優れたモーガンの”ショーケース”
リー・モーガンは、ハードバップ期から、1960年代に入っての「ジャズ多様化の時代」の中で、モードに完全対応し、ジャズロックに適応する。テクニックが途方も無いモーガンならではの快進撃で、イージーリスニング・ジャズ志向のニーズに対しても、魅力的なカヴァー演奏で応える。そんなモーガンの雄姿を捉えたアルバムがこれ。
Lee Morgan『Delightfulee』(写真左)。1966年4月8日、5月27日の録音。ブルーノートの4243番。ちなみにパーソネルは、
1966年4月8日(Tracks 3, 4, 7-10)の録音では、Lee Morgan, Ernie Royal (tp), Tom McIntosh (tb), Jim Buffington (French horn), Don Butterfield (tuba), Phil Woods (as, fl), Wayne Shorter (ts), Danny Bank (bs, b-cl, fl), McCoy Tyner (p), Bob Cranshaw (b), Philly Joe Jones (ds), Oliver Nelson (arr)。オリヴァー・ネルソンがアレンジを担当したビッグバンドの大編成。
1966年5月27日(Tracks 1, 2, 5, 6)の録音では、Lee Morgan (tp), Joe Henderson (ts), McCoy Tyner (p), Bob Cranshaw (b), Billy Higgins (ds)。モーガンのトランペット、ジョーヘンのテナーがフロント2管のクインテット編成。
冒頭の「"Ca-Lee-So」は、モーガンの鯔背なトランペットが大活躍のカリプソな演奏。モーガンは演奏力抜群。カリプソな演奏も難なくこなす、というか、モーガンのカリプソ演奏は根性が入っている。モーガン節をメインとした、硬派でメインストリーム志向なカリプソ演奏。聴衆に迎合しない、「モーガンの考えるカリプソ」が、この演奏に詰まっている。
続く「Zambia」は、モーガンらしい格好良い演奏。ハードバップとモードが混然一体となった、とにかく「格好良い」モーガンのトランペット。ジョーヘンのテナーが一生懸命。モーガンの奏でる、ハードバップとモードが混然一体となった展開に、遅れてはならじ、と気合いを込めて、モーガンのトランペットに追従する。
3曲目の「Yesterday」は、レノン=マッカートニー(ビートルズ)の大名曲のカヴァー。これはあまりにベタなカヴァーなので、イージーリスニング・ジャズの甘い甘い、売らんが為の商業ジャズ的カヴァーと思いきや、どうして、モーガンは、モーガンは硬派にメインストリームに、このレノン=マッカートニーの大名曲をカヴァーする。
アレンジが良好で、ジャズっぽさをシッカリ残した、ジャズとしてのカヴァーが成立している。4曲目、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」の「Sunrise, Sunset」 も、ユニークな、ミュージカル曲のカヴァー。エモーショナルなパフォーマンスのモーガンが良い。
5曲目の「Nite Flite」は、カッ飛ぶ、鯔背なモーガンのトランペットが凄い。ハードボイルドなハードバップとモードが混然一体となった演奏。ダンディズム&力感溢れるモーガンのアドリブ展開。モーガンのトランペットが映えに映える。
豪華共演陣が話題になるこの多いアルバムだが、聴いてみると判るが、主役は明らかに、リーダーのモーガンで、モーガンのトランペットが前面に出て、映えに映える。ハードバップ、モード、ジャズロック、カリプソ、ポップス曲のがヴァーと八面六臂、変幻自在のモーガンが体感出来る。当時の優れたモーガンの「ショーケース」の様な内容が実に魅力的。好盤です。
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