2024年11月15日 (金曜日)

ECMの個性は「ニュー・ジャズ」

ECMレコードの個性は「ニュー・ジャズ」。従来の4ビートがメインのモダン・ジャズではない、即興演奏と他のジャンルの音楽との融合をメインとした新しいジャズ。クラシック音楽や現代音楽を育み、国々での個性的な民族音楽が存在する欧州だからこそ生まれた「ニュー・ジャズ」。

Egberto Gismonti『Sol Do Meio Dia』(写真左)。1977年11月、オスロの「Talent Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Egberto Gismonti (8-string g, kalimba, p, wood-fl, voice, bottle), Naná Vasconcelos (perc, berimbau, tama, corpo, voice, bottle : tracks 2, 3 & 5), Ralph Towner (12-string g : tracks 1 & 5), Collin Walcott (tabla, bottle : track 2), Jan Garbarek (ss : track 5)。

タイトル『ソル・ド・メイオ・ディア』は、ポルトガル語で「真昼の太陽」。ブラジルの作曲家、ギタリスト、ピアニストのエグベルト・ジスモンチのアルバム。その内容は、典型的な「ECMのニュー・ジャズ」。楽曲はすべてジスモンチのオリジナル。出てくる音は、ワールドミュージック志向の静的な即興演奏。どこか現代音楽にも通じるクールで透明度の高い即興演奏。
 

Egberto-gismontisol-do-meio-dia

 
ECMでのジスモンチは「ジャズ的な奏者」に軸足を置いている。ギターやピアノを抜群のテクニックで奏でるジスモンチが、たっぷり記録されている。ジスモンチの曲も個性的で良いが、各曲、静的でスピリチュアルな即興演奏が聴きもの。曲ごとに、ECMの「ハウス・ミュージシャン」的ミュージシャンが充てられ、スリリングで耽美的なインタープレイが繰り広げられる。

ナナ・ヴァスコンセロスのパーカッションが静的なインタープレイに躍動感を与え、ラルフ・タウナーの12弦とヤン・ガルバレクのソプラノ・サックスがスピリチュアルな響きを増強し、コリン・ウォルコットのタブラがワールド・ミュージックな音要素を強調する。そこに、ジスモンチのギターやピアノが絡み、対話し、対峙する。

このアルバムは、エグベルトがアマゾンのシングー族と過ごした時間にインスピレーションを受けており、アルバムはシングー族に捧げられている、とのこと。確かに、ジスモンチのピアノやギターのフレーズが入ってくると、そこに「ブラジリアン・ミュージック」の響きが、ワールドミュージック志向の静的な即興演奏に滲み出てくる。ECMレコードならでは、のワールドミュージック志向の「ニュー・ジャズ」である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

  ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』の
   記事をアップ。
 

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4 

2024年9月21日 (土曜日)

グラスパーの ”Code Derivation”

ロバート・グラスパー(Robert Glasper)は、米国ヒューストン出身のアメリカ人のジャズ・ピアニスト。1978年4月5日生まれだから、今年で46歳。ジャズ界の中では中堅も中堅。一番脂が乗った、一番充実した年頃である。

僕はこのグラスパーについては、2012年の第55回グラミー賞で最優秀R&Bアルバム賞を受賞したアルバム『ブラック・レディオ』で出会っている。内容的には明らかに21世紀の「ニュー・ジャズ」。

ジャズをベースに、R&B、ヒップホップ、ラップ、ネオソウル、ゴスペル、ブルースなど、米国ルーツ・ミュージックから、ストリート・ミュージックまでの音楽要素を融合した、独自の「グラスパー・サウンド」を確立している。

Robert Glasper『Code Derivation』(写真左)。2024年9月のリリース。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

ジャズ・サイドとして、Robert Glasper (p, key), Walter Smith III, Marcus Strickland (sax), Keyon Harrold (tp), Mike Moreno (g), Vicente Archer (b), Kendrick Scott (ds)。

ラップ、ヒップホップとサンプリング・サイドとして、Jamari (rap), MMYYKK (rap), Oswin Benjamin (rap), Taylor McFerrin (vo, prod), Hi-Tek (prod), Black Milk (prod), Kareem Riggins (prod), Riley Glasper (prod)。

宣伝のキャッチを見ると「ジャズとヒップホップの違いと両者に共通する遺伝子にフォーカスしたアルバム」とある。
 

Robert-glaspercode-derivation

 
グラスパー曰く「ジャズは文字どおり、ヒップホップの原点なんだ。だから“Derivation(起源)”という言葉をアルバム・タイトルに使った。俺はこの2つのジャンルの巨匠たちとプレイしてきた。だから、自分のバンドで、友人たちと書いたジャズの曲を、友人であるドープなプロデューサーたちにサンプリングしてもらうというプロジェクトをやりたかったんだ」。

そんな理屈はともかく、このアルバムの基本は明確に「ジャズ」。現代のエレクトリックで静的で「スピリチュアル」なジャズの「縦横に広がる音世界」をバックに、モーダルなフレーズが展開され、ヒップホップをメインとした音要素とボーカルが有機的に融合した「グラスパー・サウンド」が展開されている。

現代の最先端を行くリズム&ビートを伴いつつ、サックス、トランペットの奏でるフレーズは、どこか懐かしい、1960年代のモーダルな響き、クロスオーバー・ジャズな、少しサイケでスピリチュアルな響き。サンプリングを駆使した音作りらしいが違和感は全く無い。しっかりとした、現代のコンテンポラリーな「ニュー・ジャズ」が展開されている様で、しっかりとした聴き応えを感じる。

クールでスピリチュアルなリズム&ビートが良い。とても充実している。やはり、ジャズの命は「リズム&ビート」。この「グラスパー・サウンド」独特のリズム&ビートが、この盤の音世界の「キモ」。

