2025年8月 7日 (木曜日)

優れたモーガンの”ショーケース”

リー・モーガンは、ハードバップ期から、1960年代に入っての「ジャズ多様化の時代」の中で、モードに完全対応し、ジャズロックに適応する。テクニックが途方も無いモーガンならではの快進撃で、イージーリスニング・ジャズ志向のニーズに対しても、魅力的なカヴァー演奏で応える。そんなモーガンの雄姿を捉えたアルバムがこれ。

Lee Morgan『Delightfulee』(写真左)。1966年4月8日、5月27日の録音。ブルーノートの4243番。ちなみにパーソネルは、

1966年4月8日(Tracks 3, 4, 7-10)の録音では、Lee Morgan, Ernie Royal (tp), Tom McIntosh (tb), Jim Buffington (French horn), Don Butterfield (tuba), Phil Woods (as, fl), Wayne Shorter (ts), Danny Bank (bs, b-cl, fl), McCoy Tyner (p), Bob Cranshaw (b), Philly Joe Jones (ds), Oliver Nelson (arr)。オリヴァー・ネルソンがアレンジを担当したビッグバンドの大編成。

1966年5月27日(Tracks 1, 2, 5, 6)の録音では、Lee Morgan (tp), Joe Henderson (ts), McCoy Tyner (p), Bob Cranshaw (b), Billy Higgins (ds)。モーガンのトランペット、ジョーヘンのテナーがフロント2管のクインテット編成。

冒頭の「"Ca-Lee-So」は、モーガンの鯔背なトランペットが大活躍のカリプソな演奏。モーガンは演奏力抜群。カリプソな演奏も難なくこなす、というか、モーガンのカリプソ演奏は根性が入っている。モーガン節をメインとした、硬派でメインストリーム志向なカリプソ演奏。聴衆に迎合しない、「モーガンの考えるカリプソ」が、この演奏に詰まっている。
 

Lee-morgandelightfulee

 
続く「Zambia」は、モーガンらしい格好良い演奏。ハードバップとモードが混然一体となった、とにかく「格好良い」モーガンのトランペット。ジョーヘンのテナーが一生懸命。モーガンの奏でる、ハードバップとモードが混然一体となった展開に、遅れてはならじ、と気合いを込めて、モーガンのトランペットに追従する。

3曲目の「Yesterday」は、レノン=マッカートニー(ビートルズ)の大名曲のカヴァー。これはあまりにベタなカヴァーなので、イージーリスニング・ジャズの甘い甘い、売らんが為の商業ジャズ的カヴァーと思いきや、どうして、モーガンは、モーガンは硬派にメインストリームに、このレノン=マッカートニーの大名曲をカヴァーする。

アレンジが良好で、ジャズっぽさをシッカリ残した、ジャズとしてのカヴァーが成立している。4曲目、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」の「Sunrise, Sunset」 も、ユニークな、ミュージカル曲のカヴァー。エモーショナルなパフォーマンスのモーガンが良い。

5曲目の「Nite Flite」は、カッ飛ぶ、鯔背なモーガンのトランペットが凄い。ハードボイルドなハードバップとモードが混然一体となった演奏。ダンディズム&力感溢れるモーガンのアドリブ展開。モーガンのトランペットが映えに映える。

豪華共演陣が話題になるこの多いアルバムだが、聴いてみると判るが、主役は明らかに、リーダーのモーガンで、モーガンのトランペットが前面に出て、映えに映える。ハードバップ、モード、ジャズロック、カリプソ、ポップス曲のがヴァーと八面六臂、変幻自在のモーガンが体感出来る。当時の優れたモーガンの「ショーケース」の様な内容が実に魅力的。好盤です。
 
 

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2025年7月25日 (金曜日)

”The Cookers” の夜・その2

「Volume 1」では、客演のリー・モーガンが元気溌剌。一応、この”The Cookers”、ハバード名義だが、この「Volume 1」に限って言えば、モーガン名義にしても良いくらい、モーガン絶好調。完全にハバードを凌駕していた。2曲目「Walkin'」は、なんとハバード不在。ボサ・ロック「Pensativa」では、ちょっと違和感が漂う。

Freddie Hubbard『The Night Of The Cookers Volume 2』(写真左)。1965年4月10日、NYブルックリンの「Club La Marchal」でのライヴ録音。ブルーノートの4208番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Freddie Hubbard (tp), James Spaulding (as, fl), Harold Mabern (p), Larry Ridley (b), Pete La Roca (ds), Big Black (congas)。

