2025年6月 9日 (月曜日)

傑作・Gong『Gazeuse!』である

1960年代終わりから1970年代後半にかけて、ロック界を席巻した「プログレッシヴ・ロック(以降「プログレ」と略)」。クラシック音楽やジャズ、現代音楽などの他ジャンルの要素を取り入れ、複雑なサウンド構成や変拍子の積極採用、長尺な楽曲が多い、などが特徴。高度な演奏技術や実験的な音楽性を追求し、それまでのロックとは異なる「進歩的=プログレッシヴ」な音楽性を目指したロック。

プログレは英国で隆盛を極めたが、何もプログレは英国だけのものでは無い。欧州では、イタリア、フランス、オランダへと飛び火し、それぞれの国で、幾つかの代表的なバンドが生まれ出でている。「ゴング(Gong)」もその1つで、ゴングは、フランスを代表するプログレッシヴ・ロックバンド。元「ソフト・マシーン」のデヴィッド・アレンを主宰に結成。サイケデリック・ロックを原点に様々なスタイルに変化。時期によってメンバー、音楽性が変わり、派生グループも多い。

Gong『Gazeuse!』(写真左)。1976年の作品。ちなみにパーソネルは、Pierre Moerlen (ds, vib, marimba, timpani, glockenspiel), Didier Malherbe (ts, fl), Allan Holdsworth (g, vln, pedal steel), Mireille Bauer (vib, marimba, glockenspiel, toms), Benoît Moerlen (vib), Francis Moze (b, p, gong), Mino Cinelu (perc)。

1976年、バンドは残留したドラマーのピエール・ムーランを中心に再編成。この時代のバンドは「ピエール・ムーランズ・ゴング」と分類される。脱退したデヴィッド・アレン時代の「サイケデリック色」を一掃、ニューエイジやアンビエントなどの要素を取り入れたジャズ・ロック&ュージョン・バンドとして音志向をチェンジする。その最初の成果がこの『Gazeuse!』である。

ここでも、英国同様、プログレッシヴ・ロックと、ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン・ジャズとの曖昧な境界線が存在する。
 

Gonggazeuse

 
この『Gazeuse!』は、明らかに、ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン・ジャズの範疇にバンドである、ということを証明する様な内容。上質のジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン・ジャズの音世界が展開されているから驚きである。

ギターに「アラン・ホールズワース」の名前がある。ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン畑の良い意味での「変態ギター」の代表格。まず、ホールズワースのギターが大活躍。バンド・サウンドのメインフレーズを「ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン」色に染め上げている。

加えて、このバンド・サウンドの特徴が「打楽器」の活躍。ドラム言うに及ばず、マリンバ、ティンパニの活用で、リズム&ビートが前面に出て、アーシーでジャジーな雰囲気を濃厚にしている。言い換えると、打楽器の積極活用が、前のバンド・サウンドのイメージ「サイケデリック色」の一掃を実現している。

演奏的には、英国プログレッシヴ・ロックの「ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン」なサウンドと同様。英国のサウンドよりも流麗で色彩豊か。フレーズを担うギター、サックスの音色は「定石」として、このアルバムでは、ヴァイブ、グロッケンシュピールといった鍵盤打楽器を活用して、他の「ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン」のフレーズ・サウンドとの差別化を、「ピエール・ムーランズ・ゴング」の音の個性の確立を後押ししている。

アルバム全体を通じて、メロディックで流麗なフレーズ展開、複雑なポリリズミックなリズム&ビート。テクニック優秀、リーダーのピエール・ムーランのドラミングが、バンド・サウンドを推進し統率する。フランスのプログレ・グループが奏でる「ジャズ・ロック&クロスオーバー/フュージョン」なサウンド。傑作である。
 
 

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2025年5月20日 (火曜日)

超一流のセッション・ギタリスト

Phil Upchurch(フィル・アップチャーチ)。1941年7月19日、米国イリノイ州シカゴ生まれのギタリスト兼ベーシスト。ジャズ、クロスオーバー&フュージョンのみならず、ソウル、R&Bの数々の名盤に参加してきた、超一流のセッション・ギタリストである。

