2026年5月 3日 (日曜日)

ライオネル・ハンプトン健在

1982年と言えば、フュージョン・ジャズが全盛期を越えて、下降線を辿り始めた頃。それでも、その人気はまだまだ維持されていて、純ジャズ、ましてや、スイング・ジャズの入り込む余地は無かった。が、フージョン・ジャズの全盛のアンダーグラウンドで、純ジャズは生き存えていた。そして、このライヴ・アルバムでは、スイング・ジャズもしっかりと継承されていたことが確認出来る。

Lionel Hampton And His Orchestra『Made In Japan』(写真左)。1982年6月1日は新宿厚生年金会館、6月3日は渋谷公会堂でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは以下の通り。スイング・ヴァイブの雄、ライオネル・ハンプトン率いるジャズ・オーケストラの東京のおけるライヴ録音。

Lionel Hampton (vib), John Colliainni (p), Todd Coolman (b), Duffy Jackson (ds), Sam Turner (perc)。以下はブラス・セクション、Glen Wilson, Yoshi Malta, Paul Jeffrey, Ricky Ford, Tom Chapin (sax), Trombone – Charles Stephens, Chris Gulhaugen, John Gordon (tb), Trumpet – Barry Ries, John Marshall, Johnny Walker, Vince Cutro (tp)。

ハンプトンの十八番である「Air Mail Special」や、ハンプトンおなじみのメドレー「Stardust - Moonglow」、フレディ・ハバード作曲の難曲「Jodo」を高速テンポで演じ切ったり、素晴らしいパフォーマンスがてんこ盛り。
 

Lionel-hampton-and-his-orchestramade-in-

 
それほどまでに内容の濃い、ライオネル・ハンプトンのヴァイブを始めとするスイング・ジャズの名演の数々がこのライヴ盤に記録されている。さらに素晴らしいのは、パーソネルを見渡すと、若手実力派を揃えたビッグバンドを率いていること。当時若手だった リッキー・フォード や、日本を代表するサックス奏者の MALTA(ヨシ・マルタ)、トム・チェイピンらが参加している。

当時70代半ばだったハンプトンであるが、その演奏は驚くほどパワフル。一糸乱れぬビッグバンドのアンサンブルと相まって、素晴らしいパフォーマンスを披露している。

若手実力派を揃えたビッグバンドということもあって、伝統的なスイングだけに留まらず、ハードバップやモードなど、当時として、モダンなジャズの感覚も反映されていて、懐古趣味などどこ吹く風、当時として、現代的でモダンなスイング志向のビッグバンドの音が実に良い。

単なる「ベテランの来日記念盤」を超えた、単なる来日記念公演という「お祭り騒ぎ」に留まらない、スイング志向の、モダンな感覚を融合させたビッグバンド・ジャズの傑作として評価して良い内容。かつてハンプトン率いるオーケストラが世界中を席巻した「スウィングの力」が、衰え知らずなことを証明した好ライヴ盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年5月 2日 (土曜日)

エリスとグリーンのギター共演

演奏の雰囲気・演奏のトレンドは「スイング」。スウィング・ジャズの真髄を楽しめる好盤。カウント・ベイシー楽団の象徴であるフレディ・グリーンが、楽団を離れてリーダー格として録音に参加、スインギーでブルージーな職人ギタリストのハーブ・エリスと共演、エリスとグリーンの2台のギタリストがフロントのクインテット編成。

Herb Ellis & Freddie Green 『Rhythm Willie』(写真左)。1975年1月1日の録音。ちなみにパーソネルは、Herb Ellis (g), Freddie Green (g), Ross Tompkins (p), Ray Brown (b), Jake Hanna (ds)。ギタリストのハーブ・エリス(Herb Ellis)とフレディ・グリーン(Freddie Green)による共演アルバム。

とりわけ、カウントベイシー楽団のリズムギタリストとして活躍、生涯にわたってリズムマンに徹した、フレディ・グリーンの堅実でスウィング感溢れるバッキング(4つ刻みのリズムギター)が、ハーブ・エリスの流麗なソロを完璧にサポートしている展開には、うっとりと聴き惚れるほど。小粋でスインギーな二人の職人芸的ギターが堪らない。
 

Herb-ellis-freddie-green-rhythm-willie

 
とにかく、まずは、グリーンのリズム・ギターが素晴らしい。さすが、アルバム・リーダーの一翼を担ってるだけに、フレディ・グリーンのリズム・ギターの「聴きどころ」が満載。フロントに管が無い、ピアノがロング・ソロを取らないということから、グリーンリズム・ギターの詳細が確実に聴きとれるところが、とにかく堪らない。

もう一人のリーダー、ハーブ・エリスのギターも良い。ここでのエリスは、東海岸のアーバンな雰囲気とも、西海岸のシャープな雰囲気とも離れた、出身地のテキサスなイメージの、「中西部的」な素朴な味わいのフレーズを叩き出している。これが、カンザス・シティ・スタイルのグリーンのリズム・ギターにバッチリで、もう長年、パートナーとしてやっている様な、濃厚な親密感溢れるギターがこの盤の目玉だ。