各楽器の響きとフレーズは明らかに「ジャズ」。そこにラップやヒップホップが絡むのだが、これがまあ「違和感ゼロ」。グラスパーの言う「ジャズは文字どおり、ヒップホップの原点」という意味が、このアルバムの演奏の数々を聴いて、実に良く理解できる。

実験的な側面を持つ企画盤であるが、そんな「実験臭さ」は全く感じない。僕は、このアルバムを、21世紀の、現代のコンテンポラリーなニュー・ジャズと聴いた。ジャズの最大の特質である「融合」を最大限に生かして、新しい「融合ジャズ」の音世界を聴かせてくれる。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

    ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2024年9月10日 (火曜日)

良い, Senri Oe『Class of ’88』

大江 千里(おおえ せんり、英語: Senri Oe)、1960年9月生まれ。今年で64歳。1983年に、シンガーソングライターとしてプロ・デビュー。「十人十色」「格好悪いふられ方」「Rain」「ありがとう」などのシングルがヒット。Jポップの世界でメジャーな存在となる。

が、2008年ジャズピアニストを目指し渡米、NYのTHE NEW SCHOOL FOR JAZZ AND CONTEMPORARY MUSICに入学。2012年、1stアルバム「Boys Mature Slow」でジャズ・ピアニストとして本格デビューを果たしている。以降、6枚のオリジナルジャズアルバムをリリース。そして、昨年の5月、大江千里デビュー40周年記念アルバムをリリース。

Senri Oe『Class of '88』(写真左)。2023年5月のリリース。NYブルックリンの「The Bunker Studio」での録音。Senri Oe "大江千里" (p), Matt Clohesy (b)、Ross Pederson (ds)。

ピアノの大江千里をリーダーにした、ピアノ・トリオ編成の、デビュー40周年記念アルバムである。ジャケ担当は江口寿史。素晴らしいジャケ・イラスト。この大江千里のアルバムの内容に直結している様なイメージで秀逸。

宣伝文句には「Jポップ時代の名曲のセルフカバーと新曲が収録された作品」とあるが、それがこのトリオ盤の評価には直結しないだろう。「Jポップ時代の名曲のセルフカバー」が、当アルバムの「売り」なんだろうが、このアルバムをしっかり聴けば良く判るが、「Jポップ時代の名曲のセルフカバー」など、あまり関係がないことに気が付く。
 

Senri-oeclass-of-88  

 
収録されたどの曲も、印象的なフレーズを伴った、流麗な曲ばかり。どれが「Jポップ時代の名曲のセルフカバー」で、どれが自作曲なのか、ほとんど関係が無い。とにかく「良い曲」がズラリと並んでいる。

そんな「良い曲」を「良いアレンジ」で料理して、ピアノ・トリオ演奏で聴かせる。ジャズ・ピアニスト大江千里の面目躍如な想像の成果。「Jポップ時代の名曲」は、ピアノ・トリオ演奏の素材でしかない。

ミッドテンポがメインの、耽美的でリリカルでスピリチュアルなフレーズ。温和で温厚で耽美的なスピリチュアルな響きが印象的。これが、大江千里のピアノの個性と理解する。今までのジャズ・ピアノの歴史の中に無かった、「温和で温厚で穏やか」な、耽美的スピリチュアル・ジャズな響き。大江千里のピアノは、どれもが普遍的に「温和で温厚で穏やか」。これが意外と癖になる。

この盤の大江千里のジャズ・ピアノを聴けば、彼が「彼なりの個性」と「彼ならではの響き」を獲得していることに気づく。この盤には、Jポップ時代のシンガーソングライターの大江千里は全く存在しない。存在しているのは、努力の結果、自分なりの個性と響きを獲得した、ジャズ・ピアニストの大江千里。

この盤は、デビュー40周年記念アルバムとはいえ、現時点での、リアルタイムでの「ジャズ・ピアニストの大江千里」を愛でる盤である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.08.24 更新

    ・イタリアン・プログレの雄「PFM」のアルバム紹介と
   エリック・クラプトンの一部のアルバム紹介を移行しました。

 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2024年8月18日 (日曜日)

トリオ・タペストリーの3枚目

酷暑の夏、命を守るための「引き籠り」が長く続く。締め切った、エアコンの効いた部屋は、意外と雑音が少ない。外は酷暑であるが故、静的でスピリチュアルな、硬質で透明度の高い「ECMサウンド」で涼を取りたくなる。21世紀に入っても、西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」は健在で、ここ10年の間に、ECMサウンドは、更なる高みを目指して「深化」している。

Joe Lovano, Marilyn Crispell, Carmen Castaldi - Trio Tapestry『Our Daily Bread』(写真左)。2022年5月の録音。ちなみにパーソネルは、Joe Lovano (ts, tarogato, gongs), Marilyn Crispell (p), Carmen Castaldi (ds)。ジョー・ロバーノのテナーがフロント1管、ベースレスのトリオ「Trio Tapestry」。ジョー・ロヴァーノのトリオ・タペストリーの3枚目のアルバム。2023年11月12日のブログ記事の追記である。

広々とした、奥行きのある、叙情的で神秘的なサウンド・スペース。静的でスピリチュアルなフレーズの展開。限りなく自由度の高い、フリー一歩手前の、漂うが如く、広がりのある幽玄で静的なビートを伴った即興演奏の数々。今までのECMサウンドの中に「ありそうで無い」、どこか典雅な、欧州ジャズ・スピリットに満ちたパフォーマンス。
 