『Phil Upchurch』(写真左)。邦題「フィル・アップチャーチの真髄」。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Phil Upchurch, John Tropea (g), keyboards : Richard Tee, Leon Pendarvis, Arron Jamal, Larry Fast (key), Jorge Dalto (p), Will Lee, Chuck Rainey (b),Steve Gadd, Harvey Mason (ds), Jimmy Maelen, Kewu, Tony Carpenter, Henry Gibson (perc)。

フィル・アップチャーチのエレギは、音色と弾き方の「個性」で勝負するエレギ。アップチャーチ独特の硬質パキパキな音色、ミッド・テンポで、コキコキと弾き進める。独特というか、唯一無二な音色と弾き方で、他にこの音色と弾き方を持つギタリストはいないと思う。逆に一度聴いたら忘れられない「音色と弾き方」。

実は、既に1960年代初頭からリーダー作を出しているフィル・アップチャーチ。この盤は、通算9枚目のソロ・アルバムになる。このアルバム、編集が面白くて、アナログLP盤のA面をジョン・トロペイが、B面をジョージ・ベンソンがプロデュースしている。
 

Phil-upchurch

 
トロペイ・サイドは「ダイナミックな演奏」NYのミュージシャンが中心。スティーヴ・ガッドやリチャード・ティー、ウィル・リーらが名を連ねていて、NYクロスオーバー&フュージョン・オールスターって感じ。アップチャーチはリードのみを弾き、収録曲はカヴァー中心。シュギー・オーティス「Strawberry Letter 23」、デニース・ウィリアムス「Free」、ジャクソンズ「Good Times」。

ベンソン・サイドは「ソフト&メロウな演奏」で、LAのミュージシャンが中心。ピアノにホルヘ・ダルト、ドラムにハーヴィー・メイスンが、ベースにはチャック・レイニー。全曲フィル自身の書き下ろし曲で、演奏全体の雰囲気は「裏ブリージン」。アップチャーチはギターリードとリズムの両方を弾き流麗なフュージョン志向の演奏で、アップチャーチのリズムギターが映えに映える。

アップチャーチがリード・ギター、リズム・ギター、ベース、ドラムを一人で演奏し、デオダートがストリングとホーンアレンジをした曲「Cyrenna」がユニーク。演奏全体が心地よいファンクネスで固められて、むっちゃ格好良い。

クロスオーバー&フュージョン志向のエレギ好きにはたまらない、内容充実の「レア・グルーヴ+ソフト&メロウなフュージョン・ジャズ」の傑作盤。我が国のクロスオーバー&フュージョン畑では、なぜか、かなりマイナーな存在のフィル・アップチャーチ。再評価が待たれる「超一流のセッション・ギタリスト」である。
 
 

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2025年5月 2日 (金曜日)

第一期カシオペアの音の究極

前々作『SUN SUN』の、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向を踏襲しつつ、ボーカルを導入したり、バック・ボーカルを工夫して織り込んだり、よりポップな仕上がりになって、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの成熟を見た、前作の『PLATINUM』。

CASIOPEA『EUPHONY』(写真)。 1988年1月7日~2月5日、東京の「Studio Jive」での録音。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds)。カシオペアの18枚目のアルバム。ゲスト無し、メンバー4人のみで制作されたシンプルな原点回帰的なアルバムである。櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds) が参加した最後のアルバムでもある。

自身の新レーベル、新レーベルAURAの設立後、第二弾のアルバム『EUPHONY』は、どんなサウンドに仕上がっているのか。新しい音の展開はあるのか。興味津々でこの『EUPHONY』を聴いた記憶がある。事前にライナーノーツを読んで、ゲスト無し、メンバー4人のみで制作されたことは、事前知識として頭に入っていた。

で、出てくる音は、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの成熟形がベースなんだが、前作まで、その音の個性を捻り出していた「純和製のクロスオーバー&フュージョンの特徴である、乾いたファンク・ビート」が後退し、カシオペア初期のクロスオーバー&ジャズロック志向のリズム&ビートに置き換わっている印象。
 