グリーンが遺した数少ないベイシー楽団を離れてのセッションの一つ。フュージョン全盛期にあえてストレートなスウィング・ジャズを追求したセッション。コンコード・レコードには、こういった、フュージョン全盛期にリリースされた、優れた内容の純ジャズ盤が多々あるのだが、なぜか積極的に聴かれることが少ない。この『Rhythm Willie』は、今一度、再評価すべき、1970年代の純ジャズの隠れ好盤の一枚である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年5月 1日 (金曜日)

ジャパン・ミーツ・ジャズの一枚

このアルバムの副題は「ジャパン・ミーツ・ジャズ」で、独のMPS(SABA)レコードの「ジャズ・ミーツ・ザ・ワールド」シリーズの一作である。いわゆる「和洋折衷ジャズ’の好盤。3人の琴奏者(白根きぬ子、野坂恵子、宮本幸子)を加え、日本の伝統楽器である「琴」を本格的にジャズへ取り入れた斬新な構成が特徴。

白木秀雄『Sakura, Sakura』(写真左)。1965年11月1日、ベルリンでの録音。MPS(SABA)レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Hideo Shiraki (ds), Terumasa Hino (tp), Takeru Muraoka (ts, fl), Yuzuru Sera (p), Hachiro Kurita (b), Keiko Nosaka (koto : A1, A3, B1, B3), Kinuko Shurane (koto ; 曲: A1, A3, B1, B3), Sachiko Miyamoto (b-koto : 曲: A1, B1, B3)。

英語表記では「Hideo Shiraki Quintet + 3 Koto Girls」とある。フロント2管に、日野皓正のトランペット、村岡 建のテナー&フルート、リズム隊に、世良譲のピアノ、栗田八郎のベース、白木秀雄のドラム。この白木がリーダーのクインテットに、琴奏者が3人入った、オクテット編成。「琴」が前面的に入った、わが国のジャズ独特の、和楽器「琴」と洋楽器の融合、メインストリーム志向のクロスオーバー・ジャズである。
 

Sakura-sakura

 
琴を単なる「和の飾り」としてではなく、モダン・ジャズのアンサンブルに深く組み込んでいて、「琴」をジャズ楽器の一つとして扱ったアレンジは特筆に値する。: 琴の「間(ま)」を活かしつつ、4ビートの上で琴が即興演奏を繰り広げる展開は、当時のジャズ界でも類を見ない実験性を保っている。八城一夫による編曲が素晴らしい。良く書けている。フルートを尺八の代替として、似せた音色で吹くのもユニーク。

演奏の基本は「モード・ジャズ」。冒頭の「さくらさくら」を聴けば良く判る。琴のアルペジオから始まり、次第に熱を帯びるモーダルな展開。2曲目の「よさこい節」は、日本の土着的なリズムをジャズのグルーヴに上手く変換。4曲目の白木オリジナルの「祭りの幻想」は新アレンジ。日本の祭囃子のリズムとジャズの融合がユニーク。そして、5曲目「Alone, Alone and Alone」は日野のオリジナル曲。この曲では琴を省いた白木クインテットだけの演奏になる。

単なる和風ジャズの枠を超え、当時の世界のジャズシーンに対する「日本からの回答」とも言える歴史的一枚で、米国の日本贔屓のジャズ者には堪えられない内容ではないだろうか。和楽器を活用しているとはいえ、しっかりとジャズしているところは大いに評価しても良い。ただし、琴が参加する必然性については「疑問」に感じるのは否めない。そういう意味で、この盤は普遍的なジャズ盤では無く、企画盤であり実験作なんだろう。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年4月29日 (水曜日)

”新局面を迎える” 浅利史花です

プロ活動10周年を迎える浅利史花が、伝統的なオルガン・ジャズの系譜を受け継ぎながら、新たなステージへと踏み出した意欲作。これまでのキャリアを土台にしつつ、タイトルには、次の10年に向けて「新しいフェーズ(段階)」へ踏み出すという決意が込められている、とのこと。「伝統への敬意と、自分らしい新境地の融合」がテーマ。

Fumika Asari『Enter A New Phase』(写真左)。2026年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、浅利史花 (g), 長田信慶 (org), 柳沼佑育 (ds), ゲストに, 江澤茜 (as, : trk 4,6,8)。 日本のジャズギタリスト、浅利史花(あさり ふみか)のサード・アルバム。基本はギター・オルガン・ドラムの「OGDトリオ」スタイルで、一部楽曲にサックスが加わる。

今作の最大の特徴は、全編を通してオルガン・ジャズのスタイルを採用している点。伝統的で一番基本となる、ピアノ入りのギター・カルテットをメインにやってきたが、端正なバップスタイルの浅利のギターがあまりに綺麗過ぎて、伝統的なピアノ入りギター・カルテットでは、ジャズ・ギター独特のアーバンでジャジーでファンキーな雰囲気が立ち上がってこない。
 