一昨日、ご紹介した「The Cookers” の夜・その1」(左をクリック)の続編。「Volume 1」では、モーガン絶好調で、ハバードは「軒を貸して母屋乗っ取られる」恰好になった、ハバード名義のライヴ盤ながら、あまりにモーガンが目立ちすぎ。ハバードのレギュラーバンドのライヴに、モーガンが客演した恰好だったのに、である。

それでは、この「Volume 2」はどうか。収録曲は「Jodo」と「Breaking Point」の2曲のみ。収録時間は、どちらも20分を越える長尺ライヴ音源。しかも、どちらもハバードのオリジナル曲。パーソネルは「Volume 1」と同じ。演奏トレンドは「モード・ジャズ」。速いリズム&ビートで、モーダルに疾走するハバードが記録されている。
 

The-night-of-the-cookers-vol-2

 
ここでのハバードは「決まっている」。どうも、ハバードはモーダルな演奏が得意なのかな、と感じる。テクニックが途方も無く抜群なので、様々な演奏トレンドに適応する「器用さ」があるのだが、モード以外の演奏トレンドでは、モードほどに吹きまくることは無い。それは「The Cookers” の夜・その1」を聴けば、ボサ・ロックや、こってこてハードバップな演奏では、モーガンに比べると、やや精彩を欠くのは否めない。

マイルスはハバードのトランペットを評して「奴にあるのはテクニックだけだ」。確かに、モード・ジャズはテクニックが無いと対応出来ない演奏トレンドなのは判る。当然、モード・ジャズをやらせたら、ハバードは無敵だ。他のトランペッターの追従を許さない。フリー・ジャズも無敵。高度なテクニックを駆使して、フリーキーなフレーズを連発する。

逆に、他の演奏トレンドは、テクニックだけでかわすことは出来なくて、歌心とか、ファンクネスとか、ジャズにおける「サムシング」が必要になる。その辺りが、意外とハバードの弱点なのかもしれないなあ、とこのライヴ盤2枚を聴いて思った次第。

「Volume 2」でのハバードは無敵である。モーガンも凄く鯔背なトランペットを吹いているが、ハバードはテクニックの限りを尽くして、モーダルなフレーズを連発し、バンド全体のモーダルな雰囲気を牽引する。どちらが上、という訳では無いが、ハバードはモーダルな演奏に「からきし強い」ということが、この「Volume 2」を聴いて判るかと思う。ハバードの「ハバードらしさ」を聴くには、この「Volume 2」でしょう。
 
 

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2025年7月23日 (水曜日)

”The Cookers” の夜・その1

フレディ・ハバードとリー・モーガン、二大トランペッターの共演という触れ込みだが、実質的には当時のフレディ・ハバードが率いていたレギュラー・バンドに、リー・モーガンが客演したもの。当時のライヴ・セッションの様子をそのまま、ライヴ録音したという、ちょっと荒削りな感じのライヴ盤。

Freddie Hubbard『The Night Of The Cookers Volume 1』(写真左)。1965年4月10日、NYブルックリンの「Club La Marchal」でのライヴ録音。ブルーノートの4207番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Freddie Hubbard (tp #1), James Spaulding (as, fl), Harold Mabern (p), Larry Ridley (b), Pete La Roca (ds), Big Black (congas)。

ラテンフィーリングなボサ・ロック「Pensativa」、エキゾチックな趣が溶け込んだ「Walkin'」の、どちらも収録時間20分程度という、長尺の演奏が2曲のみ収録されている。2曲目のマイルスの名演で知られる「Walkin'」では、このライヴ盤の名義はハバードながら、トランペットについてはリー・モーガンだけ、という、ブルーノートにしては、ちょっと乱暴な編集になっている。
 

Freddie-hubbardthe-night-of-the-cookers-  

 
この「Volume 1」では、客演のリー・モーガンが元気溌剌、鯔背炸裂。一応、このライヴ盤、ハバード名義だが、この「Volume 1」に限って言えば、モーガン名義にしても良いくらい、モーガン絶好調。完全にハバードを凌駕している。2曲目「Walkin'」はハバード不在やし・・・。モーガンはそれぞれの曲で、それぞれの曲想に合ったトランペットをバリバリ吹き分ける。ハバードは我が道を往く、で、ボサ・ロック「Pensativa」では、ちょっと違和感が漂う。