Casiopeaeuphony  
 
アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの成熟形の、「乾いたファンク・ビート」を「クロスオーバー&ジャズロック志向のリズム&ビート」に置き換えた、カシオペア独特のアメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のギターバンド・サウンドに仕上がっている。

「クロスオーバー&ジャズロック志向のリズム&ビート」に置き換えたところを、カシオペア・サウンドの「原点回帰」と捉えるか、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの「究極形」と捉えるか、でこの盤の評価は分かれるが、僕は後者である、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの「究極形」と捉えている。

このクロスオーバー&ジャズロック志向のリズム&ビートがベースの、カシオペア独特のアメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のギターバンド・サウンド。これが第一期カシオペアの最終到達点だと僕は感じている。和フュージョンからスタートしたカシオペア初期。ここでは、カシオペア初期のリズム&ビートを残しつつ、内容的にはグローバル・レベルのフュージョン・ジャズに進化した、第一期カシオペアの音の「究極形」である。

和フュージョンの傑作であり、グローバル・レベルのクロスオーバー&フュージョン・ジャズの傑作である。「EUPHONY」とは「快い音、美しい響き、好音調」を意味する言葉。この盤には、第一期カシオペアの「快い音、美しい響き、好音調」が詰まっている。名盤だと思う。
 
 

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2025年5月 1日 (木曜日)

第一期カシオペアの音の成熟

前作『SUN SUN』の、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズの音を踏襲しつつ、ボーカルを導入したり、バック・ボーカルを工夫して織り込んだり、よりポップな仕上がりになっている。サウンド・ファクターとしては、NYらしいダンスビートを積極採用し、ドラムには深いデジタル・リバーブが掛けられている。

CASIOPEA『PLATINUM』(写真左)。 1987年6月11日~6月23日は、NYの「SOUNDTRACK」、1987年6月23日は、LAの「STUDIO SOUND」での録音。1987年9月1日のリリース。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 向谷実 (key), 櫻井哲夫 (b), 神保彰 (ds)。

カシオペアの17枚目のアルバム。 自身の新レーベル、新レーベルAURAの設立後、第一弾のアルバム。ゲストに、楠木勇有行, Djavan (vo), Steve Thornton (perc), Earl Gardner (tp), Alex Foster (as), Lenny Pickett (ts, bs)。ボーカルとブラスの導入が、いかにも、米国フュージョンっぽい。

しかし、である。アメリカナイズされたフュージョン・ジャズの音ではあるが、ファンクネスはほとんど感じられない。さすが、純和製のクロスオーバー&フュージョンである。ファンク・ビートは採用されてはいるが、粘りがなく、さらっと乾いている。これが、純和製のクロスオーバー&フュージョンのリズム&ビートの特徴である。
 

Casiopeaplatinum  

 
ポップなアメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向の音作りで、当時流行のダンスビートを取り入れ、ドラムには深いデジタル・リバーブがかかっているが、純和製のクロスオーバー&フュージョンの特徴である、乾いたファンク・ビートお陰で、「大味で単調で飽きが来る」という米国フュージョンの欠点をクリアしている。

乾いたファンク・ビートお陰で、メインの楽器のフレーズが、重厚なビートに埋まることなく、しっかりとビートと折り合いをつけて、しっかりと前面に出てきている。カシオペアの個性である「疾走感」も損なわれることなく、しっかりと「ある」し、カシオペアの特徴である「バカテク」が、ビートに負けることなく、しっかり聴き取れる。

ポップなアメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向の採用のお陰で、演奏のテンポが、ミッド・テンポが中心になったことで、以前のカシオペアの「バカテク・疾走」フュージョンの個性が薄れて、これはカシオペアではない、とされた向きもあるが、今の耳で聴き直してみても、メインの楽器のバカテク・フレーズがしっかり聴こえているので、ミッド・テンポの演奏とは言え、疾走感は十分に「ある」。

このアルバムは、アメリカナイズされたフュージョン・ジャズ志向のカシオペア・サウンドの成熟形だと解釈している。さすが、自身の新レーベル、新レーベルAURAの設立後、第一弾のアルバム。バンド全員、気合いが入って、爽快な仕上がりである。
 