Fumika-asarienter-a-new-phase  

 
そこで、このギター・オルガン・ドラムの「OGDトリオ」スタイルである。まず、オルガンが効いている。オルガンのファンキーでジャジーなグルーヴが、浅利のギターにファンクネスをふんわり塗して、浅利のギターがよりジャジーに響く。この「OGDトリオ」スタイルの採用が、浅利のギターに新たな魅力を付加した。そんな雰囲気がダイレクトに伝わる内容。

収録曲はスタンダード・カバー4曲+浅利オリシナル4曲の全8曲を収録。オリジナル曲は、当然、浅利のギターが映える曲で良い感じなんだが、やはり、スタンダード曲の「You Don't Know What Love Is」や「I'll Close My Eyes」の彼女独特の解釈とアレンジが現代的でグッド。決して、過去の成果に引き摺られていないところがグッド。

江澤茜のアルト・サックスのゲスト参加も効いている。演奏全体のファンキー度が上がって、浅利の端正で流麗なギターが浮き出てくる様な、不思議なアレンジ効果を生んでいる。オルガンとアルト・サックスの参加で、浅利のギターにファンクネスがふんわり被って、浅利のギターが正統派ジャジーなバップ・ギターにステップアップしている。3枚目のリーダー作。浅利のギターはその個性を確立した感がある。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年4月24日 (金曜日)

ジャック・マクダフの代表作です

今まで、あまり指摘されてこなかったが、ブルーノート・レーベルは、オルガン・ジャズの宝庫である。というのも、あのジャズ・オルガンの神様、ジミー・スミスをハウス・オルガニストとして囲っていた時代があって、それに加えて、その経験とノウハウを基に、以降、ポスト「ジミー・スミス」なオルガニストをこぞって、デビューさせた実績がそれを物語っている。

Brother Jack McDuff『Down Home Style』(写真左)。1969年6月10日の録音。ブルーノートの4322番。ちなみにパーソネルは、Brother Jack McDuff (org), Jay Arnold (ts), Charlie Freeman (g), Sammy Creason (ds), Unknown (el-b), Unidentified large band (tracks 2, 3 & 6)。フロント管がテナー1管、エレベ入りのクインテット編成。

躍動感溢れるエレ・ファンクとソウルフルなブルースで占められたオルガン・ジャズ。ブラザー・ジャック・マクダフのオルガンが大活躍、彼のオルガンの個性と特徴が良く判る好盤である。全体的には、聴き易さ優先のイージーリスニング志向で、躍動感溢れるエレ・ファンクとは言え、リズム&ビートは軽快、ソウルフルなブルースとは言え、雰囲気は洗練されていて都会的。ジャック・マクダフのオルガンも癖のないライトでアーバンなジャズ・オルガンを披露する。
 

Brother-jack-mcduffdown-home-style  

 
冒頭の「The Vibrator」を聴けば、その雰囲気が良く判る。聴き易さ優先のイージーリスニング志向。それでいて、リズム&ビートは軽快なファンク・ビート、フレーズの醸し出す雰囲気は「洗練されていて都会的」。上質なエレ・ファンクである。そして、4曲目の「Theme from Electric Surfboard」などは上質なソウル・ジャズで、リズム&ビートは明らかにR&B志向、オフビートが強烈でない分、ソウルフルなジャズの要素が前面に押し出されて、ジャジーな雰囲気が増幅されている。

そして、全編に渡って、誰のプレイなのか判らないのだが、エレクトリック・ベースのパフォーマンスが半端ない。どの曲でも、単にビートの供給に留まらない、フロントにカウンターをかますフレーズ弾きや、エレ・ファンクのビートを増幅する強烈なオフビートのフレーズ弾きなど、このアルバムの演奏のファンク度とソウル度を何段階にも増幅している。このエレベ、いったい誰が弾いたんだろう。このエレベはただ者ではない。相当のエレベの名手だと僕は想像している。

オルガン・ジャズが得意なブルーノート・レーベルの面目躍如的なブラザー・ジャック・マクダフの好盤。録音も、オルガン・ジャズとして、ジミー・スミスのダイナミックかつ攻撃的な神的オルガンで鍛えられたであろう、素晴らしい録音手法で、マクダフのパフォーマンスを記録している。4300番台のオルガン・ジャズの名盤として良い内容である。
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年4月23日 (木曜日)

再ミントンハウスのクリスチャン

チャーリー・クリスチャンは1916年生まれ。ジャズ・ギターの開祖とされるレジェンド。1939年、ベニー・グッドマン楽団のメンバーに起用される。楽団で演奏活動を行う一方、ニューヨークで、次世代のジャズを担うであろうキーマン的ジャズマン達、ディジー・ガレスピー、セロニアス・モンクらと出会い、ジャム・セッションを重ねる。

Charlie Christian & Dizzy Gillespie『Jazz Immortal: After Hours Monroe's Harlem Mintons - Live』(写真左)。1941年5月、ハーレムにあるミントンズ・プレイハウスでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Charley Christian (g), Dizzy Gillespie, Joe Guy (tp), Don Byas (ts), Kenny Kersey, Thelonious Monk (p), Nick Finton (b), Kenny Clarke (ds)。