面白いのは、ジェームズ・スポルディングのアルト・サックスで、その過激な吹きっぷりは、モーダルなフレーズではあるが、フリーに片足を突っ込んだ様な、ややアブストラクトで、かなり過激な展開。しかし、ドラムのピート・ラロッカが、猛烈に叩きまくり応戦しながら、絶対にジャジーなビートをしっかりキープして、スポルディングが、フリーやアブストラクトに傾くことを絶対に許さないところが、これまた面白い。

何かをしっかり表現しよう、しっかり表現するにはライヴ録音が良い、という、何かをしっかり記録しようという、高邁な録音方針があった感じでは無い。それでも、このライヴ記録されているセッションは、演奏トレンドは基本は「モード」、そのモードをそれまでのハードバップな演奏と「ハイブリッド」にかませた様な演奏内容は、録音年1965年ならではのユニークな内容。当時、日常に行われていたライヴの雰囲気を追体験するには恰好の一番です。
 
 

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2025年7月18日 (金曜日)

鯔背なモーガン, 神懸りハービー

ブルーノートの4200番台。ハードバップを基本として、聴き手のニーズに合わせた「ジャズ多様化」の時代は去り、1964年2月にビートルズが米国に上陸して以降、ロックやポップスが聴き手の心を掴む反面、その反動で、聴き手の「ジャズ離れ」が始まりだした時代、1965年から1969年までのリリース。当ブログで記事にしていないアルバムの「落ち穂拾い」を進める。

Lee Morgan『Cornbread』(写真左)。1965年9月18日の録音。ブルーノートの4222番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Jackie McLean (as), Hank Mobley (ts), Herbie Hancock (p), Larry Ridley (b), Billy Higgins (ds)。モーガンのトランペット、マクリーンのアルト・サックス、モブレーのテナー・サックスがフロント3管のセクステット編成。

演奏の基本は「ファンキー・ジャズ」。ソウル・ジャズまではいかない。モーガンのこの頃のファンキー・ジャズの展開は個性的で、「ばりばりハードバップな演奏」と「ばりばりモーダルな演奏」とが、ほどよいブレンド度合いでクロスオーバーしている。半「ハードバップ」・半「モード・ジャズ」な効果的な混在が、この盤の最大の楽しみどころ。
 

Lee-morgancornbread

 
演奏トレンドから見ると、冒頭のタイトル曲「Cornbread」の様な、8ビート採用の「ジャズロック」が、やはり格好良い。モーガンのトランペットは切れ味鋭く、テーマはキャッチャー。鯔背なモーガンの面目躍如。豪華絢爛な3管フロントの、ファンクネスどっぷりのユニゾン&ハーモニーは、単純に格好良い。好調モーガンに、好調マクリーン、好調モブレー。無敵のフロント3管の音が乱舞する。

もう一つの「推し」演奏は、モーガンのオリジナルの中でも屈指のボッサの人気曲。3曲目の「Ceora」。ファンキー・ジャズが奏でる「ボサノバ」。確かに心地良い。ファンクネス漂うボサノバ・ジャズってところが実にユニーク。ハンコックのピアノ、リドレーのベース、ヒギンスのドラムのリズム隊が、このファンキーなボサノバ・ジャズに適応したリズム&ビートを的確に供給する。

ハンコックのバッキングは神懸ってる。コード&モードの両刀遣いで、それぞれの曲の演奏トレンドに合ったバッキングは見事という他ない。そんな優れたバッキングに乗って、これまた鯔背なモーガンのトランペットが飛翔する。ジャケットも秀逸。 好盤です。
 
 

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2024年9月 7日 (土曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・28

今日で「僕なりのジャズ超名盤研究」シリーズの三日連続の記事化。小川隆夫さん著の『ジャズ超名盤研究』の超名盤を参考にさせていただきつつ、「僕なりのジャズ超名盤研究」をまとめてみようと思い立って、はや2年。やっと第1巻の終わりに差し掛かってきた。

Lee Morgan『The Sidewinder』(写真左)。1963年12月21日の録音。ブルーノートの4157番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Joe Henderson (ts), Barry Harris (p), Bob Cranshaw (b), Billy Higgins (ds)。リリース当時、ビルボード・チャートで最高25位を記録し、ブルーノート・レーベル空前のヒット盤となった。ジャズ史上においても、屈指のヒット盤である。