 

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2025年4月28日 (月曜日)

グラント・グリーンの白鳥の歌

独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなギタリスト、グラント・グリーン。彼の活動後期は、イージーリスニング・ジャズ志向のリーダー作をリリースしている。

それぞれ内容のあるイージーリスニング・ジャズ志向のリーダー作だったと思うが、一般にはウケが悪かった。そして、1979年1月31日、NYで、ジョージ・ベンソンのブリージン・ラウンジでの演奏会に出席していた際、車内で心臓発作を起こし倒れ、そのまま、帰らぬ人となった。43歳であった。

Grant Green『The Main Attraction』(写真左)。1976年3月19日の録音。1976年のリリース。CTI/Kudoレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

Grant Green (g), Burt Collins, Jon Faddis (tp), Sam Burtis (tb), Hubert Laws (fl), Michael Brecker, Joe Farrell (ts), Ronnie Cuber (bs), Don Grolnick (el-p, clavinet), Steve Khan (rhythm-g), Will Lee (el-b), Andy Newmark (ds), Carlos Charles (conga, perc), Sue Evans (perc), Dave Matthews (arr, cond)。

パーソネルを見渡せば、クロスオーバー&フュージョン・ジャズ畑の名うてのミュージシャンがズラリ。実に豪華な面々で、出てくる音は、典型的な「CTIサウンド」。そう、このグラント・グリーンのリーダー作は、CTIからのリリース。プロデューサーは、クリード・テイラー、アレンジ&指揮はディヴ・マシューズ。

CTIサウンドに乗ったグラント・グリーンのパッキパキ硬派で、こってこてファンキーなギター。これがCTIサウンドに実に良く合う。まるで、ウエス・モンゴメリーのCTI盤を聴くが如く、ジョージ・ベンソンのCTI盤を聴くが如く、格別上等のクロスオーバー&フュージョン志向の硬派な純ジャズ・ギターを聴くことが出来る。
 

Grant-greenthe-main-attraction

 
演奏の雰囲気は、ジャズ・ファンク+ソウル・ジャズ。フュージョン・ジャズ志向のソフト&メロウなバックの演奏に乗って、独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグリーンのギターが、ソウルフルに唄いまくる。ソフト&メロウなバック演奏と、パッキパキ硬派でこってこてファンキーなグリーンのギターとの対比が良好。

1曲目のタイトル曲「The Main Attraction」のイントロのブラス・セクションのユニゾン&ハーモニーからして、ソウルそして、R&B志向のこってこてファンキーな響き。そして、出てくるメインの演奏は、適度にユルユルのR&B志向のソウル・ジャズ&ジャズ・ファンク。この1曲だけで20分弱の大作なのだが、ユルユルのR&B志向のソウル・ジャズ&ジャズ・ファンクだが、だれることなく、腰が揺れるが如く、足踏みをするが如く、極上のソウル・ジャズ&ジャズ・ファンクが展開される。

2曲目の「Future Feature」は、モータウンが入った、完璧硬派なソウル・ジャズ。R&B志向のブラス・セクションのユニゾン&ハーモニーが実に重厚ファンキー。ヒューバート・ロウズのフルートもファンキー&ソウルフル。スティーヴ・カーンのリズム・ギターのカッティングもファンク濃厚、そこに、思い切りソウルフルな、独特のシングルトーンでパッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグリーンのギターが唄いまくる。

ラストの3曲目「Creature」は、フェンダー・ローズの音とファンキーなフルートの音がソウルフル、そこに、独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグリーンのギターが絡む。どっぷりソウルフルでR&Bでスローな展開はクセになる。

実は、この『The Main Attraction』が、グラント・グリーンのメジャー・リリースにおける遺作になる。体調が優れなかったので仕方がないが、このCTI/Kudoレーベルでのアルバム制作をどんどん推し進めて欲しかった。それほど、このジャズ・ファンク+ソウル・ジャズをベースにした典型的な「CTIサウンド」に、グリーンのギターは合う。しかし、このアルバムのリリースの2年ほど後に、グリーンは帰らぬ人になってしまう。実に惜しい早逝であった。
 