1941年5月、ハーレムにあるミントンズ・プレイハウスで行われた「ビ・バップ誕生前夜」の必殺ライヴ音源。そんな、次世代のジャズを担うであろうキーマン的ジャズマン達と、ジャズ・ギターの開祖とされるレジェンド、チャーリー・クリスチャンとのジャム・セッションの記録である。録音したのは、アマチュアのジェリー・ニューマン。ダイレクト・カッティング方式の機械を持ち込んで収録したらしい。

2000年のリマスター音源を聴いているのだが、これが意外に良い。チャーリー・クリスチャンのギター・ソロもクリアーに録れていて、ガレスピーのトランペットや、ドン・バイアスのテナーのソロなど、躍動感の感じられる音で、なかなかに楽しめる。以前は、いかんせん、録音が悪いなあ、とヘビロテ盤とまではいかなかなったが、この音質であれば、ながら聴きにも十分耐える。
 

Charlie-christian-dizzy-gillespiejazz-im

 
チャ-リー・クリスチャンが、ジャズ界に残した功績は、それまでコード弾きでリズム楽器、若しくは伴奏楽器として、バッキング・オンリーだったギターという楽器を、脅威の一本弾きで、管楽器同様、フロント楽器として、ソロがとれる楽器へと進化させたこと。

そのフロント楽器としてのソロ・パフォーマンスがこのライヴ盤にしっかりと記録されていて、今の耳にも十分に訴求するテクニックの素晴らしさ、フレーズのユニークさである。このライヴ盤でのチャーリー・クリスチャンのギターを、現代のジャズ・シーンに持ち込んでも十分に通用する内容とテクニックの高さ。電光石火なクリスチャンの「カッ飛び」ソロは聴き応え十分。

ちなみに、このライヴ盤は、チャーリー・クリスチャンとディジー・ガレスピーとの双頭リーダー扱いになっているが、そもそも、チャーリー・クリスチャンは生涯、リーダー作を出していない。

わが国では、邦題「ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン」でリリースされているのでややこしいのだが、収録全9曲中、5曲までチャーリー・クリスチャン入りのジャム・セッションの記録になる。その5曲「Swing to Bop」「Stompin' at the Savoy」「Up on Teddy's Hill」「Guy's Got to Go」「Lips Flips」のパフォーマンスで、チャーリー・クリスチャンの弾くギターの特徴がはっきりと判る。

2000年のリマスター音源では、ジャズ者初心者の方々にもお勧め出来る音質になっていて、チャーリー・クリスチャンの「ジャズ・ギターの開祖」とされる所以が良く判る。今までは、ジャズ者中堅の方々からジャズ者ベテランの方々向け、としていたが、音質が改善された音源については、ジャズ者初心者の方々に是非、聴いて欲しいレベルのライヴ盤に昇格している。
 
 
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年4月22日 (水曜日)

エリントン楽団の小作品集です

リラックスして聴けるビッグバンドの演奏の数々。ピアノをストレイホーンに全面的に任せている曲や、珍しい楽器(バスクラリネットやバイオリンなど)がソロをとる場面が多くあって、普段のエリントン楽団のビッグバンド・サウンドとは一味違う、「室内楽のような親密さ」を感じられるのが最大の特徴。

Duke Ellington『Blues in Orbit』(写真左)。1958年2月4, 12日、1959年2月25日、12月2, 3日の録音。ちなみにパーソネルは、Duke Ellington (p), Billy Strayhorn (p), Ray Nance (tp, vln), Britt Woodman (tb), Jimmy Hamilton (cl, ts), Johnny Hodges (as), Russell Procope (as, cl), Paul Gonsalves (ts), Harry Carney (bs), Jimmy Woode (b), Jimmy Johnson, Sam Woodyard (ds) をはじめとする、デューク・エリントン楽団。

当時のエリントン楽団の充実ぶりを伝える重要作として高く評価すべきアルバムである。豪華なブルース・ナンバーがやっぱり良い。「Three J's Blues」は、3人の「J」から始まる奏者、ジミー・ハミルトン(クラリネット)、ジョン・サンダース(トロンボーン)、ジョニー・ホッジス(アルトサックス)のソロをフィーチャーした12小節ブルース。「C Jam Blues」は、エリントンの代表的なスタンダード曲。
 

Duke-ellingtonblues-in-orbit

 
このアルバムのタイトル曲は「Blues in Orbit」。非常にスローで重厚なブルース。夜の静寂を感じさせるような、深く落ち着いた演奏が、当時の「深夜のセッション」という録音環境を象徴している。アルバムの最後を飾る「Villes Ville Is the Place, Man」は、アップテンポでエネルギッシュな曲。ホッジスの伸びやかなサックスと、楽団全体のダイナミックなアンサンブルが最高に恰好良い。

エリントンの右腕、ビリー・ストレイホーンが作曲・編曲を手がけ、自らピアノも弾く、洗練されモダンな響きを持つ「Smada」。「Blues in Blueprint」は、低音のバスクラリネットが印象的な、不気味でミステリアスな雰囲気を持つブルース。エリントンとストレイホーンによる実験的な響きがユニーク。

