アビー・グリーンのCTI好盤です
当時はアビー・グリーンとは何者かも知らなかった。ただただ、印象的なジャケと収録曲、そして、CTIレーベルのアルバムというだけで、購入したアルバムだったが、聴いてみて、意外と「当たり」だったのを今でも覚えている。
Urbie Green with Grover Washington, Jr. and the David Matthews Big Band『Señor Blues』(写真左)。1977年6月の録音。CTIの7079番。ちなみにパーソネルは、下記の通り。当時ベテランのジャズ・トロンボーン奏者アービー・グリーンのリーダー作。グローバー・ワシントン・ジュニアとデイヴィッド・マシューズ・ビッグバンドとの共演がフィーチャーされている。
Urbie Green (tb), Grover Washington, Jr. (ts, ss), David Matthews (el-p, arr), John Scofield (el-g), Harvie Swartz (b), Jim Madison (ds), Sue Evans (perc) 以下はブラス・セクションで、Burt Collins, Joe Shepley (tp, flh), Sam Burtis (tb), Tony Price (tuba), Fred Griffin (French horn), Frank Vicari (ts), David Tofani (ss, fl), Kenny Berger (bs, b-cl)。
マシューズによる、優れたダイナミックなアレンジのもと、アービー・グリーンの円熟したトロンボーン・サウンドに加え、ワシントン・ジュニアの熱いサックス・ソロや、当時新進気鋭だったギタリストのジョン・スコフィールドらのプレイが耳を引く、大編成の迫力とクロスオーバーならではの疾走感・ファンク感が絶妙にマッチした演奏内容。リーダーのアビー・グリーンのトロンボーンは、美しい音色と印象的なテクニックを披露していて、なかなか聴き応えがある。
冒頭の「Captain Marvel」は、チック作の疾走感あふれるジャズ・フュージョンの名曲カヴァー。続く「You Are So Beautiful」は、ジョー・コッカーの歌唱が印象的だった、メロウで美しいバラード。グリーンのエモーショナルなトロンボーンが光る。3曲目「Ysabel's Table Dance」は、ミンガス作『Tijuana Moods』収録曲のカヴァー。エキゾチックなグルーヴが心地良い。
4曲目「Señor Blues」はシルヴァーのファンキー・ジャズの名曲。ワシントンJr,のサックスが炸裂する。5曲目「I'm In You」はピーター・フランプトンのロックのヒット曲のカヴァー。ファンキーなフュージョン・ジャズへ見事にアレンジ。そして、ラストの「I Wish」は、スティーヴィー・ワンダーの名曲。ファンキーで迫力あるカヴァー。
このミツバチの大写しのジャケットと、ジャズ・スタンダードだけでなく、ロック、ソウル、ポップスなどのヒット曲を積極的に取り上げてカヴァーした、ちょっと節操の無い収録曲に引かれて、手にしたCTI盤である。
しかし、今の耳で聴き直してみると、クロスオーバー&フュージョンの好盤というよりは、当時のメインストリーム志向のコンテンポラリー・ジャズとして、なかなか硬派でジャズな内容に、思わず聴き耳を立ててしまった。好盤です。
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