この盤も、僕がジャズ者初心者の頃、よく聴いた。なんせ、冒頭のタイトル曲「The Sidewinder」が、8ビート・ジャズで格好良いのなんのって。この曲が、8ビートを取り入れた「ジャズロック」の走りで、「実はブルースなんだが、8ビートに乗っているので、スピード感溢れる切れの良いブルースに仕上がった」という逸話を知ったのは、ジャズを聴き始めて10年くらい経ってから。

ただ、この盤、冒頭の「The Sidewinder」が、8ビートのジャズロックなブルースだからといって、全編、ジャズロックのオンパレードかと思いきや、それが違うのだからややこしい。この盤の評論にも「この盤は、いち早くロックのリズムを取り入れ、それに成功したジャズ盤」と堂々と書いているものもあるが、これって、2局目以降の演奏を聴かずに書いたとしか思えない。
 

Thesidewinder_1

 
ジャズ者初心者にとって、この盤を全編8ビートの「ジャズロック」が満載だと勘違いすると、この盤は辛い。2局目以降は、4ビートの曲もあるし、6拍子の曲もあって、様々なリズム・アプローチを試みたハードバップ盤の様相で、この盤は「様々なリズム・アプローチを試みたファンキー・ジャズ盤」と言える。

加えて、トランペットのモーガン、テナーのジョーヘン、共にアドリブ展開は「モード」を基本として、吹きまくっている。それぞれ、モーガンなりのモード展開、ジョーヘンなりのモード展開で、疾走感溢れるアドリブ・フレーズを吹きまくっていて、それまでのコードがメインのハードバップとは、音やフレーズの響きが全く異なる。当時としては、新鮮な響きを宿した、新しいハードバップとして捉えられていたのではなかろうか。

よって、この盤、キャッチャーでポップな、冒頭のジャズロック曲「The Sidewinder」に惑わされがちだが、ジャズ者初心者の入門盤としては、ちょっと難易度が高いと思う。

逆に、ジャズを聴き始めて、ジャズに興味が湧いて、様々なスタイルのジャズを聴いてみたいと思った時に、様々なビートに乗った、聴きやすい「モード・ジャズ」を体験するには最適の盤だと思う。特に、8ビートに乗った「モード・ジャズ」は、聴いていて「モード」をとても理解し易いと僕は思う。

ジャズロックを始めとした「様々なリズム・アプローチを試みたファンキー・ジャズ盤」として、この盤は内容充実であり、そういう切り口でこの盤は、ジャズの「超名盤」だと言える。ゆめゆめ、ジャズロック曲「The Sidewinder」が入っているから「超名盤」だとは解釈しないで欲しい。それだけ、この盤、ジャズロック曲「The Sidewinder」以外が充実しているのだ。
 
 

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   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

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2023年9月11日 (月曜日)

ジャズロック志向にロックオン

ハードバップ時代に、彗星の如く現れたトランペットの若き天才、リー・モーガン。1956年、初リーダー作『Indeed!』でデビューしたのが、なんと弱冠18歳。そしてこの初リーダー作が素晴らしい出来。以来、人気トランペッターとして第一線を走ってきたモーガン。1960年代の「ジャズの多様化」の時代は、22歳〜31歳の若手だが、彼のプレイは既に成熟し完成されていた。

Lee Morgan『The Rumproller』(写真左)。1965年4月の録音。ブルーノートの4199番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Joe Henderson (ts), Ronnie Mathews (p), Victor Sproles (b), Billy Higgins (ds)。リーダーのモーガンのトランペットとジョーヘンのウネウネ捻れモードのテナー・サックスがフロント2管のクインテット編成。

編成はオーソドックス。奇をてらったところが無いのはモーガンのリーダー作の良いところ。録音年は1965年。ジャズは多様化の時代のピーク。前作『Search for the New Land』で、モーガン流のモード・ジャズを確立した訳だが、今回の『The Rumproller』は、前々作『The Sidewinder』の内容に戻している。
 

Lee-morganthe-rumproller

 
冒頭のタイトル曲「The Rumproller」は、怒濤のジャズ・ロック。大ヒット曲「The Sidewinder」に比肩するファンキーでロックな出来。以降、モード有り、ラテン〜ボッサ有り、リリカルなミュートによるバラード有り、とバラエティーに富んだ内容に仕上がっている。この辺も大ヒット盤『The Sidewinder』を踏襲している。