ブルースを中心とした小作品集。当時、エリントンが取り組んでいた組曲形式の大作とは対照的な内容。プロデューサーのテオ・マセロによると、セッションは深夜0時に始まり、午前2時にはステーキの出前で休憩を挟むといった、非常にリラックスした環境で録音されたとのこと。「ルーズなジャム(即興)」志向の、当時のエリントン楽団としては珍しいスタジオ録音盤。バーチャル音楽喫茶「松和」のエリントンの愛聴盤の一枚である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年4月16日 (木曜日)

”Jazz Message #2” の再聴

内容は良いのに話題に上ることが少ない盤。よくある「あるある」はジャケット。ジャケット・デザインの意味するところが判らない盤は、なかなか人気が出ない。このモブレーのリーダー作が、その最たる例だろう(笑)。どうして、こういうジャケット・デザインになったのか、理解に苦しむ(笑)。サボイ・レーベルの謎である。

Hank Mobley『Jazz Message #2』(写真左)。1956年7月23日、11月7日の録音。Savoyレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは以下の通り。リーダーのハンク・モブレーのテナーと、ダグ・ワトキンスのベースは、2回のセッション共通。後は、総取っ替えである。

1曲目「Thad's Blues」,2曲目「Doug's Minor B' Ok」は、1956年1月7日の録音で、Hank Mobley (ts), Lee Morgan (tp), Hank Jones (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds)。

3曲目「B. for B.B.」4曲目「Blues Number Two」5曲目「Space Flight」は、1956年7月23日の録音で、Hank Mobley (ts), Donald Byrd (tp), Barry Harris (p), Doug Watkins (b), Kenny Clarke (ds)。
 

Hank-mobleyjazz-message-2  

 
サヴォイ・レーベルの録音なので、音がまずまず良い。1956年、ハード・バップ全盛に向かって、若きジャズ・ミュージシャン達が技を競い合った時期。ハードバップど真ん中な、躍動感溢れる、熱気ムンムンの演奏に思わず、聴き耳を立ててしまう。

若きモブレーの、まだ荒削りで野太い、それでいて歌心を感じさせるテナーは「これぞモダン・ジャズ」的な音で、聴いていて心が和みます。ワトキンスのベースは、太くて堅実。ブンブン鳴ってます。

1曲目「Thad's Blues」,2曲目「Doug's Minor B' Ok」では、リー・モーガンのトランペットが溌剌としてブリリアント。バリバリとテクニックよろしく、うるさいくらい元気に、トランペットを吹き上げていく。若きモブレーの、まだ荒削りで野太い、それでいて歌心を感じさせるテナーで、モーガンに追従する。

3曲目「B. for B.B.」4曲目「Blues Number Two」5曲目「Space Flight」でのトランペットは、ドナルド・バード。バードのトランペットも溌剌としてブリリアント。バリバリとテクニックよろしく、理知的に元気に、トランペットを吹き上げていく。バードの端正で理知的なトランペットは聴きもの。

ペットのモーガンやバードは、もうこの頃、既に、彼らそれぞれ特有の「クセ」が、ところどころに見え隠れして優秀。。ハード・バップの美味しいところが詰め込まれていて楽しい。リラックスして聴けます。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年4月14日 (火曜日)

ECMらしいテナー・トリオの記録

やっと春らしくなった、というか、今年の春は暖かい、というか、暑い(笑)。でも、部屋の中の雰囲気は、明らかに「春」で、少し窓を開けて、春風を入れながら聴くジャズは格別なものがある。そして、そんな「春」の昼下がりの雰囲気に合うジャズのひとつに「ECMジャズ」がある。そのECMジャズをカタログ番号順に記事にしてきて、今、「ECM Records Discography 1101-1199番」を走っている。

Paul Motian Trio『Dance』(写真左)。1977年9月の録音。ECMの1108)番。ちなみにパーソネルは、Charles Brackeen (ss, ts), David Izenzon (b), Paul Motian (ds, perc)。ECMの録音とはいえ、トリオの3人は米国出身。このトリオについては、ピアノレスのテナー、ベース、ドラムスのトリオ編成。リーダーはドラマーのポール・モチアンという異色作。

ハードバップ時代からの職人芸ドラマーのポール・モチアンがリーダー、サックス奏者のチャールズ・ブラッキーンとベーシストのデヴィッド・アイゼンゾンが参加してした、ピアノレス・トリオの演奏である。加えて、サックスのブラッキーンとベースのアイゼンゾンは、米国出身のジャズマンではあるが、マイナーな存在。そんな一種危うい編成のトリオ演奏なのだが、さすがはECM、なかなか内容の整った演奏内容に感心する。
 

Paul-motian-triodance

 
内容的には、限りなくフリーに近いモーダルな演奏がメインで時々フリー。メロディー・フレーズは、フロント管のチャールズ・ブラッキーンのサックスに依存するしか無いのだが、これがまずまず健闘している。凄まじくモーダルに展開する訳ではないのだが、欧州ジャズ的なクールな熱の入った、まずまずモーダルなサックスは合格点。そこに、アイゼンゾンのベースが、やはりモーダルに絡み、モチアンのドラムが演奏全体のトーンと展開をコントロールしている。