 

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2025年4月19日 (土曜日)

Steve Howe『Guitarscape』

英国はジャズとロックとの境界が曖昧。もっと正確にいうと、英国は「クロスオーバー&フュージョン・ジャズとプログレッシヴ・ロックとの境界が曖昧」。ロック畑のミュージシャンが、クロスオーバー&フュージョン・ジャズに走ったり、クロスオーバー&フュージョン・ジャズのミュージシャンがロックに走ったりする。

そんな2つのジャンルを股にかけるギタリストの一人に「ステーヴ・ハウ(Steve Howe)」がいる。英国プログレッシヴ・ロックの雄、イエスと、英国プレグレのスーパーバンド、エイジアの人気ギタリストである。超絶技巧なテクニックと歌心溢れる印象的なフレーズ、エレ&アコの両刀使い。僕の大好きなロック・ギタリストの一人である。

Steve Howe『Guitarscape』(写真左)。2024年の作品。ちなみにパーソネルは、Steve Howe (g, key), Dylan Howe (ds, perc)。この盤では、ハウは、ギタリスト本業のアコ、エレ、スティール、ベースギターに加え、キーボードを担当しているところが目新しい。そして、息子のディラン・ハウがドラムで参加している。

スティーヴ・ハウのソロ・アルバムといえば、1975年のソロデビュー作『Beginnings』や1979年の続編『The Steve Howe Album』が浮かぶが、ハウはソロ・アルバムを重ねる度に、様々なスタイルをブレンドして、ハウのギターの個性を深化させている。

しかし、ハウの基本的な独特の個性は、しっかりと演奏の底に存在している。もともと、ロック界の中では独特の、唯一無二は個性を誇っているギタリストである。どのソロ・アルバムでも、これってハウ? って判るくらい、演奏の底に、ハウの基本的な独特の個性が横たわっている。

この『Guitarscape』には、ロックからアコースティック、クラシックまで、様々な音楽スタイルを網羅した、14曲のインスト・トラックが収録され、どれも紛れもない「スティーヴ・ハウ・サウンド」を奏でている。
 

Steve-howeguitarscape

 
ハウは、ギター・マスターよろしく、アコ、エレ、スティール、ベースギターに加え、キーボードも担当し、新しいキーボード、ノベーション・サミットを手に入れている。この新しいキーボードが、ハウに好影響を与えている様で、ハウは新たな作曲手法を用いて、幅広い音の風景を描き出している。

これが、この『Guitarscape』の音世界の「キモ」になっている。今回、ハウはキーボード奏者として、自分独自のキーボード構成、ハウ独特の少し変わったコード進行や構成を作り出している。そして、そのキーボードで作り出した、ハウ独特の少し変わったコード進行や構成をギターに置き換えたりして、新しいイメージの「ハウ・サウンド」の創造に成功している。

「Hail Storm」の脈打つようなシンセ・パターンから「Spring Board」のスローなロックまで、幅広い音の風景を描き出している。「Distillations」では、彼のアコースティックな演奏が際立ち、「Steel Breeze」ではスティール・ギターで楽園の島を想起させる。

ハウの持つ特有の「演奏のバリエーションと色彩」を全面的に使いこなし、特徴的なエ&アコ、そしてスティールのギターの音色と、キーボードの新しい響きをミックスした、チャレンジブルな演奏は、実に魅力的。

音のイメージ的には、まさに「プログレッシヴ・ロックとクロスオーバー&フュージョンの融合」的なイメージで、そのイメージの中で、ハウの独特の個性が映えに映える。

クロスオーバー&フュージョン・ジャズとプログレッシヴ・ロック、そんな2つのジャンルを股にかける、伝説的ギタリスト「ステーヴ・ハウ」。これまで、ソロで魅力的な「プログレッシヴ・ロックとクロスオーバー&フュージョンの融合」的なアルバムをリリースし続けているが、我が国ではほとんど注目されることはない。再評価を望みたい。
 
 

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2025年4月 4日 (金曜日)

