スピリチュアルなジョーヘン盤
なんだか、複雑でやっつけな収録曲の構成で、これが、ジャズの一流レーベルであるマイルストーンからリリースされているのが意外。プロデュースはあの「オリン・キープニュース」。このスタジオ録音とライヴ録音のちゃんぽん、パーソネルもガラッと違う2つのセッションを混ぜこぜにしたのか、理解に苦しむ。
Joe Henderson『In Pursuit of Blackness』(写真左)。1971年、マイルストーン・レーベルからのリリース。1971年5月12日(#1, 3, 5)、NYのDecca Studiosでの録音。1970年9月25–26日(#2, 4)、L.A.ハモサビーチのLighthouse Caféでのライヴ録音。リーダーは、テナーのジョー・ヘンダーソン(略して「ジョーヘン」)。ちなみにパーソネルは、以下の通り。
1970年9月25–26日のライヴ録音が、Joe Henderson (ts), Woody Shaw (tp), George Cables (el-p), Ron McClure (b), Lenny White (ds), Tony Waters (congas)。
1971年5月12日のスタジオ録音が、Joe Henderson (ts), Curtis Fuller (tb), Pete Yellin (as, fl, b-cl), George Cables (el-p), Stanley Clarke (b), Lenny White (ds), Tony Waters (congas)。
1970年9月25–26日(#2, 4)、L.A.ハモサビーチのLighthouse Caféでのライヴ音源は、Joe Henderson Quintet『At The Lighthouse』と『Jazz Patterns』があるが、2曲目「Invitation」は『Jazz Patterns』(1982年リリース)の1曲目との重複音源だが、この盤のリリース時点では初出。4曲目「Gazelle」は、この盤だけの収録で初出。
しかし、ジョーヘンならではのモード・ジャズは、確立されていた感があって、この盤のスタジオ録音にも、ライゔ録音にも、ブレのない、迷いのない、ジョーヘンならではのモード・ジャズが、自信たっぷりに展開されている。
まず、1970年9月25–26日のライヴ録音では、フロント管のジョーヘンのテナーと、ショウのトランペットの相性が抜群なのが良く判る。1971年5月12日のスタジオ録音では、フロント管を担う、ハードバップ時代のトロンボーンの名手フラーが、ジョーヘンならではのモード・ジャズに完全適応しているのにビックリ。
そして、2つのセッション共通の、ケイブルスの端整なエレピが素晴らしく、レニー・ホワイトのドラミングもモーダルに叩きまくっていて素晴らしい。1971年5月12日のスタジオ録音には、ベースにスタンリー・クラークがベースに入っていて、これがまた、スピリチュアルなベースラインを弾きこなしていて素晴らしい。
この2つのセッションのちゃんぽん盤は、タイトルから何となく雰囲気を感じ取れる「スピリチュアル・ジャズ」な内容がメインと聴いた。この盤は、ジョーヘンならではのモード・ジャズをベースとした「スピリチュアル・ジャズ」と解釈している。
収録されている2つのセッションのどの曲も、テクニック優秀、熱気が溢れ、モーダルでスピリチュアルな雰囲気が横溢する、レベルの高い演奏が展開されている。ジョーヘンのスピリチュアル・ジャズ」な好盤です。
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