ピアノレスのテナー・トリオなんだが、ダレたり単調になったりするところが無いのは立派。3者3様のパフォーマンスを基に、適度なテンションを張ったインタープレイを展開しているところが、即興演奏をジャズとしている、ECMレーベルの音。モーダルなアイゼンゾンのベースは意外と良い。モーダル時々フリーな演奏を見事にコントロールするモチアンのドラムはさすがである。

僕がこのピアノレス・テナー・トリオの演奏を知ったのは数年前。トリオの3人とも米国出身なのに、出てくる音は欧州のECMジャズの音。ECMレーベルの録音についての音作りの個性、限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音と、ECMの総帥プロデューサー、マンフレート・アイヒャーの強烈なプロデュース力を再認識する。ECMらしい、ピアノレス・テナー・トリオの演奏の記録である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

2026年4月10日 (金曜日)

再聴 ”サンフランシスコのモンク”

最近、音楽のサブスク・サイトでも、クラシック・ジャズ、特に、ハードバップの名盤・好盤のリマスターがどんどん出てきている。聴いてみると、ほとんどが音質、音の分離、音の輪郭などが改善されていて、アルバムによっては、全く違ったイメージに感じてしまうリマスターもあるくらい。なので、ハードバップの名盤・好盤のリマスター盤が出たら、積極的に聴くことにしている。

Thelonious Monk『Thelonious Alone in San Francisco』(写真左)。1959年10月の録音。リヴァーサイド・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Thelonious Monk (p) のみ。アルバム・タイトルどおり、ジャズ・ピアノの高僧、セロニアス・モンクのソロ・ピアノ集である。ジャケット・デザインもお洒落な「モンク名盤」の一枚。

同じリヴァーサイド・レコードから、先行してリリースされたソロ・アルバム『Thelonious Himself』があるのだが、凛とした雰囲気漂い、「寄らば切るぞ」というような、強いテンションを張った、清冽な雰囲気漂う孤高の世界だった。決して、初心者向けでは無い。しかし、このソロ盤が一番、モンクの個性と特徴を表していて、この盤を繰り返し聴くことが、モンクを理解する一番の近道だったように思う。
 

Monk_san_francisco_3

 
しかし、である。このソロ・アルバムのモンクは「聴きやすい」。モンクのユニークな音の飛び方、音の重ね方、フレーズの「間」などが、凄く判り易くなっている。クラシック・ピアノをやっている人が理解しやすい、というか、西洋音楽の対極にある様なモンクのピアノが、このソロ盤では、西洋音楽の基本にかなり近づいている。これは、恐らく、モンクの意向だと思われるのだが、どういった心境の変化なのか。

僕はこのモンクのソロ盤を聴いて、モンクは普通のピアノも弾けるんだ、と驚いた。つまり、モンクはピアニストとしての基本をしっかり身につけていた、ということになる。それを前提にして、あのモンクのユニークな音の飛び方、音の重ね方、フレーズの「間」などがあるのだと。

モンクは奇人・変人なピアニストでは無い。モンクは、スタンダードなピアニストであり、ピアノの基本がしっかりあって、その上で、ニークな音の飛び方、音の重ね方、フレーズの「間」などを実現する天才である。この盤は、モンクのピアニストとしての基本部分がしっかりしていることを教えてくれる、暖かくて、優しくて、ほのぼのとしていて、ジャズ者初心者に対しても、モンクのソロ・ピアノ入門盤として適している所以である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2024.01.07 更新

    ・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
   記事をアップ。

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新

  ・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
   の記事をアップ。

Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から15年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