Yellowjackets『Fasten Up』

やっと晴れた。昨日までの3日間、冷たい雨の日々で、精神的にも暗くなりがちだった。でも、やっと晴れた。気温も最高気温18度と「春」である。「春」になると、フュージョン・ジャズを聴く回数が多くなる。暖かい気候が気分を開放的にさせて、フュージョン・ジャズの8ビートが心地良く心に響くからだろう。

Yellowjackets『Fasten Up』(写真左)。2024年6月24-26日、Hollywoodでの録音。今年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bob Mintzer (ts, EWI), Russell Ferrante(p, key), Dane Alderson (el-b, MIDI sequencing), Will Kennedy (ds), ゲストに、Raul Midon (vo, g)。

フュージョン・グループの老舗、結成以来、44年経った今でもトップ・グループの一つとして活躍中のイエロージャケッツ。歴史的にメンバー・チェンジは経験しているが、今のバンド・メンバーは最低10年以上、演奏し続けている、団結力の強いバンドである。

唯一不変なのは創設メンバーであるキーボード奏者のラッセル・フェランテ。サックス奏者のボブ・ミンツァーは35年ほどの長期メンバー。ドラマーのウィル・ケネディは、1987年から1999年までバンドで演奏し、2010年に再加入で通算26年在籍。ベーシストのデイン・アンダーソンは10年間バンドに在籍。

そんなフュージョン・グループの老舗、結成以来、44年経った今でもトップ・グループの一つとして活躍中のイエロージャケッツの2025年新作。27枚目のスタジオ・アルバム。
 

Yellowjacketsfasten-up

 
ラッセル・フェランテ、ボブ・ミンツァー、デイン・アルダーソン、ウィル・ケネディの鉄壁のカルテットで、現代の最前線のフュージョン・ジャズなサウンドを聴かせてくれる。

全11曲が収録されているが、カバー曲が1曲、バンドメンバーの作曲が10曲である。カヴァー曲もオリジナル曲も出来は上々で、イエロージャケッツならではのスマートなアレンジが施され、アルバム全体の統一感が素晴らしい。

やはり、ベン・タッカー作「Comin' Home Baby」のカヴァーが目を引く。ジャズ・フルート奏者、ハービー・マンの演奏で大ヒットしたラテン・ジャズの名曲である。これが、まあ、現代の最前線の、イエロージャケッツらしい、フュージョン・ジャズなアレンジで、アクティブにスマートにヒップに聴かせてくれる。

「The Lion」は、ラテン風のミッドテンポの曲で、強力なメロディーが印象的。ミドンの明るく高揚感のあるボーカルは一聴の価値あり。ミンツァー作「Swingmeister General」は、そのタイトル通り、スウィング感たっぷりのストレートなジャズ・ナンバー。ミンツァーのパワフル・テナーが印象的。「November 8th」などの曲で聴くことの出来るフェランテのアコピが良い雰囲気。

このイエロージャケッツの新作は、良い選曲、スマートなアレンジ、エモーショナルでテクニカルでインプレッシヴなパフォーマンスで固められた、現代のコンテンポラリー・ジャズ&フュージョン・ジャズの秀作です。21世紀に入って四半世紀。フュージョン・ジャズの飽く無き深化を感じます。
 
 

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2025年3月25日 (火曜日)

ディーディーの声はお気に入り

ここ1〜2年、グッと少なくなった気がするのは僕だけだろうか。ジャズ・ボーカリストの新人のアルバムのリリースである。加えて、ジャズ・ボーカル盤の新譜も少なくなった気がする。新人として出てきたジャズ・ボーカリストが短い期間に続けて、リーダー作をリリースすることも稀になった。

ジャズを本格的に聴き始めてから暫くはジャズ・ボーカルが苦手だった。特に女性ボーカルが苦手。ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で紹介される、本格的な女性ボーカリストのアルバムが、どうにも「耳に合わない」。まだジャズを聴き始めた「ジャズ者初心者」だったから、自分の耳が悪いのかと悩んだ時期もあった(笑)。

そんな「女性ジャズ・ボーカル」アレルギーだった僕が、最初にお気に入りになったのが、ディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater、以降「ディーディー」と略す)。1950年生まれ、メンフィス出身の米国の女性ジャズ・ボーカリストである。