この頃のモーガンは「ジャズ多様化の時代」の中で、どの方向に自らの音志向を持っていこうと、いろいろ迷っていた時代だったのではなかろうか。そして、この『The Rumproller』で、ジャズ・ロックをベースに定め、ジャズ・ロック志向の演奏の中で、モーダルなアドリブや、こってこてハードバップなフレーズなど、ジャズ・トランペットの演奏トレンドや演奏志向を展開する、そういう方向に舵を定めたのでは、と感じている。

話題としては「Desert Moonlight」、我々日本人にとってはお馴染みの童謡「月の沙漠」のジャズ化が2曲目にある。なかなかのアレンジで、日本の童謡を上手くジャズ化している。こういう器用さもモーガンの良き個性。次作『The Gigolo』以降、ジャズロックをベースとした演奏志向を追求〜深化していく。モーガンの鯔背なトランペットが映えに映える。
 
 

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2023年7月11日 (火曜日)

モーガンのモード・ジャズ 『Search For The New Land』

リー・モーガンも「進化の人」だった。デビュー当時は、バリバリのハード・バッパーだったが、ジャズ・メッセンジャーズへの参加を経て、ファンキー・ジャズに手を染める。そこから、ジャズ・ロックにも適応。ジャズの大衆音楽化に多大な貢献をしたかと思いきや、1960年代半ばには、アーティステック志向のジャズ、モード・ジャズにチャレンジする。

モーガンのトランペットのテクニックは相当に高いものがあり、様々なジャズの演奏スタイルやトレンドに確実に適応している。それだけ高い演奏テクニックを持っている訳だが、モーガンの優れているところは、様々なジャズの演奏スタイルやトレンドに適応する際、絶対に物真似では無い、必ず、モーガンのオリジナリティーを発揮しているところ。

Lee Morgan『Search For The New Land』(写真左)。1964年2月15日の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (p), Grant Green (g), Reggie Workman (b), Billy Higgins (ds)。モーガンのトランペット、ショーターのテナーがフロント2管、グリーンのぱっきぱきファンキーなギターが入ってのセクステット編成。

ピアノにハンコック、ベースにワークマン、ドラムスにヒギンスの、これって、どう見たって「新主流派」志向のリズム・セクション。そう言えば、テナーのショーターがいる。でも、ギターはグリーン、トランペットはモーガンで、この2人はファンキー・ジャズ志向。どんなジャズが展開されるのか、聴くまでは全く予想もつかない布陣である。

冒頭のタイトル曲「Search for the New Land」を聴くと、あれれ、と思う。ブルースかと思いきや、これ、モード曲。1950年代後半のハードバップな響きと、1960年代前半のモーダルな響きが混在した、面白い雰囲気のモード・ジャズが展開される。
 

Lee-morgansearch-for-the-new-land

 
ブルースっぽい展開の部分は、グリーンのぱっきぱきファンキーなギターがスケール一発のハードバップな響きのアドリブをかまし、モーダルな展開の部分は、ハンコックがこってこてモーダルなフレーズでガンガンに攻める。

そして、主役のモーガンとフロント管の相棒ショーターは、ブルースっぽい展開の部分とモーダルな展開の部分の両方に対応する。それでも、ワークマンのベースとヒギンスのドラムののリズム&ビートは「モーダルな響き」を基本としているので、演奏全体はモード・ジャズの体をしている。

それにしても、モーガンのモーダルな吹奏は見事なもので、1950年代のハードバップ時代の響きを宿しながら、フレーズは絶対的に「モード」。

1950年代後半のジャズと1960年代前半のジャズが混ざってる、モーガン独特のモード演奏が実にユニークで聴き応えがある。そして、ショーターがこの「モーガンのモード」に合わせて、テナーを吹いているところがこれまたユニーク。サイドマンとしてのショーターの凄みを聴いた思いがする。

他の曲も、この冒頭の「モーガンのモード」に合わせたモーダルな展開をメインとした演奏で、明らかに1950年代のハードバップとは一線を画する、これからのジャズのメインのトレンドを聴く様で、思わず姿勢を正して聴き込んでしまう。決して、リラックスして聴ける4ビートな演奏では無いのだが、ジャズの持つアーティスティックな面を堪能出来る好盤だと思う。