_Blue Noteの100枚 _ECMのアルバム45選 _この盤のドラムを聴け! _この盤のピアノを聴け! _こんなアルバムあったんや _ながら聴きのジャズも良い _クリスマスにピッタリの盤 _コンテンポラリーな純ジャズ _ジャケ買い「海外女性編」 _ジャズ・ギターの名演 洋楽編 _ジャズ喫茶で流したい _トランペットの隠れ名盤 _ビッグバンド・ジャズは楽し _ビートルズのカヴァー集 _ピアノ・トリオの代表的名盤 _フェンダー・ローズを愛でる _フュージョン・ジャズの優秀盤 _僕なりの超名盤研究 _和ジャズの優れもの _和フュージョンの優秀盤 _夜の静寂にクールなジャズ _音楽喫茶『松和』の昼下がり A&Mレーベル AOR Argo & Cadetレーベル Atlanticレーベル Bethlehemレーベル Blue Note 1500番台 Blue Note 4000番台 Blue Note 4100番台 Blue Note 4200番台 Blue Note 4300番台 Blue Note 4400番台 Blue Note 85100 シリーズ Blue Note LTシリーズ Blue Noteレーベル Candidレーベル CTIレーベル DD・ブリッジウォーター ECMレーベル Electric Birdレーベル Enjaレーベル Jazz Miles Reimaginedな好盤 Pabloレーベル Pops Prestigeレーベル R&B Riversideレーベル Savoyレーベル Smoke Sessions Records SteepleChaseレーベル T-スクエア The Great Jazz Trio TRIX Venusレコード Yellow Magic Orchestra 「松和・別館」の更新 アイク・ケベック アキコ・グレース アジムス アストラッド・ジルベルト アダムス=ピューレン4 アブドゥーラ・イブラヒム アラン・ホールズワース アル・ディ・メオラ アントニオ・サンチェス アンドリュー・ヒル アンドレ・プレヴィン アート・アンサンブル・オブ・シカゴ アート・ファーマー アート・ブレイキー アート・ペッパー アーネット・コブ アーマッド・ジャマル アール・クルー アール・ハインズ アーロン・ゴールドバーグ アーロン・パークス イエロージャケッツ イスラエル・ジャズ イタリアン・ジャズ イリアーヌ・イリアス イリノイ・ジャケー インパルス!レコード ウィントン・ケリー ウィントン・マルサリス ウェイン・ショーター ウェザー・リポート ウェス・モンゴメリー ウエストコースト・ジャズ ウォルフガング・ムースピール ウディ・ショウ ウラ名盤 エグベルト・ジスモンチ エスビョルン・スヴェンソン エスペランサ・スポルディング エディ・ハリス エメット・コーエン エリック・アレキサンダー エリック・クラプトン エリック・ドルフィー エルヴィン・ジョーンズ エロール・ガーナー エンリコ・ピエラヌンツィ エンリコ・ラヴァ オスカー・ピーターソン オズ・ノイ オーネット・コールマン カウント・ベイシー カシオペア カーティス・フラー カート・ローゼンウィンケル カーラ・ブレイ ガボール・ザボ キャノンボール・アダレイ キャンディ・ダルファー キング・クリムゾン キース・ジャレット ギラッド・ヘクセルマン ギル・エバンス クインシー・ジョーンズ クイーン クリスチャン・マクブライド クリス・ポッター クリフォード・ブラウン クルセイダーズ クレア・フィッシャー クロスオーバー・ジャズ グラント・グリーン グレイトフル・デッド グローバー・ワシントンJr ケイコ・リー ケニーG ケニー・ギャレット ケニー・ドリュー ケニー・ドーハム ケニー・バレル ケニー・バロン ゲイリー・バートン ゴンサロ・ルバルカバ ゴーゴー・ペンギン サイケデリック・ジャズ サイラス・チェスナット サザンロック サド・ジョーンズ サム・ヤヘル サム・リヴァース サンタナ サン・ラ・アーケストラ ザ・バンド シェリー・マン シダー・ウォルトン シャイ・マエストロ シャカタク ジェイ & カイ ジェイ・ジェイ・ジョンソン ジェフ・テイン・ワッツ ジェフ・ベック ジェラルド・クレイトン ジェリー・マリガン ジミ・ヘンドリックス ジミー・スミス ジミー・ヒース ジム・ホール ジャキー・マクリーン ジャコ・パストリアス ジャズ ジャズの合間の耳休め ジャズロック ジャズ・アルトサックス ジャズ・オルガン ジャズ・ギター ジャズ・テナーサックス ジャズ・トランペット ジャズ・トロンボーン ジャズ・ドラム ジャズ・バリトン・サックス ジャズ・ピアノ ジャズ・ファンク ジャズ・フルート ジャズ・ベース ジャズ・ボーカル ジャズ・レジェンド ジャズ・ヴァイオリン ジャズ・ヴァイブ ジャック・デジョネット ジャン=リュック・ポンティ ジュニア・マンス ジュリアン・ラージ ジョエル・ロス ジョシュア・レッドマン ジョナサン・ブレイク ジョニ・ミッチェル ジョニー・グリフィン ジョン・アバークロンビー ジョン・コルトレーン ジョン・コルトレーン on Atlantic ジョン・コルトレーン on Prestige ジョン・スコフィールド ジョン・テイラー ジョン・マクラフリン ジョン・ルイス ジョン・レノン ジョーイ・デフランセスコ ジョージ・ケイブルス ジョージ・デューク