Dee Dee Bridgewater『Just Family』(写真左)。1978年の作品。ちなみにパーソネルは、Dee Dee Bridgewater (vo), Stanley Clarke (arr, b, producer), George Duke (key), Ronnie Foster (key, Moogs), Bobbye Lyle (p, key), Chick Corea (el-p), Ray Gomez (g), David T. Walker (g), Alphonso Johnson (b), Scarlet Rivera (vln), Harvey Mason, Leon "Ndugu" Chancler (ds), Airto Moreira (perc)。
 

Just_family_2 

 
ディーディーの3枚目のアルバム。パーソネルを見渡すと、これは、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックにした、コンテンポラリーな女性ジャズ・ボーカル盤である。従来のスインギー&4ビートな本格的な女性ジャズ・ボーカルでは無い、AOR、ポップス、ソウルの要素を上手く取り入れた、コンテンポラリーな女性ボーカル。

これが良かった。クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックに唄いまくるディーディーのボーカルは「ストレートでシンプルでソウルフル」。声に爽やかな力感が心地良く、爽やかなスイング感が心地良い。当時、新しい感覚の女性ジャズ・ボーカルで、クロスオーバー度が高く、ボーダーレスな音志向が耳に新しかった。

今の耳で聴いても、僕の耳には良いボーカルである。当時、大流行していたフュージョン志向かと思いきや、ソフト&メロウな要素は希薄で、ソウルフル&ファンクの要素の方が色濃く、そういう切り口から、このディーディーのボーカルは、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズとして聴いた方が座りが良い。決して、フュージョンでは無い。

クロスオーバー志向のエレ・純ジャズをバックに、ディーディーのボーカルが合わせているのでは無く、ディーディーのボーカルに、クロスオーバー志向のエレ・純ジャズのバックが合わせて、サポートし、引き立てている。そんな雰囲気が見え隠れするところがこのアルバムの良いところ。女性ジャズ・ボーカルの好盤だと僕は思う。
 
 

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  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

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2025年3月24日 (月曜日)

スパニッシュ志向のマクラフリン

実験的でシリアスで求道的なアプローチを身上とした「マハヴィシュヌ・オーケストラ」を解散し、インド音楽志向のエレ・ジャズを追求したシャクティを立ち上げたマクラフリン。その傍らで、アル・ディ・メオラ、パコ・デ・ルシアとのスーパー・ギター・トリオを立ち上げ、一世を風靡。そして、マクラフリンは1980年代に突入する。

John McLaughlin『Belo Horizonte』(写真左)。June–July 1981年6〜7月の録音。ちなみにパーソネルは、John McLaughlin (g), Paco de Lucía (ac-g), Augustin Dumay (vln, vo), François Jeanneau (sax), François Couturier, Katia Labèque (key), Jean Paul Celea (b), Tommy Campbell (ds, perc), Jean-Pierre Drouet, Steve Sheman (perc)。

アル・ディ・メオラ、パコ・デ・ルシアとのスーパー・ギター・トリオを経て制作された、マクラフリンのソロ・リーダー作。前作『Electric Dreams』の「コズミックなクロスオーバー&フュージョン」志向のコンテンポラリーなエレ・ジャズの雰囲気を踏襲しつつ、スーパー・トリオで体験した、フラメンコ風のギターのテイストを織り込んで、ユニークな音世界を創出した傑作。

クロスオーバー&フュージョン志向の純エレ・ジャズの中で「アコースティック・ギターをどう活かすか」を最重要テーマに、アコースティック・ギターが映えに映えるアレンジが全編に渡って施されている。エレ・ジャズの要素、フェンダー・ローズやシンセサイザーなどは、このアコースティック・ギターを映えさせる役割に徹している。
 

John-mclaughlinbelo-horizonte 

 
そして、そんなアコースティック・ギターを映えさせる為に選んだテイストが「スパニッシュ」志向。それまで、プログレとジャズの融合がメインテーマだったマクラフリンが、フラメンコ風のギター風のフレーズを、軽快でポップなタッチで弾きまくる。実験的要素は全く無い。