タイトルを直訳すると「新たな地を求めて」。とても示唆に富んだタイトルだと思う。こういう、当時の時代の先端を行くモーダルな演奏を記録しているブルーノートは、やはり優れたジャズ・レーベルだったと思う。「ブルーノートを聴けば、ジャズの歴史が判る」。至極名言である。
 
 

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2022年7月19日 (火曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・14

Art Blakey & The Jazz Messengers(アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ)は、僕の大好きなバンドの一つ。ドラマーのアート・ブレイキーが主宰するバンドで、1955年に旗揚げ、1990年にリーダーのブレイキーが亡くなるまでの、35年間の長きに渡って、第一線で活躍した。ジャズ・メッセンジャーズは、有望新人の登竜門的なバンドで、35年の活動期間の間に、相当数の一流ジャズマンを輩出している。

そんなジャズ・メッセンジャーズも旗揚げから、3年ほどは鳴かず飛ばず。しかし、Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jimmy Merrit (b) の優秀なメンバーに恵まれ、ブルーノートの4003番『Moanin'』(1958年10月30日の録音)で復活の狼煙を上げる。この時のバンド・メンバーは、メッセンジャーズ史上、最強の部類に入る。

『Art Blakey et les Jazz-Messengers au club St. Germain, Vols. 1-3』(写真)。1958年12月21日、仏パリの「サンジェルマン」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Art Blaakey (ds), Lee Morgan (tp), Benny Golson (ts), Bobby Timmons (p), Jimmy Merrit (b)。メッセンジャーズ史上、最強のラインナップ。復活の狼煙、伝説の名盤『Moanin'』の録音の約2ヶ月後のパフォーマンス。この「僕なりのジャズ超名盤研究」の書き下ろしの為に、久し振りに聴き直してみた。
 

At-club-st-germain

 
邦題『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』。LP時代に3枚のアルバムに分けて発売され、CDリイシュー時もその構成は踏襲されたが、出来れば、3枚一気に聴き通して欲しい。ここでのメッセンジャーズの演奏は最高に近い。ライヴ録音でありながら、エネルギッシュで迫力満点の演奏でありながら、ミスもほどんど無い。伝説の名盤『Moanin'』の名演の数々が霞むくらいだ。

メンバーそれぞれが、力量確かな一流ジャズマンなので、それぞれの演奏のバランスが抜群。それぞれのソロ演奏については、結構、時間をかけているのだが、内容が良いので「長い」と感じ無い。そして、メンバーそれぞれが、お互いのソロ演奏をよく聴き、よく理解していて、ソロをバトンタッチしていく際、繋がりがとても良く、独りよがりな展開にならない。3枚のライヴ盤、全12曲、捨て曲無し。どの演奏も「ファンキー・ジャズ」の代表的名演である。

ファンキー・ジャズ、ここに極まれリ、って感じの演奏の数々に思わず、じっくり聴き込んでしまいます。欧州でのモダン・ジャズの人気については、このライヴ盤の客席の掛け声など、熱い雰囲気が伝わってきて、熱狂的なものがあったことが判ります。ヘイゼル・スコット(Hazel Scott)が、ティモンズのソロの途中に感極まって「おお、神よ、憐れみを!(Oh Lord have mercy !)」と叫んだところなど、バッチリと録音されていて、その熱狂度合いを肌で感じることが出来ます。
 
 

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2021年5月17日 (月曜日)

チャレンジし進歩するモーガン『lee-way』

モーガンは「鯔背な」トランペッター。フレーズの終わりを「キュッ」と捻り上げる様な癖が「鯔背」。ファンキー・トランペットの代表的存在とされる向きもあるが、それはちょっと違うだろう。モーガンは、1972年2月19日、33歳で、彼の内縁の妻ヘレンに撃たれてこの世を去るまで、「チャレンジし進歩する」トランペッターだった。

Lee Morgan『lee-way』(写真左)。1960年4月28日の録音。ブルーノートの4034番。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Jackie McLean (as), Bobby Timmons (p), Paul Chambers (b), Art Blakey (ds)。モーガンのトランペットとマクリーンのアルト・サックスが2管フロントのクインテット編成。リズム・セクションは、ジャズ・メッセンジャーズから、ブレイキーのドラムとティモンズのピアノが参戦。ベースは先進的なポルチェンがチョイスされている。