ジョージ・ハリソン ジョージ・ベンソン ジョー・サンプル ジョー・パス ジョー・ファレル ジョー・ヘンダーソン ジョー・ロヴァーノ ジーン・アモンズ スタッフ スタンリー・タレンタイン スタン・ゲッツ スティング スティング+ポリス スティービー・ワンダー スティーヴ・カーン スティーヴ・ガッド スティーヴ・キューン ステイシー・ケント ステップス・アヘッド スナーキー・パピー スパイロ・ジャイラ スピリチュアル・ジャズ スムース・ジャズ スリー・サウンズ ズート・シムス セシル・テイラー セロニアス・モンク ソウル・ジャズ ソウル・ミュージック ソニー・クラーク ソニー・スティット ソニー・ロリンズ ソロ・ピアノ タル・ファーロウ タンジェリン・ドリーム ダスコ・ゴイコヴィッチ チェット・ベイカー チック・コリア チック・コリア(再) チャーリー・パーカー チャーリー・ヘイデン チャールズ・ミンガス チャールズ・ロイド チューリップ テッド・カーソン テテ・モントリュー ディジー・ガレスピー デイブ・ブルーベック デイヴィッド・サンボーン デイヴィッド・ベノワ デオダート デクスター・ゴードン デニー・ザイトリン デュオ盤 デューク・エリントン デューク・ジョーダン デューク・ピアソン デヴィッド・ボウイ デヴィッド・マシューズ デヴィッド・マレイ トニー・ウィリアムス トミー・フラナガン トリオ・レコード ドゥービー・ブラザース ドナルド・バード ドン・チェリー ナット・アダレイ ニルス・ラン・ドーキー ネイティブ・サン ネオ・ハードバップ ハロルド・メイバーン ハワード・マギー ハンク・ジョーンズ ハンク・モブレー ハンプトン・ホーズ ハービー・ハンコック ハービー・マン ハーブ・アルパート ハーブ・エリス バディ・リッチ バド・シャンク バド・パウエル バリー・ハリス バーニー・ケッセル バーバラ・ディナーリン パット・マルティーノ パット・メセニー ヒューバート・ロウズ ビッグ・ジョン・パットン ビリー・コブハム ビリー・チャイルズ ビリー・テイラー ビル・エヴァンス ビル・チャーラップ ビル・フリゼール ビル・ブルーフォード ビートルズ ファラオ・サンダース ファンキー・ジャズ フィニアス・ニューボーンJr フィル・アップチャーチ フィル・ウッズ フォープレイ フランク・ウエス フランク・シナトラ フリー フリー・ジャズ フレディ・ローチ フレディー・ハバード ブッカー・アーヴィン ブッカー・リトル ブライアン・ブレイド ブラッド・メルドー ブランフォード・マルサリス ブルース・スプリングスティーン ブルー・ミッチェル ブレッカー・ブラザーズ プログレッシブ・ロックの名盤 ヘレン・メリル ベイビー・フェイス・ウィレット ベニー・グリーン (p) ベニー・グリーン (tb) ベニー・ゴルソン ペッパー・アダムス ホレス・シルバー ホレス・パーラン ボサノバ・ジャズ ボビー・ティモンズ ボビー・ハッチャーソン ボビー・ハンフリー ボブ・ジェームス ボブ・ブルックマイヤー ポップス ポール・サイモン ポール・デスモンド ポール・ブレイ ポール・マッカートニー マイク’・スターン マイケル・ブレッカー マイルス( ボックス盤) マイルス(その他) マイルス(アコ)改訂版 マイルス(アコ)旧版 マイルス(エレ)改訂版 マイルス(エレ)旧版 マックス・ローチ マッコイ・タイナー マハヴィシュヌ・オーケストラ マルグリュー・ミラー マル・ウォルドロン マンハッタン・ジャズ・5 マンハッタン・ジャズ・オケ マンハッタン・トランスファー マーカス・ミラー ミシェル・ペトルチアーニ ミルト・ジャクソン モダン・ジャズ・カルテット モンティ・アレキサンダー モード・ジャズ ヤン・ガルバレク ヤン・ハマー ユセフ・ラティーフ ユッコ・ミラー ラテン・ジャズ ラムゼイ・ルイス ラリー・カールトン ラリー・コリエル ラリー・ヤング ラルフ・タウナー ランディ・ブレッカー ラーズ・ヤンソン リッチー・バイラーク リトル・フィート リンダ・ロンシュタット リー・コニッツ リー・モーガン リー・リトナー ルー・ドナルドソン レア・グルーヴ レイ・ブライアント レイ・ブラウン レジェンドなロック盤 レス・マッキャン レッド・ガーランド レッド・ツェッペリン ロイ・ハーグローヴ ロック ロッド・スチュワート ロニー・リストン・スミス ロバート・グラスパー ロベン・フォード ロン・カーター ローランド・カーク ローランド・ハナ ワン・フォー・オール ヴィジェイ・アイヤー ヴィンセント・ハーリング 上原ひろみ 北欧ジャズ 古澤良治郎 吉田拓郎 向井滋春 四人囃子 国府弘子 増尾好秋 大村憲司 大江千里 天文 天文関連のジャズ盤ジャケ 太田裕美 寺井尚子 小粋なジャズ 尾崎亜美 山下洋輔 山下達郎 山中千尋 敏子=タバキンBB 旅行・地域 日本のロック 日本男子もここまで弾く 日記・コラム・つぶやき 日野皓正 書籍・雑誌 本多俊之 松岡直也 桑原あい 欧州ジャズ 歌謡ロック 深町純 渡辺貞夫 渡辺香津美 米国ルーツ・ロック 英国ジャズ 荒井由実・松任谷由実 西海岸ロックの優れもの 趣味 阿川泰子 青春のかけら達・アーカイブ 音楽 高中正義 70年代のロック 70年代のJポップ

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー