クリムゾンのライブ盤に想う
週末の土日。我がバーチャル音楽喫茶『松和』の当ブログは「70年代ロック・Jポップ」の日。今日はプログレッシブ・ロックの話題。
キング・クリムゾン。イングランド出身のプログレ・バンド。結成は1968年。ギターのロバート・フリップが主宰、数々のメンバー・チェンジや活動休止期間を経て、通算の活動年数は結成から約50年に及ぶ。
ハードでメタリックな側面と叙情的な側面とが絶妙にブレンドされた音楽性と破格の演奏力の高さによって、一聴すれば「キン・クリ(と僕達は略していた)」の音と判る位の圧倒的個性を誇る、老舗プログレ・バンドである。フィリップ翁を始め、キン・クリは現在も健在で、つい最近『Heroes - Live in Europe 2016』(写真左)という新EPをリリースしている。
デヴィッド・ボウイの「Heroes」のカヴァーも収めたもので、これがなかなか秀逸な内容。この新EPでの「Heroes」はキン・クリがベルリンのアドミラルスパラストで演奏したもの。ボウイ独特の個性を維持しつつ、キン・クリならではの演奏でカヴァーしている。これがなかなかの出来で気に入っている。
他の楽曲、2016年欧州ツアー音源の中からそれぞれ未発表ライブ音源になるが、「Easy Money」「Starless (Edit)」「The Hell Hounds Of Krim」も高い演奏力をもって、実にキン・クリらしい、迫力のあるハードでメタリックな演奏が実に良い。やっぱ上手いね〜、このバンド。 現在のキン・クリはトリプルドラムをモチーフにしたバンドだが、その特徴が良く活かされている。
さて、9月に入って「秋」である。秋のこの9月〜10月にかけて、よく聴くキング・クリムゾンのアルバムが、King Crimson『USA』(写真右)。1975年3月のリリース。ちなみにメンバーは、Robert Fripp (g, Mellotron), John Wetton (b, vo), David Cross (vln), Bill Bruford (ds, perc)。『太陽と戦慄』のメンバー構成。
これが結構、キン・クリらしいライブ盤で、今でも結構聴く。しかし、確かにキン・クリらしい、とてもハードでメタリック、抒情性はあるがポップとは無縁。音もちょっと荒れていて迫力満点。で、僕がこのライブ盤に初めて触れたのが、ロックを聴き始めて、僅か半年の頃。このライブ盤の迫力とテンションが受けきれなくて、暫くお蔵入り(笑)。
それから半年、1975年の秋、ちょうど10月の下旬だったか、そう高校2年の秋。クラブを引退して、受験勉強に集中していく頃なのだが、目の障害の問題で進学したかった理系の学部に一切進むことが出来ない、ということが判って、途方に暮れてドップリ暗くなっていた頃。何か背中を押してくれる、心を活性化してくれる音が欲しい。
そういう中で聴いて、思いっきり感動したライブ盤が、このキン・クリの『USA』である。聴く度に、このライブ盤に詰まっている、キン・クリ独特の「迫力のあるハードでメタリックなテンションの高い演奏」が背中を押してくれる、心を活性化してくれる。当時のライブ盤独特の荒れた音も硬派で良い。キン・クリのライブ盤の中では、秋限定、ダントツのヘビロテ盤である。
東日本大震災から6年5ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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