モーガンは、1958年2月に、硬派なファンキー・ジャズ盤『Candy』を残して、一旦、ブルーノートを離れる。その後、Vee-Jayレーベルから、『Here's Lee Morgan』『The Young Lions』『Expoobident』の Vee-Jay3部作をリリースする。この3部作の内容を確認すると、演奏全体の雰囲気が、明るいメリハリの効いたファンキーなハードバップから、ちょっとモードに傾いた、新主流派な思索的でクールな雰囲気に変わっている。
 

Leeway
 

今回の『lee-way』は、再びブルーノートに戻って、Vee-Jay3部作の内容をそのまま踏襲した、モードに傾いた、新主流派な思索的でクールな内容のパフォーマンスを展開している。この盤にはもはや「ファンキー・トランペッター」のモーガンはいない。抑制が効いて、ちょっと大人しいプレイに聴こえるが、実は喜々として、バリバリ吹きまくっている。今回は完全に、マクリーン「置いてきぼり」である。

モードに傾いた、新主流派な思索的でクールな内容にチャレンジしているので、フレージングやアドリブ展開の吹き回しとかが、以前と明らかに変わってきている。これがモーガンの「既定路線」なのは、ブレイキーのサポートが揺るぎないこと、ティモンズのファンキー・ピアノも、モーガンの新しい志向に追従していることからも良く判る。

そして、その志向が「正解」なのも、ポルチェンのモーダルなベースのサポートを聴いても良く判る。バンド全体がしっかりと「モーガンの新しい演奏志向」をサポートしている。モーガンって、意外とその時その時のジャズの演奏の「流行」というのを意識している。考えるトランペッターであったことは、この辺りのアルバムを聴くと良く判る。
 
 
 

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2021年2月 1日 (月曜日)

都会の夜を連想させるモーガン盤

リー・モーガンのブルーノート1500番台に立ち戻っている。当ブログでまだ記事にしていない好盤の「落ち穂拾い」である。1538番のモーガンのデビュー盤『Indeed!』から、1500番台のモーガンの単独リーダー作、コ・リーダー作を併せて全8枚。この盤が最後の1500番台のリー・モーガンのリーダー作になる。

Lee Morgan『City Lights』(写真左)。ブルーノートの1575番。1957年8月25日の録音。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Curtis Fuller (tb), George Coleman (ts, as), Ray Bryant (p), Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)。モーガンのトランペット、フラーのトロンボーン、コールマンのサックスのフロント3管のセクステット(6重奏団)構成。

録音時、フロント3管のモーガンは弱冠19歳。フラーは23歳、コールマンは22歳。リズム・セクションのピアノ担当ブライアントは26歳、ベースのチェンバースは22歳、ドラムのテイラーは28歳。フロント3管の平均年齢は21歳。リズム・セクションの平均年齢25歳。若手で固めたセクステットだが、フロント3管はあまりに若い。若さに任せて、バリバリのアドリブ合戦が繰り広げられるのか、と思いきや、それが違う。
 
 
City-light  
 
 
タイトルが「City Lights(街の灯り)」。この盤は、当時の米国東海岸では珍しい、アーバンでアダルトにアレンジされた「大人のファンキー・ジャズ」である。フロント3管の平均年齢21歳で、この「大都会の夜、それも深夜」をイメージさせる、大人のブロウを聴かせてくれるとは。バリバリのアドリブ合戦どころか、アダルト・オリエンテッドなファンキー・ジャズな内容にちょっとビックリする。

収録曲を見れば、ベニー・ゴルソンの曲が5曲中3曲を占める。この盤、ゴルソンが作曲だけで無くアレンジでも参加していたらしく、なるほど、フロント3管のユニゾン&ハーモニーは、あからさまでは無いが「ゴルソン・ハーモニー」の香りがする。そう、このゴルソンのアレンジが「都会の灯り」の雰囲気を濃厚に醸し出しているのだ。

全編に渡って「大人」で「都会の夜」の雰囲気漂う音世界が心地良く流れていく。抑制の美とアレンジの妙。そんなゴルソンのアレンジの意図を理解し、的確に表現していく若手の3管フロント。その力量は計り知れないものがある。とりわけ、弱冠19歳、最若手のリーダー、モーガンのトランペットの「抑制の美」がこの盤の最大の聴きどころ。「都会の夜」を連想させる企画盤として良好の内容。好盤です。
 
 
 
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  ・『The More Things Change』1980

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  ・The Band『Stage Fright』

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  ・僕達は「タツロー」を聴き込んだ
 

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