Trio-tapestryour-daily-bread

 
ロバーノの静的でスピリチュアルなテナーが実に魅力的。ベースが無い分、ロバーノのテナーの浮遊感が際立つ。浮遊感の中に、確固たる「芯となる」音の豊かな広がりと奥行きのあるテナーのフレーズがしっかりと「そこにある」。決してテクニックに走らない、高度なテクニックに裏打ちされた、スローなスピリチュアルなフレーズが美しい。

クリスペルの硬質で広がりのあるタッチが特徴の、耽美的で透明度の高い、精神性の高いピアノ。シンバルの響きを活かした、印象的で静的な、変幻自在で澄んだ、リズム&ビートを供給するカスタルディのトラム。この独特の個性を伴ったリズム・セクションが、ロバーノのスピリチュアルなテナーを引き立て、印象的なものにしている。ロバーノのテナーの本質をしっかりと踏まえた、ロバーノにピッタリと寄り添うリズム・セクション。

21世紀の「深化」したECMサウンドが、この盤に詰まっている。21世紀の、神秘的で精神性の高い、静的なスピリチュアル・ジャズの好盤の一つ。チャーリー・ヘイデンに捧げた、6曲目の「One for Charlie」における、ロバーノのテナー・ソロは美しさの極み。現代のニュー・ジャズの「美しい音」「スピリチュアルな展開」が、この盤に溢れている。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2024年8月 8日 (木曜日)

ディメオラの異色の秀作です。

振り返ってみれば、アル・ディ・メオラ(Al Di Meola・以降「ディメオラ」)は、超絶技巧なクロスオーバー&フュージョン・ジャズ志向のギタリストで、その演奏スタイルは変わらないのだが、リーダー作の「音の志向」については、定期的に変化している。常に「バリバリ弾きまくっている」訳ではない。

Al Di Meola『Cielo e Terra』(写真左)。1985年の作品。ちなみにパーソネルは、Al Di Meola (ac-g, Synclavier-g), Airto Moreira (perc, tracks: 1, 3, 7, 9)。ディメオラのソロと、ディメオラとパーカッション担当のアイアート・もレイラとのデュオの二本立て。基本は「ディメオラのストレンジなギター・ソロ」の世界。ちなみに、邦題は「天地創造」。思わず「何じゃこりゃ」な邦題です(笑)。

アコギとギター・シンセサイザーを弾き分けながら、多重録音で紡がれる、幽玄でフォーキーでネイチャーで、少しエスニックな音世界。クロスオーバー&フュージョンというよりは、現代の「静的なスピリチュアル・ジャズ」な雰囲気が濃厚。

超絶技巧なテクニックは相変わらずだが、しっかり自己抑制を効かせていること、そして、アコギを活用することで、その高速弾き回しテクニックが耳につかない。逆に、たっぷりエコーの効いた多重録音が良い効果を生んでいて、透明度の高いピッキング音と併せて、演奏全体に絶妙の幽玄感や浮遊感を醸し出している。

1970年代の「スパニッシュ・フレーバーな超絶技巧なエレギ」はマンネリ気味だったので、1980年代に入って、演奏の「音志向」をガラッと変えたディメオラ。そんなイメチェン・ディメオラの第2弾。
 

Al-di-meolacielo-e-terra

 
前作は「テクノ・ミュージックと、英国プログレと、フュージョン・ジャズの融合」だったが、今回は再びガラッと変わって、幽玄でフォーキーでネイチャーで、少しエスニックな音志向」なアルバムに仕上がっている。

ディメオラの超絶技巧が良い方向に出ている。アコギとギター・シンセのシンプルな音が、多重録音を通じて、流麗で切れ味の良い音世界を現出している。

スムース・ジャズとも取れるが、スムース・ジャズの様に、聴き心地優先ではない。かなり硬派で切れ味の良い速弾きフレーズは、流れる様な流麗さで、深いエコーを湛えた幽玄でフォーキーな、そして、どこかエスニックな、不思議な雰囲気を醸し出している。

フレーズはどれも切れ味良く流麗で幽玄。ディメオラ独特の、ディメオラしか出せないフレーズ&ピッキングの数々に、聴き手に迎合しない、ディメオラのアーティストとしての矜持を感じる。

このディメオラの1980年代の「音志向の劇的変化」については、「停滞期の音」という酷評もあるが、僕は「聴き手に迎合せず、自分が表現したい音をリーダー作を通して世に問う」という、超絶技巧でラテン・フレイバーなエンターティナーから、自らが表現したい音の表現者、への変革だと解釈しているので、僕はこの『Cielo e Terra』には好感を覚えます。

クロスオーバー&フュージョン全盛期の音の余韻が残っていた時代に聴いた感覚より、現代の静的なスピリチュアル・ジャズを経験した「今」に聴いた感覚の方が優っていて、僕は、この『Cielo e Terra』は、ディメオラの異色の秀作、と解釈しています。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2024年7月26日 (金曜日)

サイケデリックなジャズ・ロック

ジョン・マクラフリンのエレギは、ジャズに軸足をしっかり残した、先鋭的で革新的なエレギで唯一無二。ジャズ色の強いクロスオーバーなエレギなので、何故か我が国では人気は高くないが、ジャズ・エレギのイノベーターの一人として、絶対に無視できない。

John McLaughlin『Devotion』(写真左)。1970年2月の録音。ちなみにパーソネルは、John McLaughlin (el-g), Larry Young (org, el-p), Billy Rich (b), Buddy Miles (ds, perc)。ジョン・マクラフリンのソロ・リーダー作の2作目になる。

パーソネルを見渡すと、お気に入りのプログレッシヴなオルガン奏者、ラリー・ヤング。そして、ジミ・ヘンドリックスと共演歴のあるビリー・リッチ。ジミ・ヘンドリックスのバンド・オブ・ジプシーのドラマーであった、バディ・マイルス。ジミヘンゆかりのリズム隊が目を引く。

そして、この盤を聴くと、思わずニヤリ。これって「ジミヘン」やん。マクラフリン流のジミヘン・フレーズの嵐。演奏の基本は「サイケディック・ロック」をベースとしたクロスオーバー・ジャズ。

ジミヘンと共演歴のあるベースとドラムのリズム隊が「バンド・オブ・ジプシー」風のリズム&ビートを叩きまくって、演奏全体のサイケ色、ジミヘン色を色濃くしている。
 

John-mclaughlindevotion

 
1970年2月の録音なので、まだ、ジミヘンは存命していた時期の録音になる(ジミヘンは1970年9月にオーヴァードーズが原因で急逝している)。そういう意味では、この盤は、マクラフリンによる「ジミヘンへのオマージュ」を表明した企画盤とも解釈出来る。

さすがはマクラフリンといったエレギの弾き回しで、ジミヘンのオマージュ的な音作りではあるが、ジミヘンそっくりでは全く無い。ギターの基本テクニックはマクラフリンの方が上。

ロック的なグルーヴはジミヘンだが、マクラフリンはジャズロック的なグルーヴで応戦している。マクラフリンの弾き回しは端正で規律的。ジミヘンの弾き回しは適度にラフで直感的。アタッチメントによる音の加工も、両者、似て非なるもの。

マクラフリンのエレギとヤングのオルガンのフレーズは完全に「モード」。サイケ色に彩られたモーダルなフレーズをマクラフリンとヤングは弾きまくる。マイルスのアルバムやトニー・ウィリアムスのライフタイムでブイブイ言わせていた「呪術的でアブストラクトに捻れた」切れ味の良い、サイケデリックなフレーズの嵐。

適度なテンションも張っていて、サイケ色が強いながら、演奏全体は整っていて、理路整然としている。カッチリまとまった、しっかり作り込まれたサイケデリック・ジャズロックである。

音の雰囲気はいかにも「英国的」。ブリティッシュなサイケデリック・ロックの音の雰囲気や、プログレッシヴ・ロックの音の雰囲気をしっかりと漂わせている。こういうところが、英国のジャズロック、クロスオーバー・ジャズならでは個性であり、僕はとても気に入っている。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2024年7月15日 (月曜日)

ブレイのピアノの個性が良く判る

ポール・ブレイのディスコグラフィーを整理して、ポール・ブレイって、かなりの数のリーダー作をリリースしていたのを確認して、少々驚いている。リーダー作は、100枚は超えているのではないか。

我が国では、フリー・ジャズが基本の、マニア好みなピアニストの位置付けで、あまり人気があるとは言えない。我が国ではフリー・ジャズは、ジャズ評論家があまり取り上げないので、一般ウケしない。ポール・ブレイもそんな一般ウケしないピアニストになっている。が、恐らく欧州では人気が高いのではないか。しかし、生涯のリーダー作100枚は凄い。

Paul Bley『Touching』(写真左)。1965年11月5日、コペンハーゲンでの録音。オランダのフィリップス・レコードの子会社「フォンタナ・レコード」からのリリース。ちなみにパーソネルは、Paul Bley (p), Kent Carter (b), Barry Altschul (ds)。ベースのカーター、ドラムのアルトシュルという、アバンギャルド・ジャズを得意ジャンルとするリズム隊と組んだトリオ編成。

ポール・ブレイのフリー&アバンギャアルドなピアノの個性が良く理解できるトリオ盤である。ブレイのピアノは、フリー・ジャズの範疇に位置付けられているが、無調でもなければ、新ウィーン楽派を彷彿とさせる現代音楽志向でも無い。ジャズとして必要最低限の決め事が定められていて、従来のモダン・ジャズの演奏スタイルや決め事を踏襲しない、言うなれば「オーネット・コールマンの考えるフリー・ジャズ」に近い感覚。
 

Paul-bleytouching

 
明らかに、モダン・ジャズのスタイルや決め事は踏襲していないが、演奏の底にはリズム&ビートが流れ、フリーに聴こえるフレーズにも、独特な破調なメロディーが存在する。フリー&アバンギャアルド志向なピアノとしては、音数は洗練されていて、間を活かした浮遊感を伴ったフレーズが特徴的。ハマると意外と「クセになる」ピアノである。

音数が洗練され、間を活かしたピアノのフレーズを前提に、アルトシュルの、感覚的で手数の多い、ポリリズミックなドラムが、ピアノの音の「間」を埋め、浮遊感を伴ったピアノを効果的にサポートし鼓舞する。このアルトシュルのドラムが意外と「格好良い」。切れ味の良い疾走感を振り撒きながら、限りなくフリーな、それでいて、最低限のリズム&ビートを押さえた、絶妙なドラミングは聴いていて、とても清々しく気持ちが良い。

カーターのベースも良い仕事をしている。ドラムと同様に、ピアノの音の「間」を埋めつつ、限りなくフリーな演奏のベース・ラインをしっかり確保し、トリオ演奏自体に効果的に供給する。ピアノがキレても、ドラムがキレても、カーターの、アバンギャルドな堅実ベースが、演奏のベースラインをしっかり押さえているので、抜群の安定感と安心感がある。

ポール・ブレイは、フリー&アバンギャルドなピアノの代表格の一人。同時代の同一志向のピアニストにセシル・テイラーがいるが、音数が洗練されて間を活かした浮遊感を伴ったポール・ブレイのフリー&アバンギャルドなピアノは、多弁で躍動的なセシル・テイラーのスタイルの「対極」に位置する、と捉えても良いかと思う。

