美しき女性ジャズ・ファンクです
1960年代終盤、大手レコード会社の傘下に入ったブルーノートは、いわゆる、売らんが為の「明らかに聴き手に迎合した、売れ筋を意識した、ライトで聴き易いジャズ」の制作に舵を切る。イージーリスニング志向の「ファンキー&ソウル・ジャズ」、そして「軽快で優しいジャズ・ファンク」なアルバムを制作する。そんな中の、イージーリスニング志向の「ファンキー&ソウル・ジャズ」ど真ん中なアルバム。
Bobbi Humphrey『Flute-In』(写真左)。1971年9月30日、10月1日の録音。ブルーノートの4379番。ちなみにパーソネルは、Bobbi Humphrey (fl), Lee Morgan (tp), Billy Harper (ts), George Devens (vib, marimba, perc), Hank Jones, Frank Owens (p, el-p), Gene Bertoncini (g), George Duvivier (b), Gordon Edwards (el-b), Jimmy Johnson, Idris Muhammad (ds), Ray Armando (conga)。
米国のジャズ・フルート奏者ボビー・ハンフリーのデビュー・アルバム。当時21歳だった彼女の瑞々しくファンキーなフルートプレイが堪能できる、ソウル・ジャズ/ジャズ・ファンクの好盤。音の作りが、「明らかに聴き手に迎合した、売れ筋を意識した、ライトで聴き易いジャズ」であり、イージーリスニング志向の「ファンキー&ソウル・ジャズ」である。
彼女の才能を見出したトランペット奏者のリー・モーガンをはじめ、テナーサックスのビリー・ハーパー、ピアノに、ハンク・ジョーンズ、ドラムは、イドリス・ムハマッドといった、ハードバップ時代からの名手ばかり、豪華なメンバーがバックを固めている。ジョージ・バトラーがプロデュース、ウェイド・マーカスが編曲を担当し、70年代ブルーノートの新しいサウンドがこのアルバムに溢れている。
アルバムの内容としては、それぞれの楽曲のスタイルに合わせて「アコースティック主体の正統派ジャズ・チーム」と「エレクトリックを取り入れたファンク・チーム」の2つのセッションに分かれている。ビル・ウィザースの「Ain't No Sunshine」やキャロル・キングの「It's Too Late」、スペイン・ハーレムなどのポップス/ソウルの名曲を軽快なジャズファンク・スタイルでカバーしているところも、ブルーノートの4300番台らしい内容。
「Ain't No Sunshine」は、ビル・ウィザースが同1971年に放った大ヒットソウル曲のカバー。ハンク・ジョーンズの美しいピアノと、イドリス・ムハマッドの重厚なドラムをバックに、哀愁漂うフルートのメロディが際立つ名演。「It's Too Late」は、キャロル・キングの名盤『つづれおり』に収録されたポップス史に残る名曲のカバー。ゴードン・エドワーズのエレキベースが効いた、軽快でグルーヴィな16ビート・ジャズファンクに仕上がっている。
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