それまで、シリアスで求道的な作品が中心だったマクラフリンが、スパニッシュ志向に転身して、フュージョン・ジャズ志向のポップなエレ・ジャズを展開している。しかも、その内容はとても充実していて濃い。

面白いのは、バックのバンド演奏が全く目立ってこないこと。軽快でポップなスパニッシュ志向のマクラフリンのアコースティック・ギターを引き立て、流麗さを浮き立たせるバック・バンドの演奏なんだが、それまでのマクラフリンのテクニック最優先のバック・バンドの演奏とは正反対のイメージ。

決して、テクニカルでもなく、雰囲気だけでリズム&ビートを醸し出している。しかし、これが、この盤でのマクラフリンのアコースティック・ギターに合っている。プロデュースの妙ですね。

1980年代のマクラフリンの最初の好盤だと思います。スパニッシュ志向のマクラフリンのアコースティック・ギターがとても魅力的に響いています。
 
 

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2025年3月21日 (金曜日)

マクラフリンの考えるエレ•ジャズ

プログレッシヴ・ロックとエレクトリック・ジャズとのクロスオーバー・ジャズ志向のグループ・サウンドを追求した「マハビシュヌ・オ―ケストラ」は、1975年7-8月の録音の第5作目『Inner Worlds』で、その活動に終止符を打った。しかし、ギタリスト、ジョン・マクラフリンをフィーチャーしたソロ活動については、順調にリーダー作を重ねている。

John McLaughlin『Electric Dreams』(写真左)。邦題『欲望と精霊』。1978年11-12月の録音。ちなみにパーソネルは、John McLaughlin (6, 12 & 13-string ac-g & el-g, banjo), L. Shankar (vin), Stu Goldberg (key), Fernando Saunders (b, vo), Tony "Thunder" Smith (ds, vo), Alyrio Lima (perc), David Sanborn (as on "The Unknown Dissident")。

ジョン・マクラフリンと彼の「ワン・トゥルース・バンド」による1979年リリースの5枚目のソロアルバム。演奏全体の雰囲気は、コンテンポラリーなエレクトリック・ジャズ。当時、初期のウエザー・リポートや、チック・コリアのバンドが志向していた「コズミックなクロスオーバー&フュージョン」と同一志向の音作りだが、当然のことながら、マクラフリンのギターが大々的にフィーチャーされている。
 

John-mclaughlinelectric-dreams

 
タイトルを完全無視する様な、印象的なアコギで、短いながらも衝撃的なオープニングから、なかなかの出来。そして、いきなり始まる「Mles Davis」。この曲は、マイルスはアルバム『ビッチズ・ブリュー』の中の曲に「ジョン・マクラフリン」というタイトルを付けた曲を収録しているのだが、この盤での「Mles Davis」は、そのお返し(アンサー・ソング)。マイルス抜きのマイルス・サウンドといった感じで、マクラフリンのギターのソロは、まさに「マイルスのトランペット」風。

バンジョーのソロがユニークなタイトル曲やサンボーンが吹いてるアーバンな曲とか、フェルナンド・サンダースのヴォーカルをフィーチャーしたコンテンポラリーなヴォーカル曲とか、様々な要素の曲が入っているが、基本は、あくまで「コズミックなクロスオーバー&フュージョン」志向のコンテンポラリーなエレ・ジャズ。内容がバラエティーに富んでいるのは、ウエザー・リポート然り、チック・コリアのバンド然り。そういう点では、このマクラフリンのエレ・ジャズは、ウエザーやチックと比較しても引けを取らない。

1970年代のマクラフリンの傑作。「コズミックなクロスオーバー&フュージョン」志向のコンテンポラリーなエレ・ジャズの名盤の一枚としても良い内容。しかし、我が国では、この『Electric Dreams』って、人気がないんですよね。まず、邦題『欲望と精霊』が悪かったんやないかと。ウエザーやチックと比較しても引けを取らない、マクラフリンの考える「コンテンポラリーなエレ・ジャズ」。再評価を望みたい。
 
 

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