・テナーの雄、イリノイ・ジャケーがリーダーの「ウィズ・ストリングス」盤。しかし、大衆狙いの「ウィズ・ストリングス」盤だが、リリースは、ソウル・ジャズ&R&B志向ジャズの老舗、Argoレコードから。アレンジがトム・マッキントッシュとベニー・ゴルソン。どう考えても、ジャズの雰囲気を活かした、聴き心地優先のイージーリスニング志向のウィズ・ストリングス」盤とは思えない。

タイトルを直訳すると「バラードのボス。イリノイ・ジャケットとストリングスがコール・ポーターを演奏」となる。アルバム内容はタイトル通りで、収録曲全12曲全て、コール・ポーター作の楽曲で占められている。いずれもバラード基調のアレンジが施されているが、アレンジャーがマッキントッシュとゴルソン。イージーリスニング志向ではあるが、聴き心地優先では無い。あくまで、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが映えに映えるアレンジになっている。
 

Bosses-of-the-ballad-illinois-jacquet-pl

 
バックのオーケストラの演奏は、少しジャジーな雰囲気が芳しいが、基本的には水準レベルの普通のオーケストラの音。しかし、そこに、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが乗っかってくると、このイージーリスニング志向のウィズ・ストリングスな演奏が、グッとジャジーでファンクネス漂う、唄うが如くのソウル・ジャズ志向のイージーリスニング・ジャズに早変わり。

イリノイ・ジャケーのテナーは、骨太でソウルフルで力感溢れるソウルフルなテキサス・テナー。バラード演奏では、そんなテナーに優雅で優しい響きが加わる。そんなテナーがダンディズムを振り撒きながら、骨太でソウルフルなフレーズを吹き上げる。コール・ポーター作の楽曲の持つ旋律の優しさが、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーを更に前面に押し出し、映えに映えさせる効果を産んでいる。

ストリングスの少し甘い音色に乗って、イリノイ・ジャケーのテキサス・テナーが乱舞する。これは、単なる一般狙いのイージー・リスニングでは無い。イリノイ・ジャケーのテナーの存在感が、この盤を、ソウル・ジャズにおけるイージーリスニング志向の純ジャズの好盤、という位置付けに押し上げている。

Argoレコードの「ウィズ・ストリングス」盤。只者では無かった。イリノイ・ジャケーのバラード・テナーを愛でるに相応しい、ソウル・ジャズ志向の「ウィズ・ストリングス」盤である。好盤です。
 
 

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2025年3月19日 (水曜日)

ソウルフル・ピアノの楽しい好盤

僕のお気に入りのジャズ・ピアニストの一人、レイ・ブライアント。どっぷりファンキー&ソウルフル&スインギーなピアニスト。ハードバップ時代は、ソウルフル&スインギーの部分は控えめにしていたが、アーゴ&カデット・レコードに移籍後、レーベルの音志向、ソウル・ジャズ&ジャズロックに、ブライアントのピアノの個性がバッチリあって、ソウル・ジャズ志向の好盤を連発している。

Ray Bryant『Slow Freight』(写真左)。1966年12月8日の録音。Cadetレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Ray Bryant (p), Art Farmer, Snooky Young (tp, flh), Richard Davis (b), Freddie Waits (ds)。トランペット日本がフロントの変則クインテット編成。と言って、演奏の中で活躍するのは、ブライアントのピアノがメイン。

冒頭のタイトル曲「Slow Freight」から、ソウル・ジャズ全開。ソウル・ミュージックばりのボーカルがとにかくどっぷり「黒い」。加えて、ブライアントのどっぷりファンキー&ソウルフル&スインギーなピアノが入ってくる。演奏全体がゴスペルチックでソウルフルな雰囲気で溢れかえる。
 

Ray-bryantslow-freight

 
続くドナルド・バードのファンキー&ソウルフルな名曲「Amen」では、そもそもこの曲の持つゴスペルっぽい、コール・レスポンスを含めて、とにかくとんでもなくソウルフルな展開が楽しい。もう思わず手拍子、そして腰が動き、足でリズムを取ってステップを踏む。大ジャズ・ファンク大会である(笑)。

3曲目のジャズ・スタンダードの名曲「Satin Doll」ですら、ブライアントは、ファンキー&ソウルフル&スインギーなアレンジですっ飛ばす。もはやこれはゴスペルな「Satin Doll」。スインギーでダンサフルでソウルフル。こんな「Satin Doll」があっても良い。とにかくとんでもなく楽しい演奏である。

ブライアントの『Gotta Travel On』『Lonesome Traveler』、そして今回の『Slow Freight』を、僕は勝手に「Argo&Cadet三部作」と呼んでいるが、その3作の中でも、この『Slow Freight』が一番ファンキーでソウルフル。ゴスペルチックな響きも満載。ソウル・ジャズの楽しい楽しい好盤ですね。
 
 

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2025年3月18日 (火曜日)

ラムゼイのトーキョー・ライヴ

アーゴ&カデット・レコードを再認識している。こってこてファンクネス漂う、ソウル・ジャズ、ジャズロックを聴きたくなって選盤に迷ったら、アーゴ&カデットの諸作を選盤すれば良い、とまで思う様になった。それほどまでに、アーゴ&カデットのアルバムの制作志向は「ファンキー・ソウル・ジャズロック」で統一されている。

Ramsey Lewis『Live In Tokyo』(写真左)。1968年9月、東京大手町サンケイホールでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Ramsey Lewis (p), Cleveland Eaton (b), Maurice White (ds)。今は無き日本のジャズの聖地であったサンケイ・ホールで収録されたラムゼイ・トリオのライヴ盤。当時、日本限定発売だったそう。

こってこてのソウル・ジャズ&ジャズロックである。冒頭、ラムゼイ・ルイスの代表曲「The 'In' Crowd」から、もうノリノリ。ファンクネス濃厚、強烈なオフビート、思わず体が横揺れし、足でビートを取り始める。実に黒くてダンサフルなリズム&ビート。アドリブは、歌うが如くソウルフルなフレーズの嵐。
 

Ramsey-lewislive-in-tokyo

 
この東京でのライヴ録音のリズム隊、ドラムには、のちにアース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)を結成するモーリス・ホワイト。ベースには、長くラムゼイを支えたクリーブランド・イートン。このリズム隊のリズム&ビートのファンクネスが強烈。そこに、これまたソウルフルでファンクなラムゼイのピアノが乗ってくるのだ。もはや、ジャズロックなピアノ・トリオの饗宴である。

ファンキーに入りながら、徐々にテンポアップ、ベースとドラムもそれに追従して熱い熱い展開に上り詰めていく。ソウルフルでジャズ・ファンクなアドリブ・フレーズを叩き出しながら、もう演奏はホット&ノリノリ。お馴染みのヒット曲に加えて、ホレス・シルヴァー曲のカヴァー「Song For My Father」、来日を記念してでの新曲なのか「Soul Ginza」など、ファンキー&ソウルフルな好曲のオンパレード。

観客の拍手がライヴらしい熱気を作って、サンケイホールの雰囲気も良好ノリノリ。ヒットを連発してた時期のライヴ演奏なので、とても馬力のあるファンクネスだだ漏れのソウルフルなピアノ・トリオの演奏がこれでもか、というほどに展開されるのには、とことん圧倒される。
 
 

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