この『Touching』は、そんなポール・ブレイのピアノの個性と特徴が良く捉えたれた好盤である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2024年5月28日 (火曜日)

”TRIO GRANDE” ver.2.0 の音

コロナ禍をやり過ごし、現代のジャズについては、順調にニューリリースを継続している。安堵である。この5年ほどの傾向として、今までなら中堅どころだった、40〜50歳代の「ニューフェース」の好盤リリースが目につく。

そんな「遅れてきた」ニューフェースなジャズマン達は、20歳代後半から30歳台にも、コンスタントにリーダー作をリリースしたりと、ジャズの第一線で活動していた。が、その情報が何故か埋もれていたみたいで、最近、やっとサブスク・サイト等で積極的に紹介されるようになって、やっと陽の当たるところに出てきた格好である。

Will Vinson, Gilad Hekselman & Nate Wood『Trio Grande: Urban Myth』(写真左)。2023年1月27-28日、NYブルックリンの「Figure Eight Recording」での録音。ちなみにパーソネルは、Will Vinson (as), Gilad Hekselman (g), Nate Wood (ds)。イギリス生まれのサックス奏者、ウィル・ビンソン、イスラエル出身のギタリスト、ギラド・ヘクセルマン、米国出身のドラマー&マルチ・インストゥルメンタリスト、ネイト・ウッドの「TRIO GRANDE」の新作。

これまでの「TRIO GRANDE」のドラムはアントニオ・サンチェスだったけど、本作ではドラムとベースを同時演奏しながらシンセまで操作できるネイト・ウッドに代わっている。このウッドの存在が、「TRIO GRANDE」の音を大きく変化させている。
 

Will-vinson-gilad-hekselman-nate-woodtri

 
「TRIO GRANDE」の音は、創造的で柔軟で情緒豊かなコンテンポラリー・ジャズ。サウンド的には、ギラッド・ヘクセルマンのギターがリードしている感が強い。サウンドの基本は「イスラエル・ジャズ」。クールで躍動感溢れる、ちょっとくすんで捻れたヘクセルマンのギターが演奏全体をリードしていく。この「TRIO GRANDE」の音の基本は変わらない。

しかし、冒頭の「Urban Myth」で、ガツンとやられる。ベースの重低音とシンセの太いプログレッシヴな音色のアンサンブルが、独特なグルーヴ感を生み出し、ヘクセルマンのくすんで捻れたエレギの音と混じり合う。従来の「TRIO GRANDE」のイスラエル・ジャズ風であり欧州ジャズ風な従来の音世界に、最先端のコンンテンポラリーなエレ・ジャズ、そして、プログレッシヴ・ロックに至るまでの、新しい音世界との融合を実現、バンド独自のゴージャズな音世界を創造している。

2曲目「Ministry of Love」以降の音世界も、そんな現代の最先端のコンテンポラリーなエレ・ジャズ志向は変わらない。特にネイト・ウッドの参加、特に、ベースとシンセの音は、「TRIO GRANDE」のオーケストレーションを大きく進化させている。しっかりと地に足のついたスローな演奏から、弾けるダンサフルな演奏まで、幅広でバリエーション溢れる音世界は前作を上回る。

アントニオ・サンチェスがネイト・ウッドに代わった「TRIO GRANDE」。「TRIO GRANDE」の音世界は確実に進化していて、「TRIO GRANDE」ver. 2.0 と呼んで良い、そのバージョン・アップした、現代の最先端のコンテンポラリーなエレ・ジャズは、迫力満点、創造的で柔軟、情緒豊かでボーダーレス。我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』ではヘビロテ盤になっている。好盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
  

2024年5月 6日 (月曜日)

アメリカン・カルテットの「陽」

今までのキースのアメリカン・カルテットの評価って、どうなんだろう、と思うことがある。同一日、同一メンバーによる2枚のアルバム、『Death and the Flower』と『Back Hand』。

『Death and the Flower』は、我が国では大受けで、スイングジャーナルでゴールド・ディスク賞まで受賞している。しかし、『Back Hand』については、全くの低評価。しかし、ちゃんと聴いて見ると、『Back Hand』も十分に内容のある秀作だと僕は思っている。

Keith Jarrett『Back Hand』(写真左)。1974年10月9–10日の録音。ちなみにパーソネルは、Keith Jarrett (p, fl, perc), Dewey Redman (ts, musette, perc), Charlie Haden (b), Paul Motian (ds, perc), Guilherme Franco (perc)。キースのアメリカン・カルテットの6枚目のアルバムになる。

冒頭「Inflight」。アーシーなキースの個性全開。アーシーでアフリカンなフレーズを振り撒いて疾走するキースのピアノ。それに追従する、これまた疾走感溢れるモーダルなレッドマンのテナー。そんな疾走するフロントの音のベースを抑え、リズム&ビートをキープする、ヘイデンのベースとモチアンのドラム。

自由度の限りなく高いモーダルな熱い演奏が繰り広げられるのだが、途中から、徐々にフリーに傾いていく。フリーの突入するのかな、と思いきや、また、自由度の限りなく高いモーダルな熱い演奏に戻る。全編、疾走感溢れる演奏に圧倒される。キースのアメリカン・カルテットの真骨頂。

2曲目の「Kuum」では、雰囲気はガラッと変わって、キースの吹くフルートがフリーな唸りをあげ、アフリカンなパーカッションが入っていたと思いきや、今度はレッドマンの吹くミュゼット(17世紀から18世紀にかけてフランスの貴族階級の間で大流行したバグパイプ)が怪しい音色とフレーズでフリーな演奏に参入する。バックのリズム&ビートは、アフリカン・ネイティヴなパーカッションの響き。キースのアメリカン・カルテットでしか聴けない音世界。
 

