ハッチャーソンのモード・ジャズ
レココレ誌の執筆陣が選んだ、ブルーノート盤の「ベスト100」。まずは、このレココレ誌が選んだ「ベスト100」のアルバムの中で、当ブログで扱ったことが無いアルバムをピックアップして聴き直している。今日は、1960年代のモダン・ジャズの演奏トレンドの代表格「新主流派ジャズ」の好盤。
Bobby Hutcherson『Components』(写真左)。1965年6月10日の録音。ちなみにパーソネルは、Bobby Hutcherson (vib, marimba), James Spaulding (as, fl), Freddie Hubbard (tp), Herbie Hancock (p, org), Ron Carter (b), Joe Chambers (ds)。1966年リリース、ハッチャーソンのリーダー作第2作目。
前作『Dialogue』のパーソネルの違いは、ピアノがヒルからハンコックへ。サックス・フルートがリヴァースからスポルディングに変わっている。前作から前衛度合いが後退し、フリーへの傾倒が弱くなった。「モーダルで限りなくフリーな演奏、現代音楽に通じる硬質でクリスタルな響き」が弱まって、ハードバップの展開をそこはかとなく残した、メインストリーム志向の新主流派ジャズに落ち着いている。
初リーダー作の「肩に力が入った状態」がほどよく緩和されて、当時のジャ演奏のトレンドである、新主流派のモード・ジャズを目一杯に展開している。この盤での、ハッチャーソンのモード・ジャズは、レベル・精度ともに高い。この盤で「ハッチャーソンの考えるモード・ジャズ」が確立している、と感じる。ポスト・バップの響きが芳しい。ハッチャーソンのヴァイブの新主流派度合いは見事なもので、ハッチャーソンのモーダルなヴァイブは完成の域に達している。
そして、そのハッチャーソンのモーダルなヴァイブを支え、鼓舞し、前面に押し出しているのは、ハンコックのピアノ。ハンコックは、新主流派のモード・ジャズの「ツボ」を誰よりも心得ていて、ハンコックのモード・ジャズにおける伴奏パフォーマンスは素晴らしい。ここでは、ハッチャーソンの考えるモード・ジャズに則った、素晴らしいモーダルな伴奏を繰り広げている。
当時のジャズ演奏のトレンドである、新主流派のモード・ジャズの秀作の1枚である。ハッチャーソンの考えるモード・ジャズが確立し、パーソネルの面々は、ハッチャーソンの考えるモード・ジャズに則った、素晴らしいモーダルなパフォーマンスを披露する。好盤である。
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