ECMバートン・サウンドの転換点
1978年当時のゲイリー・バートンのバンドとしては、ユニークな編成になっている。それまでは、フロントのパートナーとして、ギタリスト(パット・メセニーやジョン・スコフィールド)を採用してきたが、このアルバムでは、日本出身のトランペッターであるタイガー大越を抜擢している。ギターの代わりにトランペットが入ったことで、従来のバートン・クァルテットとは異なるサウンドが生まれている。
Gary Burton『Times Square』(写真左)。1978年1月、NYでの録音。ECMの1111番。ちなみにパーソネルは、ary Burton (vib), Tiger Okoshi (tp), Steve Swallow (b), Roy Haynes (ds)。ゲイリー・バートンのヴィブラフォン、タイガー大越のトランペットがフロントのカルテット編成。
ベースとドラムのリズム隊がユニーク。ジャズ界のレジェンド・ドラマーであるロイ・ヘインズと、バートンの長年の盟友であるベーシスト、スティーヴ・スワロウによる、実に豪華な、実に当時のジャズのスタンダードな、どこか米国ジャズ的な強靱なグルーヴが、ECMレーベルのサウンドからするとユニーク。
アタック感の強いタフでエネルギッシュな推進力については、ロイ・ヘインズのドラミングに依るところが大きい。このレジェンド・ドラマーの叩き出すリズム&ビートが、この盤の演奏全体に「タフでエネルギッシュな推進力」を与えていることが判る。
加えて、タイガー大越のトランペットも米国ジャズ的な音。このヘインズとタイガー大越の参加が、バートンのバンドに、米国的なサウンド要素「トランペットの鋭く都会的なファンキーさ」を付加して、欧州ジャズ+米国ジャズな、グローバルなジャズ・サウンドを創出している。
この「ギターの代わりにトランペット」という大胆な方針転換によって、それまでの「クールで浮遊感のあるモダンなサウンド」が、ECMレーベルらしい透明感のある耽美的なサウンドに加え、アタック感の強いタフでエネルギッシュな推進力、そうどこか米国ジャズ的な躍動感が付加された、グローバルなポストバップ&ニュージャズな演奏内容になっている。
バートンのヴァイブは変わらない。従来通りのピアノのように、どこまでも滑らかでクリスタルな4本マレット奏法。その音色は濁りがなく、水晶(クリスタル)のようにどこまでもクリア。ピアノのように複雑なコード(和音)とメロディを同時に、しかも超高速で弾きまくる。
バートンのヴァイブはそのままに、アルバムタイトルの通り、ニューヨークの「タイムズ・スクエア」の喧騒やエネルギーを、そのままECMの耽美的で洗練されたサウンドに持ち込んだような、バートンの作品群の中でも最もパワフルでファンキーな一枚になっている。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
★ AORの風に吹かれて
★ まだまだロックキッズ 【New】 2024.01.07 更新
・西海岸ロックの雄、イーグルス・メンバーのソロ盤の
記事をアップ。
★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2024.01.08 更新
・チューリップ『ぼくが作った愛のうた』『無限軌道』
の記事をアップ。
★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
東日本大震災から15年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。













最近のコメント