Keith-jarrettback-hand

 
3曲目の「Vapallia」は、自由度の限りなく高いモーダルなバラード。キースのピアノとレッドマンのテナーが織りなすインタープレイが美しい。極上の耽美的でリリカルでスピリチュアルなフレーズの応酬は、聴いていて惚れ惚れする。この透明度の高いキースのピアノって、どちらかと言えば、ヨーロピアン・カルテット仕様の様な気がする。

ラストのタイトル曲「Back Hand」は、8ビートに乗って、キース流のジャズロック風。根明な躍動感溢れるリズム&ビートに乗って、キースのピアノがどこか少しファンキーに根明に、アメリカンで陽気なジャンプ風のフレーズを弾き進めていく。キースのイメージネーション豊かな長尺のアドリブ展開が見事。

バックでヘイデンの捻れたウォーキング・ベースが唸りをあげている。モチアンの自由度の高い、ポリリズミックなドラミングも見事。この演奏もキースのアメリカン・カルテットでしか聴けない、ならでは、の演奏である。

聴き終えて、この『Back Hand』は、キースのアメリカン・カルテットの「陽」の部分、同一日、同一メンバーによる『Death and the Flower』は、キースのアメリカン・カルテットの「陰」の部分。そう、『Back Hand』と『Death and the Flower』と併せて、アメリカン・カルテットの音世界の全貌を捉えることができる。

米国では、この『Back Hand』については、高い評価を与えられている。我が国では評価が低い、もしくは、アメリカン・カルテットの好盤として、そのアルバム・タイトルが挙がっているのを見たことが無い。

「陽」と「陰」、どちらも優劣つけ難い内容のはずなんだが、たまたま2枚のアルバムに分かれただけで、評価が大きく変わるとは不思議なことである。これって、LP2枚組のアルバムでリリースされていたら、『Back Hand』に収録されている演奏について、我が国での評価はどうなっていたのだろう。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

2024年4月26日 (金曜日)

コズミックな「融合」ファンク

レコード・コレクターズ 2024年5月号の「【特集】フュージョン・ベスト100 洋楽編」を読んでいて、しばらくその名前に触れることの無かった、お気に入りのジャズマンの幾人かを思い出した。感謝である。

Lonnie Liston Smith(ロニー・リストン・スミス)。米国リッチモンド出身のピアニスト&キーボーディスト。大学卒業後、プロの道を進み、サンダースやブレイキー、カーク、バルビエリ、マイルス等と共演。1973年にロニー・リストン・スミス&ザ・コズミック・エコーズを結成し、1973年、ロニー・リストン・スミスとしての初リーダー作をリリース。83歳になった今でも、未だ現役である。

演奏内容の範疇としては、ソウル・ジャズ、ジャズ・ファンク、クロスオーバー&フュージョンだが、その音世界は独特。コズミック・ファンクとでも形容できる、宇宙の広がり&浮遊感を反映した様な、切れ味良く粘りのない、シュッとしてクールでグルーヴィーな「融合」ファンク・サウンドが基本。そのコズミックでクロスオーバー&フュージョン・ファンクなサウンドに、ソウルフルなローズやエレピの音が絡む。

Lonnie Liston Smith『Expansions』(写真左)。1974年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Lonnie Liston Smith (p, el-p, Rhodes, el-key-textures), Donald Smith (fl, vo, vo-textures), Dave Hubbard (ss, ts, alto-fl), Cecil McBee (b), Art Gore (ds), Michael Carvin (perc, clavinet, ds), Leopoldo Fleming (bongos, perc), Lawrence Killian (congas, perc)。「Lonnie Liston Smith and the Cosmic Echoes」名義の3枚目のアルバム。

ロニー・リストン・スミスの「コズミックでクロスオーバー&フュージョン・ファンク」なキーボード、セシル・マクビーのファンキーでグルーヴィーなベース、スミスの弟のドナルド・スミスの幽玄なフルートとソウルフルなヴォーカル、そして、バックのリズム&ビートに、アフリカンなパーカッションを融合した、スピリチュアルな「コズミックでクロスオーバー&フュージョン・ファンク」の傑作盤である。

宇宙の広がり&浮遊感を反映した様な、切れ味良く粘りのない、シュッとしてクールでグルーヴィーなロニー・リストン・スミスのエレピ&ローズの音がこのバンドの音世界を決定づけている。
 

Lonnie-liston-smithexpansions

 
バックのリズム&ビートは、マクビーのサラッとした粘らないファンクネスを宿したベースがソウルフルな雰囲気を増強し、ゴアの切れ味の良い、躍動感溢れるシンプルなドラミングがバンド独特のグルーヴ感を醸成する。

コズミックなサウンド志向とは言いながら、不思議と牧歌的でフォーキーなビート&サウンドの広がりもあって、それまでのソウル濃厚、精神的な響き優先のスピリチュアルなジャズとは音の雰囲気が全く異なる。どちらかと言えば、現代の「静的なスピリチュアル・ジャズ」のサウンドに繋がる、先進的な音の雰囲気を感じる。

冒頭のタイトル曲「Expansions」はジャズ・ファンクの名曲。宇宙の広がり&浮遊感を反映した様な、切れ味良く粘りのない、シュッとしてクールでグルーヴィーな「融合」ファンク・サウンドがこの曲に詰まっている。2曲目「Desert Nights」と4曲目「Voodoo Woman」はモーダルなアドリブ展開がユニークな、意外とメインストリーム系のジャズ・ファンク。

3曲目「Summer Days」と7曲目「My Love」はアフリカンなリズムにラテンのリズムを融合したブラジリアン・ジャズ志向のフォーキーなサウンド。そして、5曲目「Peace」は、コズミック・サウンド志向が似通った、ホレス・シルヴァー作のミュージシャンズ・チューンのカバー。

この盤に詰まっているサウンド十把一絡げにフュージョン・ジャズとするには、ちょっと短絡的かと思う。ソウル・ジャズ、ジャズ・ファンクを源とし、コズミックなサウンドを独特な個性とした、切れ味良く粘りのない、シュッとしてクールでグルーヴィーな「クロスオーバー&フュージョン・ファンク」と形容したら良いだろうか。

この盤の冒頭のタイトル曲「Expansions」をはじめ、レア・グルーヴ~アシッズ・ジャズ・ムーヴメントに多大な影響を与え、今なおヒップホップのサンプリング・ソースやダンス・フロアーを盛り上げる「ネタ」となっている「Lonnie Liston Smith and the Cosmic Echoes」の音が、このアルバム『Expansions』に詰まっている。傑作です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から13年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

A&Mレーベル AOR Bethlehemレーベル Blue Note 85100 シリーズ Blue Note LTシリーズ Blue Noteの100枚 Blue Noteレーベル Candidレーベル CTIレーベル ECMのアルバム45選 ECMレーベル Electric Birdレーベル Enjaレーベル Jazz Miles Reimaginedな好盤 Pabloレーベル Pops Prestigeレーベル R&B Riversideレーベル Savoyレーベル Smoke Sessions Records SteepleChaseレーベル T-スクエア The Great Jazz Trio TRIX Venusレコード Yellow Magic Orchestra 「松和・別館」の更新 こんなアルバムあったんや ながら聴きのジャズも良い アイク・ケベック アキコ・グレース アジムス アストラッド・ジルベルト アダムス=ピューレン4 アブドゥーラ・イブラヒム アラウンド・マイルス アラン・ホールズワース アル・ディ・メオラ アントニオ・サンチェス アンドリュー・ヒル アンドレ・プレヴィン アート・アンサンブル・オブ・シカゴ アート・ファーマー アート・ブレイキー アート・ペッパー アーネット・コブ アーマッド・ジャマル アール・クルー アール・ハインズ アーロン・パークス イエロージャケッツ イスラエル・ジャズ イタリアン・ジャズ イリアーヌ・イリアス インパルス!レコード ウィントン・ケリー ウィントン・マルサリス ウェイン・ショーター ウェザー・リポート ウェス・モンゴメリー ウエストコースト・ジャズ ウォルフガング・ムースピール ウディ・ショウ ウラ名盤 エグベルト・ジスモンチ エスビョルン・スヴェンソン エスペランサ・スポルディング エディ・ハリス エメット・コーエン エリック・アレキサンダー エリック・クラプトン エリック・ドルフィー エルヴィン・ジョーンズ エンリコ・ピエラヌンツィ エンリコ・ラヴァ オスカー・ピーターソン オーネット・コールマン カウント・ベイシー カシオペア カーティス・フラー カート・ローゼンウィンケル カーラ・ブレイ キャノンボール・アダレイ キャンディ・ダルファー キング・クリムゾン キース・ジャレット ギラッド・ヘクセルマン ギル・エバンス クインシー・ジョーンズ クイーン クリスチャン・マクブライド クリスマスにピッタリの盤 クリス・ポッター クリフォード・ブラウン クルセイダーズ クレア・フィッシャー クロスオーバー・ジャズ グラント・グリーン グレイトフル・デッド グローバー・ワシントンJr ケイコ・リー ケニーG ケニー・ギャレット ケニー・ドリュー ケニー・ドーハム ケニー・バレル ケニー・バロン ゲイリー・バートン コンテンポラリーな純ジャズ ゴンサロ・ルバルカバ ゴーゴー・ペンギン サイケデリック・ジャズ サイラス・チェスナット サザンロック サド・ジョーンズ サム・ヤヘル サム・リヴァース サンタナ ザ・バンド ジャケ買い「海外女性編」 シェリー・マン シダー・ウォルトン シャイ・マエストロ シャカタク ジェイ & カイ ジェイ・ジェイ・ジョンソン ジェフ・テイン・ワッツ ジェフ・ベック ジェラルド・クレイトン ジェリー・マリガン ジミ・ヘンドリックス ジミー・スミス ジム・ホール ジャキー・マクリーン ジャコ・パストリアス ジャズ ジャズの合間の耳休め ジャズロック ジャズ・アルトサックス ジャズ・オルガン ジャズ・ギター ジャズ・テナーサックス ジャズ・トランペット ジャズ・トロンボーン ジャズ・ドラム ジャズ・バリトン・サックス ジャズ・ピアノ ジャズ・ファンク ジャズ・フルート ジャズ・ベース ジャズ・ボーカル ジャズ・レジェンド ジャズ・ヴァイオリン ジャズ・ヴァイブ ジャズ喫茶で流したい ジャック・デジョネット ジャン=リュック・ポンティ ジュニア・マンス ジュリアン・ラージ ジョエル・ロス ジョシュア・レッドマン ジョナサン・ブレイク ジョニ・ミッチェル ジョニー・グリフィン ジョン・アバークロンビー ジョン・コルトレーン ジョン・コルトレーン on Atlantic ジョン・コルトレーン on Prestige ジョン・スコフィールド ジョン・テイラー ジョン・マクラフリン ジョン・ルイス ジョン・レノン ジョーイ・デフランセスコ ジョージ・ケイブルス ジョージ・デューク ジョージ・ハリソン ジョージ・ベンソン ジョー・サンプル ジョー・パス ジョー・ヘンダーソン ジョー・ロヴァーノ スタッフ スタンリー・タレンタイン スタン・ゲッツ スティング スティング+ポリス スティービー・ワンダー スティーヴ・カーン スティーヴ・ガッド スティーヴ・キューン ステイシー・ケント ステップス・アヘッド スナーキー・パピー スパイロ・ジャイラ スピリチュアル・ジャズ スムース・ジャズ スリー・サウンズ ズート・シムス セシル・テイラー セロニアス・モンク ソウル・ジャズ ソウル・ミュージック ソニー・クラーク ソニー・ロリンズ ソロ・ピアノ タル・ファーロウ タンジェリン・ドリーム ダスコ・ゴイコヴィッチ チェット・ベイカー チック・コリア チック・コリア(再) チャーリー・パーカー チャールズ・ミンガス チャールズ・ロイド チューリップ テテ・モントリュー ディジー・ガレスピー デイブ・ブルーベック デイヴィッド・サンボーン デイヴィッド・ベノワ デオダート デクスター・ゴードン デニー・ザイトリン デュオ盤 デューク・エリントン デューク・ジョーダン デューク・ピアソン デヴィッド・ボウイ デヴィッド・マシューズ デヴィッド・マレイ トニー・ウィリアムス トミー・フラナガン トランペットの隠れ名盤 トリオ・レコード ドゥービー・ブラザース ドナルド・バード ナット・アダレイ ニルス・ラン・ドーキー ネイティブ・サン ネオ・ハードバップ ハロルド・メイバーン ハンク・ジョーンズ ハンク・モブレー ハンプトン・ホーズ ハービー・ハンコック ハービー・マン ハーブ・アルパート ハーブ・エリス バディ・リッチ バド・シャンク バド・パウエル バリー・ハリス バーニー・ケッセル バーバラ・ディナーリン パット・マルティーノ パット・メセニー ヒューバート・ロウズ ビッグバンド・ジャズは楽し ビッグ・ジョン・パットン ビリー・コブハム ビリー・チャイルズ ビリー・テイラー ビル・エヴァンス ビル・チャーラップ ビル・フリゼール ビル・ブルーフォード ビートルズ ビートルズのカヴァー集 ピアノ・トリオの代表的名盤 ファラオ・サンダース ファンキー・ジャズ フィニアス・ニューボーンJr フィル・ウッズ フェンダー・ローズを愛でる フォープレイ フュージョン・ジャズの優秀盤 フランク・ウエス フランク・シナトラ フリー フリー・ジャズ フレディ・ローチ フレディー・ハバード ブッカー・リトル ブライアン・ブレイド ブラッド・メルドー ブランフォード・マルサリス ブルース・スプリングスティーン ブルー・ミッチェル ブレッカー・ブラザーズ プログレッシブ・ロックの名盤 ベイビー・フェイス・ウィレット ベニー・グリーン (p) ベニー・グリーン (tb) ベニー・ゴルソン ペッパー・アダムス ホレス・シルバー ホレス・パーラン ボサノバ・ジャズ ボビー・ティモンズ ボビー・ハッチャーソン ボビー・ハンフリー ボブ・ジェームス ボブ・ブルックマイヤー ポップス ポール・サイモン ポール・デスモンド ポール・ブレイ ポール・マッカートニー マイケル・ブレッカー マイルス( ボックス盤) マイルス(その他) マイルス(アコ)改訂版 マイルス(アコ)旧版 マイルス(エレ)改訂版 マイルス(エレ)旧版 マックス・ローチ マッコイ・タイナー マハヴィシュヌ・オーケストラ マル・ウォルドロン マンハッタン・ジャズ・5 マンハッタン・ジャズ・オケ マンハッタン・トランスファー マーカス・ミラー ミシェル・ペトルチアーニ ミルト・ジャクソン モダン・ジャズ・カルテット モンティ・アレキサンダー モード・ジャズ ヤン・ガルバレク ヤン・ハマー ユセフ・ラティーフ ユッコ・ミラー ラテン・ジャズ ラムゼイ・ルイス ラリー・カールトン ラリー・コリエル ラルフ・タウナー ランディ・ブレッカー ラーズ・ヤンソン リッチー・バイラーク リトル・フィート リンダ・ロンシュタット リー・コニッツ リー・モーガン リー・リトナー ルー・ドナルドソン レア・グルーヴ レイ・ブライアント レイ・ブラウン レジェンドなロック盤 レッド・ガーランド レッド・ツェッペリン ロイ・ハーグローヴ ロック ロッド・スチュワート ロニー・リストン・スミス ロバート・グラスパー ロン・カーター ローランド・カーク ローランド・ハナ ワン・フォー・オール ヴィジェイ・アイヤー ヴィンセント・ハーリング 上原ひろみ 僕なりの超名盤研究 北欧ジャズ 古澤良治郎 吉田拓郎 向井滋春 和ジャズの優れもの 和フュージョンの優秀盤 四人囃子 国府弘子 増尾好秋 夜の静寂にクールなジャズ 大江千里 天文 天文関連のジャズ盤ジャケ 太田裕美 寺井尚子 小粋なジャズ 尾崎亜美 山下洋輔 山下達郎 山中千尋 敏子=タバキンBB 旅行・地域 日本のロック 日本男子もここまで弾く 日記・コラム・つぶやき 日野皓正 書籍・雑誌 本多俊之 松岡直也 桑原あい 欧州ジャズ 歌謡ロック 深町純 渡辺貞夫 渡辺香津美 米国ルーツ・ロック 英国ジャズ 荒井由実・松任谷由実 西海岸ロックの優れもの 趣味 阿川泰子 青春のかけら達・アーカイブ 音楽 音楽喫茶『松和』の昼下がり 高中正義 70年代のロック 70年代のJポップ

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー